山崎豊子のレビュー一覧

  • 暖簾

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    戦前戦後における、親子二代の大阪商人の姿を描いている。
    どろくさい感じ。
    金儲けも一つの修行、節約、勤勉、努力から成る。
    信用のある商品を薄利多売して、その苦労で儲ける。
    負けて勝つ。

    でも、これが商売なんだよなって、自分の姿や姿勢を見直すきっかけになりました。

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    2016年03月01日
  • 女の勲章(下)

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    残念な結末ですね、後味が悪いです。主人公、式子を取り巻く銀四郎と白石先生の組み合わせで不幸が完成しています。
    特に白石先生の学問優先、恋愛に対して潔癖過ぎ、それ故他を突き放す姿勢が際立ちます。その姿勢で一度目の過ち、元妻の自殺から学習せず二人目の犠牲者を出すことに。
    二人の男とも、自らの欲を最優先させることで周りの人たちが不幸になる構図です。
    倫子も同様に自分の欲を優先してしまうが、まだ躊躇いがあり、終始一貫している男二人とは違いますね。

    女の勲章という表題とは裏腹に男の我儘に翻弄される女達という印象の物語です。結末を知りたいという思いだけで最後まで読みました。

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    2016年02月14日
  • 女の勲章(下)

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    ネタバレ

     つらい。この救いのなさ、後味の悪さ。

     船場の嬢はん出身の主人公大庭式子は、洋裁学校を立ち上げ、デザイナーとして脚光を浴びていく。式子を中心に、打算と野心にまみれた敏腕マネージャー銀四郎、優秀で抜け目ない3人の助手、そして式子の精神的支えになっていく白石教授によって複雑に人間関係が絡まっていく。
     式子が銀四郎のお膳立ての上、意のままに操られていけばいくほどに式子の不安定さが増し、読者は目を離せなくなる。自分=商品である芸能の世界の人たちなどにとって、自分のコントロールできない渦ができていく様子は他人事とは思えないのでは。
     倫子、かつ美の富と名声を求める野心、虚栄心も浅ましく、唯一銀四郎

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    2017年04月20日
  • 仮装集団

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    組織の大きな力に翻弄される主人公、やはり勧善懲悪の感は強いが、社会派の巨編まではいかず、中途半端な立ち位置かもしれない。
    本人も書きにくかったらしい。

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    2015年12月31日
  • 不毛地帯 第二巻

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    内容が政治の話、世界情勢も絡み難しくなってきたけれど、生々しい内容でした。こんな風に世の中が動いていたんだと今さらながら勉強になりました。

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    2015年12月09日
  • 暖簾

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    ネタバレ

    職人の話で終わるかと思ったら、戦後になって労働基準法や規制、役得に甘んじてはびこる商習慣など社会問題が出てきて、政府の経済政策に翻弄される大阪商人が細かく書かれている。学のない父、大学出の息子それぞれ。ふたりとも商売に対してモラルがあるのが良かった。大阪商人の心意気がこの一冊で少しわかった。

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    2015年10月16日
  • 大地の子(二)

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    一心の中国での活躍が描かれている巻。
    中国国内での、文化革命の雰囲気もなんとなく伝わってくる中で、中国のスタンスが変わらないところは、今の時代と大差ないな、と感じてしまった。

    ここから先、一心は日本人としてのアイデンティティに対して、どういう風に対応していくのか、楽しみにさせられる一巻でした。

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    2015年09月28日
  • 暖簾

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     本書は山崎豊子の処女作であり出世作でもある。先代が守った「暖簾」を二代目が引き継ぎ商売を大きくしていくというお話し。そして三代目が放蕩の限りを尽くし店が没落していくのであった(笑 何気に、先代が世話になったお店の若旦那の姿をイメージできる。商売は個人から組織へ移行しなければ継続的な成長は難しい。

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    2015年06月15日
  • 二つの祖国(三)

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    やはりさすがという膨大な情報量。戦争を描写する上で偏向的でない表現は難しいのか、賢治の気持ちがあっち行ったりこっち行ったりするのが少し気になると言えば気になる。

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    2015年05月15日
  • 暖簾

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    商家は4つの名前を持つ。経営体としてのイエ(屋号)。経営者一族としてのイエ(本姓)。経営者としての当主(店名前)。生身の個人としての当主(実名)。例えば、鴻池屋、山中、鴻池屋善右衛門、山中宗益などのように。このうち、山崎豊子が描きたかった「暖簾」は、経営体としてのイエが持つブランドなのだと解釈している。個人よりも経営体としての「名」こそ「暖簾」。だからこそ、「暖簾」は担保(正確には引当か)になり得る。実に考えさせる本だった。最後の東京への眼差しは、大坂を研究する人間としては、頭に置いておかねばならないものだ。

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    2015年05月17日
  • 運命の人(二)

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    ネタバレ

    沖縄返還のさいにアメリカと結ばれた密約の内容とは、1971年当時、ベトナム戦争で火の車だったアメリカに対して本来アメリカが負担するべき沖縄の原状回復費用6億8500ドルを日本が肩代わりするというもの。これがいわゆる今もアメリカに支払われ続けている「おもいやり予算」のはじまりだとされる。この、まったく対等ではないとおもわれる密約を敏腕新聞記者、弓成亮太が外務省の女性事務官、三木昭子から入手する。ニュースソースを守るためそれをはっきりと記事にできない彼は、正義感から野党議員に機密文書を渡して国会で追及させようとするのだけれど、そこから逆にニュースソースが割れてしまい、弓成記者と三木昭子は逮捕される

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    2015年05月07日
  • 大地の子(二)

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     松本一家が満州開拓団へ出ることになる当時の切羽詰まった理由とは、昭和5年の生糸大暴落によって、長野県の貧しく疲弊した村の半分から三分の一は村の責任において満州へ移住しなければ、国からの援助金を得られない事情があった。

     父を兵隊にとられ、満州で終戦を迎えた家族は勝男とあつ子を残して帰らぬ人となる。一家離散後、三十六年を経てもう一度家族は出会うことができるのか、勝男の苦悩に満ちた人生よりも、妹のあつ子には更なる悲惨な人生が待ち受けていた。

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    2015年03月11日
  • 二つの祖国(一)

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    2つの祖国の狭間で戦争に巻き込まれていった人もいたんだなぁ、と勉強になった。
    天羽より、我が道を行くチャーリーが魅力的だった。

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    2014年07月12日
  • ムッシュ・クラタ

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    短編は今回初めて読みましたが、しっかり読み応えがありました。長編に躊躇されてる人に是非オススメしたいです。

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    2014年07月07日
  • 大地の子(三)

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    戦争が引き起こした悲劇、四巻でどう展開するか、すぐ読みたくなってしまう。
    中国の国家としての行いは、今も変わらず、納得いかない、最近ではベトナムの反中、戦争にでもなったら、日本は相当の被害が間接的にあるでしょう。

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    2014年06月01日
  • 運命の人(三)

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    弓成さんがあっという間に転落していく。国に逆らうとはこういうことか。恐ろしい。いよいよ次が最終巻か。

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    2014年04月19日
  • 華麗なる一族(中)

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    長男の鉄平くんがお父さんから冷遇されるのは、実はおじいさんの子だと疑われているからみたい。
    すっごくドロドロなお話で、作者さんは男性のもろさと汚さを描くのが本当に得意なんだな~と思いました。
    勢いがあるけど、他人の家の汚さをのぞき見しているみたいで、ちょっと読み終わったあとイヤな気持ちになっちゃったよ。

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    2014年03月12日
  • 女系家族(下)

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    父の遺産争いは激しさを増すばかりで
    遺産執行人の遺産のネコババも見え隠れする
    しかし、父の妾には最新の遺言書が託されており
    そこに遺産相続の詳細について理路整然と書かれていた。


    最初から最新の遺言書を出せば良かったのに・・・。
    女特有の嫉妬深さ、欲深さを垣間見ることができた。

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    2014年02月09日
  • 女系家族(上)

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    死んだ父の遺産を巡り
    娘三人+父の妾+遺言執行人で
    争う。

    自分が損をする
    =相手よりも取り分が一円でも少なくなることを認めない。
    ものすごいプライドの応酬。

    全ての遺産を把握している遺言執行人が一番有利に思える展開だが、父の妾の存在が気になる。

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    2014年02月09日
  • 不毛地帯 第四巻

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    嫉妬に狂う里井が憎たらしいいこと。

    失敗していい気味みたいな。
    油田開発の話も良く調べて、まとめたなと。。。
    商習慣やら、入札やら、、、

    こんだけ登場人物多くて、どう頭のなかで整理しているのか。

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    2014年01月05日