山崎豊子のレビュー一覧

  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-
    映画を見に行かねばと思いつつ、行きそびれてしまいました。
    というわけで、古本屋に並んでいたので早速購入しました。
    ○ALと裁判沙汰になった…ということぐらいしか知らずにいたのですが、読み始めて面白いこと、面白いこと!!!

    労働組合
    アフリカ
    飛行機事故

    私の興味のあるところがてんこ盛...続きを読む
  • 不毛地帯 第一巻
    ひたすら引き込まれます。
    シベリアでの11年の勾留。まったく畑違いの商社での第二の人生。圧倒的な取材と筆力。ドラマとはまさにこういうものを指すのでしょう。これがあと4巻つづくという幸せ。
  • 華麗なる一族(下)
    親父が汚い
    鉄平も良く言えば一本気だけれど、融通のきかなさがすごい。
    多分俺は鉄平は苦手(笑)でも一生懸命に情熱を傾けられるのはとても尊敬できる。
    けれど現実的なのはやはり親父かなあ。
    親父の汚さはあるけれど今の社会を生き抜いてどんどん成長できるのは狡猾な冷静な、そんな人間なのかもしれない。
    理想主...続きを読む
  • 二つの祖国(四)
    東京裁判の過程とケーンの苦悩が重なりあって読みごたえあり。
    現在の日米関係はなんだかんだ言っても親密だが、それに至るまでの犠牲は計り知れない。
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-
    事故当時、中学生でしたが、この墜落事故は鮮やかに覚えています。この御巣鷹山篇の冒頭の管制室の緊迫したやりとりで、当時の記憶がよみがえってきました。乗客の、家族の、救援者の、そして管制室の、事故にかかわってその無事を思った人すべての無念と、絶望を思うと、想像を絶します。また、被害者への応対についても、...続きを読む
  • 女系家族(下)
    誰もが相手を騙していたと思ったら、最後に待っていたのは。
    1億円も相続できるのであれば、それ以上の欲はかかないと思うが……
    自分には想像もつかない世界。
    まさに、化け物たちの化かしあい。
  • 運命の人(四)
    第4巻は沖縄戦の当時の惨状から終戦を迎え、戦後の沖縄米兵少女暴行事件に際しての日米地位協定によりその対応に歯がゆい思いをする沖縄の置かれた立場が描かれる。
    兼ねてより自分は世の中には知らない方が良いことが多々あると考えているが、歴史を腑に落とす為には避けずに知っておくべき事実を知り自分なりに咀嚼しな...続きを読む
  • 華麗なる一族(上)
    素晴らしい。
    山崎豊子さん、さすが。
    厳しい、残酷なお話し。
    親子、兄弟、家、親戚。それぞれの立場。
    登場人物多いが、特徴と関係が分かりやすい。
    池井戸潤さんなら、最後に正義は勝つなのだが、
    そうはならない。読んでて辛い。
    50年前の設定で、今ではありえなさそうだが、
    テレビドラマにもってこいの設定...続きを読む
  • 二つの祖国(二)
    1巻でもかなり過酷な状況であった「日系二世」たちだが、戦争が進むにつれ、さらに凄惨の一途を辿る。
    二つの祖国の間で揺れ動く者、片側に阿る者、立場を崩さぬ者、全てに一切の区別なく、その苛烈極まる運命に飲み込まれていく。

    戦争や原爆投下後の生々しい表現等、読むのが辛い場面も多々あったが、それでも先を読...続きを読む
  • ムッシュ・クラタ
    ムッシュ・クラタ、人にどう思われても良いとは自分には思えないが、何か強い信念・信条を持って少なくとも人に流されない様にしたいと思わされた。
  • 花のれん
    山崎豊子さんの作品は日本語がとてもきれいだといつも思っていた。この作品は大阪弁が本当に丁寧に書かれていて、大阪の町中にいるような気分にさせられた。
    日本語の表現の美しさが好きで、過去には「二つの祖国」「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「大地の子」「華麗なる一族」「女の勲章」などたくさんの作品を読んだ。これら...続きを読む
  • 不毛地帯 第五巻
    シベリア時代にも、文章を読んでいるだけでまるでそこにいるような錯覚を起こさせるくらいに精密な描写と、それを可能にさせる取材力に圧倒されたが、商社時代になっても、それは全く衰えていない、どころかさらに加速している。戦闘機や車、石油など、その時代を反映する様々な事件を題材に、主人公の壱岐は葛藤し、成果を...続きを読む
  • 不毛地帯 第四巻
    1~4巻までの感想。
    山崎豊子さんの取材力に感服。
    シベリア抑留、航空機、車、石油等、商売と政治の絡みが描かれており今はどうなっているのかと気になった。結局人は金と地位を得ると固執してしまうものなのか。ただ、壹岐さんは違った。国益のために奮闘し、運も味方して事業に成功した結果会社を辞めた。でも亡くな...続きを読む
  • 不毛地帯 第一巻
    びっくりした。かなり面白い。知識としては知っていたシベリア抑留に関して、過酷な現実がこれ程までに生々しく描かれていると、同じ日本人として知らなかった事が多すぎて恥ずかしくなる。敗戦後、日本の発展の礎を築いた財閥や商社を舞台に、ソ連での回想を交えながら、静かにストーリーが始まってゆく第1巻。
  • 女系家族(上)
    舞台は大阪・船場の代々続く米問屋。「御寮はん」だの、「大番頭はん」だの、いつの時代やと思ってたら、なんと昭和34年。戦後!?「わろてんか」に似てるから明治かと思った。主人公は三姉妹。次女が婿を取って家を継ぎ、三女は未婚、長女は・・・出戻り居候・・・うちと似ているところもあるけどこうはならないようにし...続きを読む
  • 女系家族(下)
    父が死んだことで残された莫大な遺産をめぐって繰り広げられる、血で血を洗うような相続争い。あーこうはなりたくない。ホンマに。にしても時が止まったような、戦後の船場の老舗問屋。「腐っても鯛」とはこのことか。ほんと、こうはならないようにしよう。そしてなにげに初・山崎豊子。
  • 華麗なる一族(上)
    『沈まぬ太陽』を読んで山崎豊子さんのファンになり、二作目。
    取材を基にしているという圧倒的なリアリティがこの作品も素晴らしい。それぞれのシーンでの会話の中での細かい駆け引きに至るまでリアルで緻密。
    読み応えがあります。
  • 約束の海
    いつになっても色あせない、本物のプロ山崎豊子さんの遺作。あとがきまで読んで本当に感動。
    プロであるのはもちろん、本当に好きだからこそ物書きができることの喜びを感じる。
  • 花のれん
    「取り落した仕付け糸の端を、ぴいと抜き取った」
    155頁は感激で深い意味を持つと感じ入った。
    白の喪服・・・・もはやこの日本には、これを着る人は居ないだろうと思う。その意味を知る人も…
    山崎さんはド根性物は書けても恋愛ものはきっと書けなかっだろうナ 唐突的に登場する伊藤でそれを感じる
  • 白い巨塔(三)
    2017/04/13
    固唾を飲んで見守った裁判、結果は個人的には受け入れたくないが、まあそうなるよなぁ… アウシュビッツで感じた憤りを、財前教授が佐々木さんの死に対しても少しでも感じることができたなら、こんな裁判は行われなかったのでは、と思う。里見先生の生き方も財前教授の生き方も両極端で、現実に生き...続きを読む