山崎豊子のレビュー一覧

  • 約束の海
    いつになっても色あせない、本物のプロ山崎豊子さんの遺作。あとがきまで読んで本当に感動。
    プロであるのはもちろん、本当に好きだからこそ物書きができることの喜びを感じる。
  • 花のれん
    「取り落した仕付け糸の端を、ぴいと抜き取った」
    155頁は感激で深い意味を持つと感じ入った。
    白の喪服・・・・もはやこの日本には、これを着る人は居ないだろうと思う。その意味を知る人も…
    山崎さんはド根性物は書けても恋愛ものはきっと書けなかっだろうナ 唐突的に登場する伊藤でそれを感じる
  • 白い巨塔(三)
    2017/04/13
    固唾を飲んで見守った裁判、結果は個人的には受け入れたくないが、まあそうなるよなぁ… アウシュビッツで感じた憤りを、財前教授が佐々木さんの死に対しても少しでも感じることができたなら、こんな裁判は行われなかったのでは、と思う。里見先生の生き方も財前教授の生き方も両極端で、現実に生き...続きを読む
  • 不毛地帯 第五巻
    入札で取ったはいいけど出なくてやばかった石油が遂に出て、くすぶっていた自動車提携も最後に話を進めて、相場でおかしくなった大門社長と一緒に退陣して終了。うっとうしかった恋愛ネタもほろ苦い感じで終わり、結局最初に戻ってシベリアの同胞のために第3の人生を生きていく、と。5巻はホントに怒涛の展開でめっちゃ面...続きを読む
  • 大地の子(三)
    親子と気づかないままでいる2人が歯がゆい。どうやって再会が果たされるのか気になる。
    中国の歴史、社会、そこから生まれる文化、人間性を知る上で、とても勉強になる。
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-
    小学生のころ、この事故の生存者発見のニュースを別の空港で見ていたのを思い出す。
    この巻はまるでノンフィクション。事故の惨状、遺族の苦しみにたじろぎながらも一気に読んだ。巻末の章はとても切ない。
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-
    「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の...続きを読む
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-
    パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。共に闘った同期の友の裏切り。そして、家族との別離―。焦燥感と孤独とが、恩地をしだいに追いつめてい...続きを読む
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-
    アフリカ編を読み終えました。時代感があるのですが、その古さが心地良い(文面)。歴史や社会の勉強になり貴重な本だと思う。実話なのかはとりあえず置いといて、孤独に打ち勝つ力や真面目さが非常に感銘を受けた。
  • 不毛地帯 第二巻
    FX、二次防とアラブ・イスラエル戦での東京商事との激戦、息もつかせぬ攻防だった。
     
    元関東軍の作戦参謀として、
    従来の接待などの饗応作戦や金品ばら撒きでなく、
     
    社長直属、全社的な経営戦略を立案する営業本部を組織しての情報戦を展開していて、
     
    ビジネスマンが命を懸けて働いているのが印象的だった...続きを読む
  • 不毛地帯 第一巻
    シベリア抑留の過酷な様子が伝わってきた。
    1945年に戦争は、終わったけど、ずっと苦しみ続けていた人たちがいたことを知った。
     
    壱岐正が、第二の人生を商社マンとして、一から歩もうとする真摯な姿を見て、
     
    自分も、自分の仕事や人生と真っ直ぐに向き合っていきたい。と思った。
  • 仮装集団
    昭和42年に発表された山崎豊子作品。安保闘争のはざまの時期、そして、いまだ労働組合の組織率が高く、労組運動も顕在化していたという時代背景もあっての作品。党や労組が、他の団体・集団にいかに入り込んでいくか、といった組織の怖さが描かれている。「オルグ」「フラクション活動」など、いまや死後と化している用語...続きを読む
  • 花のれん
    最後まで読んだとき全身が粟立つのを感じた。ここまで一人の女性が全てを投げ打って商いに身を投じられるものなんだろうか。多加の女性に対する視線はいつも冷ややかで芸人たちに対するそれとは真逆にある。確かに彼女は一代で途方も無い財を築き上げたのだが、それって本当に幸せだったのだろうか・・・と考えてしまった。...続きを読む
  • 大地の子(三)
    父親が満州の実状を知る場面、兄の妹と再会する場面、涙がこぼれそうになった。この辺は大筋はドラマと変わりないが、妹の環境は更に深刻であった。
    政治的な問題も色々あり読み応えあった。
  • 花のれん
    第39回(昭和33年度上半期) 直木賞受賞。
    吉本興業の創業者、吉本せいさんをモデルにした作品だと言われています。大阪弁がこんなにも面白いものだということを、この作品を通して知りました。大阪弁は商いのことばともいわれますが、大阪弁が持つ独特な訛りが大阪という町で生まれ育った人の根底を作る文化だと思い...続きを読む
  • 大地の子(二)
    ドラマではあまり触れられてなかった中央の話し、会社トップの話しなど結構なボリュームだった。やはり、親子の話しになるとグッとくるな。。。盛り上がってきた。
  • 白い巨塔(四)
    里見先生、大学を去るが大河内教授のはからいで研究は続けられる環境で良かった。。。財前教授は教授選挙が終わったと思ったら今度は学術会議選挙戦に駆けずり回ってまたもや辟易。。。この巻は若手医師の労働環境や国の癌政策、国立大学の閉鎖性、医療裁判の難しさなど、たくさんの社会問題が浮き上がり読み応え十分。
  • 華麗なる一族(下)
    華麗なる一族崩壊。
    中間まで読み続きの内容が気になり下巻は一気読み。
    クライマックスは驚きの展開の連続。
  • 華麗なる一族(中)
    歪んでる一族の関係。
    ここからスッキリとした結末に向かうのか?
    鉄平、二子を個人的に応援してます。
    下巻へ続く。
  • 華麗なる一族(下)
    人生は困難ばかりで、それを打ち破ることが当たり前という風潮があるが、実際には打ち破れないことの方が多い。それも人生で、それでも真剣にぶつかったのであれば残るものもある。山崎豊子作品は必ずしもhappy endでなく、厳しい現実から目を逸らさないところが逆に心地よいい。
    それにしても、自分が生まれる前...続きを読む