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アメリカに生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世たち。しかし日米開戦は彼らに、残酷極まりない問いを突きつけた。アメリカ人として生きるべきか、それとも日本人として生きるべきなのか――。ロサンゼルスの邦字新聞「加州新報」の記者天羽賢治とその家族の運命を通して、戦争の嵐によって身を二つに裂かれながらも、真の祖国を探し求めた日系米人の悲劇を描く大河巨編!
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「二つの祖国」
2019年3月23日、24日 テレビ東京系 出演:小栗旬、多部未華子、ムロツヨシ
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Posted by ブクログ
日米開戦後、本編の主人公の邦字新聞の記者である天羽賢治はFBIに連行され、スパイ容疑で留置所へ入れられる。 そして、アリゾナ砂漠の収容所へ送られる。 砂漠の収容所から釈放され、ロスアンゼルスの家に帰ると家族は強制退去されていた。 家財道具一切を二束三文で売り、一人2つまでのスーツケースの所持を許可さ...続きを読むれて、家族が移動させられたのは、競馬場の馬小屋だった。 床にタールを撒いた、馬糞の付いた臭くて不潔な馬小屋に何千人もの日系人が、押し込められた。 一週間に1回のみ、馬小屋の馬を洗うシャワーを使用することを許された。不潔な場所で、日系人達は、家畜の牛馬の扱いだった。 しばらくして、千五百名の日系人はマンザナールの砂漠の中に建設されたバラックのマンザナー強制収容所へ入れられた。 ※以下、ウイキペディアより。 1942年2月19日にフランクリン・ルーズベルト大統領が発した大統領令9066号によって翌3月に開設された。マンザナー収容所は最大時には10,046名を収容し、収容された総数は合計で11,070名となった。 アンケートや天皇の写真を踏み絵にしたり、日系人は各個人の米国への忠誠心を試される。親兄弟妻子間で意見が別れ、家族の絆の崩壊を招いた。 同じ二世の賢治の弟の忠は、人種差別の米国に嫌気がさして、戦争前に日本へ帰属した。 かつて、日本に留学していた賢治は、祖国日本と米国人としての自分との葛藤に悩む。 戦前・戦時中と、相当な迫害を受けて来た日系人の心の有り様が、本作を読んで初めて分かった。 日系人は人種差別を受けながら、そうではない白人もいるというエピソードが救いだった。 物語は、更に続く日系人の苦難の道へ。 二巻へ、つづく。
山崎豊子作品の戦争シリーズ第二弾。 太平洋戦争におけるアメリカ在住の日系二世が主人公。 1巻では、真珠湾攻撃から始まった戦争において、アメリカ在住の全ての日本人が収容所に入れられるところから始まる。 ハワイでは日系人は少数派ではなかったため、それほど冷遇されなかったらしいが、本土では酷い扱いを受け...続きを読むたのは歴史的事実らしい。 そして、日系人の中でも、アメリカのために忠誠を尽くそうとする者と、あくまでも日本民族としての誇りを捨てずに生きていこうとする者(アメリカ政府と対立して兵役にもつかない)とが対立する。 主人公は、どちらにも属せず、あくまで日本人として誇りを捨てずに生きることがアメリカのためにもなるという信念のもとに行動する。 そんな行動は、両派から理解されずに時には両派から疎まれることもある。 そして、この戦争を早く終わらせることが両国の国益になると考え、日本の暗号解読を担う軍人になる。
やっぱり戦争のテーマは考えるところが多い。父 乙七と意見の違う賢治。賢治はなぜ、日本語教官になる選択肢しかなかったのに、自分の意志で米軍に協力すると父に伝えたのか。自分が置かれた立場への決意であろうが、父は受け入れ難い。本当のことを話しても決して分かり合えないと知っていたからかもしれない。この後、こ...続きを読むの父と子は分かり合う未来があるのだろうか。
山崎豊子ワールドはやっぱり面白いなあ。ドラマを見たことあるけど、ドラマではとても描ききれない濃厚さがある。まだ三冊もこの世界に浸れるかと思うと嬉しさしかない。
どの選択肢も正しくもあり、正しくなくもある。そんな時の意思決定は、自分自身が一番何を大切にしているかに尽きるのだろう。
明治時代たくさんの日本人が国外へ渡ったことは知っていた。もちろん、第二次世界大戦が起こったことも知っている。でも、戦争の中で移民たちがどのような扱いを受けたのかなんて想像したこともなかった。山崎豊子先生は、いつだって私の浅はかさを突きつけてくる。 日系二世は正真正銘アメリカ国民なのに、戦時中は...続きを読む捕虜として収容所に入れられたらしい(ちなみに同じ同盟下にあったドイツ・イタリア人はこのような扱いは受けなかった)。その収容所の様子は、想像するだに不快感がこみ上げる。さらには日系二世に残酷な問いが投げかけられる。 ー命令されれば米陸軍兵士として戦闘任務につくか ー日本の天皇に対する忠誠や服従を拒否するか 日本で教育を受けた日系一世とアメリカで教育を受けた日系二世からなる家族がバラバラになることは、当然の成り行きである。天羽家の一人一人が下した決断の先に一体どのような運命が待っているのか。
山崎豊子の人間に対する深い洞察や徹底した取材には、彼女の作品を読むたびに、驚嘆の念を新たにせずには 入られない。 当時の日系人の皆さんが苦難を忍ばれ、我慢を重ねて来られたことに思いをはせた。 偶然だが本書読中にドラマが放映され視聴したこともあって、深く印象に残る一冊になった。
日本の真珠湾攻撃から太平洋戦争が始まり、アメリカに住む日系二世天羽賢治らの周囲に大きな波が起こり始めた。 ドラマを見て、さらに深く知りたくなり、原作を手に取りました。 ドラマは原作にかなり忠実でした。 日系人にとって、父祖の国と今住む国との戦いという悲劇がどんな不幸なことなのか、恥ずかしながら数...続きを読む年前まで知らずにいました。ナチスのユダヤ人迫害にも次ぐような事実に驚かされます。 「父祖の国日本に殉じるような生き方をするもの アメリカ人として生きようとするもの 絶えず日系二世としてのアイデンティティを模索し苦悩しながら生きるもの」 一世と違い日系二世だからこその苦悩。 一巻は賢治がマンザナール収容所を出るところで終わりです。 続けて二巻を読みます。
戦争を知らない世代よむべし
戦時下を知らないからこそ、読んでみるかちありです。 当時と比較して平和な日常の大切さが身にしみました。
主人公達の立場よ過酷さ、話のスケールの大きさに夢中で読み進めている。そして主人公がカッコ良すぎる。 こういう小説は令和の今にはなかなか生まれないし、こんな漢気のある主人公もお見かけしない。 (百田尚樹さんの小説くらいだろうか) まだ一巻しか読んでいないが、読み継がれていってほしい本だと思う。
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二つの祖国
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山崎豊子
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