山崎豊子のレビュー一覧
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以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を -
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久しぶりに大作を読んだ。山崎豊子氏の不毛地帯である。どんな内容か全く知らないまま読み始めた。
第二次世界大戦で日本軍の参謀だった壹岐は、戦後シベリアに抑留され、11年もの長い月日を寒さと飢えに耐え忍びつつ、過酷な労働をさせられた。ようやく日本に戻ることが出来てからは、関西の繊維系総合商社に採用され、ビジネスマンとして商才を次第に発揮していく、というストーリー。日本の潰れそうな自動車会社とアメリカのオートメーカーとの提携を仲介したり、イランで石油を開発するスケールが大きい仕事が見事に描かれている。
まず、シベリアに戦後抑留された人々のことをあまり知らなかったので、こういうことがあったことに衝撃を -
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華麗なる一族は本当に華麗でおぞましかった。2007年のTVドラマでは一途で好青年風だった鉄平も、小説ではたしかに他の一族に比べて実直で技術屋らしさはあるが、経理に疎くて見通しは甘く、家族もほったらかしで息抜きは料亭で若い女を呼ぶなど、やはり一族の人物には違いない。でもお約束の箇所ではやはり痛ましかった。勧善懲悪に決してならず、権力が権力を呼び続け、このボリュームで圧巻の説得力。
wikiで小説とドラマの違いを説明したものを読んだ。ドラマはドラマでこの話を鉄平仕様にし、よりドラマチックになるようにエピソードや人物を足し引きしたようで、それも非常に効果的だっただろうと思える内容だった。通しで見て -
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温故知新という言葉通り、過去の沖縄を知っていきながら主人公は少しずつ沖縄問題と再度向かい合い、自分自身と向かい合い、妻と向かいあいながら、話が進んでいきます。
沖縄の戦争がどうだったかは本、ニュースなどでの特集から知っていることはあったが、それ以上にこの本から勉強させてもらいました。今までは裁判が中心の話であったため、次が次がと気になるため、読むスピードも早かったのですが、ここに来て沖縄の戦中、戦後のことはじっくりと読みました。一字一句逃さないようにと。過去から多くを学び、そして受け止め、悔い改めること、反省するべきところは反省し、次へつなげるのが後世に残されたものの責務だと改めて思いました -
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「知る権利」を争うの裁判で一時は勝訴したが、逆転敗訴。敗訴する前から主人公は新聞記者としての自分を亡くしていました。それ以上に大切な家族とも絶縁状態になっていました。
ペンと紙を武器として戦ってきた主人公にとって記者以外の仕事は仕事ではないのだと思いました。本当にわずかの人かもしれないが、自分の好きなことを趣味だけにとどめず生業として生きていく人がいます。そんな人がこの主人公なのでしょう。天職というものは本当にあるんだなと。
羽があるけど飛べない鳥のように空を見続ける主人公は実家の家業にやる気が出ず、生きていくことさえあきらめて・・・これからどうなるのかが気になるところです。 -
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ペンと紙を武器とする新聞記者の主人公が逮捕されペンを折られたところから2巻は始まります。
知る権利を掲げて戦うジャーナリズムと国家公務員法の守秘義務を破ったことで起訴した国家権力との熾烈な法廷での争いが描かれています。少しばかり難しい部分もありますが、昔も今も変わらない「○○の権利」について勉強にっています。何でも権利を主張すればよいとも限らない部分も見えてきます。
沖縄返還は歴史の教科書等で目にすることではあるかと思いますが、基本的に綺麗に描かれていると感じます。実際はこんなにドロドロとして、いろんな人がいろんな問題と戦って今の「沖縄県」があるのかと思うと、平和とも綺麗ともいいがたい出来