山崎豊子のレビュー一覧

  • 二つの祖国(四)

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    時代に翻弄された賢治や椰子。翻弄と言う言葉では表せないほど悲惨な人生だ。
    東條英機はA級戦犯で悪人の印象しかなかったが、やはり彼も時代に翻弄されたひとりだったのか・・・

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    2025年11月04日
  • 白い巨塔(二)

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    半分は前回からの教授選挙

    東教授が自分の票を破棄するところから票の行方はわからなくなり、それの対抗策として、菊川教授に対して辞退の申し入れを部下にさせる財前。
    辞退をさせようもして裏目には出るが最終的には勝つことのできたが、選挙直前まで各々の私利私欲のための動向に政治的な観点を感じた。

    野坂が1番うまい立ち回りをしているように見えるところも面白いポイント

    里見先生のまっすぐな患者への想い読者の救いだなと思いました

    教授選挙が終わった段階で財前は傲慢に、東教授と同じ轍を踏むところが分かってはいたが教授という一つの型なのだと思った。

    里見先生からの依頼で執刀することになる患者との展開もみ

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    2025年10月30日
  • 二つの祖国(四)

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    東京裁判のくだり、歴史の苦手な私は早く終わってくれと思いながら読んだ。歴史の勉強をしたいのでは無いのです。物語を読みたい、つまり登場人物に共感したいのだ。作者の登場人物は他の作品の誰かを簡単に想像できる。天羽→里美、ナギコ→はなもりけいこなど。しかしやはり平易な文章、時代に翻弄される主人公たち全体を通しては面白く背景ももっと学びたいと思う内容。

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    2025年11月04日
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-

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    相変わらず利権貪り組がクズすぎてクズすぎて、読み進めるのがしんどいくらいでした。
    利根川総理や龍崎もひどいし、国見会長の孤軍奮闘ぶりに心が痛くなります。

    スカッとした終わり方を期待していましたが、そうはいかなかった。
    最後に小さな光はあったけど、この5巻までずーっとモヤモヤイライラしていたものが解消されはしなかった。

    事実を基にしているから仕方ないのかもしれないけれど、物語の中だけででも勧善懲悪して欲しかったなぁ。

    それでも初読の山崎豊子作品はすごく面白くて読み応えあって、良い作品を読めたという充実感がありました!!

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    2025年10月22日
  • ムッシュ・クラタ

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    山崎豊子の中短篇作品集『ムッシュ・クラタ』を読みました。
    山崎豊子の作品読むのは初めてですね。

    -----story-------------
    一般に長編作家ときめてかかられている私であるが、実は短編や中編を書くのが好きで、その中でも『ムッシュ・クラタ』は、私自身、非常に愛着を持っている作品である。――山崎豊子

    戦前・戦後、新聞社のパリ特派員を勤め、フランス文化をこよなく愛して「ムッシュ・クラタ」と呼ばれた男。
    日本人の常識から逸脱した行動をとり、鼻持ちならないキザな奴と見られていた彼が、記者として赴いたフィリピンの戦場でしめしたダンディな強靱さを、鮮やかに描いた表題作。
    ほかに夫婦の絆の

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    2025年10月19日
  • 白い巨塔(一)

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    初めの50ページくらいは面白くないが、我慢していただきたい。その後、始まる。財前助教授の闘いが。権力争いが。

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    2025年10月15日
  • 大地の子(三)

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     中国の脅威的な経済発展の礎となるのが日本の経済援助と技術指導なのであるが、中国との取引には多くの煮湯を飲まされている日本企業の姿がよく描けている。たぶん中国人にしてみれば、これだけ祖国を侵略した悪人日本人に対してはどんなことをやっても当然なのだという意識があるのだろうと思う。そして、もともと中華思想に凝り固まった国なので、日本人を利用することは屁とも思わない国民性もあるのだと思う。現在では、鉄鋼どころか電化製品も情報機器も多くの分野で日本は中国に及びもつかない状況に追い込まれているのだ。
     国際競争というのは、生き馬の目を抜くような競争なのだという現実を知らなければならないのだが、いつかこん

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    2025年09月29日
  • 大地の子(一)

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     中国を侵略した日本は満洲国を建設するにあたり日本から開拓団を募集して100万人以上の移民を派遣したのだが、終戦時には多くの移民を取り残して関東軍は無責任にも帰国してしまうのだ。その撤収にあたり関東軍は敗戦の2ヶ月も前から司令部を日本に近い朝鮮半島付近に移し、橋を爆破して破壊したというのだから驚きだ。
     しかも数十万人の規模で残された戦争孤児たちを救出する動きは日中国交回復するまでは全く起こっていないのだから呆れてしまう。ドイツ人は東ドイツに残された棄民を5年以内に全て救出したというのだから、日本人はどうなんだろうと思ってしまう。考えてみれば、インパール作戦や太平洋の離島で飢餓死した多くの日本

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    2025年09月29日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    日航機墜落事件を基にしたフィクションだけど、もはやドキュメンタリールポなのではないかと思えてしまう。

    他のアフリカ編、会長室編は上下の二冊に分かれているけど、御巣鷹山編は一冊。でも読み応えがすごい。
    今巻も恩地が主人公ではあるものの、存在感はあまり感じず、事故そのものや遺族たちが主役といったかんじでした。

    事故の悲惨さ、遺族の苦しみ、事故原因究明にあたる調査委員会の人たちの努力などに圧倒される。
    そして一会社員だった人たちが遺族や世間に非難され攻撃される様に心が痛む。
    辛い任務にあてられるのは組織の末端なんだよね。
    それに比べて、堂本社長の自己本位な考えやボーイング社の責任回避の態度には怒

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    2025年09月28日
  • 大地の子(一)

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    『不毛地帯』に続く山崎せんせの大作にチャレンジ!『不毛地帯』でのシベリア抑留シーンもえぐかったのですが、今回舞台の中国ではあの産業革命に次ぐ、画期的な大改革と謳われる文化大うんこ革命真っ只中、そして噂の収容所シーンもやっぱりえぐかったですね。私なら耐えられずに〇〇してます。

    主人公である中国残留孤児のルー・イーシンくん、モデルとなる方がいらっしゃるとの事ですが、当時現地での日本人への扱い方は地獄であったようで、あらためて戦争は憎しみしか生まないと、戦後80年の今、熟読するべき小説ではないでしょうか。

    そう言えば昨日家族で盛り上がった例のユーチューバー『バッパー翔太』氏。新疆ウイグル自治区取

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    2025年09月23日
  • 大地の子(二)

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    一巻はとにかく一心の辛い描写が多く読み進めるのが本当に辛かったけれど、二巻は釈放され少しずつ幸福を感じる時間も増えてきて、少し読みやすくなった。

    日本と関わりが始まり、この先一心がどうなっていくのか、日本の父親とどのように関わっていくのか。

    戦後の二つの国の間で多くの人が振り回され、傷ついた時代。

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    2025年09月19日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    初の山崎豊子作品。
    ドラマで「華麗なる一族」「砂の器」は見たことあるけれど、原作は初読。

    時代を感じさせる箇所はあるものの、古さはなく惹き込まれて読んでしまいました。
    労使交渉の激しさ、懲罰人事の苛烈さ、これが実際あったことを基に描いているっていうのだから驚いてしまう。

    全5冊の長編、読み始める前は不安もあったけど、続きが気になって仕方ない。

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    2025年09月18日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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     一巻に続いてオーディブルで聴いたのだが、より惹き込まれてしまった。左遷状態からの脱却にこれほど時間がかかるのかという不条理に憤る。まあ、左遷している側の利益があるのだから、組織の非情の論理は時間が経てば経つほど貫徹されてしまうのだ。この著者の真骨頂は、こういう不条理を告発することなのだ。この著者の著作の欠点は一度読み出してしまうと最後まで読みたくなってしまうことなのだ。忙しい人は手を出さないでください。

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    2025年09月14日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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     オーディブルで聴いたのだが、さすがにこの著者の作品は直ちに内容に惹き込まれてしまう。大企業の非情な人事については、自分自身の過去の経験や周辺に溢れているのでリアリティが半端ない。サラリーマンとして出世する為には、お客様よりも同僚よりも上司に阿る必要があり、逆らった者は最後まで日の目を見ないという現実がある。そんな個人の集団が一流企業であり、その一流企業が経済活動から生じる利益の殆どを独占しているのだ。お客様や同僚の利益を尊重する人が報われる社会になって欲しいと思うのだが、

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    2025年09月14日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    国民航空という航空会社で働く主人公・恩地は労働組合委員長として空の安全を守るために働く組合員の処遇や働き方の改善に奔走するが、その報復人事としてアフリカやパキスタンなどの僻地での勤務を命じられ、アフリカ編の上はその組合時代の過去と現在を行き来しながらストーリーが進みます。御巣鷹山編が有名ですが、すでにあの大きな事故が起こるべくして起こった、というのがわかるような会社の体制がところどころに描写されており、ドキドキしながら読みました。海外での暮らしもリアルに描かれており、一気に引き込まれてしまいましたので、次の下巻も楽しみ。

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    2025年09月05日
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-

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    シリーズ第5巻、完結。国民航空で私欲を肥やす魑魅魍魎たち。勧善懲悪を期待して読み進めるが、倍返しどころか懲らしめのシーンは匂わせる程度。物足りないなあ。国見会長が気の毒すぎる。

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    2025年08月23日
  • 白い巨塔(一)

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    大学医学部の教授争い、内部のドロドロとして駆け引きなど、読後感があまりよろしくない。
    テレビドラマにもなっています。

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    2025年08月22日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    ジャンボ機墜落事故の後、国民航空再建のため、国見会長が就任。恩地は会長の依頼を受け、部長として会長室で働くことに。その一方で私服を肥やす魑魅魍魎たち。まだ悪役が悪事のしたい放題。次回、最終巻でスッキリ解決を期待。

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    2025年08月21日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    前作の事故から会社の在り方から建て直すために、恩地をはじめ、総理から指名され、戦時中の仲間を守れなかった思いがあり、第二の出兵として引き受ける国見

    もう無理なのではないかと思うくらいに、どす黒く淀んだ社内の組織に辛くなります。

    次の最終巻のクライマックスに向けての前段という感じで、面白いというよりは、そこにいる恩地、会長、恩地のかつての友である行天が置かれている状況に、どこの立場であっても大変なことに変わりないと思ってしまいました。

    犠牲者の遺族や、組合など寄り添うことの難しさにフィクションには出せない底のない沼を感じる一作です。

    10年間海外でたらい回しにされ、組合長を経験している恩

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    2025年08月19日
  • 花のれん

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     大阪商人の根性を女興行師の姿に重ねて描いた1958年第39回直木賞受賞作。
     夫が作った借金を背負った状態から、逆境に抗い次々と商売に打って出る姿が勇ましくも見え、また商売に対する目利きが素晴らしいとも感じる。自分が「よい、これは売れる」と思ったものには、自ら足を運び、成功を収めてからも常に現場に出て第一線で活躍する姿が頼もしい。戦前戦後の男性優位の時代にあって、この活躍は素晴らしいとも思うし、またそれを卑屈に思うこともなく支える人達もまた素晴らしいと感じる。これがカリスマ性だとも思う。

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    2025年07月24日