山崎豊子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【優しさは放射線みたいなもの】
奉公は厳しいものだったのだろう。
だが、厳しく育てるのは、暖簾分けして、連結で規模を拡大して幸せになる為だった。
(その代わり、この競争で弱者はふるい落とされる。)
今の企業の人材育成は、奉公とは桁違いに生易しい。
その代わり、大して成長しない。
(かと言って、学校で予め鍛えられているわけでもない。)
そういうわけで、絹の上で育った人は、弛んだ人格を持った挙げ句に、それを称賛するようになる。
『(私を甘やかしてくれる)優しい人が良い!』
他人に優しく、自分にも優しく。
他人に甘く、自分にも甘く。
更に悪化すると、自分が甘やかされているという自覚さえなくなる。
こうして、砂糖漬けの果物のように、ゆっくりと自らの姿形を失い、気付かぬうちに敗れ消え去ってゆくことになる(妹の夫のように)。
sweet poison
だから、自分の(快の)気持ちを優先するばかりで自他を律することのできない者は、社会に対する慢性毒素として、放射性物質同様に至急排除されるか、丁稚奉公にでも出て一から躾をし直してもらうかした方が良さそうだ。
【暖簾=信用=ブランド】
会計上よく問題になるのれん代の処理。
某光学機器メーカーが過去に小さな会社3社とイギリスの会社を買収した際の金額で、前社長と現経営陣とで揉めているが、その中の争点の一つにこののれん代がある。
そんなわけで、買収時にのれん代を計上することは、現代の価値観からするとごく普通のことだから、暖簾を当てにして銀行から金を借りることだっておかしくはない。
この本が書かれたときは、そういう価値観はまだ無かったんだろうか。これは素朴な疑問。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ不毛地帯、第三巻。
壱岐正は前巻にも増して、商社マンとして八面六臂の大活躍。
なんですが、この巻ではついに奥さんの佳子が交通事故で他界。悲しいです・・・川又が亡くなった時以来の衝撃。
佳子の初七日の後、家を出る誠、しのび泣きをする直子、そして、弔問に訪れた谷川元大佐に、自分の後悔と自責の念を吐露し、慟哭する壱岐・・・・。涙なしには読めません!
さてビジネスの方ですが、第三巻ではフォーク社と千代田自動車の提携が中心に物語が進みます。
壱岐の思うようにやれば、スムーズに事が運ぶのに~とやきもきしながら、エキサイト里井副社長の様子を伺います。エキサイト里井、略してエキサトイ。男の嫉妬が渦巻き、ますます面白くなってきました!人間関係のどろどろさも見物です。第四巻にさらに期待。