あらすじ
万俵大介は、大同銀行の専務と結託して、鉄平の阪神特殊鋼を倒産へと追いやり、それをも手段に、上位の大同銀行の吸収をはかる。そして三雲頭取を出し抜いた専務と父親の関係を知った鉄平は――。帝国ホテルで挙行された新銀行披露パーティの舞台裏では、新たな銀行再編成がはじまっていた。聖域〈銀行〉にうずまく果てしない欲望を暴く熾烈な人間ドラマ。
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Posted by ブクログ
ミステリーであるかのように次の展開が気になり、ページを捲る手が止められなかった
その後を暗示させる結末は、理不尽さに身悶えした一読者として多少、溜飲が下がった
Posted by ブクログ
うーん、面白かった!華麗なる一族の内外からの見え方を意識して読むと興味深い。
そして最後、一枚上手の悪党として大蔵大臣がさらなる合併を示唆している点も、いくら大介が一族の総帥として振る舞っても制御できぬことがあると感じた
Posted by ブクログ
全員狂人。
家族とは、愛とは、派閥とは、名声とは、、、。
いろいろなものがぐるぐる回って整理ができない。
妻妾同衾ってすごいパワーワードすぎる。
本中に出てくる男たちはどれもかれも猛烈サラリーマンすぎる。
盛者必衰。
Posted by ブクログ
技術者が経営者として活躍していく華麗なストーリーかと思いきや、どろどろの政治抗争に負けてしまう技術者の悲哀を描いた小説でした。
モデルの一つは山陽特殊製鋼事件と言われているようです。法学部出身者にはなじみの事件ですが、悲しいことに何を勉強したか覚えていない・・・。破産法はあまりやらなかったし、商法の取締役の義務とかその辺でしたっけ??
Posted by ブクログ
上、中、下巻の感想です。
作品名のとおり、華麗なる一族の話。
途中で想像した結末とは大分違う終わり方でした。
豪華な世界も良いけど、ドロドロとした部分も多くあり、自分は庶民がたまに贅沢するくらいがあってるなと。
Posted by ブクログ
人物像がはっきり描かれているから、どんな人間で、読む手に持って欲しい印象がちゃんと伝わる。
鉄平が心配で心配で。
複雑な万俵家と銀行と、それぞれ個人の欲望が絡み合って、真面目に一途に生きる人がとても切なく思える。今の時代も同じような部分は少なからずあるのだろうな。
Posted by ブクログ
今から50年以上も前の小説とは思えない程時代背景を気にせず、面白く読み終えた。
評価も星5つまでだが7つにしてもいいのではないかと思う。
社会派ってことで池井戸潤の小説っぽい逆転劇を期待してたけど、良い意味で期待は裏切られた。
リアルで所謂都市銀行って凄い競争社会の先端にいるんだね。
もう死んでしまったけど、第一勧銀重役だったらしい親戚は接待漬けで体を何度も壊し、出世街道から外れて結局ヤナセに常務で出向になったことを思い出したよ。
小椋佳と同期って言ってたな。
Posted by ブクログ
以下、上中下巻で同じ感想です。
最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。
「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を横軸に進む。
一番の迫力は、ここで取り交わされるさまざまな会話。一歩間違えれば追い込まれる神経戦の連続。経済に関する記述も非常に正確で、企業乗っ取りといえば流行りものを含めそうとう雑なものも多い中、リアリティは今なお色褪せない。
スカッとしないことこの上ない読後感ではあるが、だからこその読み応え。
Posted by ブクログ
華麗なる一族は本当に華麗でおぞましかった。2007年のTVドラマでは一途で好青年風だった鉄平も、小説ではたしかに他の一族に比べて実直で技術屋らしさはあるが、経理に疎くて見通しは甘く、家族もほったらかしで息抜きは料亭で若い女を呼ぶなど、やはり一族の人物には違いない。でもお約束の箇所ではやはり痛ましかった。勧善懲悪に決してならず、権力が権力を呼び続け、このボリュームで圧巻の説得力。
wikiで小説とドラマの違いを説明したものを読んだ。ドラマはドラマでこの話を鉄平仕様にし、よりドラマチックになるようにエピソードや人物を足し引きしたようで、それも非常に効果的だっただろうと思える内容だった。通しで見てみたくなるな。
Posted by ブクログ
初めての上中下の三部作にチャレンジしたのがこの作品。上巻を読んで、この作品なら読んでみたいと思わせてくれた。
本作は1960年代を舞台に描かれており、現代とは時代背景が異なりお硬い家柄や世襲が根っこにある作品となっている。
題名に通り、財閥系の一族が資本力と人脈を駆使して、その地位を強化なものにしていくストーリー。
ところが、その地位に満足せず、時代特有の高度成長期ということもあり、イケイケドンドンのウルトラCを画策する。そこに家柄と世襲が絡み泥沼にハマっていく様がリアルで読み応えたっぷり。
決して昼ドラでは表せない深さのドップリ感が味わえる。
Posted by ブクログ
経済界・金融界、そして万俵家のドロドロとした関係を精緻にかつドラマティックに描いており、改めてとんでもない作家だと圧倒された。
上巻冒頭の華やかな万俵家の食事の風景が、最後にはもの寂しい風景に変わっており、この華麗なる一族が終焉を迎えたことを深く印象付ける。
銀行家としての野心や名声のために、家族や周囲の人間を意のままに操ろうとし、時に突き放し陥れ、そして失い、それでもなお自らの方針を覆さない万俵大介の姿は病的でもあり、恐ろしかった。自らの野心を達成するためにあらゆる手段を講じてきた万俵大介だったが、今後彼の野望が崩壊されていくことがラストで示唆され、痛快な読後感があった。
ドラマ(観ていないが)ではキムタクが鉄平を演じていたそうだが、キムタクに鉄平感はあまりないように感じた。もう少しキムタクが歳を取ったら、むしろ大介役がハマるのでは。
Posted by ブクログ
人の欲望の持つ負のエネルギーを見せて貰いました。自らの野望を遂げるためには、人を人とも思わず、利用価値というフィルターを通した生活を送る万俵大介。誇張されたキャラクターではありますが、怪物感がよく出ていたと思います。それでも、政治の世界が絡むと新銀行の頭取となった大介もいずれは...となる怖い世界。家族内でも長男鉄平の死後、少しずつ変化の兆しが現れ始めたことが救いです。
Posted by ブクログ
圧倒的としか言いようがない読後感、、、。
万俵家自体が愛人の相子まで含めた大所帯なのにもかかわらず、万俵家を取り巻く海千山千の怪物達の全てが無駄なく、物語のプロットを崩すことなく描かれている。
上巻、中巻のあからさまな伏線がなかなか回収されないことに疑問を覚えていたが下巻でその全てが漏れなく回収されていて、この筆力たるや、、。
自らの子が命を捧げた会社とついには我が子の命そのものさえも生贄に野望の実現にこぎつけた万俵大介が鉄平が血を分けた実子であることを知ったあのシーンの衝撃は全てを読み終わった後でもずっしりとのしかかり続けている。
こんな小説読んだ後で社会派小説書こうとか思う人いるのかな、、?
Posted by ブクログ
【感想】
上中下3部作の下巻を読み終えましたが、かなり壮絶な終わり方でした。
ちょっと前にドラマで「半沢直樹」を観ていて、池井戸潤特有のスカっとするような勧善懲悪の終わり方を本作品にも期待していたのですが・・・
そこは山崎豊子、容赦がありませんね。残念ながらかなり胸糞悪い終わり方となっていました・・・
この一族、全然華麗じゃねえよ!!!!笑
読んでいて特に、下巻で凋落っぷりを感じたのは、やはり相子に関するエピソードでしょう。
上巻・中巻では思うがままに万俵家を采配し、栄華を極めるような相子でしたが、下巻の途中からは万樹子の里帰りや、次女・二子の縁談がうまくいかないなど自身の影響力の低下が露わになり、最後は大介から破局の申し出をされ取り乱してしまう始末。
読者としてはざまあ見やがれ!と思いましたが、よくよく考えられると大介に弄ばれた一人の不幸な女性だと思うと、哀れでなりませんでした。
また、万俵大介も、下巻になって影響力に衰えを見せ始めた内の一人だったかと思います。
あれだけ憎んでいた鉄平が自死を遂げてしまい、その時になって初めて鉄平と自分が血のつながった父子だと理解するなんて、なんて滑稽なのかなと読んでいて思いました。
そして、万俵自身が色々な事を犠牲にしてようやく成し遂げた都銀同士の合併でしたが、それすらも近い将来により大きな銀行に食われてしまう事が確定事項としてあるなんて・・・・
作中では描かれていませんが、近い将来にこの「華麗なる一族」が凋落する事を喚起させる描写に、戦慄が走りました。
などなど、かなりドロドロして胸糞悪い終わり方をした物語でしたが、唯一の救いだったのは、鉄平の死後に心情の変化があった万俵家の子ども達でしょう。
二子は結局お見合いは破談となって自身が思い合った男性と縁を結ぶことが出来ました。
ニヒルで斜に構えた考え方しかできなかった次男・銀平も、鉄平の死によって心の氷が融和するような描写がありました。
鉄平は犠牲となりましたが、その命と引き換えに、万俵家の子どもたちに新たな幸福が訪れる事を、切に願っています。
【あらすじ】
万俵大介は、大同銀行の専務と結託して、鉄平の阪神特殊鋼を倒産へと追いやり、それをも手段に、上位の大同銀行の吸収をはかる。
鉄平は、三雲頭取を出し抜いた専務と父親の関係を知るに及び、丹波篠山で猟銃自殺をとげる。
帝国ホテルで挙行された新銀行披露パーティの舞台裏では、新たな銀行再編成がはじまっていた。
聖域〈銀行〉にうずまく果てしない欲望を暴く熾烈な人間ドラマ。
【メモ】
p56
「では、ご機嫌よう。皆さまにはあなたからおよろしく」
と言い、万樹子は玄関を出て行った。
その後ろ姿を見送りながら、相子は、どうせ自分の婚前の秘密を明かされることを恐れて、万俵家の三台並んだベッドのことも言えず、舞い戻って来るに違いないとたかをくくっていたが、初めて自分の指図が通らなかった口惜しさが相子の心を錐揉んだ。
p156
こうして一対一で向かい合うと、一種の威圧感を持って映る。
万俵はこの時、自分が都市銀行でただ一人のオーナー頭取のは云いながら、たかだか第十位の地銀的都市銀行の頭取にしか過ぎないことに、かすかな劣等感を覚えた。
(中略)
総理夫人の予定に合わせて、二度も正式の見合いの日取りを変更し、京都の嵯峨の「吉兆」であれほど大層にした見合いであるにもかかわらず、総理には全く伝わっていないのか。
万俵は自尊心を傷つけられて、視線を総理の背後へ移した。
(中略)
万俵は、視線を佐橋総理へ向けた。
今日の本当の目的は、総理夫人の甥の細川一也との婚約を有難って報告に来、田舎者扱いされるためではない。
p278
「いまとなっては、お目にかかる必要はないと思います。あなたと私との間はもう終わっているのです。あとは法廷で争うだけです」
万俵の耳に法廷という言葉が強い響きを持って残った。
(中略)
万一そのようなことになれば、阪神銀行の信用と同時に、万俵家の家名を汚し、来春にひかえている二子の結婚にまで響き、ここまで完璧に積み上げて来た自分の野心が一挙に打ち砕かれてしまう。
今は何よりも、鉄平に告訴を取り下げさせることであった。
p314
「お父さんも、今度ばかりは、やり過ぎですよ」
「なにがだ?」
「鉄平兄さんのことですよ。会社を潰しておいて、その上、管財人が帝国製鉄の常務ではひどすぎますよ」
(中略)
「兄さんに対するお父さんの態度は少なくともそんなものじゃありませんね。しかし、どのような大きな意図のもとでも、息子の会社を平然と潰すお父さんと、だからと云ってそれを告訴する兄さんも、どちらもおかしいですよ。僕には解りませんねぇ」
p501
三雲は、しばし万俵の顔を凝視し、
「万俵さん、孟子の教えに『天下ヲ得ルニハ、一不義ヲ成サズ、一無辜ヲ殺サズ』という言葉がありますねぇ」
静かな淡々とした語調で言った。
天下を得るには、一つの不義もなさず、一人の罪なき者も殺してはならぬという意であった。
自ら不倫、不義の私生活を営み、罪なき者、鉄平を死に追いやってしまった万俵としては、その言葉がぐさりと鋭く胸に突き刺さった。
p521
「あなたって怖ろしい人ね。ご自分の企業的野心を満たすためには、親子の絆のみならず、男女の絆も、ご用済みとなれば平然と切っておしまいになるのね」
相子は許し難いように言い、目の前の封筒を万俵に押し返した。
「別れない!意地でも別れて差し上げない!」
万俵は瞬きもせず、相子を凝視し、
「妻でもなく、まして子供もない仲で、意地でも別れないなどというのはおかしいじゃないかねぇ。相子らしくない取り乱し方だ」
ぷつんと断ち切るように言った。
p527
「金融再編成の火蓋を切るために、ともかく都市銀行同士の大型合併が必要だったからだ。
(中略)
今日発足した東洋銀行の合併後の体質改善を図り、名実ともにワールドバンクたる銀行をつくる。
そのためには東洋銀行を上位4行の一つと再合併させることだ。」
永田大臣の声が室内に低く籠り、美馬は驚愕のあまり言葉も出なかった。
(中略)
その一瞬の引きつれるように歪んだ笑いが、まさか舅である自分を裏切る戦慄だとは、万俵は気づかなかった。
万俵は、3年先に再合併される運命に置かれつつあることも知らず、会場を埋めた来賓たちの乾杯を受け、激励の握手をさらに受け続けていた。
Posted by ブクログ
親父が汚い
鉄平も良く言えば一本気だけれど、融通のきかなさがすごい。
多分俺は鉄平は苦手(笑)でも一生懸命に情熱を傾けられるのはとても尊敬できる。
けれど現実的なのはやはり親父かなあ。
親父の汚さはあるけれど今の社会を生き抜いてどんどん成長できるのは狡猾な冷静な、そんな人間なのかもしれない。
理想主義にも感じられる鉄平は今の世を生きていくのは難しいと思う。簡単に騙されそう。難しいね。人間て。
あとなげえwww
Posted by ブクログ
一族の衰退の暗示まで丁寧に描かれていて、『華麗なる一族』全体を通して“盛者必衰”がテーマだったのだと強く感じました。登場人物の多くが報われない結末を迎える中で、二子がヨシヒコと結ばれたことだけが、わずかな救いになっています。
また、物語の背景として物価高騰に悩む描写があり、現在の経済状況と重なる部分があることにも気づかされました。半世紀以上前の作品でありながら、今の時代にも通じるリアリティがあるのは、山崎豊子の筆の力だと思います。
こうして読み終えると、華やかな一族の姿もその裏に潜む影も、すべてが心に残る余韻となり、まさに“時代を超える作品”だと感じさせられます
Posted by ブクログ
『華麗なる一族 下』
阪神銀行・頭取・万俵大介は、大同銀行・専務・綿貫と両行の合併に向けて、影で動きだす。
長男・鉄平が専務である阪神特殊鋼を倒産に追いやってでも、『小が大を喰う』合併を成し遂げようと…
父の計略に嵌り、大同銀行・三雲頭取を辞任に追い込んでしまった、鉄平は…
自らの目的を達するために、実の息子をも使い、騙すとは。まるで戦国時代のようで。
が、戦国時代ほど勇ましさ、潔さが感じられない…モヤモヤ感が残る…
『天下ヲ得ルニハ 一不義ヲ成サズ 一無辜ヲ殺サズ』
三雲が大介に言ったように。
永田のように大介を超える悪党がいるわけで。
大介の寂しい老後が、万俵財閥の落日が、目に浮かぶ…
更なる銀行合併が。
実際に1990年代には都市銀行の合併、三大メガバンクへの誕生へと。
1970年代に今日の姿が見えていたのか。
山崎豊子、恐るべし…
実際には20年間以上実現していないことから、何があったのか…
美馬はうまくやれなかったんだろうな…
Posted by ブクログ
途中で銀行内部の画策の嫌らしさに、吐き気が来て、読み飛ばした。
こんな男たち、いっぱい現実にもいる。小心で自分のポジションしか頭になくて、画策する奴ら。
高度成長期で、宴会接待が普通だった時代、正直に努力する者はなかなか日が当たらない。あるいは足を掬われる。
イラッとするけど、現実に体験したことがある。人間は悲しいものだ。
山崎先生の人間描写が凄い。心の機微の表現に、読む方がドキドキしてしまう。
Posted by ブクログ
終わりの始まりって感じで完結!って感じではなく、
ここからどうなるか…気になる終わり方でした。
世の中ってこんなふうに動くんだ、
汚さを見せないように隠して動いていくんだなと
妙にリアリティたっぷりでした。
しかも、これはいつの世の中でも変わらないんだろうな…と。
戦後が舞台とは思えないリアルで、
70年以上も根本では変わっていないことを突きつけられました。
ドラマではどんな風に終わるのか、楽しみです。
今日絶対リアタイしよ…
Posted by ブクログ
名作。本音を言うと、巻末の展開の続き、つまり阪神銀行のその後、万俵大介のその後が見たかった。高須相子も。
3つの本で下巻が1番面白い。ハラハラドキドキするのが止まらなかった。
この本では悪人が勝つようなストーリーだが、最後の最後でそのどんでん返しの兆しを残して終わっている。
1人の人間の死をきっかけに、家族に変化が見られるのも見もの。どんなに悪党も所詮は人間。
また時間が経ってしばらくしてから読み直そうと思える本。
Posted by ブクログ
連載小説ですよね。たくさん出てきた登場人物は活かされず触れられなくなることもしばしば。主人公は鉄平だなぁ。壮絶だな。でも裏表紙のあらすじのネタバレは許しません。何を考えていらっしゃるのでしょう。妹には絶対にあらすじを読まないよう厳命して手渡ました。笑
大介はたぶん悪役だけど、憎み切れないのだ。というか一番悪いのは万俵敬介では? その他登場人物たちについていろいろ書いてしまうと、
⚫︎銀平は作中でもっと逆襲すると思ったわ。
⚫︎真樹子とうまくいって欲しかったな。
⚫︎相子とそんなにあっさり別れられるものか。
⚫︎二子はアメリカでやっていけるのかしら。
⚫︎三子は自分で結婚相手を見つけられるのかしら。
今の都銀にオーナー頭取はいないと思うけれどこんな個性ある経営者がいたら面白いな。
銀行業界の勉強になった。
父との話メモ_φ(・_・
合併すると…
⚫︎関係する企業の倒産を防げる
⚫︎銀行が潰れると共倒れになる企業がたくさんある
⚫︎だから政府は基本的に銀行を潰さない
⚫︎でも北海道拓殖銀行は潰した
⚫︎弱い方の社員だった方は出世できなくなる
今
三菱東京銀行
三井住友
みずほ
あとなんだっけ…
Posted by ブクログ
作品としては「白い巨塔」などと同じく初期の長編。従って、主人公万俵大介が自己の野望のため策略をめぐらすなど、「白い巨塔」の設定と近しいところもある。
個人的には、万俵鉄平が祖父の子かもしれないとの疑惑から大介は鉄平に冷酷な対応をするという設定になっているが、大介の銀行家としての冷酷さをより現すためには、自分の実子だろうが側近だろうが必要ならば切り捨てるという意味で、そういう設定にしなかった方がよいと思う。
Posted by ブクログ
物語の中核、都市銀行としては小さな阪神銀行が、自分より上位の大同銀行を呑み込む策動が動き出す辺りから物語は俄然面白くなる。
阪神銀行頭取の万俵大介が権謀術数で家族を不幸に巻き込みながらも己の欲望を満たして行く様に嫌悪感を抱きながらもストーリーに引き込まれて行く。
「自らの欲望を遂げるためには、冷然と金の力で自分に都合のよい正義を作り変えることの出来る男」
万俵大介を表す的確な言葉だろう。
物語のいたるところに出てくる馴染みある土地。
神戸を舞台にしたストーリー展開も嬉しい。
阪神銀行があるのは元町栄町通であるし、南京町、北野坂、六甲山など地名もさることながらドンクやオリエンタルホテルなど固有名詞で登場する場所が嬉しい。
息が詰まりそうなドロドロとしたドラマだったが重厚感はさすが山崎豊子だ。
Posted by ブクログ
★3.5。
すでにその実績があって目にしているからかおしれないけれども、非常に映像的というかその情景が目に浮かぶ。それだけ小説としての現実感があるということかと。
本作もちょいちょい事実が散りばめられていて、それでいてどこか良い意味で作っている感じでともかくエンタメとして面白い。
ご本人はエンタメとか言われると嫌かもしれないけれども、間違いなくこの作家の小説はアメリカにも伍していける力あり。あとは映像化側の力量次第ではないでしょうか。
Posted by ブクログ
ドラマを先に見ており、結末を知っていたのに下巻の怒涛のストーリーは一気読みしてしまった。
結末のなんとも寒々しい空気感が伝わってくる感じ、流石山崎豊子さんだと感じました。
Posted by ブクログ
裏表紙に、物語のあらすじというか、結末めいた内容が記載されており非常に残念。
悪いことをしていては、人の上にたっても大成することはないという教訓を得る。
Posted by ブクログ
始終タヌキの化かし合い、脂ぎったオジサン達の小競合いは面白くもあるけれど疲れる。
この作家は女である割りに女の描き方が味気ない。はつらつ?としてるオジサン達に比べて女はいずれも存在感薄い。本妻の寧子さんに至っては気の毒とは思うけど、同情はできない。
唯一存在感のある愛人の相子も非常にわかりやすい典型的な悪女。