山崎豊子のレビュー一覧

  • ぼんち

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    ネタバレ

    大阪船場のぼんぼんの話。

    山崎豊子の船場ものの中ではちょっと異色かな。商いの話よりも女遊び方が内容としては濃い。こういうしきたりって今でも残ってるのかな。女も女でちゃっかりしてる。

    喜久治が新しい女に手を出すたびに、おいおい、もういい加減にしとけよと思ってたのが本音。

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    2013年12月12日
  • しぶちん

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    ネタバレ

    「しぶちん」とは大阪弁でケチン坊のこと。19歳で伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公して十数年、お金を貯めに貯めて財をなした山田万治郎は、「しぶまん」と囁かれながらも、ついには商工会議所の議員に推薦される。大阪商人の金銭への執念は、哲学と呼べるほど深い。

    表題作の他 4編

    『白い巨塔』『大地の子』『沈まぬ太陽』など、社会派小説にて知られる筆者の、初めての短編集。

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    2013年12月03日
  • 華麗なる一族(中)

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    自分にとって少し興味が薄い事だからか、もう少しスピーディーな展開にした方が良いのでは?と思ってしまう。内容事態はさすが山崎作品といった感じで、面白いのだけど…

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    2013年11月27日
  • ぼんち

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    「ぼんぼんになったらあかん、ぼんちになりや」
    放蕩を重ねても帳尻の合った遊び方をするのが「ぼんち」。古い暖簾を誇る足袋問屋の一人息子「喜久治」を巡る五人の女達、大阪「船場」の世間の常識からかけ離れた思考・風習を描く。
    まあ、金持ちのただの女狂いの物語とも言える。

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    2013年09月27日
  • 華麗なる一族(中)

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    家同士の政略結婚って、つなぎとして存在していた権力を持った人が死んでしまったら、嫁に出された女性の立場ってとても窮屈になってしまう。
    「愛は金を生まない。金は愛を生む。」みたいな感じ。
    取り繕った愛なら、金で買える。それが幸か不幸かはお互い次第。
    で、銀行の乗っ取り、大介鉄平親子のこれから、高炉建設の行方など下巻が楽しみ~

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    2013年09月06日
  • 運命の人(三)

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    裁判による判決により、新たな戦いが始まる。
    沖縄返還に伴う国の情報の隠しだてより、記者と事務官の男女関係ばかりが取りざたされた。
    また、その裏側の家族の苦労にも胸が痛む。

    2013.6.9

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    2013年06月09日
  • 運命の人(二)

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    国家権力と新聞記者との間にある確執が、裁判で争われる。
    国は自分達が国民に隠しだてしている事項をひた隠しにし、スクープした記者の記事入手方法に議論を向ける。

    2013.6.2

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    2013年06月02日
  • しぶちん

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    山崎豊子さんの短編集。
    短編は、はじめて読んだけど、やっぱこの人の作品は、短編じゃないほうがいい。長編のほうが彼女ならではの取材力や力作感があって、読み応えがある。
    ◆船場狂い
    船場育ちに憧れ、船場にこだわり、娘をつかってでも船場住まいを手に入れた久女の話。船場の地図があって、地形がわかりやすかった。

    ◆死亡記事
    豊子さん自身の私小説だとか。新聞社の学芸部員として勤めた「私」が、死亡記事を通して、空襲でも冷静に正義を徹した大畑氏を偲ぶ話。

    ◆しぶちん
    大阪では、ケチン坊のことをしぶちんと言うが、ケチを蔑みながらもどこか評価するような、笑いにかえるような、開放的な言い方らしい。
    そんなしぶち

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    2013年04月28日
  • ぼんち

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    1959年に発表された作品なので、もう50年以上前のものになるから驚き。「暖簾」「花のれん」に継ぐ、大阪ものの第三作。前二作はまだ未読だが(たぶん…)、船場や花街のしきたりについて精緻に描かれている。
    そもそも船場とは、今の大阪市中央区あたりにある、四方を川と堀で囲まれた四角い町で、江戸時代に大阪城の築城にあたって、大勢の家臣や武家が移り住むことになったことから、武器・武具をはじめ大量の生活必需品を集めるべく、商業者を半強制的に移住させたのが、商人街として栄えた船場の発端らしい。
    物語は、そんな船場の老舗足袋問屋の一人息子として産まれ、暖簾をささえる喜久治を主人公とし、彼を取り巻く五人の女たち

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    2013年04月25日
  • ぼんち

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    最早この手の世界は現存しないんだろうなぁ。
    それにしてもまさに山崎豊子の世界、とにかくねちっこい描写。
    そしてキャラクターのデフォルメが非常に上手い。
    自身がどう思っているのかは分からないが、この作家の作品の本質は上質のエンターテインメントであり、故に大衆的映画・テレビでの映像化が今なお行われているのだと思う。

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    2012年10月21日
  • 花紋

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    解説でも書いていたが、著者の代表作といわれる作品と比較すると少々筋立て等が粗っぽい。
    題材も取り立てるほどのものでもない気がしなくもない。
    著者の作品で今まで未読の作品だった訳だが、それもむべなるかな?という感じ。

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    2012年10月08日
  • ムッシュ・クラタ

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    表題作が★3つ、他は★2つないしは1.5。伊根浦の美しさ(一度行ったことがあるが非常に良い風景)に免じて★3つ。
    多分この作家にとっては異色の中・短編集だろうと思うが、異色と出来は一致しない。表題作はそこそこ面白かったが、もう少し深堀りできる素材だという気がする。
    山崎豊子の作品は総じて面白いけど深い味わい・読後感はないと個人的には思っている。その意味で(良質な)エンターテインメントに徹している訳だが、表題作もその系譜に連なっていると言える。

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    2012年10月01日
  • 運命の人(三)

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    本巻は一貫して裁判の経過を追ったもの。本作品前半では脂の乗り切ったビジネスパーソンとして描かれていた弓成だが、本作品では向かい風吹き荒れる中に佇んでいるようである。外務省における取材協力者であった元事務官の三木が完全に反旗を翻してきている点が最も痛いだろう。そのため、地裁にて無罪を勝ち取ったものの、三木の手記が週刊誌に報道されるや世論はアンチ弓成に…。そして高裁では懲役四ヶ月。最高裁は棄却…。
    今年の冬に放映されたTBSドラマで、最高裁の口頭弁論が開かれず文書だけで棄却の通知が来ていたのを素人としては不思議に思ったが、本書を読み、原判決を破棄する場合のみ弁論の通知が来るという傾向があるというの

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    2012年09月21日
  • 二つの祖国(二)

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    ネタバレ

    今まで嵌らなかった山崎豊子作品が、二つの祖国でやっと嵌った。

    勇の「ノウ」のシーンが映像のように頭に浮かんだ。
    何度でも思い出せる。喜びと皮肉さがかみ合っている。

    賢治が、見なくて良い所まで突き進み過ぎてる気がする。最初は仕方なくだったのに、心の奥底に観察者としての好奇心が潜んでいるようにも見える。

    先に書いた勇のシーンと、マリーの叫びが突き抜けていた。

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    2012年07月07日
  • 運命の人(三)

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    平日はなかなか読む時間がなかった。仕事が始まる前、休憩中に、時間を決めて読んでました。でも、直ぐに時間が来てしまい、その度『あともうちょっと』と、時間を延ばしていました(^_^;)それくらい、続きが気になる作品です。
    さてラスト、いざ、四巻へp(^^)q

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    2012年06月11日
  • ムッシュ・クラタ

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    ネタバレ

    女の怖さや粘着質なところがよく描かれている短編集です。

    僕は、山崎豊子は短編よりやはり長編の方が好きです。

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    2012年05月30日
  • 運命の人(二)

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    ネタバレ

     逮捕,起訴,証人尋問と裁判がクローズアップ。『白い巨塔』もそうだったけど山崎豊子の小説って法廷シーンがよくあるな。『不毛地帯』でも東京裁判の場面があったっけ。

     ドラマとの違い。
    ・由里子の兄が登場。大手電気メーカーの技術者。
    ・ぎばちゃんがやってた大野木弁護士は,奥さんも弁護士で同期。由里子が離婚訴訟する場合に「私が不適格なら家内に担当させましょう」と言ってる。
    ・弓成が取り調べで受けた屈辱,ドラマより生々しい。現場検証(引き当り)で腰縄をつけられたまま,密会をしたホテルの部屋で,機密文書の受け渡しの様子を細かく言わされる場面。「機密文書を見せてほしいと哀願したのは、あの布団の中で

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    2012年03月30日
  • 運命の人(三)

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    弓成さんが交渉の裏情報を入手して報道したことに罪はないと、改めてこの本を読んで思うが、弓成さんの人間性は好きじゃない

    特に奥さんに対する態度は最低!
    嫌いやわ、こういう男

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    2012年03月26日
  • しぶちん

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    短編集.船場の商家をめぐる「船場狂い」と「しぶちん」が面白い.谷崎潤一郎の「細雪」が江戸人から見た船場なら,これらの話はその内側からの視線になる.そこに東京と大阪の気質の違いも際立って感じられる.

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    2012年03月17日
  • 女の勲章(下)

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    白石教授の登場で、式子が普通の女性になり、あっけなく幕を引いてしまったのが残念。銀四郎に一矢報いるのでは?と予想していたのだけれど。それは他の3人の弟子も同様で、結局、銀四郎ばかりが得をしているようなのは納得できない。
    富枝には一番期待してたんだけどな。

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    2012年03月15日