【感想・ネタバレ】白い巨塔(二)のレビュー

あらすじ

現教授の東は、学会のボスから学外候補の推薦をうけ財前にぶつける。政界まがいの生臭い多数派工作のすえ、かろうじて勝利した財前に、国際学会から招聘状が届く。栄光に満ち多忙をきわめる日々のなかで、財前は、同僚の第一内科助教授・里見脩二から相談された患者の早期噴門癌を発見し、見事手術を成功させる。だが、財前がドイツに出発する日、その患者は呼吸困難に陥っていた。

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Posted by ブクログ

財前教授ついに誕生!
ドラマ観てたから小説では意外と早く教授になるんだなとやや驚いた。
最終決戦で財前派、菊川派はどうなるんだろうと思っていたところキーパーソンはまさかの野坂教授だったかー。しかもどちらの派閥にも仲間と思わせて自分の保身をキープするあたり1番役者だし頭いいよね。でも飲み会常にハシゴで大変そう。笑
菊川教授を推薦してくれた舟尾さんは権力誇示、財前派はお金ばら撒きで贈賄に満ちた選挙で大変刺激的でした。ページを進む手が止まらない。

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2025年10月17日

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読んだ本 白い巨塔 2 山崎豊子 20250530
 いよいよ教授選に決着が、争うのは権力欲や名性欲に駆られた財前とそれを取り巻く人たちで、財前の対抗馬の人たちはむしろポストへの執着がない。むしろ静かに研究に埋没したい無欲な人たち。これが敗者は惨めではないけど勝者への反感を育てていく材料になっている。これが3巻以降も同じ構図で別のストーリーが展開されていく感じで目が離せない。
 時を超えてドラマ化されてるのがホントに納得できるほど、重厚な人間ドラマです。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

長編小説の最初の1巻目の前提知識を得たことで2巻目は止まらぬ勢いで一気に読んでしまいました。

とんでもなくおもしろすぎる。

これからの展開に目が離せません。

どのキャラも粒ぞろいでおもしろい。

ほんと政治って大変ですわ。

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2025年05月19日

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数年ぶりの再読。財前やその周囲の人たちの政治力、資金力によって見事第一外科の教授を射止めた財前五郎。

知人の医師で、国立大の教授に就任した方に聞いたが、実際には「白い巨塔」ではなく「黒い巨塔」であると語っていた。時代は違うので一概には言えないが、昔はかなり事実に近かったのではないかと思う。今は違うといえるが形を変えた政治戦争が起きているのだと思う。

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2025年01月11日

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拙い言葉であるが、ものすごい迫力で読み進められてしまう。

おそらく里見助教授の近い未来は悲劇的なものになる予感がさせられる。そして、そういうピュアで真摯な人が陥りやすい恋愛沼も。

早く3巻を手に取らなければ収まらない。

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2024年12月31日

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医学部教授選の選考委員会を経て、最終候補は助教授の財前五郎、金沢大学の菊川教授、徳島大学の葛西教授の3人に決まる。

五郎を勝たせるため、舅の又一は「まるで汽車の切符を買うように」(p.32)金をばら撒き、票固めをする。
医師会の岩田を通して鵜飼医学部長を味方に付けている財前陣営は、31票のうち「臨床の票は、ごっそり取れる」(p.46)との見通しをもつ。
(岩田)「大学の教授選での金の出し方は、ちょっと演技がいるのや、金が金と見えんような品位のある演技がな」
(又一)「ほう、品位? そんな一銭にもならんものまで、欲しがりますのんか」

一方の東は菊川を後任に、また娘の佐枝子の配偶者としても、との下心を隠しながら、「本学の発展のために」(p.43)とこちらも周到に事を進めていく。

教授会で十分に議論がなされ、「さあ投票」という段になって、なんと東が棄権!
財前、葛西という2人の愛弟子が闘うのを直視するに忍びないと言うのだ。もちろんそれは東の策略であった。
ちょうどその頃、佃と安西が金沢へ赴き、半ば脅迫のような形で菊川に辞退を迫ったことも合わさり、東と財前は完全に決裂することになる。
「僕と君の人間関係は、どうやらこれで終ったようだ」(p.143)

運命の決選投票は、財前五郎 16票 菊川昇 14票
ここに、浪花大学医学部第一外科・財前五郎教授が誕生した。
「こういう勝ち方をした財前君が、教授として今後、どんな生き方をするか、私はそれを見たい――」(p.203)

教授になったばかりの財前に、ドイツで開かれる国際外科学会からの招聘状が届く。
多忙をきわめる日々のなかで財前は、第一内科の里見から相談された患者・佐々木庸平の早期噴門癌を発見し、見事に手術を成功させる。
愛人のケイ子は言う。「きれいな夜景ね、でもあの宝石のように燦く灯の中に、一つだけ不吉な光を放っている灯があるような気がするのは、なぜかしら」(p.335)

財前が渡航準備に忙しくしている頃、術後の佐々木庸平は呼吸困難に苦しむ。
里見は、術前に見られた胸部の陰影が癌転移のものであり、それが手術によって急激に増殖したことが原因ではないかと考えた。
財前は自身の手術が完璧であったと疑わず、患者の症状を「術後肺炎」と考えて抗生物質(クロラムフェニコール)の投与を担当医・柳原に命じる。
そうして財前は、手術をした患者をその後一度も診ることなくドイツへ発つのであった。

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2024年08月19日

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教授になり益々政治力を身につけた財前が魅力的。著者は他の作品でもそうですが、権力に魅せられ翻弄される人物を本当に活き活きと描かれる。
面白い一冊。

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2024年02月01日

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病院に不信感を覚える巻でした。

でも、面白くてページが止まらない。

教授選の辺りと吻合手術の辺りは驚くほど集中してしまいました。

早く三巻へ行きたいです。

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2021年02月05日

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現金や医療界のポストの約束が飛び交った次期教授選が終了。
物語の既定路線として財前当選。
無記名投票なのをいいことに、二者の決戦投票になった際どちらの陣営からも賄賂を受け、選挙後もしれっとそれらを受け取った野坂教授が悪のMVPかと。いや、贈賄側も悪いのだけど。
そしていよいよ財前教授が本格始動。師であった前教授は過去の人として完全無視。同窓であり学究肌で権力に興味を持たない里見助教授を小馬鹿にし、患者に対する彼の助言も拒む。
執刀を担当した患者からの不調を訴えも無視し外遊へ。
突き抜けた傲慢さに妙な魅力がある、かも
初読は多分十代の頃。その時は里見の権力におもねらない実直さが眩しく、悪い人だらけの大学病院界で彼のひたむきさが救いだった。
黒の財前と白の里見で、見事な対比構造になっていると感じた。でも、今回は初読の時には見えなかった財前側の人間味も理解できるようになってしまっている。時折見せる母親への孝心など、ただの権力追及者としてのみ描かれているのではない。
おそらく著者としては善意一辺倒の里見より財前を描いている時の方が楽しかったのでは?悪い時はとんでもなく悪い財前教授、読んでいても楽しいし。そして彼の毛深い描写は続く

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2020年08月30日

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おそらくこの第二巻が、財前の絶頂期だろう。

教授選の勝利、国際外科学会への招聘、一方でこれから財前に降りかかることも匂わせている。

それにしても、山崎豊子は人間模様の描写が絶妙だと思う。

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2020年04月29日

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半分は前回からの教授選挙

東教授が自分の票を破棄するところから票の行方はわからなくなり、それの対抗策として、菊川教授に対して辞退の申し入れを部下にさせる財前。
辞退をさせようもして裏目には出るが最終的には勝つことのできたが、選挙直前まで各々の私利私欲のための動向に政治的な観点を感じた。

野坂が1番うまい立ち回りをしているように見えるところも面白いポイント

里見先生のまっすぐな患者への想い読者の救いだなと思いました

教授選挙が終わった段階で財前は傲慢に、東教授と同じ轍を踏むところが分かってはいたが教授という一つの型なのだと思った。

里見先生からの依頼で執刀することになる患者との展開もみものです。

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2025年10月30日

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財前五郎が教授になった。
この作品の核となるストーリーがこの巻に凝縮されていると言える。個人的に一番好きなとこ。
さあ、先に進もう。

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2025年07月11日

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読みやすくって引き込まれてしまう。
財前の、腕の良さと共に横柄さと傲慢さが際立ってくるのが凄く良く描けていて、流石名作。
自分が患者だったらこういう医者に手術してもらいたいけど、経過はちゃんとみてほしい。
術者(財前)の権力が強すぎて、周りが良かれと思っている事が出来ない組織体制が問題だと。
この後の裁判も気になる

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2025年02月28日

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鵜飼教授や同窓会、医師会などの援助もあり接戦で教授となった財前だが教授となってからの立ち振る舞いが典型的な権力者だな。権力を持つと人はどうしても横柄になってしまうのかもしれない。読んでて気になったのは手術の後手首や首に血がついてそれを落とすために風呂に入るシーンがあるけど昔ってそんなに感染対策がザルだったのかと驚愕している。今じゃ患者の血液に直接触れることなんてないのに。あと早期の噴門癌でも胃切除していたんだなと、今だったら内視鏡的治療とかで温存できるのに。今後の展開に期待。

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2025年02月01日

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おごる気持ちから慎重になれない。
全てを独断でする者の欠点が上手に描かれている。
ワンマン、おそろしい。

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2024年09月01日

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2巻もあっという間に読んでしまいましたが、今後の展開を考えるとこれから先に進むのがややつらくなってきました。それでもたぶん、読んでしまうと思います。凄い小説に手を出してしまいました。

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2024年04月10日

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全5巻シリーズの2巻目。
財前がいよいよ傲慢さを全開出し、里見助教授との対比も面白い。
このシリーズも一気読みしそうです。

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2024年02月08日

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浪速大学医学部第1外科教授選。
助教授・財前に対し、教授・東は対抗馬として、自身と同じ東都大出身の金沢大・菊川をぶつける…

凄まじい多数派工作の末に、財前は…

権力争いとなった教授選。
結局は、東がしっかりとしていなかったことが発端なんであろう。
財前がどうこうと言う前に、自らの教室をしっかり教育、指導できていなかったんだろう。
普通に行けば、すんなり財前教授だったものを。
つまらぬ遺恨を残したわけだから。
東の自業自得、というところか…

財前にも問題はあるのだが…

これがあの時代の大学医学部を中心とした、医学界の実体なんだろう。
学閥が絶対、教授が絶対、というところが…

昔は、患者に告知をしなかっただということを思い出した。
今は、あっさりとはっきり癌と告げられるが…

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2023年08月15日

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ネタバレ

再読。

教授選後半から裁判の原告の手術まで。

財前の嫌な性格は腹立たしいけど、母親を思う気持ちと苦学生だったころの描写が、財前の人間らしさを表現している。

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2022年07月10日

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本の裏にダイジェストが書いてあるので読みやすい。

本当、誰かも書いてたけど社会の縮図のような物語。

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2021年07月20日

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経理作業のミス一つだけでドキドキしてしまう自分なので、人の命と向き合う人達のプレッシャーを考えるとゾッとしたわ。
患者と真摯に向き合い、また常に医学を極めようとする里見の姿に大変励まされた。沢山の仕事や人間関係に囲まれる中で、大切なことを忘れない様にしたい。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

大学病院の教授選をめぐり、賄賂や駆け引きが当たり前の世界、利害関係に結ばれた濁った人間関係が描かれる。登場人物は、頭のキレる人たちばかり。読んでいるだけで、心の弱さや狡さを見透かされているような居心地の悪さを感じるほど。

物語に出てくる人たちは優秀な医師ばかりで、もちろん信念や良心を持っている。それでも、名誉や地位を前にすると、人間が持つ良心は心許ない。権力は人を狂わせてしまう怪物のよう。

名誉欲に溺れる財前、学問と真実に向き合う里見、この2人が見事に対比する。封建的な人間関係が渦巻く白い巨塔の中で、純粋で正直な生き方を貫くのは難しく、だからこそ美しい。

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2021年05月25日

Posted by ブクログ

前回からすぐ2巻も読みました。

自分の地位に溺れ、どんな手を使ってでもさらに上を目指そうとする者と、医者としての役割、在り方を貫き、患者に寄り添う者が今後どのような道を歩んでいくのか、先々が楽しみになる1冊でした。

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2021年01月26日

Posted by ブクログ

【感想】
とても面白かった為、かなりのスピードで2巻目も読破。
2巻目は、外科の次期教授選挙が描かれていました。
ドラマや原作を読んでいない僕でも、「財前教授」というワードをどこかで聞いたことがありましたので、「問題なく教授になるのだろうな~」と構えて読んでいましたが、教授選の過程がエグイ・・・笑
次期教授の決定には他診療科の教授の投票によって決まるのですが、そこには清い1票などというモノなど殆ど存在せず、それぞれの教授個人のメリットや思惑、今後の考えなど欲望が渦巻いており、生臭い工作が沢山行われていて権力者たちの汚さがかなり生々しく描かれていました。
そこに巻き込まれてしまった菊川先生とかは、読んでいてかなり可哀相だな~と思いました。

また、無事教授選をクリアして華々しく教授となった財前に、次なる試練が待ち構える。。。
財前は早くも栄枯盛衰で早くも終わってしまうのか?
次の展開にかなり期待しながら読み進めていきます。


【あらすじ】
現教授の東は、学会のボスから学外候補の推薦をうけ財前にぶつける。
政界まがいの生臭い多数派工作のすえ、かろうじて勝利した財前に、国際学会から招聘状が届く。
栄光に満ち多忙をきわめる日々のなかで財前は、同僚の第一内科助教授・里見脩二から相談された患者の早期噴門癌を発見し、見事に手術を成功させる。
だが、財前がドイツに出発する日、その患者は呼吸困難に陥っていた。


【メモ】
p197
「財前教授と浪速大学のために乾杯!」
鵜飼の発唱で、賑やかに盃が干されたが、乾杯に託した各々の胸の中は、財前教授と浪速大学のためという言葉とはおよそ縁遠かった。
これを機会に鵜飼は次期学長選の足固めを考え、葉山は鵜飼主流派でますます中心になることを企み、野坂は巧みに主流派便乗を、岩田・鍋島はそれぞれ現役教授のうまい利用を考え、又一はさらにこの上の名誉と財力を合わせ持つことを望み、それぞれの思いを託した乾杯が何度も重ねられた。
そして財前自身も、頭を低く垂れて一同の乾杯に謝しながら、新たなる名声に向かって、野心を燃えたたせていた。

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2021年01月24日

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財前が横柄な態度を取り始めた。
部長になった途端これだから呆れる。
いつか痛い目を見るのかな。

次巻も気になっております。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

エンタメとしても不可はなく、さらに山崎豊子さんの表現や登場人物の関係の描き方が上手くとても読み飽きず全体的に良かった。
内容としてもこの先の財前がどうなるのかが楽しみになる終わりであった。

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2025年03月06日

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前半は熾烈な教授ポストをめぐる選挙戦が描かれており、候補者を取り巻く周囲の人間の私利私欲が渦巻いた様子は医療の世界も政治力と金、権力にまみれていた。フィクションではあるが著者の取材力を考えるとあながち全くの作り事ではないんだろうな、と思った。選挙戦の部分は読んでいてなかだるんだが財前教授の胃癌手術を受けた患者の容体が急変するところで2巻が終わっており、この後どんな展開になるのか?

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2025年01月09日

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教授戦という壮絶な序章を終え、話は1人の患者と外遊にクローズされていく。
所々、周りからの今後の示唆に飛んだような伏線が見られ、そのお陰でこの先に待ち受けるだろう何やら不穏な雰囲気により、飽きずに読み進めることが出来た。

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2024年10月23日

Posted by ブクログ

1-3巻が元の"白い巨塔"、4-5巻が"続・白い巨塔"。
大学病院内での教授の座をめぐる権力争いとその渦中で起こる医療ミスをめぐる裁判を描く。教授選挙の決着と医療ミス第一審判決までが本編、学術会議会員選挙と控訴審判決までが続編。

昭和の金と力の時代を描き切った作品。その意味では本編完結までが純粋な作品。
本編の医療ミス裁判の現実社会での反響が大きく、作成された続編では、裁判と主人公の身に起こる異変が並行して進む。結末は裁判と天命により主人公の人生にけりがつけられる一方、単なる悪役ではない誇り高き医療者の一面を示して終わる。

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2022年05月18日

Posted by ブクログ

財前助教授が、教授になった。
診る患者が多くなり、2-3分で一人を見なくてはいけない。今までの経験から、即座に正しい答えを導く、実力が求められる。それを達するために、部下を使う。

偉くなると、指摘してくれる人に対して、蔑ろになるのは、財前だからか、地位がそうするのか。

選挙とは、金が絡んでいるもの。山崎豊子が言うと、名言になる。

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2021年10月24日

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