山崎豊子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻より続きます。
冷酷でやり手、切れ長眼の年下男、銀四郎(う~ん、何度書いてもワルそうな名前だ・・・)の冷淡な拡大計画はとどまるところを知らず、船場出身のいとはんデザイナー式子の地位をさらに高め、前例のない仕事を次々と成功裏におさめ、いよいよ、パリへ舞台を移そうとしていた。もはや日本のファッション界を代表するスターデザイナーとなった式子先生。しかし少しづつ、虚栄で飾られた勲章が重く影を落とし始めるのでした・・・
下巻も相変わらず、銀四郎の快進撃が続きます。あまりにやり手なので、腹立つー!と思いながら読むのですが、まあ、あそこまで徹底して商売として割り切れたらもうご立派としかいいようがあり -
Posted by ブクログ
船場のいとはん、こいさんものが何故か好きなわたくし。
この作品は新聞の書評ではない欄で「船場のいとはんもの」として紹介されていたので知りました。
知ってしまったら早く読みたい。某お急ぎ便も待ちきれなかったので、本屋さんの店頭お取り置きネットサービスで在庫確保し、取りに行きました。
(このサービス、すごく便利だけど、カウンターで本のタイトルを告げるのがちょい恥ずかしいっす)
この作品は、なみいる巨編をお書きの山崎先生においては上下巻と、規模としてそう大規模ではない作品に該当すると思われます。
しかし、これが新聞連載の小説だったと知り、驚きました。
こんなに悶々とする展開、毎日小出しにされるのを -
Posted by ブクログ
【優しさは放射線みたいなもの】
奉公は厳しいものだったのだろう。
だが、厳しく育てるのは、暖簾分けして、連結で規模を拡大して幸せになる為だった。
(その代わり、この競争で弱者はふるい落とされる。)
今の企業の人材育成は、奉公とは桁違いに生易しい。
その代わり、大して成長しない。
(かと言って、学校で予め鍛えられているわけでもない。)
そういうわけで、絹の上で育った人は、弛んだ人格を持った挙げ句に、それを称賛するようになる。
『(私を甘やかしてくれる)優しい人が良い!』
他人に優しく、自分にも優しく。
他人に甘く、自分にも甘く。
更に悪化すると、自分が甘やかされているという自覚さえなくな