山崎豊子のレビュー一覧

  • 仮装集団

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    労働者に音楽を提供する組織においてプロデューサーをしている主人公の男。血気盛んな労働者とは一線を画しつつも音楽を通して自己実現をしていく。一方で事務局のなかでは不穏な動きがあり、労働者の組織といいつつ裏には政治の利権が絡んでいるのはと主人公は怪しむ。疑いを紐解いていった終着点で、彼は組織に敗れて放逐される。組織を使う者、組織に使われる者、その生々しさが印象的な小説。

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    2017年01月29日
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-

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    ネタバレ

    人生すごろく振り出しに戻るて・・・事実は小説よりも奇なりと申します。ただただ救いなのは、その後のハリガネ課長の告発ノートの威力なんですが、それもあのやり手の行天のことだから上手く切り抜けるんだろうな。バカを見続ける恩地は退社もせずにアフリカへ、かっこつけの国見は何もできず会長辞任。5冊の長編の無駄な時間を返してほしいわぃ(嗤 豊子はもう読まない、あ~ばからしぃ

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    2026年03月05日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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     御巣鷹山事故後、利根川総理(中曽根)は国民航空(JAL)の立て直しを図るために新会長を国見に依頼する。会長就任から時を経て国見と、利根川総理、影の参謀といわれている龍崎との新橋料亭での会話(P396~)この龍崎とは、山崎豊子の小説『不毛地帯』に壱岐正としても登場する人物である。

     後もう一つ、賄賂で腐敗しきった会社の上層部に億の金を用意する格安旅行代理店の風雲児フランクこと永井藤夫ってHISの創立者、澤田秀雄のことか・・・ネットで調べてみるがヒットでず。なにやらきな臭いにおいが(あくまで小説のはなし)

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    2016年10月09日
  • 女系家族(下)

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     「策士策に溺れる」とはこの小説のためにあるような言葉である。策略に巧みな者は策を弄しすぎて、かえって失敗するものであるという例え。遺産相続をめぐり欲の皮が突っ張った三姉妹と大番頭が右往左往し、まるでサーカスのピエロの様相。最後にはオチもしっかりついたところで、気分も晴れやかにハッピーエンドとなる。豊子はやっぱり面白い。

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    2016年07月11日
  • 仮装集団

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     勤労者音楽同盟という名称からして左翼がかっている。このグループが急速に組織拡大していく中、不明瞭な運営資金の流や、特定の政治団体と蜜月になるなど不穏な行動が目立ちはじめる。純粋な音楽普及活動に尽力する職員がいる一方で組織運営内で微妙な齟齬が生じはじめた。

     またこのグループに対抗すべく、政治的な動きを機敏に察した資本家が企業主導の音団設立に動き出し・・・さてお話しの結末はいかに、内容に興味をもてず、ストーリーにしてもいまいち。

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    2016年06月29日
  • 運命の人(四)

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    2012年1月、本木雅弘主演でドラマ化されている。語りたいことが多すぎるためなのか、なんだか最終巻を読み終えてもまだ主題がぼやけていて内容が上手く伝わってこない。原因は弓成が『不毛地帯』の壹岐正ほど立派じゃなく、『白い巨塔』の財前教授のように反省もなし…かといって『華麗なる一族』の万表鉄平のように死して決着を着けるわけでもない。巨悪と戦うには小物過ぎる。人格者とはいまわなまでも不倫で記事を手に入れるってだけで、その後いくらカッコつけても取り返しようがない。この小説の失敗はそこにある。

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    2016年06月11日
  • 女の勲章(下)

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    白石先生始めから気に入らんかったよ…。イヤな男ばかり出てくるね。式子ほどの女性がこんなふがいない結末つまらない。銀四郎のパリへの渡航費が45万?時代を感じる。

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    2016年04月17日
  • 女の勲章(上)

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    この男はだめだわ。好きとも言わず誠意を見せる振りすらせず心がこもってなさすぎ。式子の年で果たして性欲だけでそんな男とつき合えるだろうか?しかも何かにつけ、女をあからさまにお嬢ちゃん扱いして、それだけでとても一緒にいられない。教室での盗難のシーンなど、式子がたまに見せる教育者としての決意は立派だけどほんとうにたまにしか見られない。

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    2016年04月13日
  • 暖簾

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    戦前戦後における、親子二代の大阪商人の姿を描いている。
    どろくさい感じ。
    金儲けも一つの修行、節約、勤勉、努力から成る。
    信用のある商品を薄利多売して、その苦労で儲ける。
    負けて勝つ。

    でも、これが商売なんだよなって、自分の姿や姿勢を見直すきっかけになりました。

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    2016年03月01日
  • 女の勲章(下)

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    残念な結末ですね、後味が悪いです。主人公、式子を取り巻く銀四郎と白石先生の組み合わせで不幸が完成しています。
    特に白石先生の学問優先、恋愛に対して潔癖過ぎ、それ故他を突き放す姿勢が際立ちます。その姿勢で一度目の過ち、元妻の自殺から学習せず二人目の犠牲者を出すことに。
    二人の男とも、自らの欲を最優先させることで周りの人たちが不幸になる構図です。
    倫子も同様に自分の欲を優先してしまうが、まだ躊躇いがあり、終始一貫している男二人とは違いますね。

    女の勲章という表題とは裏腹に男の我儘に翻弄される女達という印象の物語です。結末を知りたいという思いだけで最後まで読みました。

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    2016年02月14日
  • 女の勲章(下)

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    ネタバレ

     つらい。この救いのなさ、後味の悪さ。

     船場の嬢はん出身の主人公大庭式子は、洋裁学校を立ち上げ、デザイナーとして脚光を浴びていく。式子を中心に、打算と野心にまみれた敏腕マネージャー銀四郎、優秀で抜け目ない3人の助手、そして式子の精神的支えになっていく白石教授によって複雑に人間関係が絡まっていく。
     式子が銀四郎のお膳立ての上、意のままに操られていけばいくほどに式子の不安定さが増し、読者は目を離せなくなる。自分=商品である芸能の世界の人たちなどにとって、自分のコントロールできない渦ができていく様子は他人事とは思えないのでは。
     倫子、かつ美の富と名声を求める野心、虚栄心も浅ましく、唯一銀四郎

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    2017年04月20日
  • 仮装集団

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    組織の大きな力に翻弄される主人公、やはり勧善懲悪の感は強いが、社会派の巨編まではいかず、中途半端な立ち位置かもしれない。
    本人も書きにくかったらしい。

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    2015年12月31日
  • 不毛地帯 第二巻

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    内容が政治の話、世界情勢も絡み難しくなってきたけれど、生々しい内容でした。こんな風に世の中が動いていたんだと今さらながら勉強になりました。

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    2015年12月09日
  • 暖簾

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    ネタバレ

    職人の話で終わるかと思ったら、戦後になって労働基準法や規制、役得に甘んじてはびこる商習慣など社会問題が出てきて、政府の経済政策に翻弄される大阪商人が細かく書かれている。学のない父、大学出の息子それぞれ。ふたりとも商売に対してモラルがあるのが良かった。大阪商人の心意気がこの一冊で少しわかった。

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    2015年10月16日
  • 暖簾

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     本書は山崎豊子の処女作であり出世作でもある。先代が守った「暖簾」を二代目が引き継ぎ商売を大きくしていくというお話し。そして三代目が放蕩の限りを尽くし店が没落していくのであった(笑 何気に、先代が世話になったお店の若旦那の姿をイメージできる。商売は個人から組織へ移行しなければ継続的な成長は難しい。

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    2015年06月15日
  • 二つの祖国(三)

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    やはりさすがという膨大な情報量。戦争を描写する上で偏向的でない表現は難しいのか、賢治の気持ちがあっち行ったりこっち行ったりするのが少し気になると言えば気になる。

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    2015年05月15日
  • 暖簾

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    商家は4つの名前を持つ。経営体としてのイエ(屋号)。経営者一族としてのイエ(本姓)。経営者としての当主(店名前)。生身の個人としての当主(実名)。例えば、鴻池屋、山中、鴻池屋善右衛門、山中宗益などのように。このうち、山崎豊子が描きたかった「暖簾」は、経営体としてのイエが持つブランドなのだと解釈している。個人よりも経営体としての「名」こそ「暖簾」。だからこそ、「暖簾」は担保(正確には引当か)になり得る。実に考えさせる本だった。最後の東京への眼差しは、大坂を研究する人間としては、頭に置いておかねばならないものだ。

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    2015年05月17日
  • 運命の人(二)

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    ネタバレ

    沖縄返還のさいにアメリカと結ばれた密約の内容とは、1971年当時、ベトナム戦争で火の車だったアメリカに対して本来アメリカが負担するべき沖縄の原状回復費用6億8500ドルを日本が肩代わりするというもの。これがいわゆる今もアメリカに支払われ続けている「おもいやり予算」のはじまりだとされる。この、まったく対等ではないとおもわれる密約を敏腕新聞記者、弓成亮太が外務省の女性事務官、三木昭子から入手する。ニュースソースを守るためそれをはっきりと記事にできない彼は、正義感から野党議員に機密文書を渡して国会で追及させようとするのだけれど、そこから逆にニュースソースが割れてしまい、弓成記者と三木昭子は逮捕される

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    2015年05月07日
  • 大地の子(四)

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    わたしが高校生だったころ、新聞記事として頻繁に中国残留孤児の方々の顔写真付きプロフィールが数ページにわたり紹介されていた。日本の家族を探すための取り組みは、数十年前になるがテレビなどでも紹介されていたのをおもいだす。

    旧正月休みに日本旅行で爆買いをする中国人の姿と、当時の中国人(残留孤児)の姿があまりにも違いすぎていて驚くばかりである。日本が戦後復興を成功させて国民が物欲を満たし浮かれていた頃、大陸では日本人の血を引く孤児たちの哀しみはが癒えることはなかった。

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    2026年04月30日
  • 二つの祖国(一)

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    2つの祖国の狭間で戦争に巻き込まれていった人もいたんだなぁ、と勉強になった。
    天羽より、我が道を行くチャーリーが魅力的だった。

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    2014年07月12日