山崎豊子のレビュー一覧

  • 女系家族(上)

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    女の憎しみと執念は凄まじい……
    莫大な遺産を巡る魑魅魍魎たちの醜い駆け引き。
    これこそ、山崎豊子の真骨頂。
    一体、誰が得をし誰が損をするのか目が離せない。

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    2018年10月07日
  • 不毛地帯 第二巻

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    だんだん苦手な感じの男の世界になってきた。ビジネスの駆け引き出しぬき、男の権謀術数、昇進情報接待やっかみ、なりふり構わぬ思惑と人脈と金銭の動き…
    上司と部下に受けは良くても、横の繋がりがないと足を引っ張られますよ…ヒヤヒヤしてた。
    ラッキードの話なんて、きっと当時を知る人にはピンときて当時の雰囲気や新聞の記事などが蘇ってくるのだろう。
    2巻の終わりで、いざアメリカへ。
    壱岐さんが一線を越えなくてよかった。

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    2018年09月04日
  • 大地の子(三)

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    「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」-陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花と名のり、寒村で過労の果てに病いの床にあった。兄妹の実父・松本耕次は、子供らの消息をつかみえぬまま、奇しくも陸一心とともに日中合作の「宝華製鉄」建設に参加していた。

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    2018年06月10日
  • 大地の子(二)

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    陸一心の本名は松本勝男。日本人戦争孤児である。日本人ゆえの苦難の日々を経て、彼はようやく日中共同の大プロジェクト「宝華製鉄」建設チームに加えられた。一方、中国に協力を要請された日本の東洋製鉄では、松本耕次を上海事務所長に派遣する。松本はかつて開拓団の一員として満洲に渡り、妻子と生き別れになっていた…。

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    2018年06月10日
  • 花のれん

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    吉本興業を起こした女主人 多加の物語。女である事が、今よりずっと不利であった時代に、その才覚と根性で笑の世界でのし上がっていく。大阪弁でポンポンと物語が進んで痛快だが、ラストは悲しい。仕事に全てを賭け、好きな人と結ばれる事も諦めた。戦争の陰が大きくのしかかり、全てを失ってしまう。その後が知りたい。

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    2019年05月03日
  • 不毛地帯 第四巻

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    弱小自動車メーカを外資とくっつける話がメイン。里井副社長が壹岐に嫉妬して横からごちゃごちゃやって挙句心臓病で倒れて合併も東京商事に一杯食わされてちゃんちゃん。大佐の娘との老いらくの恋が意外に長くて面倒、要らんパートだと個人的には思ってしまう。。。

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    2017年02月27日
  • 二つの祖国(四)

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    沈まぬ太陽や、不毛地帯等とダブる、正義感の塊のような主人公。山崎豊子作品にありがちではあるが、題材としては日系二世を取り扱い、考えさせられる。そういった人間ドラマはおまけなもののようで、こういった問題と向き合いなさいというメッセージであろうか。4月にハワイに行くので、このタイミングで読めてよかった。

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    2017年02月19日
  • 女の勲章(下)

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    ネタバレ

    こんな終わり方。。
    デザイン業界という華やかな世界で生きる一方、男に翻弄されていく式子。パリの描写は素晴らしかったけど、それだけエンディングの落胆が激しい。

    松嶋菜々子でドラマ化らしいけど、銀四郎は誰がやるんだろ。

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    2017年02月02日
  • 女の勲章(上)

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    ネタバレ

    手持ちの豊子先生未読本はこれが最後。読むのがもったいなくてずーっと積読でした。
    ファッション業界という華々しい世界を描いたのは珍しい。女性が活躍し女性が多い場所で、生まれるものは斬新なアイディアだけでなくドロドロの愛憎劇だった。

    ドロドロのまま下巻へー。

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    2017年01月30日
  • 仮装集団

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    労働者に音楽を提供する組織においてプロデューサーをしている主人公の男。血気盛んな労働者とは一線を画しつつも音楽を通して自己実現をしていく。一方で事務局のなかでは不穏な動きがあり、労働者の組織といいつつ裏には政治の利権が絡んでいるのはと主人公は怪しむ。疑いを紐解いていった終着点で、彼は組織に敗れて放逐される。組織を使う者、組織に使われる者、その生々しさが印象的な小説。

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    2017年01月29日
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-

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    ネタバレ

    人生すごろく振り出しに戻るて・・・事実は小説よりも奇なりと申します。ただただ救いなのは、その後のハリガネ課長の告発ノートの威力なんですが、それもあのやり手の行天のことだから上手く切り抜けるんだろうな。バカを見続ける恩地は退社もせずにアフリカへ、かっこつけの国見は何もできず会長辞任。5冊の長編の無駄な時間を返してほしいわぃ(嗤 豊子はもう読まない、あ~ばからしぃ

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    2026年03月05日
  • 女系家族(下)

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    「策士策に溺れる」とはこの小説のためにあるような言葉である。策略に巧みな者は策を弄しすぎて、かえって失敗するものであるという例え。遺産相続をめぐり欲の皮が突っ張った三姉妹と大番頭が右往左往し、まるでサーカスのピエロの様相。最後にはオチもしっかりついたところで、気分も晴れやかにハッピーエンドとなる。豊子はやっぱり面白い。

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    2016年07月11日
  • 仮装集団

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     勤労者音楽同盟という名称からして左翼がかっている。このグループが急速に組織拡大していく中、不明瞭な運営資金の流や、特定の政治団体と蜜月になるなど不穏な行動が目立ちはじめる。純粋な音楽普及活動に尽力する職員がいる一方で組織運営内で微妙な齟齬が生じはじめた。

     またこのグループに対抗すべく、政治的な動きを機敏に察した資本家が企業主導の音団設立に動き出し・・・さてお話しの結末はいかに、内容に興味をもてず、ストーリーにしてもいまいち。

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    2016年06月29日
  • 運命の人(四)

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    2012年1月、本木雅弘主演でドラマ化されている。語りたいことが多すぎるためなのか、なんだか最終巻を読み終えてもまだ主題がぼやけていて内容が上手く伝わってこない。原因は弓成が『不毛地帯』の壹岐正ほど立派じゃなく、『白い巨塔』の財前教授のように反省もなし…かといって『華麗なる一族』の万表鉄平のように死して決着を着けるわけでもない。巨悪と戦うには小物過ぎる。人格者とはいまわなまでも不倫で記事を手に入れるってだけで、その後いくらカッコつけても取り返しようがない。この小説の失敗はそこにある。

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    2016年06月11日
  • 女の勲章(下)

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    白石先生始めから気に入らんかったよ…。イヤな男ばかり出てくるね。式子ほどの女性がこんなふがいない結末つまらない。銀四郎のパリへの渡航費が45万?時代を感じる。

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    2016年04月17日
  • 女の勲章(上)

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    この男はだめだわ。好きとも言わず誠意を見せる振りすらせず心がこもってなさすぎ。式子の年で果たして性欲だけでそんな男とつき合えるだろうか?しかも何かにつけ、女をあからさまにお嬢ちゃん扱いして、それだけでとても一緒にいられない。教室での盗難のシーンなど、式子がたまに見せる教育者としての決意は立派だけどほんとうにたまにしか見られない。

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    2016年04月13日
  • 暖簾

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    戦前戦後における、親子二代の大阪商人の姿を描いている。
    どろくさい感じ。
    金儲けも一つの修行、節約、勤勉、努力から成る。
    信用のある商品を薄利多売して、その苦労で儲ける。
    負けて勝つ。

    でも、これが商売なんだよなって、自分の姿や姿勢を見直すきっかけになりました。

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    2016年03月01日
  • 女の勲章(下)

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    残念な結末ですね、後味が悪いです。主人公、式子を取り巻く銀四郎と白石先生の組み合わせで不幸が完成しています。
    特に白石先生の学問優先、恋愛に対して潔癖過ぎ、それ故他を突き放す姿勢が際立ちます。その姿勢で一度目の過ち、元妻の自殺から学習せず二人目の犠牲者を出すことに。
    二人の男とも、自らの欲を最優先させることで周りの人たちが不幸になる構図です。
    倫子も同様に自分の欲を優先してしまうが、まだ躊躇いがあり、終始一貫している男二人とは違いますね。

    女の勲章という表題とは裏腹に男の我儘に翻弄される女達という印象の物語です。結末を知りたいという思いだけで最後まで読みました。

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    2016年02月14日
  • 女の勲章(下)

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    ネタバレ

     つらい。この救いのなさ、後味の悪さ。

     船場の嬢はん出身の主人公大庭式子は、洋裁学校を立ち上げ、デザイナーとして脚光を浴びていく。式子を中心に、打算と野心にまみれた敏腕マネージャー銀四郎、優秀で抜け目ない3人の助手、そして式子の精神的支えになっていく白石教授によって複雑に人間関係が絡まっていく。
     式子が銀四郎のお膳立ての上、意のままに操られていけばいくほどに式子の不安定さが増し、読者は目を離せなくなる。自分=商品である芸能の世界の人たちなどにとって、自分のコントロールできない渦ができていく様子は他人事とは思えないのでは。
     倫子、かつ美の富と名声を求める野心、虚栄心も浅ましく、唯一銀四郎と対等に取引し、ランベールの型紙を盗み銀四郎を出し抜こうとする富枝のしたたかさが小気味いい。
     白石教授が銀四郎に対して怒りを込めて放った言葉とその答えが印象的。
    「君は、一流の大学で教育を受け、仏文を勉強した人間なのか。」
    「知能テストがよかったから一流の国立大学へ入れただけのことで、教育と人格が遮断されているのが日本の教育やおまへんか。」
     この会話に二人の対照的な考え方が凝縮されており、銀四郎のほうが現実をよく分かっていると思わざるを得ない。同時にこれは「白い巨塔」での財前教授と里見助教授を彷彿とさせ、豊子自身、白石教授のような理想論者よりも銀四郎というキャラクターを愛しているのだろうと感じた。

     著者の作品の中で主人公が最後に死を選んでしまう結末といえば、「華麗なる一族」があるが、この作品との違いは
    ・主人公が理性的か、感情的か
    ・志を持っているか否か
    ・死後遺された人々に悔恨など残せたか否か
     どうしても万俵鉄平の死ほど無念に思えなかった。
     哀れだとは思うけど、銀四郎の仕掛けた経理のレトリックなんて自身で管理・把握していれば見破れたはずで、打つ手はいくらでもあったであろう。本来の志を忘れ名声欲と金銭欲にまみれたのは自分自身であり、挙句愛に生きる!なんて頭の中お花畑かよ、と思ってしまう。ただただ式子は経営者に向いていなかった。それだけ。

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    2017年04月20日
  • 仮装集団

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    組織の大きな力に翻弄される主人公、やはり勧善懲悪の感は強いが、社会派の巨編まではいかず、中途半端な立ち位置かもしれない。
    本人も書きにくかったらしい。

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    2015年12月31日