山崎豊子のレビュー一覧

  • ムッシュ・クラタ

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    山崎豊子氏の作品はスケールが大きく、大作の印象だけど、初期の頃のだけど、素晴らしい読みごたえのある内容だった。
    戦前中後をダンディに生き抜いたクラタ氏の、パリでの様子、戦争中も文学と芸術、パイプを愛した男、調べて書くという彼女の才覚溢れる作品だった。

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    2021年11月13日
  • 二つの祖国(二)

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    同じ人種、日本人として生まれたのに、その時代、場所が違うだけで差別を受け、命の重みが違うかのごとく扱われる。この自分が生まれる僅か数十年前の今住む日本と過去に住んでいたアメリカで起こっていたことなんだと。今現在を生きる平和ボケした自分の小さな先行きの不安など些細な妄想に過ぎないんだとも。

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    2021年11月07日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    1.著者;山崎豊子さんは、小説家。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けています。19歳の時、学徒動員で友人らの死に直面。「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は、今でも幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢はあまりにも有名です。「花のれん」で直木賞を受賞。その後、作家業に専念し、菊池寛賞や毎日文化賞を受賞。
    2.本書;御巣鷹山篇は、日本航空が起こした飛行機事故をモデルに執筆。1985年8

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    2021年11月07日
  • 二つの祖国(一)

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    どの選択肢も正しくもあり、正しくなくもある。そんな時の意思決定は、自分自身が一番何を大切にしているかに尽きるのだろう。

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    2021年10月30日
  • 大地の子(四)

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    頭の中が壮大なスケールの物語でいっぱいなった。にあたりまえと思っている家族のつながり。こういった戦争に端を発した悲惨な出来事は、反省すべき日本の歴史として後世に語り継いでいかなくてはならない。

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    2021年10月24日
  • 大地の子(三)

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    あつ子をはじめとした残留孤児の人生ってなんだったのか。日本政府は戦争責任として真っ先に解決に取り組まなくてはならないし、世界中の誰一人取り残してはならないという人権を尊重するために中国政府も尽力しなくてはならない。こんな事が戦後の昭和時代に起こっており、ある意味明治、江戸時代に遡って後退していた時代だ。これと似たようなケースが今でも世界中で起こっていて私たちは目を背けているのだろう。

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    2021年10月22日
  • 大地の子(二)

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    ストーリーが急展開、一心が母国との接点となるプロジェクトに参画することに。
    「鉄は国家なり」またもやプロジェクトの規模もウン千億円と、とてつもないスケール。

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    2021年10月16日
  • 大地の子(一)

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    あっという間に第一巻完読。過酷な情景が目に浮かぶ。
    わずかな時代、出生地の違いでこんなに悲惨な目に遭う運命。
    今日も世界中でこう言った理不尽な偏見、人種差別がどこかで起こっているのだろうか。

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    2021年10月06日
  • 華麗なる一族(下)

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    華麗なる一族は本当に華麗でおぞましかった。2007年のTVドラマでは一途で好青年風だった鉄平も、小説ではたしかに他の一族に比べて実直で技術屋らしさはあるが、経理に疎くて見通しは甘く、家族もほったらかしで息抜きは料亭で若い女を呼ぶなど、やはり一族の人物には違いない。でもお約束の箇所ではやはり痛ましかった。勧善懲悪に決してならず、権力が権力を呼び続け、このボリュームで圧巻の説得力。

    wikiで小説とドラマの違いを説明したものを読んだ。ドラマはドラマでこの話を鉄平仕様にし、よりドラマチックになるようにエピソードや人物を足し引きしたようで、それも非常に効果的だっただろうと思える内容だった。通しで見て

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    2021年09月16日
  • 運命の人(四)

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    温故知新という言葉通り、過去の沖縄を知っていきながら主人公は少しずつ沖縄問題と再度向かい合い、自分自身と向かい合い、妻と向かいあいながら、話が進んでいきます。

    沖縄の戦争がどうだったかは本、ニュースなどでの特集から知っていることはあったが、それ以上にこの本から勉強させてもらいました。今までは裁判が中心の話であったため、次が次がと気になるため、読むスピードも早かったのですが、ここに来て沖縄の戦中、戦後のことはじっくりと読みました。一字一句逃さないようにと。過去から多くを学び、そして受け止め、悔い改めること、反省するべきところは反省し、次へつなげるのが後世に残されたものの責務だと改めて思いました

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    2021年09月10日
  • 運命の人(三)

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    「知る権利」を争うの裁判で一時は勝訴したが、逆転敗訴。敗訴する前から主人公は新聞記者としての自分を亡くしていました。それ以上に大切な家族とも絶縁状態になっていました。

    ペンと紙を武器として戦ってきた主人公にとって記者以外の仕事は仕事ではないのだと思いました。本当にわずかの人かもしれないが、自分の好きなことを趣味だけにとどめず生業として生きていく人がいます。そんな人がこの主人公なのでしょう。天職というものは本当にあるんだなと。

    羽があるけど飛べない鳥のように空を見続ける主人公は実家の家業にやる気が出ず、生きていくことさえあきらめて・・・これからどうなるのかが気になるところです。

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    2021年09月10日
  • 不毛地帯 第二巻

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    やたらとリアルな情景が目に浮かぶのは最近観た映画のせいではなくて作家さんの力量のおかげだと実感

    川又さんの最期が忘れられない

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    2021年09月05日
  • 大地の子(一)

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    心に残る名作です。何度も、何度も、読み返し、DVDも拝見いたしました。皆様にも、是非一度お読みいただくことをおすすめします。

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    2021年09月04日
  • 運命の人(二)

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    ペンと紙を武器とする新聞記者の主人公が逮捕されペンを折られたところから2巻は始まります。

    知る権利を掲げて戦うジャーナリズムと国家公務員法の守秘義務を破ったことで起訴した国家権力との熾烈な法廷での争いが描かれています。少しばかり難しい部分もありますが、昔も今も変わらない「○○の権利」について勉強にっています。何でも権利を主張すればよいとも限らない部分も見えてきます。

    沖縄返還は歴史の教科書等で目にすることではあるかと思いますが、基本的に綺麗に描かれていると感じます。実際はこんなにドロドロとして、いろんな人がいろんな問題と戦って今の「沖縄県」があるのかと思うと、平和とも綺麗ともいいがたい出来

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    2021年09月03日
  • 運命の人(一)

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    「西山事件」をもとに書かれた作品です。山崎さんの作品はどれを手にとっても非常に勉強になります。日本のこと、日本人のことを知らなさ過ぎる自分には刺激的なものばかりです。この「運命の人」もそんな感じを受けました。

    新聞記者の主人公が公文書、とくに極秘文書を手に入れながら記事を書き、世の中に伝えていく・・・ペンと紙を武器とする人たちの強さが伝わってきました。一方で今も昔も変わらない国民へ明らかにしないお金の使い方や取引など、政治家の裏側にイライラする気持ちが起こりました。

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    2021年09月03日
  • 花のれん

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    あらすじ
    第39回直木三十五賞受賞作
    船場の呉服店に嫁いだ多加(たか)は、家業に関心を持たず、芸事にうつつを抜かすばかりの頼りない夫・吉三郎に、いっそ道楽を本業にしてはどうかと勧める。二人は店を廃業して寄席を始めたが、吉三郎は妾宅で急死。幼い子どもとともに残された多加は覚悟を決め、なりふり構わず人気芸人を集め、金策に走り、寄席の屋台骨を支えるのだった――。女興行師の奮闘ぶりを描き、著者に直木賞をもたらした傑作細腕繁盛記。エンタツ・アチャコや桂春団治など、実在の芸人が花を添える! 
    感想
    これぞ吉本興業だ‼︎

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    2021年08月27日
  • 不毛地帯 第五巻

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    5巻まで一気読み。読み始めたら止まらない面白さ。
    あらゆる場面に於ける細かい描写から、著者が取材や文献を通して徹底した研究を行ったことが容易に読み取れ、各描写の詳細さに著者の小説に対する情熱的な姿勢が溢れてる気がする。
    自分の人生を賭して成功させたいと思う仕事に出会いたいなと思う小説でした。

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    2021年08月15日
  • 華麗なる一族(下)

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    初めての上中下の三部作にチャレンジしたのがこの作品。上巻を読んで、この作品なら読んでみたいと思わせてくれた。

    本作は1960年代を舞台に描かれており、現代とは時代背景が異なりお硬い家柄や世襲が根っこにある作品となっている。
    題名に通り、財閥系の一族が資本力と人脈を駆使して、その地位を強化なものにしていくストーリー。
    ところが、その地位に満足せず、時代特有の高度成長期ということもあり、イケイケドンドンのウルトラCを画策する。そこに家柄と世襲が絡み泥沼にハマっていく様がリアルで読み応えたっぷり。
    決して昼ドラでは表せない深さのドップリ感が味わえる。

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    2021年12月19日
  • 白い巨塔(一)

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    他の本と並行しながらですが、2ヶ月弱もかかって読みました!もう全ての語彙力を圧倒的という言葉に置き換えたい所存でございます。去年五話連続でやってたドラマのキャストでイメージして読んだので、財前は岡田くん。里見は松山ケンイチ。ケイ子は沢尻エリカ。東佐枝子は飯豊まりえちゃん。などなどが頭の中で物語を展開してくれました!
    人間の命の尊厳さと地位や権力への欲望の共存する「白い巨塔」。この白い巨塔に敗北したのは里見や地方へ飛ばされた医局員ではなく財前だった。本当に圧巻。実際医学会がここまでのものかは分かはないけど、少なからずこういう風潮はあると思う。
    全ての登場人物がこの物語を考えさせるのに必要な人物で

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    2021年08月01日
  • 不毛地帯 第一巻

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    シンドラーのリストを観たすぐ後に読んだからか、それともこの本自体の描写のおかげかはわからないけど、シベリアでの話を読んでいると収容所での生活の光景がありありと浮かんできた
    「戦争」という悪行の裏にはそれを是と信じて自分の全てを賭けた人たちがいて、戦争を推し進めたことについての個々人の責任ってなんなんだろう?と思った
    兵隊だったら自死することで責任を取るけど、商売の世界では自分の失敗を売上で取り返すことによってのみ責任を全うできるってくだり、印象に残ってる
    主人公がこれからどうなっていくのか、楽しみだあ!

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    2021年07月24日