山崎豊子のレビュー一覧
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山崎豊子文学忌 1942.1.2〜2013.9.29 豊子忌
直木賞受賞作
大阪商人の気迫と根性で大阪一の興行師となった女性の一代記。
主人公の多加は、吉本興行の創業者・吉本せい。
愛人の上で死んだ夫の借金を背負うマイナスからのスタート。そこから、創意と工夫と根回し。そして、気配り、心付け。使うところには、惜しまず使い、興行でしっかり稼ぐ。
次々と繰り出される興行は、安来節の芸能化、真打落語家への采配、漫才への変革と、大阪の芸能の歴史の一端を担っていた様。
東京空襲の後、大阪から人を雇い毛布や食料を運び、落語家への見舞いに回るなど、思いたったら、行動しないと気がすまない。
最後は戦争により、多 -
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極めて個人的な理由があって、今更ですが読むことに。実は初山崎豊子。
まず、1巻はシベリア抑留の話、という背表紙の解説を読んで、いきなり読む気をそがれてのスタート。
というのも、シベリア抑留から帰還、と聞いただけで、過酷な環境で理不尽に耐え続ける重苦しい話だと想像できてしまうから。できればこの巻は飛ばしたい気分なんだけどな、などと思いつつ読み始めた。単純に、辛い話に対する耐性が年を取るにつれどんどん弱くなっているからなんだけど。
右翼っぽいナレーションにややゲンナリ。
この時代の話を日本人が描くと、どうしてこうなっちゃうのかしらん。
将校クラスが捕虜となった時の待遇が一兵卒より優遇されて当然 -
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浪速大学医学部第1外科教授・財前を医療ミスで訴えた裁判は、被告側の勝訴に終わった。
医師として、財前に不利となる証言をした里見は浪速大学を追われることとなる。
原告側は控訴することを決める。
同時に、学術会議選挙に出馬することとなった財前。
裁判で再度勝ち、選挙にも勝てるのか…
そこまでしなくても…
里見の医師として、正義を貫く姿勢には頭が下がるが…
すべての患者にそこまでできるのか⁇と思ってしまう…
自分はいいとして、自分の家族のことは考えないのだろうか…三知代や好彦のことを。
佐枝子もなぜそこまでするのか…
確かに財前の診療には問題があったかもしれない。
財前だけの誤診とはい -
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ネタバレ主人公が異例の出世を果たし、役員として活躍し始める。しかし、その待遇を良しと思わない副社長と何かとぶつかり合う。
そして、内助の功として献身的に主人公を支えてきてくれた妻が不慮の事故で亡くなる。しかも、主人公と喧嘩をしたあと、主人公の目の前で。
悲しみに暮れる主人公に対して社長は、心機一転も兼ねて、アメリカ支社長になる辞令を出す。
アメリカに渡ってからは、日本の自動車メーカー(いすゞがモデル)と外資自動車の資本提携に向けて奔走するが、またもや副社長と方針の違いでぶつかり合う。
そして、ずっと秘めてきた、かつての上司の娘と結ばれる。
それにしても、この時代は当たり前だったのかもしれないが、 -
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2巻からは、主人公が商社で活躍し始める。
小説のモデルとなっている商社は伊藤忠。
そして、主人公のライバル会社は現在の双日のこと。
本作はロッキード事件をもとにしているのかと思っていたが、対象が戦闘機のため、現実にあった事件は、ダグラス・グラマン事件のこと。
しかし、ロッキード事件、ダグラス・グラマン事件が発覚する前に、この小説は連載されていたらしいから、山崎豊子先生の先見の明には驚かされる。
もしくは、本作の取材の過程でこれら事件の前兆を掴んでいたのか。
現実には、ロッキード事件は丸紅、ダグラス・グラマン事件は、双日だから、伊藤忠は検挙されなかった。
当初は、自分の軍歴を商社の仕事に利 -
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東京裁判の判決が下ろうとしていた。
東京裁判にモニターとして携わる賢治は、連合国側が敗戦国・日本を裁く一方的なやり方に疑問を覚える。
椰子には原爆による暗い影が…
原爆の恐ろしさを感じる。
勝者が敗者を裁く。
勝者が正しいのか…
広島、長崎への原爆投下は正しいことなのか…
戦争は二度と起こしてはならない。
核を使うなんてことはあってはならない。
『私は米国の敵だったのだろうか』
アメリカに忠誠をつくした日系二世にもかかわらず、戦争が終わってもまだ差別され、少しでも日本への心情があると反米と言われる…
狭間で苦しむ賢治…
賢治には二つの祖国を持つ身として、戦って欲しかった。
日系ア