あらすじ
アメリカに生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世たち。しかし日米開戦は彼らに、残酷極まりない問いを突きつけた。アメリカ人として生きるべきか、それとも日本人として生きるべきなのか――。ロサンゼルスの邦字新聞「加州新報」の記者天羽賢治とその家族の運命を通して、戦争の嵐によって身を二つに裂かれながらも、真の祖国を探し求めた日系米人の悲劇を描く大河巨編!
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江藤淳「占領軍の検閲と戦後日本 閉された言語空間」からの本。
第二次世界大戦中の日系人に対する差別や強制収容のうち、アメリカでは、1942年の大統領令9066号により、約12万人の日系人が強制収容所に送られ、そのうちの一つに主人公らが収容されたマンザナール収容所があったことを初めて知った。
バイデン前大統領が戦時中の日系人差別について2021年に謝罪したことが報道されていたとき、あまり何のことかよく分からなかったが、この第1巻を通してよく理解できた。
山崎豊子は、世の不条理を描くことにかけては天才的文才であり、ただただ恐れ入る。
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日系二世という微妙な立ち位置で、戦争という極限的に過酷な状態に置かれた主人公の心の持ちようが深く刺さる。平時には曖昧に出来るアイデンティティが戦争という究極の有事に突きつけられ、自分が保てなくなる。当然そのような経験はないが、自分はどこから来た何者なのか考えさせられる深い内容だった。
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日米開戦後、本編の主人公の邦字新聞の記者である天羽賢治はFBIに連行され、スパイ容疑で留置所へ入れられる。
そして、アリゾナ砂漠の収容所へ送られる。
砂漠の収容所から釈放され、ロスアンゼルスの家に帰ると家族は強制退去されていた。
家財道具一切を二束三文で売り、一人2つまでのスーツケースの所持を許可されて、家族が移動させられたのは、競馬場の馬小屋だった。
床にタールを撒いた、馬糞の付いた臭くて不潔な馬小屋に何千人もの日系人が、押し込められた。
一週間に1回のみ、馬小屋の馬を洗うシャワーを使用することを許された。不潔な場所で、日系人達は、家畜の牛馬の扱いだった。
しばらくして、千五百名の日系人はマンザナールの砂漠の中に建設されたバラックのマンザナー強制収容所へ入れられた。
※以下、ウイキペディアより。
1942年2月19日にフランクリン・ルーズベルト大統領が発した大統領令9066号によって翌3月に開設された。マンザナー収容所は最大時には10,046名を収容し、収容された総数は合計で11,070名となった。
アンケートや天皇の写真を踏み絵にしたり、日系人は各個人の米国への忠誠心を試される。親兄弟妻子間で意見が別れ、家族の絆の崩壊を招いた。
同じ二世の賢治の弟の忠は、人種差別の米国に嫌気がさして、戦争前に日本へ帰属した。
かつて、日本に留学していた賢治は、祖国日本と米国人としての自分との葛藤に悩む。
戦前・戦時中と、相当な迫害を受けて来た日系人の心の有り様が、本作を読んで初めて分かった。
日系人は人種差別を受けながら、そうではない白人もいるというエピソードが救いだった。
物語は、更に続く日系人の苦難の道へ。
二巻へ、つづく。
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山崎豊子作品の戦争シリーズ第二弾。
太平洋戦争におけるアメリカ在住の日系二世が主人公。
1巻では、真珠湾攻撃から始まった戦争において、アメリカ在住の全ての日本人が収容所に入れられるところから始まる。
ハワイでは日系人は少数派ではなかったため、それほど冷遇されなかったらしいが、本土では酷い扱いを受けたのは歴史的事実らしい。
そして、日系人の中でも、アメリカのために忠誠を尽くそうとする者と、あくまでも日本民族としての誇りを捨てずに生きていこうとする者(アメリカ政府と対立して兵役にもつかない)とが対立する。
主人公は、どちらにも属せず、あくまで日本人として誇りを捨てずに生きることがアメリカのためにもなるという信念のもとに行動する。
そんな行動は、両派から理解されずに時には両派から疎まれることもある。
そして、この戦争を早く終わらせることが両国の国益になると考え、日本の暗号解読を担う軍人になる。
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やっぱり戦争のテーマは考えるところが多い。父 乙七と意見の違う賢治。賢治はなぜ、日本語教官になる選択肢しかなかったのに、自分の意志で米軍に協力すると父に伝えたのか。自分が置かれた立場への決意であろうが、父は受け入れ難い。本当のことを話しても決して分かり合えないと知っていたからかもしれない。この後、この父と子は分かり合う未来があるのだろうか。
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山崎豊子ワールドはやっぱり面白いなあ。ドラマを見たことあるけど、ドラマではとても描ききれない濃厚さがある。まだ三冊もこの世界に浸れるかと思うと嬉しさしかない。
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明治時代たくさんの日本人が国外へ渡ったことは知っていた。もちろん、第二次世界大戦が起こったことも知っている。でも、戦争の中で移民たちがどのような扱いを受けたのかなんて想像したこともなかった。山崎豊子先生は、いつだって私の浅はかさを突きつけてくる。
日系二世は正真正銘アメリカ国民なのに、戦時中は捕虜として収容所に入れられたらしい(ちなみに同じ同盟下にあったドイツ・イタリア人はこのような扱いは受けなかった)。その収容所の様子は、想像するだに不快感がこみ上げる。さらには日系二世に残酷な問いが投げかけられる。
ー命令されれば米陸軍兵士として戦闘任務につくか
ー日本の天皇に対する忠誠や服従を拒否するか
日本で教育を受けた日系一世とアメリカで教育を受けた日系二世からなる家族がバラバラになることは、当然の成り行きである。天羽家の一人一人が下した決断の先に一体どのような運命が待っているのか。
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山崎豊子の人間に対する深い洞察や徹底した取材には、彼女の作品を読むたびに、驚嘆の念を新たにせずには
入られない。
当時の日系人の皆さんが苦難を忍ばれ、我慢を重ねて来られたことに思いをはせた。
偶然だが本書読中にドラマが放映され視聴したこともあって、深く印象に残る一冊になった。
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日本の真珠湾攻撃から太平洋戦争が始まり、アメリカに住む日系二世天羽賢治らの周囲に大きな波が起こり始めた。
ドラマを見て、さらに深く知りたくなり、原作を手に取りました。
ドラマは原作にかなり忠実でした。
日系人にとって、父祖の国と今住む国との戦いという悲劇がどんな不幸なことなのか、恥ずかしながら数年前まで知らずにいました。ナチスのユダヤ人迫害にも次ぐような事実に驚かされます。
「父祖の国日本に殉じるような生き方をするもの
アメリカ人として生きようとするもの
絶えず日系二世としてのアイデンティティを模索し苦悩しながら生きるもの」
一世と違い日系二世だからこその苦悩。
一巻は賢治がマンザナール収容所を出るところで終わりです。
続けて二巻を読みます。
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主人公達の立場よ過酷さ、話のスケールの大きさに夢中で読み進めている。そして主人公がカッコ良すぎる。
こういう小説は令和の今にはなかなか生まれないし、こんな漢気のある主人公もお見かけしない。
(百田尚樹さんの小説くらいだろうか) まだ一巻しか読んでいないが、読み継がれていってほしい本だと思う。
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戦争さえ終わればなくなるわけでもない人種差別が苦しみの根幹にあるのが今の自分と地続きにある話に思えて、こんな苦しい本があと3巻も続きあるのか……と思うと憂鬱
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第二次対戦下での日系二世に対する隔離政策、日本の降伏の動きを知りながら原爆投下したアメリカ、広島に医療団を送り込みながらも人体に対する原爆の影響を調査するのみで医療行為を一切しなかったアメリカ、戦争犯罪を裁く国際法理論が無いにも拘わらず日本の戦争責任者を厳しく断罪したアメリカ。
大東亜共栄圏という身勝手な国策を掲げ、東南アジアの民族に数々の残虐な行為をした日本、特攻隊や生きて虜囚の辱しめを受けずと人命を蔑ろにした日本その日本に民主主義を持ち込み、その後の日本の発展を導いた平等と自由の国アメリカに対する日本人が長年持ち続けていた憧れの感情が如何に滑稽なことであると今更ながらに感じました。
戦時中の日本の体制や思想には嫌悪感を強く感じますが、アメリカの罪も沢山あることを再認識しました。
作家山崎豊子さんが膨大な資料に当たり、二つの祖国を持つ日系二世の葛藤、苦しみを描いた筆力に感嘆しながら、改めて勝者敗者を問わない戦争の罪深さを強く感じました。
Posted by ブクログ
第二次世界大戦下のアメリカで日系2世達は育った環境によって考え方は様々。日本からもアメリカからも認められない憤り、苦悩が山崎豊子の筆力があたかもみてきたかのようにありありと表現され引き込まれていった。続きを読むのが楽しみ
Posted by ブクログ
アメリカで生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世。
日本による真珠湾攻撃により、太平洋戦争が勃発。
アメリカに残る日本人、日系人には過酷な試練が待っていた。
日系二世たちはアメリカ人として生きるか?
日本人として生きるか?問われる…
天羽賢治も日系二世として、厳しい選択に迫られる…
どちらを選ぶべきなのか…
父・乙七は日本人としての、薩摩の郷士としての誇りを。
弟・勇は、アメリカで生まれ、育ち、日本に対する想いや天皇陛下に対する想いもなく、アメリカ人として生きることを。
賢治は…
難しい選択。
日系二世だとしたら、どう生きるだろうか…
チャーリーのような生き方はできないだろうが。
戦争が賢治の家族を切り裂いていく…
元の家族に戻れる日が来るのだろうか…
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サンタアニタ競馬場として知っていたが、まさかそんな過去があったとは。
主人公の二重国籍ゆえの苦難、米国人か大和魂か。
戦争の悲しみは戦場だけに収まらない、様々な所に陰を落とす。それを教えてくれる意義ある作品だと一巻目でも感じ取れます。
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以前TVドラマで見て一度は原作を読みたいと思い、読んだらとても引き込まれました。
日系人の苦悩がとても鮮明に描き込まれて
いて、戦争の新たな悲劇の一面を垣間見て
胸が痛くなった。
同じ日本人なのに、祖国の日本育ての親アメリカ
かの板挟みになり日系二世の方々がこんなに
複雑な心情で生きていたと思うと心が本当に痛む。
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お友達にお借りした本。
壬生義士伝良かったー!と言っていたらこの本を。
自分がひとときの平和ボケな時代に産まれたんだなとしみじみ。
二世に産まれても、まだイエスノウでノウと答えるのに驚いてしまったり。
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日本人夫婦の間でアメリカで生まれたアメリカ国籍を持つ二世が主役である。1巻は太平洋戦争の開始による、馬小屋同然のマンザナール収容所での家族全員の強制収容生活を中心に描かれている
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アメリカ合衆国の市民権を持つ、日系二世でも、ジャップはジャップなのか──
第二次世界大戦中、日本軍の真珠湾攻撃により、アメリカにいる約11万人の日系人が強制収容所送りとなった。
国籍は、アメリカでも、見た目は日本人の日系二世の天羽賢治。
日本人としての誇りを胸に抱くか、巨大なアメリカという国家に屈するか。
常に二者択一を迫られる。
苦悩や葛藤を抱え、天羽賢治の目に映るアメリカとは……
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1980年~ 山崎豊子
相変わらず山崎豊子の小説は長い、重い。
日系二世の苦悩を描いています。第二次世界大戦勃発後、収容所に入れられ、アメリカ人として戦争に行き、たまたま日本に帰ってた弟は日本軍として参加し。
終戦後の東京裁判までアメリカ人なのか日本人なのか苦悩、どちらからも差別され、苦しめられ。
想像を絶する苦労をしたことでしょう。
主人公の天羽賢治、忠の兄弟は実在の兄弟がモデルになっているようです。
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太平洋戦争に巻き込まれていく在米日系アメリカ人の話。
日本側の太平洋戦争での悪行だとか、アメリカ人捕虜の扱いだとかはいつも大々的に話題になるけど、そういえば戦争中の在米日系人、日本人については全然知らなかったなと気付いた。
恥ずかしながら、大統領令での強制収容が行われたことすらこの本を読むまで知らなかった。
もう少しアメリカ側から見た太平洋戦争についても勉強しよう。
Posted by ブクログ
なぜか、アメリカが、第二次世界大戦中に日本人に対して行った差別について取り上げることは少ないのだが、日本人だけ差別をされて強制収容所に入れられて、白人ではないということの扱いを受けた。この事実をしっかりととらえて、行くことは大切だと思う。アメリカに生まれて育った人の考え方、日本との距離、どうして遠い国に渡ったのか、明治の時代の移民政策、もっと日本の歴史でも取り上げてもらいたいと思う。
話の展開としては、おもしろい。
Posted by ブクログ
主人公の日系2世が太平洋戦争でアメリカ軍の軍人として従軍し、東京裁判では通訳として日本人を影から支えた。
戦争では、弟は日本人として従軍し、その弟と戦場でまみえ、誤って足を撃ってしまう。
戦争は、ただ、軍人だけが傷つくのではなく、色々な立場の人間が傷つく。二度とその道に進んではならない。
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山崎豊子、戦争3部作の1作目。
確かにアメリカで生活していた日本人も多くいたが、そこにスポットは当たってなかったので、ある意味新鮮に感じた。
主人公とライバルの構図は他の作品と似通ってるかな。
Posted by ブクログ
山崎豊子シリーズも、後もう少し
大物はこれで最後
やっと終わりが見えてきた
山崎豊子ドキュメンタリーものは
個人的に面白い読み物とは思えない
ドキュメンタリーを描きたいがために
物語を付け足したようにさえ思える
東京裁判の章は途中から全ての文字を読むのが億劫になり、物語に関わらない箇所は、読み飛ばす羽目になってしまったし
歴史の勉強にはよいかもしれんが
東京裁判もジャップも原爆も
読んでいて気持ちのいい物ではなく
むしろ気分が悪くなるばかり。
その上、絶望的に話が暗い。
Posted by ブクログ
日系二世として、日本人アメリカ人どちらからも阻害され、苦しみながら生き抜く賢治とその一家周りの人たちの第二次世界大戦中の物語。4部作。
他の作品に比べ、主人公の印象がいまいち薄かった。2巻に期待。