山崎豊子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前作の事故から会社の在り方から建て直すために、恩地をはじめ、総理から指名され、戦時中の仲間を守れなかった思いがあり、第二の出兵として引き受ける国見
もう無理なのではないかと思うくらいに、どす黒く淀んだ社内の組織に辛くなります。
次の最終巻のクライマックスに向けての前段という感じで、面白いというよりは、そこにいる恩地、会長、恩地のかつての友である行天が置かれている状況に、どこの立場であっても大変なことに変わりないと思ってしまいました。
犠牲者の遺族や、組合など寄り添うことの難しさにフィクションには出せない底のない沼を感じる一作です。
10年間海外でたらい回しにされ、組合長を経験している恩 -
Posted by ブクログ
大地の子ですら壮絶な半生を通して行き着いた結論があったから予想していなかった胸糞悪い終わり方に思わず声が出た。正直、賢治の心情(山崎豊子さんの東京裁判への解釈)に100%共感できるわけではないし、自分の祖国がアメリカと日本と2つあってその間で苦しむ気持ちが想像しがたい部分もあって入り込めないところもあったが、フィクションとはいえ当時を追体験するようなリアリティで面白かった。
山崎さんが書く本の圧倒的な取材量に基づく重厚さは今もこれから出てくる小説にももうないんじゃないかと思う。景気の影響とか本がもっと読まれていて権威を持っていた時代だったとかいう要因もあるのかな。