山崎豊子のレビュー一覧

  • ムッシュ・クラタ

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    山崎豊子作品は『女系家族』に続いて2作品目。
    短編4作品からなるこの本ですが、表題の『ムッシュクラタ』はほかの3作品とは異なる感じでした。
    一人の人物を違う人の目で見るという書き方。
    人によってこんなにも違う、しかし同じ人物。

    ・・・・・
    こんなにレビュー書くのが難しいとは。。。

    こうなってしまうと読んでくださいとしか言いようがない気がします。
    たぶん、感じ方も人によって違うと思いますし、読んでいる時の気持ちのあり方で捉え方も違うのですから。
    山崎豊子作品はもっと読んでみたい作家の一人になりました。

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    2010年11月28日
  • 二つの祖国(二)

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    二世の目でみる戦争の本は、初めてです

    必死で抵抗する日本兵が 気味悪くコワイです

    沢山ビラを撒いたのに
    降伏しなかったから、原爆が落とされたのかな

    沢山の被害...

    戦争は、おそろしい...


    だから、痴話喧嘩は要注意です
    夫婦、親子、仕事、友達...
    相手を受け入れたら 争い事が小さくおさまって
    笑顔が増えるかなぁ


    ...エイミー どうなるのかな...

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    2010年11月16日
  • 仮装集団

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    音楽が政党や経営者に利用され、大衆は翻弄される。作者の真骨頂は文章力に加え取材力だが、本著でも充分にうかがえる。著者の作品で一貫しているテーマは「正義」といってもよいだろうか。10.10.2

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    2010年10月02日
  • 二つの祖国(三)

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    二世の人と聞けば、生まれながらに母国語が2つも出来るから羨ましいと単純に英語で苦労している私は思ってしまうのだが、その両国が戦火を交えることになったとき、どれほど苦しむだろうか。
    主人公の天羽賢治には弟が二人いて、次弟は日本の大学に学んでいる間召集にあい、日本兵として出征する。一方アメリカに生まれ育ってそこから出たことのない末弟は、合衆国に対する当然の義務として米軍の志願兵となる。アメリカ市民としての義務を果たしたいと願う一方、両親の母国であり自分も10年間育った日本に対し、限りない愛着を持つ賢治は、その狭間で苦しむ。どれほど個人の能力が優れていたとしても、一介の市民に大きな歴史は容赦なく牙

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    2010年07月01日
  • 女系家族(上)

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    最初っから目が離せない展開で、とにかく先が気になって、一気に読んだ小説だった。
    大阪の老舗呉服問屋の当主が死んだ後、繰り広げられる遺産相続の壮絶な争い。しかも、四代続いた矢島家には、女系を尊ぶ伝統があるために、我儘放題に育てられた三人姉妹のいずれもが、自分の相続権を一分たりとも譲ろうとはしない。

    「華麗なる一族」も「白い巨塔」も「沈まぬ太陽」も、権力をめぐる闘争が大きなテーマだったけれども、この「女系家族」は、その中心にあるのが女性たちなので、その描き方もまた、男社会での争いとは様子が一味違っている。

    遺産相続の当事者である三人姉妹だけではなくて、その周りの、遺産管理人である大番頭や、長女

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    2020年07月15日
  • 不毛地帯 第四巻

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    「そんなこと心配しなくていいんだよ、会社で借りられるし、お父さんのことだ、贅沢なのを買わないから金の心配はいらないよ、総務部に、手頃なのを探して貰うことにしているよ」

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    2012年02月16日
  • 不毛地帯 第三巻

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    「いや、神森君や水島君が、よく手伝ってくれるので助かる、この間も三人で会員たちの原稿を整理しながら、思えば、あんな心身ともに極限状態の生活をしていた時のことが懐かしく、今のように物資は豊かでも、精神的な不毛の中に生きる方が、生き辛いと話し合っていたんだ」

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    2012年02月16日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    ネタバレ

    荒むさぁ………。
    そりゃ荒むよね、恩地さん。
    希望したわけでもないのに僻地勤務を10年間。
    最後には家族とも離れ離れで、隣家も見えないだだっ広い家に一人ぼっち。
    丸一日、日本語をしゃべらない日もある……。
    そんな生活によく耐えたなぁ。
    私だったらすぐ泣き入って、八馬とかに「組合とは縁切るから日本に戻して」なんて言っちゃうな。
    恩地さんには実在したモデルがいるとか。
    その強い精神力はどこからくるのか。
    見習いたいものです。
    でもなんとか恩地さんも、日本に帰ってくることが出来そうだとわかったときは、ホントに「よかったねぇ」という感じでした。

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    2023年09月20日
  • ムッシュ・クラタ

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    社会派小説を書くことに定評のある山崎豊子であるが、この短編小説も非常に面白い。
    どろどろした人間関係を克明に描き出している、というか怖い。

    一番気に入ったのはやはり「ムッシュ・クラタ」であろうか。あんまりどろどろした人間関係を描いているのは好きではないというのがありますが^^;
    もちろん全て読みましたけどね。

    結構薄いので、初めて山崎作品に手を出す人にはちょうどいいかもしれません。

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    2009年10月04日
  • 女系家族(上)

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    山崎豊子にしてはあまり社会派小説という感じではなくエンターテイメント性が高いかな。大阪船場の老舗を舞台に3姉妹と番頭、親戚たちのエゴと欲望がこれでもかというほど書かれてて、多少しつこいけど面白いですよ。

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    2011年07月16日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    お言葉ですがミスターサイドレン、日本は仏教の国です。遺体を放っておいて、その横で調査などできない。お国にも、郷に入れば郷に従えという諺があるでしょう。日本人は死者を単なるボディとは考えない、これは宗教の違いです。(p.140)

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    2020年07月15日
  • 華麗なる一族(下)

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    ★3.5。
    すでにその実績があって目にしているからかおしれないけれども、非常に映像的というかその情景が目に浮かぶ。それだけ小説としての現実感があるということかと。
    本作もちょいちょい事実が散りばめられていて、それでいてどこか良い意味で作っている感じでともかくエンタメとして面白い。
    ご本人はエンタメとか言われると嫌かもしれないけれども、間違いなくこの作家の小説はアメリカにも伍していける力あり。あとは映像化側の力量次第ではないでしょうか。

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    2025年11月14日
  • 白い巨塔(二)

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    財前が横柄な態度を取り始めた。
    部長になった途端これだから呆れる。
    いつか痛い目を見るのかな。

    次巻も気になっております。

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    2025年11月01日
  • 華麗なる一族(上)

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    山崎豊子作品の好きなところは、「綿密な取材に基づいた、リアルな社会の描写」だと思っています。
    『不毛地帯』や『大地の子』『沈まぬ太陽』など、実際に起こった事件を題材にして、フィクションとは思えないほどリアルに作り上げられた登場人物の活躍と、お互いの「正義」のために血で血を洗うような激しい戦いを繰り広げる様に、読む手が止まらなくなるくらい作品世界へ引き込まれます。

    本作もそのような山崎作品の世界に浸ろうと思っていたのですが、いまいち世界観に入り込むことができませんでした。都市銀行を中心とした財閥と政治家の汚職を軸に描いた作品なのかなと思いきや、金に物を言わせる「上流階級」と勘違いした登場人物た

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    2025年10月30日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    御巣鷹山事故の後の国民航空再建のために、指名された国見会長が人格者すぎて痺れます。

    この物語は善人と悪人の描き方がハッキリしているけど、悪人側のクズっぷりが凄まじくて。。
    己の利権にのみ固執し、裏金・賄賂なんでもアリ。

    どの程度事実に基づいたストーリーなのか不明だけど、かつての日本航空がこんなんだったとしたら、本当に衝撃。

    組合同士の対立もひどくて、ひとつの会社でこんなになってしまうのか?!と。

    とにかく最終巻でスッキリできる終わり方になることを望むのみです。

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    2025年10月21日
  • 不毛地帯 第五巻

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     大門社長が70歳をすぎて、老醜を晒すようになり、油田開発の成功を花道に引退させるにあたり、壹岐も退社することになる。中小企業でも同じであるが、かつて凄く頑張っていた経営者が70を過ぎてその地位に固執する姿はあまり見たくないものである。
    第五巻まで読み終わって、軍国教育を受けて戦争を戦って悲惨な目に遭った軍人が、戦後の日本において経済競争を戦う姿はどこにでも多くあったのだと思う。そして彼らの大変な努力が、日本の経済復興を支えたのは事実だ。しかしそんな彼らの世代さえ晩年はなかなか後進に道を譲らず、次の世代がうまく育たなかったことが今日の日本の低迷を招いているのだと思う。彼らの基準からすると戦後生

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    2025年10月18日
  • 不毛地帯 第四巻

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     この巻は油田開発で苦労する話である。お金ばかりかかってなかなか発見できないので、撤退せざるを得ないような状況まで追いやられる。その一方で、プライベートの恋愛もスムーズにはいかない。

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    2025年10月18日
  • 不毛地帯 第三巻

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     この巻では、副社長の里井とのバトルが強烈である。サラリーマンとしての出世競争においては、正義よりも出世が優先される社会は商社に限らず、大会社はほとんどそうである。里井の凄まじい執念はすごい迫力だ。

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    2025年10月13日
  • 不毛地帯 第二巻

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     11年間抑留されたロシアから帰国して、商社マンとして活躍する。壹岐は商社に入っても防衛庁の次期戦闘機選定に絡む仕事に従事することになる。ビッグマネーが動く政治がらみの案件には、裏側には様々なことが絡んでくるのだ。

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    2025年10月13日
  • 不毛地帯 第一巻

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     この著者の本は、なんといってもリアリティが半端なくて、事実よりも実態を明らかにしてくれる。第1巻は戦争の現実を描いているが、「大地の子」で描いた被害者の立場ではなく、現実に戦争を遂行させられた者を描いている。戦争で最も悲惨な被害を受けた者は、満州で見捨てられた孤児もそうなのだが、シベリアに抑留された兵士も悲惨であった。それほど苦労して11年ぶりに帰国したのに、ソ連で洗脳された人のように扱われて差別を受けるというのが現実だったのであろう。それにしても、戦中も戦後も、大勢に迎合する人の陰で、不合理な差別を受けるという社会は変わっていないのだと。オーディブルで聴き始めたのだが、面白い。

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    2025年10月13日