山崎豊子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ未完の作品。
約束の海とは、父親が兵士として訓練した愛媛の海で、父親と息子の戦争の無い平和を約束することであった。
あらすじ
潜水艦くろしおのクルーである花巻は、海上自衛隊として働く。日本を守るために働いているが、その仕事の認知度は低く、家にも帰れず、彼女もいない。
そんな花巻がフルート演奏者の頼子と出会い好きになる。演奏会を聞きに行き、少し話す中で互いに好意を抱く。
しかし、そんな中悲劇が起こる。花巻の乗るくろしおが海上運転中に遊漁船と衝突し、遊漁船に乗られてた乗員30人以上が犠牲となる事故を起こす。社会は海上自衛隊を非難し、取り調べも辛い時期を過ごす。
そんな中でも真実を知りたいと思う頼 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全編通しての感想。
こんな面白い小説が1965-1969年に完成していたなんて!
里見が財前のことを「可哀想な奴」と表現していたけど、本当にその通りだと思う。
財前は周囲の期待に応えようと必死だったんだ。
最初はお母さんの期待や助けになりたいという思いが、だんだん周りの金と権力に溺れたタヌキ親父たちにいいように使われて…。
途中、「はやく失脚しろ」などと思ってしまったけど、財前はただ必死だっただけなんだと思うとやるせなくなった。
大河内教授への封書は、最期に財前自身が本当に願ったことだったのかな。そうと思いたい。
里見は、善人・ヒーローに見えるけど危うい人だと思った。
行いを否定するもの -
Posted by ブクログ
ネタバレ85/100
当時の中国の現状とフィクションがあまりに綺麗に描写されている。なかなかここまでリアルに切り込んでるものはないと思う。
親子との絆が、陸一心として松本として、自身のアイデンティティに悩まされながらも、結局大地に根を張り巡らせ生きてきた中国としての誇りを忘れずに過ごしていくことへの並々ならぬ覚悟を示して終わっていた。
労会に送られどんなに辛い目に遭わされていたとしても自分の家族を痛めつけた国であっても、それ以上に感じ取るものがあったのだろう。
何より陸徳志があまりにできた人間すぎると言うのもありそう。
自分の知見を広げると言う意味でもタメになる本でもあった。 -
Posted by ブクログ
一族の衰退の暗示まで丁寧に描かれていて、『華麗なる一族』全体を通して“盛者必衰”がテーマだったのだと強く感じました。登場人物の多くが報われない結末を迎える中で、二子がヨシヒコと結ばれたことだけが、わずかな救いになっています。
また、物語の背景として物価高騰に悩む描写があり、現在の経済状況と重なる部分があることにも気づかされました。半世紀以上前の作品でありながら、今の時代にも通じるリアリティがあるのは、山崎豊子の筆の力だと思います。
こうして読み終えると、華やかな一族の姿もその裏に潜む影も、すべてが心に残る余韻となり、まさに“時代を超える作品”だと感じさせられます