山崎豊子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
外務省の機密文書漏洩問題に絡む男女の不倫というスキャンダラスな面に視線が集まりがちであるが、原作を読み進めて行くにつれ、本書の主題は実は「沖縄」。
著書は太平洋戦争で日本で唯一の地上戦が行われた沖縄戦の事を多くの人に知ってもらいたいという一心から、この小説の構想が出来上がったんだなと感じる。
酸鼻極まる沖縄戦では15万人もの生命が奪われた。取材を重ねれば重ねる程、沖縄は本土の犠牲になり続けていることを思い知らされる。
後書きにて、著者は「早期の文庫本化を出版社に依頼した」と語っている。戦時中、徹底した皇民化教育を施し、10代の若者を「本土の日本人以上の日本人たれ!」と鼓舞し続け挙句に見捨 -
Posted by ブクログ
ネタバレあちこちに矛盾がある、というか。キャラプロットがいまいちなのだよね、この話。特に脇役の男性キャラの。
主役『御室みやじ』と語り部『よし』はいい。丁寧に作られている。が、『みやじ』の息子は前半に語られた人物像と『よし』が語る人物像とが無夜の中で合致しない。
内容。
時代は戦前から戦直後。
大地主の総領娘として気位高く育った『みやじ』。本名、郁子。歌の天才。ろうたけた美貌。類まれな才能。金。家柄。
彼女を見守るのは「よし」という小作の娘。生涯を郁子のために費やす。
郁子はわがまま。冷たいところもあって、主役を張るよりは意地悪なライバル役といったところ。これに振り回されて狂死すること -
Posted by ブクログ
大分前に古本屋で購入してそのまま読まずにいた本です。今日読み始めて暇を見つけ見つけ読み、今読み終わりました。
やはり文章が上手ですね。畳み掛けるような物語の展開にいつの間にか引き込まれてしまいます。
一言で言うとこの本の主役は時代と言うものだろうな、と思いました。今の日本でも勿論旧家のしきたりなどはあるでしょうがこれほどの重みと執念にも似た確執で受け継がれはしないだろうと思うのです。
そして解説にもありましたが実は一番不幸なのは婿養子だったのでは?と思わなくもありません。
いまや携帯電話やメールで世界の端まで連絡がすぐに取れる時代。便利になったけれども物語性は大分薄れたかもしれない -
Posted by ブクログ
最後で、「ざまあみろ!」って思っちゃったかな(笑)
男でも、女でも、特定の人をないがしろにしたりしちゃいけないよって感じかしら。
でも宇市は少々かわいそう。
ずーっと仕えてきたのに、な〜んにも仕分けをしてもらえず仕舞いなんて。
ならばといろいろ画策してしまうのもわからないではない。
あと気になったのは次女の千寿。
長女と三女がお稽古事なんかで家を出て遊びまわっているのに、千寿だけ家にずーっと閉じこもっているらしい。
楽しいの??
まあ、私もインドア派なので家にいるの大好きだけど、それだって本を読んだり編み物したり刺繍したりと、家の中でやりたいことがあるから。
だけど千寿は、どうやら部屋で庭とか