山崎豊子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ほんの数十年前の出来事なのだけど、大きく政情は変わり、中国は大躍進した。
でもこの小説の中に書かれている中国は今の中国と変わらないように感じる。
日本の最新の技術を欲しがり、さらに納期短縮を要求している。
一心が中国共産党員に入党申請する際の描写など、他国の私からしたらおぞましく感じるほどだ。
この時代の中国で「勉強する」思想が、普遍性があるものではないだろうに、勉強家の一心は心から学ぼうとしている。
優秀な人材が何を学んだら国家に役立たせることができるのか、それは国にとっては都合のいい人材を育成させることに他ならない。
日本人として虐げられてきた一心に罪はないし、育った国が母国になるのだろう