山崎豊子のレビュー一覧

  • 仮装集団

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    音楽が政党や経営者に利用され、大衆は翻弄される。作者の真骨頂は文章力に加え取材力だが、本著でも充分にうかがえる。著者の作品で一貫しているテーマは「正義」といってもよいだろうか。10.10.2

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    2010年10月02日
  • 二つの祖国(三)

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    二世の人と聞けば、生まれながらに母国語が2つも出来るから羨ましいと単純に英語で苦労している私は思ってしまうのだが、その両国が戦火を交えることになったとき、どれほど苦しむだろうか。
    主人公の天羽賢治には弟が二人いて、次弟は日本の大学に学んでいる間召集にあい、日本兵として出征する。一方アメリカに生まれ育ってそこから出たことのない末弟は、合衆国に対する当然の義務として米軍の志願兵となる。アメリカ市民としての義務を果たしたいと願う一方、両親の母国であり自分も10年間育った日本に対し、限りない愛着を持つ賢治は、その狭間で苦しむ。どれほど個人の能力が優れていたとしても、一介の市民に大きな歴史は容赦なく牙をむく。
    日本が太平洋戦争でどれほど苦しんだかという話は数多いが、敵国の中で生きていかねばならなかった彼ら日系人を扱った小説はあまりないように思う。人種差別に思想の対立が折り重なった収容所で生きていた人々への鎮魂の書として、読み継がれていくべき作品だと思う。

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    2010年07月01日
  • 不毛地帯 第四巻

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    「そんなこと心配しなくていいんだよ、会社で借りられるし、お父さんのことだ、贅沢なのを買わないから金の心配はいらないよ、総務部に、手頃なのを探して貰うことにしているよ」

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    2012年02月16日
  • 不毛地帯 第三巻

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    「いや、神森君や水島君が、よく手伝ってくれるので助かる、この間も三人で会員たちの原稿を整理しながら、思えば、あんな心身ともに極限状態の生活をしていた時のことが懐かしく、今のように物資は豊かでも、精神的な不毛の中に生きる方が、生き辛いと話し合っていたんだ」

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    2012年02月16日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    ネタバレ

    荒むさぁ………。
    そりゃ荒むよね、恩地さん。
    希望したわけでもないのに僻地勤務を10年間。
    最後には家族とも離れ離れで、隣家も見えないだだっ広い家に一人ぼっち。
    丸一日、日本語をしゃべらない日もある……。
    そんな生活によく耐えたなぁ。
    私だったらすぐ泣き入って、八馬とかに「組合とは縁切るから日本に戻して」なんて言っちゃうな。
    恩地さんには実在したモデルがいるとか。
    その強い精神力はどこからくるのか。
    見習いたいものです。
    でもなんとか恩地さんも、日本に帰ってくることが出来そうだとわかったときは、ホントに「よかったねぇ」という感じでした。

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    2023年09月20日
  • ムッシュ・クラタ

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    社会派小説を書くことに定評のある山崎豊子であるが、この短編小説も非常に面白い。
    どろどろした人間関係を克明に描き出している、というか怖い。

    一番気に入ったのはやはり「ムッシュ・クラタ」であろうか。あんまりどろどろした人間関係を描いているのは好きではないというのがありますが^^;
    もちろん全て読みましたけどね。

    結構薄いので、初めて山崎作品に手を出す人にはちょうどいいかもしれません。

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    2009年10月04日
  • 女系家族(上)

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    山崎豊子にしてはあまり社会派小説という感じではなくエンターテイメント性が高いかな。大阪船場の老舗を舞台に3姉妹と番頭、親戚たちのエゴと欲望がこれでもかというほど書かれてて、多少しつこいけど面白いですよ。

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    2011年07月16日
  • 白い巨塔(二)

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    相変わらず人間関係のゴタゴタがいい感じで描かれていますね。前作から温められた人間関係がさらに面白くなっていました。

    汚い部分を含めた心理戦はやはり読み応えがありました。

    いよいよ教授戦が終わり財前さんの傲岸不遜が止まることを知らず

    不穏な空気が今後どうなるのかワクワクです。

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    2026年10月07日
  • 華麗なる一族(下)

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    山崎豊子さんの大作。最後まで暗くておどろおどろしい展開。痛快あるいは勧善懲悪の展開はどこにもない。肩書と金欲しさに不健康な人生を送っている心地の悪いストーリーだった。人としての尊厳を失っている性も不快な感情が残る。

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    2026年10月06日
  • 白い巨塔(二)

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    選挙までもつれこんだ教授の選定がついに決着。勝利した財前はドイツの学会に呼ばれるなど我が世の春を謳歌するが、
    一方でその思い上がりが将来の躓きの種を蒔いていて。。。続きが気になる。

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    2026年10月05日
  • 白い巨塔(一)

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    ずっと未読だったものにようやく着手。助教授が教授になるための暗闘を描く。
    実弾やポストが飛び交うなど相当ドロドロしており、そこまでしますか??という感じ。

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    2026年10月05日
  • 白い巨塔(三)

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    得意絶頂でヨーロッパ周遊から帰国すると、一転して医療過誤訴訟の被告人に。カネと政治力にモノを言わせた裁判対策は
    さもありなんという感じ。しかしこの人の本、悪者はとことん悪く、正しい者はとことん正しいのね。。。

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    2026年10月05日
  • 白い巨塔(五)

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    二審の逆転敗訴の直後、末期癌で倒れる財前。自分の病状を冷静に分析し、それを死後自分を解剖する
    医者宛に手紙として残し、身をもって医学の進歩に貢献しようとした所だけは男前だと思った。

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    2026年10月05日
  • 白い巨塔(四)

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    ついに一審で勝訴を勝ち取った財前は、学術会議選に打って出ることに。例によってまた手段を選ばぬ選挙戦が展開される。

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    2026年10月05日
  • 運命の人(三)

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    一審では勝ったものの依願退職し家庭もバラバラ、しかも最高裁で逆転有罪となって全てを失った弓成。あんまり悲惨でだんだん滅入ってきた。。。国家権力、恐るべし。

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    2026年10月05日
  • 白い巨塔(一)

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    何度もドラマ化しているだけあって読み応えのある面白い作品でした。

    人間模様の複雑さやありとあらゆる手段を持って一つの椅子を争う姿は読んでいて熱くなりました。

    スポーツ観戦のような爽やかな対決ではなく、場外行為ありの心理戦は一種のトリックを見ているようでした。

    人物の性格も一人一人個性的で花があって良かったです。

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    2026年09月18日
  • 白い巨塔(一)

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    【大学病院教授選、封建組織の機能不全/権力欲を煮詰めたパロディ】
    ・医療関係の知人が増えてきたので、古典として購入。1978年、2003年と夫々放映されたドラマは見ていない。山崎豊子さんの作品は不毛地帯、沈まぬ太陽などは学生時代に読んだ
    ・父を早くに無くし母親に女手一つで育てられた主人公は、地元名士の繋がりから産婦人科を営む財前家に婿入りし、財前五郎として、舅の期待を一身に背負い、浪速大学病院で医師として立身出世を志す
    ・五郎が助教授を務める第一外科の東教授の定年退職に際し行われる教授選挙での勝利を目指し奔走するが、言うことを聞かない財前を当選させたくない東教授、東都大学から遠隔コントロールを利かせたい船尾教授、次期学長選を見越して財前を推したい鵜飼、財前を介して大学病院との関係を強化したい舅や医師会、など各人の想いが入り乱れ、教授戦は混乱を極めていく
    ・医局、OB会、医師会等を通じて根回しを行う財前、東都大学時代の繋がりを頼る東、浪速大学系列から食い込む野坂等選挙を主導するものと、そこに巻き込まれていく財前の同期や東都大出身の教授などの人間模様が生々しく描かれる

    ・久々に読んだ山崎豊子さんの小説はやはり凄い。常に空気が張り詰めていて、一文一文の背景に膨大な調査や知識、想いを感じさせるずっしりとした文章、この年になって読むとまた違った印象を受けた
    ・公正さが担保されないブラックボックスな選挙の仕組み、送り放題の賄賂や1960年代のピンと来ない円通貨単位など、現代に読むと古典感は否めないが、当時の日本のエリートの行動原理がよく分かる
    ・ここまで極端ではなくとも考えさせられるものは多いし、『社内政治の科学』の様な本がベストセラーになる現代に通じるものもあるはず
    ・ここまで徹底して、教授選の裏にある政治活動を描き切るのはもはやパロディなのではないかと思ってしまう(書いている山崎豊子さんは辛かったか、逆に振り切って楽しんでいたか、どうだろう)
    ・当時/現代の大学病院の仕組みにもう少し詳しくなってから解釈したいが、教授は、人事/予算配分/注力分野/PR等各領域に権力を持つグループ会社(病院)や医局を束ねる社長の様なもの、と理解した(多分、普通にイメージする大学の教授とはまた違うはず)
    ・読み進める中で解釈を深めていきたい。ちなみに今のところ財前推し

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    2026年06月29日
  • 女系家族(下)

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    序盤は「船場もの」の物珍しさにほぉほぉと読んでいたけど、読み進めるほどに辟易してくる自分がいた。
    商家の莫大な遺産相続争いが自分とはかけ離れすぎているからか?
    山﨑豊子の社会派?作品が好きなので、読んでも読んでも一つの家のことをぐちぐちやっていて社会には何の影響もないのにな…という気になってしまったのかも。
    自分の知らない世界のことをたくさん教わったことは確か。

    女だと相続につけ契約につけ、男から社会から舐められるつけこまれるのは今も変わらないのかも。
    車や家を買ったり引っ越したり交渉したりそういうところで女相手だと足元見てくる輩はどこにでもいるようで。
    その意味では矢島家の三姉妹もそれぞれつけこまれまくってて不憫ではあるわね。

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    2026年05月23日
  • 白い巨塔(四)

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    ネタバレ

    「白い巨塔4」「5」は、以前「続・白い巨塔」の一冊でそれを読んでいた。その「続・白い巨塔」の感覚があるので、この4は物語を盛り上げていく前半部分の感覚。
    里見が善、財前が悪という構図はわかりやすい。ただ、この裁判などなかったら、里見は浪速大学付属病院に残りやりたい研究を続けられたのだろうか? 財前のように口八丁手八丁でなくてよいけれど、少なくとも病院という組織の中できちんとした信頼を得ていたのだろうか?(何人かの個人からの信頼ということでなく)
    正しく尤もらしいことを言っている割に信頼を得られず、会社組織の中で孤立していた人を思い出してしまった。ある分野では知識も技量もあるのに、組織を動かすことができない人。自分では組織を動かすことができないならその部分で部長の力を頼ればよいのに、「部長がダメだ」というだけで部長の力を借りようとしなかった人。
    里見はそんなクレームは言わないけれど、大学病院の組織を動かすことはできていない。組織を動かすにはそうできる力が必要。それは里見の力不足ではなく、それ以上に大学病院の組織の問題なのか?

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    2026年05月24日
  • 暖簾

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    明治、大正、昭和を生き抜いた二代に渡った大阪商人の話。戦争、地震、経済政策に翻弄されながらも大阪の商人魂、暖簾への矜持をもって渡り歩いた吾平と息子孝平の奮闘にエールを送りたくなる。

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    2026年04月22日