山崎豊子のレビュー一覧
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ネタバレこの作品は、主人公の財前は悪役として、財前を告発した患者さん家族の味方となった里見は正義として描かれているが、実際には、財前はむしろ被害者であって、本当の悪人は里見なのではないか。
物語の序盤、財前は、手術した患者さんの肺転移を見逃す。まわりはそれに気がつきつつ、誰もそれを財前に進言できないままに状態は悪化する。里見もまた、財前に「これは肺転移だ」と進言したはずだけれど、結局生検は行われることなく、患者さんは亡くなってしまう。
患者さんの経過において、もちろん責任者は主治医であった財前だけれど、患者さんは結局亡くなってしまったとはいえ、訴訟を回避できた可能性は無数にあった。肺転移した胃癌に -
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1.著者;山崎豊子さんは、小説家です。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。毎日での上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けました。19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面し、「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は、今でも幅広い世代から支持されています。氏の綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢はあまりにも有名です。「花のれん」で直木賞を受賞後、作家業に専念し、菊池寛賞や毎日文化賞を受賞しています。
2.本書;3編(アフリカ篇2冊、御巣鷹山編1冊、会長室編2 -
Posted by ブクログ
ナイロビ支店編ですね。これが実際にあったのが信じられない。未就航のナイロビにワンマンオフィスを構えて就航のための地盤作りは1000歩譲っても(将来がある可能性が少しでもあるにしても、1人はありえないが)、途中から就航は無くなったけどチケット売りしとけはないだろ。。。サラリーマンは逆らえないもんなあこの時代は。日本語を全く喋らない日が何日も続くのはきつい。。よく4年半も耐えたな。。おれなら会社を辞めて即帰国します。テヘランの時点で。それでも日本で耐えてる旧労組のみんなのために耐えたのはすごい。だけど、家族があそこまで苦しんでるのに意地になったのは、んー正直自分は共感できません。できないけど、やり
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Posted by ブクログ
1.著者の山崎豊子さん(故人)は、小説家です。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。毎日新聞での上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けたと思います。19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面ししました。
「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢はあまりにも有名です。「花のれん」で直木賞を受賞後、作家業に専念し、菊池寛賞や毎日文化賞を受賞しています。
2.本書の主人公は、旧海軍士官を父親に持つ