【感想・ネタバレ】約束の海のレビュー

あらすじ

海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と釣り船が衝突、多数の犠牲者が出る惨事に。マスコミの批判、遺族対応、海難審判……若き乗組員・花巻朔太郎二尉は苛酷な試練に直面する。真珠湾攻撃時に米軍の捕虜第一号となった旧帝国海軍少尉を父に持つ花巻。時代に翻弄され、抗う父子百年の物語が幕を開ける。自衛隊とは、平和とは、戦争とは。構想三十年、国民作家が遺した最後の傑作長篇小説。

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Posted by ブクログ

山崎豊子さんの未完の遺作。
三部作になるはずだった物語の第一部。

海自の潜水艦「くにしお」と釣り船の衝突により民間人30人の命が奪われる。
世間の批判の目に晒される自衛隊。
海軍内での居場所を失う「くにしお」の乗組員たち。
若き士官、花巻の目線からストーリーは展開していく。

深い海の中でひっそりと、日々命懸けで国防に携わっている彼らの任務。
行間から、彼らの任務の息詰まる緊張感を感じる。

この物語は単なる裁判ものではない。
巻末に作者の没後、プロジェクトチームがまとめたその後のストーリーがおおまかに掲載されている。
真珠湾攻撃にまで遡る壮大なスケールに圧倒され、もはや読むことが叶わないのが残念でならない。

時に批判される「戦争をしない軍隊」への予算や在り方。
「戦争と平和」とは。
戦争を知るものの心の傷。
近隣国との命を削るかけひき。
深いテーマを持ち、命の終わりまで平和への想いを届けようとした著者に改めて哀悼の意を表します。

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

山崎豊子さんの最後の小説。
執筆途中で亡くなってしまったので、物語は終わっていないが、それでも読む価値ある1冊。

山崎豊子さんは人間の心象描写がすごくわかりやすく、自分もその場にいるような感覚になります。

この小説は戦艦乗り、海上自衛隊が舞台。
日本で自衛隊というと陸上の方が目立っているが、地政学的にシーパワーである日本において海上自衛隊の重要さを改めて実感。

戦争と正義がテーマになっているが、その正義は何か、手探りで自分の正義とは何か向き合いながら生きていく主人公。
自身の正義も何か非常に考えさせられる。

山崎さんの作品は今後も読み続けたいと思いつつ、最後まで読んでみたかったと、、今でも思います。

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2024年06月11日

Posted by ブクログ

さすがの読み応え。第一部のみまでしか読めないことが残念でならないが、構想段階ではあるものの、その後を公開いただいたことに感謝です。いろいろ考えさせられますね。

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2021年12月09日

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ネタバレ

山崎豊子未完の遺作。
自衛隊の潜水艦くにしおと一般の漁船の衝突事故を中心に、関係者一人一人の思惑や自衛隊に対する世間の風当たりの強さが多角的に描かれていて面白かった。特に審判では漁船の船長に批判的な見方をするサキや、自衛隊に一太刀浴びせようとする田坂弁護士や、堂々と弁明する筧艦長に不信感を持つ頼子や、自信や自主性がなく弁護士をチラチラ見る安藤船長や、いろんな意見や思いがあることが描かれていた。
実直な主人公花巻朔太郎とフルーティストの小沢頼子との恋が淡く進んでいくのもすてきだった。頼子の行動力はすごい。儚げに見えるのに傍聴に行ったり、朔太郎に真実を確かめる電話をかけたり、コンサート後に呼び出したり、芯が強くてギャップがあってよき。
本当は真珠湾攻撃での捕虜第一号だった、花巻朔太郎の父花巻和成が抱えている心の闇、戦争の闇と自衛隊がメインテーマだったようだけれど、その序章の第一部で終わってしまったというのは残念。ただ自衛隊が違憲だとか、戦前回帰だとか、何も知らないで印象論で自衛隊や防衛大を煙たがりがちだけど、実際自衛隊が今日も日本を守っているとか、自衛隊についてもっと理解した上でないと自衛隊の是非を論ずることはできないと思った。

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2021年02月04日

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高校に入ってから図書室にたくさんの本をリクエストして買ってもらっている。この本も買ってもらった。久々に“本”を読んだな、という印象。空母いぶきを見て海自に興味を持って読んだが、国同士ではなくマスコミとの戦いがリアル

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2021年01月24日

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3部構成になる予定だったそうだが、作者の死去に伴い第1部だけで終結。
巻末に今後のシナプスが載っている。
それを見ると完結してもらいたかったとつくづく思う。
作者の終生のテーマである「戦争と平和」を締めくくる作品になる可能性もあったと思った。

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2021年01月21日

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絶筆だから読みたいと思いつつも、未完だからと躊躇する気持ちもあり、これまで横目で見ながら手に取らなかった作品。

加齢によって体力は低下し、その反面自分の立ち位置と存在意義を確認したいという欲求にも駆られ、自分のやりたいこと、やるべきこと、そして出来ることの線引きがぼやけ、なんとも心許ない毎日を過ごしてきた中で、またこの本と対面した。

爽やかで正義感が強く、いかにもヒーロー然としていながらも、迷いや弱さを抱えて時には間違うことも、誰かを傷つけることもある、著者が描く人物像に触れたくなり、とうとう頁をめくることにした。

著者の構想の半分にも満たない作品からは、迷いの中でどう進んでいくかのヒントを得るどころか、もっと難解な問いを投げかけられた。

好き嫌いを問わずそれぞれの登場人物に感情移入し、もし自分ならばこのストーリーをどう展開させる、ラストをどう着地させるのか、答えのない問いかけこそが、著者からのメッセージかもしれない。

後を引く読み応えのある作品。

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2020年04月02日

ネタバレ 購入済み

物語が完結しなかったのが残念

読み手を惹きつける話の展開で、最後まであっという間に読みました。第一部で絶筆になってしまったのが残念です。この後、主人公を含めた登場人物がどのように生きていくのか、とても気になるところでした。一方で、自衛隊の存在意義をあらためて考えてみる機会になりましたし、自衛隊について、国防について知らない事が実はたくさんあるということに気がつき、不安にもなりますが、自分の知らないところで、平和の維持のために頑張っている人がいるということを、時々感じることも必要だということを感じさせる本でした。

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2020年03月26日

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山崎豊子さん、最後の未完作品。
二つの点で興味惹かれる小説である。

* 高齢と病身である山崎さんの渾身の力はいかなるものなのか
* 作者テーマである「戦争と平和」を描くとしても、自衛隊から掘り起こすとは

上記は当時(2013年)文芸関係で話題になった。

氏の秘書野上孝子さんも解説で
「まさか先生、自衛隊を書くのではないでしょうねと、飛び上がった」
と書いていらっしゃる。
「先生には『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』という戦争三部作がある。
その作者がどういう視点で自衛隊を書くのだろう。」

山崎氏全作品読破のわたし、文庫になるのを満を持ししていたので、さっそく。

さすがです!

自衛隊が批判にさらされた「潜水艦なだしお事件」を題材にフィクションが始まる。
その潜水艦の若き乗組員が主人公。
一般人の犠牲者がたくさん出た、あってはならない事故である。
たまたまその事件に遭遇してしまった真面目な悩みを通して
自衛隊とは何かを問う設定。

読んだところ、かなり自衛隊を肯定している。
「かなり」っていうところが今の国民の気持ちだと思う。

山崎節炸裂の力作ですが、第一部完結とはいえ、物足りないのは仕方ありません。
でも、書かれなかった全体の予定構造の概略が巻末に付録してあって、
第二部、三部と続くらしいが、それを読むのがわたしには非常に面白かった。

病魔と闘いながら、きちんと第一部を終わり後の構想を残しておく。
残念だけど好感持てる終わり方。

最後まで書きながら死ぬ、これぞ作家冥利ですよ。

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2020年02月14日

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素晴らしい。心が震えて泣きたくなった。
続きがもう一生読めない事が哀しい。

初の山崎豊子作品。

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2019年09月10日

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2025/10/27 読み終わった

山崎豊子さんの遺作。3部構成を予定されていて、第一部完結、までが完成している。第二部第三部は大まかな流れのみが決まっていて、それもこの本に収録されている。

秘書の方による解説が圧巻で、山崎豊子さんの飽くなき執筆意欲が伝わってきた。

オーストラリア旅行のために持って行った。奇しくもシドニー海洋博物館で潜水艦の中を見学できて、この作品で描写されていた潜水艦の内部のディティールの正確さを確認できた。

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2025年11月27日

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この調子で完結できるのか疑問に思いながら読んでいたら、遺作だったのですね。

本来なら3部構成だったとありました。
続きが読みたいです。
非常に残念です。

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2025年06月12日

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面白かったです。第一部のみとなっているのがすごく残念でしたが、楽しく読み進めることができました。世間への問題提起の思いも込めた山崎豊子さんの他作品も読みたいです。

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2025年01月26日

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三部作構想で、残念ながら作者逝去により第一部で未完の作品。三部作完成していたら間違いなく戦後の日本という国を改めて考えさせられる大作になっていたに違いない。何に正義を置いて自衛隊の存在意義を捉えながら職務を遂行するのか、花巻の答えを最後まで追いかけたかったです。

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2024年12月14日

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山崎豊子作品、未完の遺作。
いつものことながら、膨大な取材と勉強の爪痕を感じられる骨太の作品です。

本作は、海上自衛隊の潜水艦と遊漁船の衝突事故と海難審判を中心に物語が進みますが、山崎先生が最も描きたかったのは、次作で描くはずだった主人公の父親の話。真珠湾攻撃の緒戦で捕虜第一号となり波乱の人生を送ったモデルが、主人公の父親でした。
続きを読みたかった。

多くの艦船が沈められ、多くの犠牲者が眠る太平洋の地を、二度と戦争の場にしてはいけない、という信念をもつ父と息子の100年物語。未完のは残念ですが、本作及び、山崎先生の後書や新潮社プロジェクト、秘書の方の解説は是非読んでいただきたいと思う内容です。

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2024年08月05日

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海上自衛隊の潜水艦と釣り船が衝突。若き士官を襲う過酷な試練。
その父は昭和16年、真珠湾に出撃して-。
時代に翻弄され、時代に抗う、父子100年の物語が、いま始まる。

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2024年04月10日

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未完だからなのか、よけいに『続きを読みたい!』と強く思った。自衛隊、潜水艦など、かなり特殊な環境をさも目の前で見ていたかのような描写と登場人物たちの心情がリアルに丁寧に紡ぎ出されており、とても読み応えがある。
著者が執筆されていた時代よりも、より日本を取り巻く近隣諸国や同盟国との国際情勢や自衛隊の活動範囲が複雑化しており、末巻での『問題提起を受け止め答えを考える』との言葉に深く頷いた。

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2024年01月30日

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ネタバレ

 主人公の花巻朔太郎(はなまき さくたろう)は東都工業大学と防衛大学を受験し、防衛大学に合格する。
 防衛大学入学には兄姉の反対があったが、元海軍軍人であった父は反対しなかった。
 花巻朔太郎の乗る潜水艦「くにしお」は観光用の遊漁船と接触し、遊漁船を沈没させる。
 民間人30人の死者を出す大事故だった。
 朔太郎は過酷な試練に苦悩する。
 東洋フィルのフルート奏者の小沢頼子と出会い、恋心を抱くが、事故の遺族への弔問や海上自衛隊からの聴取に時間を取られ、頼子と会う機会もなく、頼子のことは忘れようと煩悶する。
 当時の自衛隊は金食い虫の役立たたずと、国民から疎まれていた。
 国民の知らない所で国防の任務に携わっているのに、理解されない自衛隊とは、なんなのか?と自問自答するうちに、事故の処理が一段落したとき、朔太郎は自衛隊を辞めようと思い至る。
 そんな中、過去を一切語ろうとしない父が、旧帝国海軍の真珠湾攻撃時に日本人捕虜第一号となった事実を知る。
 自衛隊の存在意義、かつて米国と戦った父の日本、戦争と平和について考える朔太郎の煩悶。
 本作は山崎豊子の未完の遺作となって、3部構成の1巻目で終わっている。
 頼子とのロマンスの結果は? 父の捕虜第一号となった、その後は?
 自衛隊を一時は辞めようと思った朔太郎のその後は?
 いろいろと未完のまま終わっているので、もの足りないものとなったが、山崎豊子が病床の身で、力尽きるまで書き続けた本作は、生き続けていたら、間違いなく長編大作と成ったでしょう。
 本作も実際の事故を起こした潜水艦「なだしお」関係者、自衛隊、遺族、米海軍など、沢山の取材および、膨大な資料に基づいて書かれている。
 偉大な国民作家の遺作となった本書を読んで良かったとおもう。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

特殊潜航艇の搭乗員で、太平洋戦争時、日本人初の捕虜となった酒巻和男氏、氏をモデルにして書かれた小説ということで読んでみた。
しかし、読めども氏であろう人物が一向に登場しない。
実は、山崎豊子最後の小説で、それは完成されることなく未完だった。
取材もだいぶ終わっていたようで、完成した作品を読むことが出来ずとても残念だ。
けれども、本書の主人公花巻朔太郎(モデルの息子という設定の人物)を通して、自衛隊とは何かという問題を改めて考えることができた。
ただ、それを考えると続きが読めないことがより一層悔やまれる。

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2022年08月26日

Posted by ブクログ

数日で一気読み。
未完の遺作であるが、最後まで読めないのが本当に残念。
山崎先生の作品は瑞々しくて、文章から時代が判断できないことがある。本作も同様で序盤はまったく分からなかった。
自衛隊とは、国防とは。
山崎先生の自衛隊観、戦争観をもっと読みたかった。

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2022年07月09日

Posted by ブクログ

海上自衛隊の潜水艦が、遊漁船と衝突事故を起こし、多くの犠牲者を出す。主人公は、海上自衛隊員で事故を起こした潜水艦に乗船していた花巻二等海尉。事故後の事情聴取、マスコミの追い討ち、海難裁判と苦悶の日々が続く。
未完の作品ではあるが、平和が日常であった日本での自衛隊への意識。平和であるとしながら、緊張が続く国境付近。それらに、優秀な先輩自衛官、恋人候補、悪役的同僚など個性的な登場人物を加えて、読み応えある作品でした。
大河小説としては、導入部分でしかなく、花巻は、辞意を固めつつ次の任務に向かいラストとなる。この作品のチームによって、第2部は花巻の父親を通しての“戦争とは”、第3部は父の気持ちを引き継ぐ形で、花巻のこれから“平和とは”という感じのシノプシスが加えられる。
現在のロシアの戦闘行為は、この作品の結末にも影響するかもしれない。未完であるので、想像するしかないし、それは、その時代で変化していくのかもしれない。
戦争しないための軍隊という希望が続いて欲しい。

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2022年04月06日

Posted by ブクログ

1.著者の山崎豊子さん(故人)は、小説家です。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。毎日新聞での上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けたと思います。19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面ししました。
「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢はあまりにも有名です。「花のれん」で直木賞を受賞後、作家業に専念し、菊池寛賞や毎日文化賞を受賞しています。
2.本書の主人公は、旧海軍士官を父親に持つ、海上自衛官の息子です。乗船した潜水艦が、釣り船と衝突し、多くの犠牲者が出てマスコミを中心とした国民に非難されます。主人公は、自衛隊の仕事に疑問を抱きます。読者に向けて、自衛隊とは何か、戦争・平和とは何か、を問いかけています。本書は、第一部~三部まで予定されていました。しかし、著者の永眠により、この第一部が遺作となり、非常に残念です。
3.先ず、私の琴線に触れた箇所を、感想を添えて、3点書きます。
(1)「国防の仕事に就いている人たちは、どこの国でも、国民に敬愛されこそすれ、こんなに嫌悪されているのは日本だけでしょう・・・、総理以下の政治家も事故が起きれば、保身に汲汲として、隊員を犯罪者呼ばわりする、こんな国の自衛隊って何なのか・・・」
●感想⇒「日本は敗戦国になり、憲法で戦争放棄を謳っています。朝鮮戦争の時にアメリカ軍の補助として再軍備させられたのが、自衛隊のルーツです。現在も自衛隊に関する議論が続いています。一方で、災害発生時等の隊の迅速な対応は評価されています。政治家は、保身行動だけに走るのでは無くて、隊のあり方を明確にし、場合によっては支援も必要でしょう。
(2)「確かに自信のないままに続けて良い仕事(自衛官)ではないからな、但し、責任を取るなら、それが何に対する責任か、自分自身ではっきりさせろ、明確でない責任感は単なる感傷かもしれん・・・」(父親の息子へのアドバイス)
●感想⇒仕事だけでなく、いろんな場面で不都合が生じた時には、逃げ出したい気持ちになるものです。しかし、逃避は何の解決にもなりません。事の事実関係をキチンと整理し、関係者への影響に十分配慮して、判断を下すのが良いと思います。しかし、理屈的対応では難しい事もあるでしょう。私のような未熟者には、信頼出来るアドバイザーが欲しいと願います。
(3)「国を護る、戦争を起こさない努力をする仕事こそ、困難であろうとも、やはり自分が命を燃やす甲斐のあることではないのか」
●感想⇒世界各地では、戦争が勃発しています。私達は、日本は平和である、という絶対神話を作り出し、その中に埋没し、「今さえよければいい」症候群に陥っていないだろうでしょうか。グローバル化が一層進行している中で、こうした現代的課題について、具体的行動は難しいでしょう。しかし、問題意識を持たなければならない事と考えます。
4.まとめ;
著者は、19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面したという戦争体験ががあります。本書は山崎豊子版「戦争と平和」で、自衛隊の存在をどう考えるかを問う作家生命をかけて書かれた作品と言われています。普段は議論しないような非常に難しいテーマです。戦争体験のない私には適切なコメントが見つかりません。山崎さんは、晩年病魔に襲われ、最後は口述筆記になることがあったそうです。「どんなことをしてでも書き上げる」という執念を感じたという証言もあります。私もファンの一人で、「沈まぬ太陽」は、愛読書の一冊です。著者の執念に感動し、人間考察の為に、今後も著者の本を読みたいと思います。

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2021年07月18日

Posted by ブクログ

さすが山崎豊子作品。
当たり前だけど壮大なプロットがあって作られてるんだと改めて認識。最後まで読めなくて本当に残念。

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2020年12月30日

Posted by ブクログ

海上自衛隊なだしおと遊覧船の追突事故をモチーフにした小説で山崎先生の遺作となった小説です。クライマックスの直前で先生がお亡くなりになり、途中で物語がいきなり終わってしまいます。続きが読みたい思いがふくらみますが、他の人が加筆するのではなく、山崎先生の筆で終わるのが良いと思います。

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2020年07月03日

Posted by ブクログ

未完の作品になってしまい本当に残念すぎる。
山崎豊子の真骨頂、と言うような展開になりそうだったのに。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

緻密な取材に基づいた確かな筆運び山崎豊子らしさ出た一作。

潜水艦乗りの花巻と海難事故を扱った作品。

一部完でこれからの展開が楽しくなるところだったが、作者が逝去したことにより続編は骨格しか分からないものとなった。

本来は花巻の父が、真珠湾攻撃の捕虜第一号になった苦悩に触れ、主人公が自分の職を見直すという流れだったようだ。続きが読めなくて残念。

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2024年07月30日

Posted by ブクログ

山崎豊子さんの遺作。
海上自衛隊のエリート潜水艇員、花巻朔太郎は勤務中の事故により自衛官であることの意義に悩み自衛隊の辞職を考える。彼は帰国した父の過去を知り、戦争と軍団の意味について考え始める。
大作になるはずの本作、巻末の構想の部分や秘書の方の話を聞き、お話の全容を読みたかったと感じた。時代を超えて楽しめる作品を生み出す素晴らしい作家さんの作品、コンプリートしたい。

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2024年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み進めていくと段々と面白くなってきて、海難事故の裁判が進みボルテージ上がってきたところで終了、という。。
とにかく途中で終わってしまって未完成となってしまったことが無念でならない。最後まで読みたかった。。

最後、編集チームの方たちがおおまかなあらすじは書いてくれたけども、やはり著書が描いたものとは温度感が違い、流し読みになってしまった。

終わり方については残念無念だった一方、そんな中でも多くの人に認知され読まれている本だというのは素晴らしいと思う!新潮文庫100に選ばれた実績もあり。

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2023年11月13日

Posted by ブクログ

何かで聞きかじった約束の海
面白いかなと読み始めて
さすが山崎豊子さんと思いながら 引き込まれていった。
先が読めないなぁと ワクワクしていると
えっ!
ああ 仕方ない事だった

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2022年04月17日

Posted by ブクログ

未完の遺作であるため、途中までしか読めず、残念。
自衛隊ファンとしては、自衛官がどんな考えを持ち、どんな生活をしているのか垣間見ることができた。

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2021年07月01日

Posted by ブクログ

沈まぬ太陽をドラマで見てからと言うもの、著者の本作品に出会えて、自衛官と言う職種を考えることが出来ました。ただ、遺作ということで、第一部迄しか読むことができない作品です。

事故の背景や原因を掘り下げていたかどうか、史実に忠実であってほしいという勝手な読者の願いとは裏腹な部分もありでした。

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2021年03月07日

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