山崎豊子のレビュー一覧
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ネタバレ宝華製鉄所の建設に精を出す中で、ついに妹の消息をつかみ三十数年振りの再会を果たしたものの、養母にトンヤンシーとして馬車馬のようにこき使わらてきたために体がボロボロになっており、陸一心の様々な図らいも虚しく、息を引きとった時には無情さを痛感した。実父との運命の再会を果たしたものの、またも日本人という出自により一波乱巻き起こす要因になってしまうことに、むずがゆさを感じた。
宝華製鉄所の建設で仕事をともにするうちに、丹青の陸一心に対する差別的感情が薄れてきて徐々に慕うようになっていく様は、ストーリー的には予測できたが、3巻におけるヒロイン的な役割を果たしていて、ロマンス要素として物語をより充実させてくれた。 -
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ネタバレ失意の内に弓成が向かった沖縄に舞台が移る。
そこで本土決戦の証言を聞くことになるのだが、途中で文章を区切ることもなく、内容も相まって実に重苦しく綴られていた。集団自決のため、我が子を手にかけるとか地獄だ。そして今でも沖縄は矛盾を押し付けられている。
それを伝えるべく弓成は再びペンを取る。三巻の感想で「変な理想に目覚め」と書いたが、弓成はここ沖縄で初めて確かな足場を得たのではないかと感じた。
思うに任せず運命の荒波に飲まれたが、自分に課せられた使命を受け入れ再起した、運命の人とは弓成自身のことではないか、と最後まで読んで思った。
ヌチドゥ宝=命あってこそ。生きてさえいれば。 -
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以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を横軸に進む。
一番の迫力は、ここで取り交わされるさまざまな会話。一歩間違えれば追い込まれる神経戦の連続。経済に関する記述も非常に正確で、企業乗っ取りといえば流行りものを含めそうとう雑なものも多い中、リアリティは今なお色褪せない。
スカッとしないことこの上ない読後感ではあるが、だからこその読み応え。 -
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以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を横軸に進む。
一番の迫力は、ここで取り交わされるさまざまな会話。一歩間違えれば追い込まれる神経戦の連続。経済に関する記述も非常に正確で、企業乗っ取りといえば流行りものを含めそうとう雑なものも多い中、リアリティは今なお色褪せない。
スカッとしないことこの上ない読後感ではあるが、だからこその読み応え。 -
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以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を横軸に進む。
一番の迫力は、ここで取り交わされるさまざまな会話。一歩間違えれば追い込まれる神経戦の連続。経済に関する記述も非常に正確で、企業乗っ取りといえば流行りものを含めそうとう雑なものも多い中、リアリティは今なお色褪せない。
スカッとしないことこの上ない読後感ではあるが、だからこその読み応え。 -
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久しぶりに大作を読んだ。山崎豊子氏の不毛地帯である。どんな内容か全く知らないまま読み始めた。
第二次世界大戦で日本軍の参謀だった壹岐は、戦後シベリアに抑留され、11年もの長い月日を寒さと飢えに耐え忍びつつ、過酷な労働をさせられた。ようやく日本に戻ることが出来てからは、関西の繊維系総合商社に採用され、ビジネスマンとして商才を次第に発揮していく、というストーリー。日本の潰れそうな自動車会社とアメリカのオートメーカーとの提携を仲介したり、イランで石油を開発するスケールが大きい仕事が見事に描かれている。
まず、シベリアに戦後抑留された人々のことをあまり知らなかったので、こういうことがあったことに衝撃を受けた。先日読んだ「大地の子」では中国に残留した日本人の話を読んだが、それと少し共通するところがあるかもしれない。第2巻からの、壹岐が商社マンとして挫折しながらも国際的な案件に次々と関わっていく姿は、とてもリアルだった。偶然にも、私も中東の石油開発関連の仕事をしているので、時代は1970年代で仕事の仕方は少し違うとはいえ、手に汗握る展開だった。主人公の壹岐の生き方に学ぶところが多くあった。
毎回、山崎氏の取材力には本当に舌を巻く。小説家という全く畑違いの分野の人が、いろいろ調べてここまで書くというのは、その世界にどっぷりつかっている人間からみたら、感心を通り越して呆然とするレベルである。
読後感も素晴らしかった。またいつか読みたい。