山崎豊子のレビュー一覧

  • 女系家族(下)

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    ドラマを見ていたので結末は知っていましたが、最後のどんでん返しが見事で痛快な気分になりました。
    遺産を取り上げるだけでなく、女系に終止符を打たせるところに嘉蔵の怨念の深さを感じました。
    文乃や、生まれてくる子供への愛のための行動ではなく、ある意味彼女らをも利用して矢島家に復讐を遂げた嘉蔵はさぞかし爽快な気分でしょう。。

    番頭やお師匠などある意味実は男たちの駆け引きで話が進む様は、気が強いとはいえやっぱり3姉妹は愛すべきお嬢様よね、とちょっとお気の毒でした☆

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    2016年01月12日
  • 二つの祖国(二)

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    兄弟が戦場で相見える場面は何とも言いえぬ・・・

    日本軍と米軍の双方からの視点がわかるので、
    読者は絶えず、ヤキモキさせられると思う。

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    2013年03月02日
  • 女系家族(上)

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    実は、ドラマではものすごくお世話になってるのに、山崎豊子さん読むのは初めてです。

    彼女の代表作を改めて検索すると、松本清張らと並び、なんと多くの作品が映像になったものかと驚かされます。

    この女系家族も以前米倉涼子バーションのドラマは見てましたが、職場の同僚が読んでて面白がるので借りることにしました。
    (そしたら先週から再放送してるのでびっくり!もちろん録画してます!)

    只今上巻を読み終えたところですが 藤代がいいですねー
    気位が高くて鼻持ちならない感じなのに、肝心なところは世間知らずでお嬢様。愛すべきキャラクターです。
    下巻も楽しみ☆

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    2013年02月26日
  • 女の勲章(下)

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    上巻より続きます。

    冷酷でやり手、切れ長眼の年下男、銀四郎(う~ん、何度書いてもワルそうな名前だ・・・)の冷淡な拡大計画はとどまるところを知らず、船場出身のいとはんデザイナー式子の地位をさらに高め、前例のない仕事を次々と成功裏におさめ、いよいよ、パリへ舞台を移そうとしていた。もはや日本のファッション界を代表するスターデザイナーとなった式子先生。しかし少しづつ、虚栄で飾られた勲章が重く影を落とし始めるのでした・・・

    下巻も相変わらず、銀四郎の快進撃が続きます。あまりにやり手なので、腹立つー!と思いながら読むのですが、まあ、あそこまで徹底して商売として割り切れたらもうご立派としかいいようがありません。

    物語のラストはなんとも残念なもので、やるせなくなってしまいますが、「やっと銀四郎から逃れられた・・・」という安堵感もないこともない。でも、
    やっぱり残念。

    ところで、この物語は大阪に実在する服飾専門学校の学園創始者であるデザイナーがモデルになっていると言われています。登場するエピソードも事実と酷似したものが多く、発表当時は著者との間で冷戦があったもよう・・・(そりゃそうでしょうねえ)
    今もNGワードなのかしら。と思って学校のホームページを見てみると、この作品のことが紹介されていて、えっ、もういいの?と拍子抜け。
    そして、そのニュースに添えられた三人の写真。並ぶのはディオール氏と先生、そして「銀四郎」らしき人物も・・・

    物語を通して全体的にドロドロ渦巻く世界ですが、和装から洋装への過渡期に道をつけた逞しい女性たちの仕事ぶりや、のんびりした船場のいとはんがここぞと言うとき(理不尽で攻めてくる先輩デザイナーとの対決や、ファッションショーでの堂々とした挨拶など)には毅然とした態度でバーンとやってのけるあたり、すかっとする場面も多い作品です。
    女性が男性にない領域の魅力と才能をもとに仕事をして輝いていた時代だったんたなあ・・・と思うと、なんとなく、自分の仕事ももっと攻めてみようかな(という性質の仕事でもないが)、なんて勇気をもらったりしました。

    しかし、小説として眠らせておくのは惜しい。昔、ドラマ化もされたようですが、今やれば、ぜったい盛り上がると思うわ・・・。

    沢口靖子と及川ミッチーあたりでいかがでしょう。

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    2013年01月06日
  • 女の勲章(上)

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    船場のいとはん、こいさんものが何故か好きなわたくし。
    この作品は新聞の書評ではない欄で「船場のいとはんもの」として紹介されていたので知りました。
    知ってしまったら早く読みたい。某お急ぎ便も待ちきれなかったので、本屋さんの店頭お取り置きネットサービスで在庫確保し、取りに行きました。
    (このサービス、すごく便利だけど、カウンターで本のタイトルを告げるのがちょい恥ずかしいっす)

    この作品は、なみいる巨編をお書きの山崎先生においては上下巻と、規模としてそう大規模ではない作品に該当すると思われます。
    しかし、これが新聞連載の小説だったと知り、驚きました。
    こんなに悶々とする展開、毎日小出しにされるのをリアルタイムで読んでいたのでなくてよかった・・・!と胸をなで下ろしました。

    昭和30年代の洋裁学校ブームが物語の背景。自分の母親も洋裁学校を出ており、当時どんなに華やかで勢いがあったのかを聞かされたことがあります。今ではそのほとんどが洋裁学校としての姿を消してしまったけれど、そんな当時の事を知りたくて読みたかったということもありました。

    阪神間の洋裁学校を起点に、大阪、東京そしてパリへ・・・と華やかな成功の階段を登る、若く美しい船場のいとはんデザイナーと、その蔭で経営の実権を握る商魂たくましい年下のやり手男性。先生に仕えながらも、いつか自分が・・・と眼光鋭く隙を伺いみる助手たち。ビジネスチャンスを見込み渦巻く服飾界の欲望と野望、女のプライド。
    など、これでもか~というぐらいに絡み合い、気の休まる暇がない。

    唯一、船場からついてきてくれたヒロイン式子のお手伝いさんだけが心の平安でした。(式子さんもきっと同じ気持ちだっただろう・・・)

    上巻の前半あたりは、まだ業界の掟もわからぬ駆け出しの式子が先輩にやっかまれ妬まれ小意地悪をうけつつも、軽やかに跳ね返し、小さな成功をおさめて行く段階が爽やかで心地よいのですが、その後、あれよあれよと言う間に虚飾の渦に巻き込まれていくのです。
    船場の商家のいとはんとして生まれた式子のプライドを上手にくすぐり次の一手をもちかける銀四郎(ってまた、このワルそうな名前ったら!)。
    当の本人式子さんも、このまま行くと危険だということもうっすら理解はしてはいるものの、しかし変なところで鷹揚なお嬢さん性質と、持って生まれたいとはんのプライドによって自分で呼び込んだ運命でもあるのがまた・・・。

    読んでいて、「もういい加減にいち抜けた、したらええのに」と思いつつ、「でもそれはもう無理やわなあ」と、ある程度予想のできる結末に向かって進むしかなく、砂をかむような思いでお伴することになるのでした。
    どこまでもまつりあげられ、まさにジェットコースター、いや、フリーフォール並みにおそろしい。

    そんな気の抜けない展開におけるちょっとした楽しみは、随所に当時の関西での暮らしや文化が垣間見られるところでした。特に心斎橋や阪神間において、実際の店名や地名が数多く登場するので、当時はそこ、そんなに盛り上がってたのねぇ・・・と現在の姿を思い起こしながら読むのも関西人ならまた楽しいかも。
    当時の人にとって、夏の六甲山ホテルへ避暑に出かけることや、心斎橋をぶらぶらする(いわゆる心ブラ!)は、なんとも憧れのことだったんだなあ・・・そう思うと、今は閑散としている六甲ケーブルが夏は満員だったなんて、信じられません。

    それから、三人の弟子がそれぞれ個性の異なるタイプで、それぞれやっかいに絡んでくるのでおもしろい、いや、おそろしい。
    いちばん、やらかしてくれてくれるのはいったい誰なのか・・・
    なんて展開も楽しみにしつつ、下巻へ続きます。

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    2013年01月06日
  • 不毛地帯 第三巻

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    第3巻も圧倒されました。
    主人公を支える妻が交通事故で亡くなる場面、その後母代りとなる長女の献身、自己の人生にどんどん進んでいく長男、などなど家族の大切さがじわ~っと感じます。
    また、ビジネスの面では、アメリカ3大メーカーも登場しての日本自動車業界の再編成の話に迫力があり、自分の前職も思い出しながら興味深く読めました。
    全部読んだ後、DVDでドラマも見てみたい。

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    2012年09月17日
  • 不毛地帯 第四巻

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    日本に戻ってきた壹岐。
    今度は油田開発に乗り出す。

    戦争時に燃料の重要性を感じている壹岐は、
    その思いも人より大きいが・・・

    物語も終盤、砂漠という新たな不毛地帯を舞台にして
    どのような結末を迎えるのか・・・次はいよいよ最終巻。

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    2012年08月20日
  • 暖簾

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    山崎豊子の処女作。さすが読み応えはあるのにさくさく読める。戦前戦後の大阪商人二代に渡るお話。暖簾=ブランドの大切さ、重みについてしんみりと感じ、考えさせられる。時代、環境に応じた活用という二代目の言葉が印象的。この本が書かれた頃からそんな発想あったんだなぁとも。

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    2012年08月17日
  • 不毛地帯 第三巻

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    フォーク社と千代田自動車の提携交渉に当たる壹岐。
    そんな中、悲しい出来事が起こる。
    そして、単身アメリカへ渡っていく・・・

    アメリカで社内外の争いはますます苛烈になっていく・・・
    そして、秋津千里との関係は?
    第4巻もきっと目が離せない。

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    2012年08月16日
  • 花紋

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    ネタバレ

    太平洋戦争の前後を生きた女流歌人の物語。

    歌と恋愛をどこまでも一途に希求しながら、旧家の伝統としきたりに押しつぶされていった女性の無念の一生が、流麗な文章と短歌を交えて描かれています。

    明るい部分よりも、無念さ、悲しさを表現した部分が多い作品です。

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    2019年12月07日
  • 花紋

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    旧家の総領娘であり、歌人御室みやじの秘められた恋と数奇な運命をたどる。

    今までこの方、社会派の作家さんだと思っていました。『不毛地帯』とかが有名すぎて。
    宮尾登美子といい、この作家さんといい、円熟した筆で描かれる女性の一生というものは読みごたえ満点です。目がくらむほどきらびやかで豪奢な反面、がんじがらめで窮屈な旧家の様子が生半可ではない描写力で描かれていました。
    波瀾万丈とはまさにこのこと。

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    2012年03月18日
  • 花紋

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    大正時代の世界感に、かなりはまりました。
    名家に生まれ、自分の思い通りに生きられない運命の下、凛とした強さを持った、御室みやじに魅了されました。

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    2012年02月28日
  • 運命の人(三)

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    ネタバレ

    第3巻。ほとんどが裁判での様子。事務官・三木にはガッカり。好きだったはずなのに、引っ込みがつかなくなったのか「そりゃないよ」という感じ・・・手記なんて出してほしくなかった。家族の絆もあやしくなってきた。弓成家は持ちこたえることが出来るのかな。4巻で完結。どんな展開になるか期待しながら読み進めていきたい。

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    2012年02月08日
  • 暖簾

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    店を継続、発展させる情熱。苦境から何度も立ち上がる根性。

    汗と涙と血を流しながら、親子二代で店の看板を守っていく姿勢は読み応えのある本だった。

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    2012年01月27日
  • 運命の人(二)

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    4巻にこそ,山崎豊子の想いが詰まっているのですね.
    この切替方はいいなぁと思いました.

    そもそも,史実的な面で山崎豊子を読むのが好きなので
    1-3巻でその部分をしっかり味わい,+で完全に巻を変えて
    4巻目で小説的な側面から沖縄問題を訴える.

    一つの作品でいい振り分けができていると思います.
    山崎作品にしては短くて簡潔だし.

    ドラマのほうあまり調子よくないみたいだけど,
    ディテールの再現性高くて僕はけっこう好きです.
    ただよほど読んでる人か,直前に読んだ人でないとわかんないですよね.

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    2012年01月25日
  • 女系家族(上)

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    さすが山崎豊子って感じの詳細な描写。
    知らない世界をリアルに表現していることろが興味をそそられる。

    続きが楽しみ。

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    2012年01月04日
  • 不毛地帯 第三巻

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    ネタバレ

    奥さんが亡くなってしまうとは思わなかった。
    商社のビジネスの中で、人間関係や、仕事感の違いが如実に出てくるようになって面白くなってきた。

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    2011年12月31日
  • 不毛地帯 第四巻

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    色々な葛藤や、どれだけ真剣にやっていても時の運によって仕事の流れや人生の流れが大幅に変わってしまう…

    ああ一体、最終巻はどうなるのか!?
    少しは幸せになってほしいのだけど…

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    2011年12月15日
  • 不毛地帯 第三巻

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    一冊一冊が完結した本でもよいぐらいの完成度と厚みのある話!
    それがまだあと二冊読めるというのがこれまた喜び

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    2011年12月15日
  • 暖簾

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    【優しさは放射線みたいなもの】
    奉公は厳しいものだったのだろう。
    だが、厳しく育てるのは、暖簾分けして、連結で規模を拡大して幸せになる為だった。
    (その代わり、この競争で弱者はふるい落とされる。)

    今の企業の人材育成は、奉公とは桁違いに生易しい。
    その代わり、大して成長しない。
    (かと言って、学校で予め鍛えられているわけでもない。)

    そういうわけで、絹の上で育った人は、弛んだ人格を持った挙げ句に、それを称賛するようになる。
    『(私を甘やかしてくれる)優しい人が良い!』

    他人に優しく、自分にも優しく。
    他人に甘く、自分にも甘く。

    更に悪化すると、自分が甘やかされているという自覚さえなくなる。
    こうして、砂糖漬けの果物のように、ゆっくりと自らの姿形を失い、気付かぬうちに敗れ消え去ってゆくことになる(妹の夫のように)。
    sweet poison

    だから、自分の(快の)気持ちを優先するばかりで自他を律することのできない者は、社会に対する慢性毒素として、放射性物質同様に至急排除されるか、丁稚奉公にでも出て一から躾をし直してもらうかした方が良さそうだ。


    【暖簾=信用=ブランド】
    会計上よく問題になるのれん代の処理。
    某光学機器メーカーが過去に小さな会社3社とイギリスの会社を買収した際の金額で、前社長と現経営陣とで揉めているが、その中の争点の一つにこののれん代がある。
    そんなわけで、買収時にのれん代を計上することは、現代の価値観からするとごく普通のことだから、暖簾を当てにして銀行から金を借りることだっておかしくはない。
    この本が書かれたときは、そういう価値観はまだ無かったんだろうか。これは素朴な疑問。

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    2011年11月07日