山崎豊子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
東京裁判は戦争犯罪を裁く場ではなく、敗戦国の指導者に責任を取らせる裁判だった。
戦争は置かれた環境や所属によって意思とは関係なく相応の仕事を求められ巻き込まれるのだとつくづく思った。
親ガチャが取り沙汰されているが、私は国籍ガチャもあると思う。
▼ヒトは区別分類することができるが、すなわち差別も生まれる。
人種差別が無くならないように戦争も無くならないなら、
ルールを決めた戦争を行なってもらいたいものだ。
例えば、戦闘予定地域への民間人完全退避の徹底、
民間人を巻き込まないプロの戦闘員による陣取り戦争。
ルールの上で戦争して人道違反を戦勝国、敗戦国を平等に評価する体系を作っていって欲しいと願 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国の現代史を知りたくなり、見つけた大地の子。戦争残留孤児である松本勝男こと陸一心の人生を軸に、悲惨たる戦争の代償や凄惨な文革の歴史などの社会描写、産みの親と育ての親との絆、それゆえの葛藤などの心理描写が読む人のこころをうつ。不毛地帯、沈まぬ太陽と山崎豊子作品を2冊読んだことがあるが、この作品は圧巻。もちろん小説、フィクションではあるが、現実に起こった歴史を題材としており、著者自身の戦争孤児に対する責任を蔑ろにする日本国に対する怒りが垣間見える。
勝男の妹あつこの悲惨な生涯と、勝男があつこの死を看取るシーンには大号泣。序盤のソ連軍からの逃亡中で起こる凄惨極まりない過酷な状況(ソ連軍に見つからな -
Posted by ブクログ
2代に渡る大阪商人を描き、ビジネスのあらゆる場面を凝縮したような作品。
小説ではあるけれど、ビジネス書としても読めます。
下積み時代、毎日の単調なただのランプの煤掃除から、
ランプが綺麗になれば昆布(商品)を美味しそうに照らすと語り、
旦那様に魅入られ、丁稚から格上げされるというシーンがあります。
有料の講習会に出席させても「何も身になることはありませんでした」とレポートを出す若手社員に読ませてやりたい!と思わず本を握る手に力が入りました(笑)
話は変わりますが、昔の大阪を舞台にしたドラマとかで、
「いとはん!」と小僧さんかなんかが呼ぶシーンがありますが、
これまでずっと「イトさん」とい -
Posted by ブクログ
ネタバレ宝華製鉄所の建設に精を出す中で、ついに妹の消息をつかみ三十数年振りの再会を果たしたものの、養母にトンヤンシーとして馬車馬のようにこき使わらてきたために体がボロボロになっており、陸一心の様々な図らいも虚しく、息を引きとった時には無情さを痛感した。実父との運命の再会を果たしたものの、またも日本人という出自により一波乱巻き起こす要因になってしまうことに、むずがゆさを感じた。
宝華製鉄所の建設で仕事をともにするうちに、丹青の陸一心に対する差別的感情が薄れてきて徐々に慕うようになっていく様は、ストーリー的には予測できたが、3巻におけるヒロイン的な役割を果たしていて、ロマンス要素として物語をより充実させて -
Posted by ブクログ
ネタバレ序盤では、文化大革命によりインテリに対する激しい弾圧が行われる中、出自が日本人であるというだけで濡れ衣を着せられ、吊るし上げられ、労働改造所に強制送還させられるという、陸一心の身に起こったあまりに理不尽で不条理な出来事に頭がついていかなかった。
ただ、日本軍に見捨てられ中国で戦争孤児として生き抜いてきた陸一心の子供時代を読み進めていくにつれ、戦争や革命という凶暴な力により、人の運命はこうも容易く歪められてしまうものなのだという厳しく冷酷な現実をようやく受け止められるようになってから、陸一心の身の上に同情し、一刻も早く労働改造所から脱することができることを願うばかりだった。
暗闇の中を出口がある -
Posted by ブクログ
ネタバレ失意の内に弓成が向かった沖縄に舞台が移る。
そこで本土決戦の証言を聞くことになるのだが、途中で文章を区切ることもなく、内容も相まって実に重苦しく綴られていた。集団自決のため、我が子を手にかけるとか地獄だ。そして今でも沖縄は矛盾を押し付けられている。
それを伝えるべく弓成は再びペンを取る。三巻の感想で「変な理想に目覚め」と書いたが、弓成はここ沖縄で初めて確かな足場を得たのではないかと感じた。
思うに任せず運命の荒波に飲まれたが、自分に課せられた使命を受け入れ再起した、運命の人とは弓成自身のことではないか、と最後まで読んで思った。
ヌチドゥ宝=命あってこそ。生きてさえいれば。 -
Posted by ブクログ
以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を -
Posted by ブクログ
以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を