Posted by ブクログ 2022年06月14日
2代に渡る大阪商人を描き、ビジネスのあらゆる場面を凝縮したような作品。
小説ではあるけれど、ビジネス書としても読めます。
下積み時代、毎日の単調なただのランプの煤掃除から、
ランプが綺麗になれば昆布(商品)を美味しそうに照らすと語り、
旦那様に魅入られ、丁稚から格上げされるというシーンがあります。...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月13日
山崎豊子氏の処女作。
大阪商人を主題にした小説はほかにもいくつか読んでいるが、一番ベースになるような基本のストーリーに接した気がする。
がむしゃらな商人根性が、暖簾に裏打ちされた恥じない商いとしっかり通じているところが、純粋でまっすぐで読んでいて快適だった。
生きる力を裾分けしてもらえるような...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月25日
山崎豊子のデビュー作であり、出世作。
日清戦争後、淡路から裸一貫で大阪の昆布商に丁稚奉公し、苦節10数年、暖簾分けして自らの店を持ち、繁盛させていく主人公の姿が第一部で描かれ、第二部では、主人公の次男が戦災ですべて失った老舗の暖簾を再興していく物語。
どんなに困難なことがあっても、決して暖簾に傷...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月19日
山崎豊子の処女作。
大阪の昆布屋、「浪速屋」で丁稚奉公から暖簾分けをされるまでの吾平の努力、生きざまと、その息子の孝平の戦後の復興の模様を生き生きと描いている。
処女作なのにクオリティ高すぎてびっくり。豊子天才だ!
思ったのは、やはり時代を読める人間でないと、商売はできないということである...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月17日
2009.03. 大阪生粋の商人の会話がおもしろい。丁稚から根性入れて昆布に一生をかける主人公。「〜だっせ。」「〜やぜェ。」等々、読んでいてほんとに生きた会話というのはこういうのだなと思う。そして次世代・息子の商売の様子も真面目一徹でよいです。正直に懸命に生きる人の姿はよいです。こういう話、どっかで...続きを読む