山崎豊子のレビュー一覧

  • 不毛地帯 第二巻

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    内容が政治の話、世界情勢も絡み難しくなってきたけれど、生々しい内容でした。こんな風に世の中が動いていたんだと今さらながら勉強になりました。

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    2015年12月09日
  • 暖簾

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    ネタバレ

    職人の話で終わるかと思ったら、戦後になって労働基準法や規制、役得に甘んじてはびこる商習慣など社会問題が出てきて、政府の経済政策に翻弄される大阪商人が細かく書かれている。学のない父、大学出の息子それぞれ。ふたりとも商売に対してモラルがあるのが良かった。大阪商人の心意気がこの一冊で少しわかった。

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    2015年10月16日
  • 暖簾

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     本書は山崎豊子の処女作であり出世作でもある。先代が守った「暖簾」を二代目が引き継ぎ商売を大きくしていくというお話し。そして三代目が放蕩の限りを尽くし店が没落していくのであった(笑 何気に、先代が世話になったお店の若旦那の姿をイメージできる。商売は個人から組織へ移行しなければ継続的な成長は難しい。

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    2015年06月15日
  • 二つの祖国(三)

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    やはりさすがという膨大な情報量。戦争を描写する上で偏向的でない表現は難しいのか、賢治の気持ちがあっち行ったりこっち行ったりするのが少し気になると言えば気になる。

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    2015年05月15日
  • 暖簾

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    商家は4つの名前を持つ。経営体としてのイエ(屋号)。経営者一族としてのイエ(本姓)。経営者としての当主(店名前)。生身の個人としての当主(実名)。例えば、鴻池屋、山中、鴻池屋善右衛門、山中宗益などのように。このうち、山崎豊子が描きたかった「暖簾」は、経営体としてのイエが持つブランドなのだと解釈している。個人よりも経営体としての「名」こそ「暖簾」。だからこそ、「暖簾」は担保(正確には引当か)になり得る。実に考えさせる本だった。最後の東京への眼差しは、大坂を研究する人間としては、頭に置いておかねばならないものだ。

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    2015年05月17日
  • 運命の人(二)

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    ネタバレ

    沖縄返還のさいにアメリカと結ばれた密約の内容とは、1971年当時、ベトナム戦争で火の車だったアメリカに対して本来アメリカが負担するべき沖縄の原状回復費用6億8500ドルを日本が肩代わりするというもの。これがいわゆる今もアメリカに支払われ続けている「おもいやり予算」のはじまりだとされる。この、まったく対等ではないとおもわれる密約を敏腕新聞記者、弓成亮太が外務省の女性事務官、三木昭子から入手する。ニュースソースを守るためそれをはっきりと記事にできない彼は、正義感から野党議員に機密文書を渡して国会で追及させようとするのだけれど、そこから逆にニュースソースが割れてしまい、弓成記者と三木昭子は逮捕される。ここまでが第一巻。
    第二巻は、警察での尋問と裁判。「知る権利」の問題が、男女のスキャンダル問題へとすりかえられていく。司法がいまひとつ独立した力を発揮しなかったり外務省官僚があざとい証言をしていったり、やきもきさせて第三巻へ続く。ちょっとむずかしくて時間かかってます。
    ただ、国民に対して「アメリカに強気に臨んで沖縄を返還させる」と、たとえポーズでも世論を気にしてアピールするだけ今よりましなんじゃないかと、錯覚してしまいそうになるほど沖縄の現状は厳しいとわたしには思える。当時の日本政府がしっかりと「ほんとうの返還」を要求しなかったからなんだけれど。

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    2015年05月07日
  • 大地の子(四)

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    わたしが高校生だったころ、新聞記事として頻繁に中国残留孤児の方々の顔写真付きプロフィールが数ページにわたり紹介されていた。日本の家族を探すための取り組みは、数十年前になるがテレビなどでも紹介されていたのをおもいだす。

    旧正月休みに日本旅行で爆買いをする中国人の姿と、当時の中国人(残留孤児)の姿があまりにも違いすぎていて驚くばかりである。日本が戦後復興を成功させて国民が物欲を満たし浮かれていた頃、大陸では日本人の血を引く孤児たちの哀しみはが癒えることはなかった。

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    2026年04月30日
  • ムッシュ・クラタ

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    短編は今回初めて読みましたが、しっかり読み応えがありました。長編に躊躇されてる人に是非オススメしたいです。

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    2014年07月07日
  • 運命の人(三)

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    弓成さんがあっという間に転落していく。国に逆らうとはこういうことか。恐ろしい。いよいよ次が最終巻か。

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    2014年04月19日
  • 女系家族(下)

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    父の遺産争いは激しさを増すばかりで
    遺産執行人の遺産のネコババも見え隠れする
    しかし、父の妾には最新の遺言書が託されており
    そこに遺産相続の詳細について理路整然と書かれていた。


    最初から最新の遺言書を出せば良かったのに・・・。
    女特有の嫉妬深さ、欲深さを垣間見ることができた。

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    2014年02月09日
  • 女系家族(上)

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    死んだ父の遺産を巡り
    娘三人+父の妾+遺言執行人で
    争う。

    自分が損をする
    =相手よりも取り分が一円でも少なくなることを認めない。
    ものすごいプライドの応酬。

    全ての遺産を把握している遺言執行人が一番有利に思える展開だが、父の妾の存在が気になる。

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    2014年02月09日
  • 不毛地帯 第四巻

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    嫉妬に狂う里井が憎たらしいいこと。

    失敗していい気味みたいな。
    油田開発の話も良く調べて、まとめたなと。。。
    商習慣やら、入札やら、、、

    こんだけ登場人物多くて、どう頭のなかで整理しているのか。

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    2014年01月05日
  • ぼんち

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    ネタバレ

    大阪船場のぼんぼんの話。

    山崎豊子の船場ものの中ではちょっと異色かな。商いの話よりも女遊び方が内容としては濃い。こういうしきたりって今でも残ってるのかな。女も女でちゃっかりしてる。

    喜久治が新しい女に手を出すたびに、おいおい、もういい加減にしとけよと思ってたのが本音。

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    2013年12月12日
  • しぶちん

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    ネタバレ

    「しぶちん」とは大阪弁でケチン坊のこと。19歳で伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公して十数年、お金を貯めに貯めて財をなした山田万治郎は、「しぶまん」と囁かれながらも、ついには商工会議所の議員に推薦される。大阪商人の金銭への執念は、哲学と呼べるほど深い。

    表題作の他 4編

    『白い巨塔』『大地の子』『沈まぬ太陽』など、社会派小説にて知られる筆者の、初めての短編集。

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    2013年12月03日
  • ぼんち

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    「ぼんぼんになったらあかん、ぼんちになりや」
    放蕩を重ねても帳尻の合った遊び方をするのが「ぼんち」。古い暖簾を誇る足袋問屋の一人息子「喜久治」を巡る五人の女達、大阪「船場」の世間の常識からかけ離れた思考・風習を描く。
    まあ、金持ちのただの女狂いの物語とも言える。

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    2013年09月27日
  • 運命の人(三)

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    裁判による判決により、新たな戦いが始まる。
    沖縄返還に伴う国の情報の隠しだてより、記者と事務官の男女関係ばかりが取りざたされた。
    また、その裏側の家族の苦労にも胸が痛む。

    2013.6.9

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    2013年06月09日
  • 運命の人(二)

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    国家権力と新聞記者との間にある確執が、裁判で争われる。
    国は自分達が国民に隠しだてしている事項をひた隠しにし、スクープした記者の記事入手方法に議論を向ける。

    2013.6.2

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    2013年06月02日
  • しぶちん

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    山崎豊子さんの短編集。
    短編は、はじめて読んだけど、やっぱこの人の作品は、短編じゃないほうがいい。長編のほうが彼女ならではの取材力や力作感があって、読み応えがある。
    ◆船場狂い
    船場育ちに憧れ、船場にこだわり、娘をつかってでも船場住まいを手に入れた久女の話。船場の地図があって、地形がわかりやすかった。

    ◆死亡記事
    豊子さん自身の私小説だとか。新聞社の学芸部員として勤めた「私」が、死亡記事を通して、空襲でも冷静に正義を徹した大畑氏を偲ぶ話。

    ◆しぶちん
    大阪では、ケチン坊のことをしぶちんと言うが、ケチを蔑みながらもどこか評価するような、笑いにかえるような、開放的な言い方らしい。
    そんなしぶちんで財を築く山田万治郎の話。

    ◆持参金
    紡績商の四男・民四郎が、家付き持参金付きで、船場の富豪の怪しい次女を嫁にもらうが、実は痘痕だらけで、ドウランでそれを隠していたという話。豊子さん自身は、「殺人のないスリラー」な小説と位置づけている。

    ◆遺留品
    阪和紡績社長の樺山正資が、永年連れ添ってきた子のない妻のために、猫のプレゼントを企んだが、出張先からの帰りに飛行機事故で死んでしまう。遺留品から、ドライミルクの缶が見つかり、実は妾がいたんじゃないかと醜聞が出回る。新卒からずっと秘書として仕えてきた瑛子は、尊敬していた社長の疑いをはらすべく密かに調べていたが、最後に子猫のためのドライミルクだったことがわかる。
    私は、この短編集の中では、この「遺留品」が一番好きな作品で、最後のほうの一文がすごい印象的だった。
    「一人の人間の評価は、たまたま起こった一つの事柄や事件によって、そうたやすく塗りかえられるものではない」。
    おそらく日航機墜落事件がモチーフになっているから、「沈まぬ太陽」の布石になっていたのかもしれない。

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    2013年04月28日
  • ぼんち

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    1959年に発表された作品なので、もう50年以上前のものになるから驚き。「暖簾」「花のれん」に継ぐ、大阪ものの第三作。前二作はまだ未読だが(たぶん…)、船場や花街のしきたりについて精緻に描かれている。
    そもそも船場とは、今の大阪市中央区あたりにある、四方を川と堀で囲まれた四角い町で、江戸時代に大阪城の築城にあたって、大勢の家臣や武家が移り住むことになったことから、武器・武具をはじめ大量の生活必需品を集めるべく、商業者を半強制的に移住させたのが、商人街として栄えた船場の発端らしい。
    物語は、そんな船場の老舗足袋問屋の一人息子として産まれ、暖簾をささえる喜久治を主人公とし、彼を取り巻く五人の女たち(ぽん太・幾代・お福・比沙子・小りん)と、女系主義の祖母と母(きの・勢以)の、船場ならではの厳しい風習と女の戦いがテーマ。
    そもそも、大阪では良家の坊ちゃんを「ぼんぼん」というが、その中でも器がでかいぼんぼんを「ぼんち」という。豊子さんの言葉を借りれば、「根性がすわり、地に足がついたスケールの大きなぼんぼん、たとえ放蕩を重ねても、ぴしりと帳尻の合った遊び方をする」のが、ぼんち。
    女系におされ、古いしきたりに束縛されながらも、女遊びに明け暮れるが、結局は戦禍を被って新たに人生を切り開く。
    「女の道で苦労して、何かものを人に考えさせるような人間にならんとあかん」という言葉を金科玉条にして生きようと決意した喜久治だが、結局、何かものを人に考えさせる人間になったのだろうか?その結末が、きのの自死と女たちの自立ってこと?それがよくわからなかった。
    とはいえ、やっぱり豊子作品すごい。圧倒的な知識と人間関係の機微を描ける人ってそうそういない。
    あとがきの一言がとても印象的だった。
    「一千枚近く書き終えてみて、今さらのように私が、故郷である大阪に深い愛着を持っていることを思い知りました。それは愛するというような生やさしいものでなく、もう一種の執念のようなものかも解りません」

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    2013年04月25日
  • ぼんち

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    最早この手の世界は現存しないんだろうなぁ。
    それにしてもまさに山崎豊子の世界、とにかくねちっこい描写。
    そしてキャラクターのデフォルメが非常に上手い。
    自身がどう思っているのかは分からないが、この作家の作品の本質は上質のエンターテインメントであり、故に大衆的映画・テレビでの映像化が今なお行われているのだと思う。

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    2012年10月21日