山崎豊子のレビュー一覧
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ネタバレ膨大な資料や取材から濃密な作品を作り上げる山崎さんの作品、本作は、いわゆる『外務省漏洩事件』『西山事件』が題材です。
文庫本は四巻分あり、全般は記者弓成の三十余年に渡る紆余曲折を描きます。
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第一巻では特ダネ記者としてぶいぶい言わせる弓成が、外交官や政治家に食い込み、情報を取ってくる様子をビビッドに描写しています。
空気はひとことで言えば『昭和』。仕事は朝から晩まで。取材先には夜討ち朝駆け、酒とたばこは必需品。そして奥様の定位置は家庭。
そうした雰囲気のなかグレーな取材攻勢で外務省の女性事務員三木から情報を取った弓成ですが、政府の動きに対し義憤を感じたことから別ルートで当該情報をリ -
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ネタバレ不毛地帯最終章。
長かった主人公の商社マンとしての第二の人生が終わりを告げる。
社運をかけた中東のオイルビジネスはどうなることかとハラハラさせられたが、結果的に物凄い量のオイルが見つかり、会社に多大な利益をもたらすことになった。
主人公は社内で更に評価を上げる。
他方で、大門社長は相場で莫大な損失を出す。
年のせいで判断能力は衰えているのに、本人は現役のままでいるつもりだから、周囲の意見に全く耳を貸さない。これぞ老害。
社長の存在は会社にとって、もはや邪魔であると判断した主人公は社長に辞任を迫る。
最初は納得しなかった社長も徐々に諦め、主人公と一緒に会社を去る。
オイルビジネスが成功し -
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山崎豊子先生の超大作にして代表作。
一巻は主に、主人公のシベリア勾留から商社に入社するまでの話。
日本敗戦濃厚と見るや、条約を破って満州に進出し、戦後のどさくさに紛れて捕虜を強制労働に従事させたロシアは本当に卑劣である。
この問題こそ、戦後何十年経った今でも賠償請求をして許されるのではないかと思えるほどに理不尽。
主人公のモデルになった人物が、ここまで清廉潔白な人物だったとは思わないが、シベリア勾留、日本の戦後復興について非常に勉強になる。
内容は難しいはずなのに小説だから読みやすい。そして、引き込まれるストーリー構成は、さすが山崎豊子先生。 -
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東京裁判のモニターとして、法廷に臨む賢治。
裁判長、連合国側の検察官、日本人の被告、日本人の被告を弁護する弁護士。
太平洋戦争への様々な思惑がみえてくる。
アメリカ国籍を持ちながら、日系二世でもある自らの存在をもとに、限りなく公平にモニターとしての職務に徹しようとする賢治。
それが賢治を悩やませ、苦しませる…
日本兵が連合軍の捕虜や女性に行った残虐行為。アメリカが日本の敗戦がほぼ決まった中での広島、長崎での原爆投下。
どちらも許されない。
日本にだけ非があるとするのではなく、日本をそこまで追いやった側の非も追求する日本側弁護団の正義。
戦争、そこに至るまでの経緯…
一方だけに非があ -
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米軍の語学将校となった賢治。
アメリカへの忠誠を示し、米軍に志願し、欧州に向かった勇。
日本で、帝国陸軍兵士として、出征した忠。
戦争は3人の兄弟を、家族を巻き込んでいく…
ドイツ軍からテキサス大隊の救出にあたっていた勇は…
戦闘の激しさがます、フィリピンで賢治と忠は…
賢治の恐れていたことが…
そして、8月6日、広島…
もう日本の敗戦が決まっているというのに、広島に落とす必要があったのか⁇
戦争とはいえ…
たくさんの一般市民を犠牲にする必要があったのか。
2度とあってはならない。
賢治と忠はどうなっていくのか…
東京裁判は賢治の行く末にどんな影響を与えるのか。
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アメリカで生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世。
日本による真珠湾攻撃により、太平洋戦争が勃発。
アメリカに残る日本人、日系人には過酷な試練が待っていた。
日系二世たちはアメリカ人として生きるか?
日本人として生きるか?問われる…
天羽賢治も日系二世として、厳しい選択に迫られる…
どちらを選ぶべきなのか…
父・乙七は日本人としての、薩摩の郷士としての誇りを。
弟・勇は、アメリカで生まれ、育ち、日本に対する想いや天皇陛下に対する想いもなく、アメリカ人として生きることを。
賢治は…
難しい選択。
日系二世だとしたら、どう生きるだろうか…
チャーリーのような生き方はできないだろ