山崎豊子のレビュー一覧

  • 白い巨塔(一)

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    かなり以前にテレビドラマでやっていたので、なんとなく手を出さずにいた本。
    己の欲望によくもまぁこんなにも正直になれるものだと半ば呆れてしまうくらい濃いキャラクターが続々と出てきます。
    改めて顔をしかめるとともに、著者のリアリティへのこだわりに心底感心してしまいます。
    いや、すごい小説です。

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    2024年01月17日
  • 不毛地帯 第五巻

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    ネタバレ

    田淵幹事長…一体誰がモデルなんだ…(笑)
    5巻はずっとイランのサルベスタン石油の話、千代田自動車が後味悪かった(最終的にはめでたしになるんだけど)のに対してこちらは小気味よく進んでいく。裏のえげつない部分もFXと比べたら露骨でない(と言うか露骨に見せていない?)ので読みやすい。
    でもせっかく苦労して掘り当てた石油も数年後にはイラン革命で全部おじゃんになっちゃうんだよね。山崎豊子がこれ書いていた時期もギリギリイラン革命前だしなんとも複雑な感情を抱く。

    最終的に大門社長の引退と同時に壹岐も会社を去り、シベリアで物語は終わる。千里とはおそらく結婚したんだろうけど、安易なハッピーエンドにせずあそこで

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    2024年01月14日
  • 二つの祖国(四)

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    ネタバレ

    第4巻目は東京裁判の後半部分が展開される。
    天羽賢治は東京裁判の言語調整官として、日々の裁判に臨んでいた。
    裁判が進むにつれて、勝者が敗者を裁く様相が明確に成っていった。
    最初は公正な裁判を望んで、その一助になればと思い、臨んだ賢治であったが、
    裁判が進むにつれて、その実相は裁判という体裁を整えただけの、勝者が敗者を裁く不正な内容だった。
    賢治は裁判が進むにつれて、煩悶する日々が続いた。
    日本に来ている賢治の妻エミーとも夫婦喧嘩が絶えなかった。
    かつての同僚の椰子との付き合いにだけ、心が癒される賢治だった。
    椰子は広島での被ばくが元で白血病になる。
    日々衰えていく椰子を、裁判が忙しく見舞いにも

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    2024年01月04日
  • 不毛地帯 第一巻

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    15年ほど前にドラマ化された事もあるので知っている人も多いと思うが、この1巻だけでも原作を読んでほしい。シベリア抑留の壮絶な内情が見て取れる。
    戦争はしてはいけないものだが、それ以上に負けてはいけないものということを強烈に認識させてくれる。
    ウクライナは早くロシアに降伏した方が被害が少ないとか言ってる頭お花畑の諸氏はこれ読んで反省を大にしていただきたいところ。

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    2023年12月30日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    恩地元の生き方に励まされる。山﨑豊子さんの緻密な取材に基づいた日航機墜落をベースに作られた作品。何度も何度も読み返す名作。日曜劇場での渡辺謙がハマり役だった。

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    2023年11月28日
  • 二つの祖国(二)

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    ネタバレ

    日系二世の天羽賢治の弟の勇はアメリカの軍隊に志願して一兵卒として、ヨーロッパ戦線で戦っていた。
    勇が所属する、三十六師団四四二部隊(日系二世部隊)はテキサス大隊の救出に向かわされる。
    275人のテキサス兵を救う為に、日系人は200人以上が死亡し、約600人が負傷した。
    ここでも日系人は虐げられていた。
    勇は死亡し、認識票のみが、ツールレークの隔離収容所に居る天羽の家族に渡された。
    勇の葬儀には、天羽乙七、テル、賢治と同じ収容所の大野保と長男夫婦、娘だけだった。
    乙七の胸にはヨーロッパ戦線で戦死した四四二部隊の息子の表彰と勲章の授与式が、鉄条網の中で行われたことに対する怒りと屈辱があった。
    一方

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    2023年11月24日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    事故後1年も経ってないのに、賄賂やキックバックで私腹を肥やすことしか考えない上層部面々。こんな会社ほんとにあるんだなー

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    2023年11月23日
  • 大地の子(三)

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    涙、涙。事実に基づく、色々な取材から、丁寧に何十年とかけて作られた作品と巻末にあったが、リアルさや感動が他の小説と違う。

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    2023年11月22日
  • 華麗なる一族(下)

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    尋常じゃない取材の基に成り立っている。この先を是非読んでみたいと思った。男の卑しさを捉える表現は秀逸。

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    2023年11月16日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    主人公が3箇所目の僻地勤務に携わる過程で、生活にも慣れ、狩猟という趣味を見つけ、それなりの妥協を見出しはしたが、会社に対する怒りや孤独が徐々に精神を蝕んでいたという部分が衝撃的だった。
    10年間の僻地勤務がようやく終わった。

    会社の利益追求するあまりに社員を大事にしない姿勢が、立て続けに飛行機事故を起こしてしまった。起こるべくして起きた墜落事故。それでも企業は保身に走るもんなんだなぁ。巨大企業の恐るべき裏面を見た。

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    2023年11月13日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    報復人事かぁ…昭和の時代にはまかり通っていたことなのか。令和の時代にもあるのか。
    実直に自分の職務に向き合っただけなのに、上司に睨まれ僻地に左遷。こんな会社は許せないとは思うが、どうしてもっとうまく立ち回れないのかとイライラもする。自分の信念に正直すぎて、エリートコースから脱落し、家族にも迷惑をかける…昭和の男の価値観は複雑だ。

    アフリカの夕日の雄々しさ、自然の荒涼感、野生動物の躍動感の描写は素晴らしく、オレンジ色に染まった景色と黒く染まったキリンのシルエットが、まさに眼前に広がりました。

    2巻が楽しみだ。

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    2023年11月08日
  • 華麗なる一族(下)

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    40年以上も前の作品なのに古さを感じない。
    ドラマで結末は分かっていたが、真実を告げられるシーンには涙した。

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    2023年11月07日
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-

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    最後まで不遇で信念を貫く主人公と、野心と謀略にまみれたライバル。
    山崎豊子作品といえばこの構図。

    毎年、御巣鷹山の追悼登山のニュースを見るたびに、恩地元を思い出す。

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    2023年11月07日
  • 華麗なる一族(中)

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    ネタバレ

    ついに最終巻になってしまった。淡い期待を持つことさえも許されない現実。山崎先生の本は容赦ない。鉄平の最期に、思わず、えっと声を漏らしてしまった。鉄平によって、兄弟姉妹がちゃんと歩き出したことが何より。
    ああ、山崎先生の作品は、本当に本当に面白い。

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    2023年11月03日
  • 華麗なる一族(下)

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    人物像がはっきり描かれているから、どんな人間で、読む手に持って欲しい印象がちゃんと伝わる。
    鉄平が心配で心配で。
    複雑な万俵家と銀行と、それぞれ個人の欲望が絡み合って、真面目に一途に生きる人がとても切なく思える。今の時代も同じような部分は少なからずあるのだろうな。

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    2023年11月03日
  • 華麗なる一族(上)

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    昔のはなしなのか、現代にも通ずるものなのか、その世界にいる人に聞いてみたい。
    相変わらず細かい描写で、情景がはっきりと浮かんで来る。どんどん引き込まれていく。

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    2023年11月03日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    腐り切った会社が520人もの命を奪う事故を起こし、その再建のために全く異業種から送り込まれた国見会長と恩地元の立ち回りが興味を引く。ここまで腐った組織ではトップをしがらみのない外部の人間とすげ替えなくては無理なのであろう。それでもトップとはいえ1人の人間だけで再建するのは不可能であり恩地をはじめとする会長室が一丸となり膿を出し切るの最終巻のメインストーリーであろうが、敵の多い恩地の活躍に期待したいところだが、正義と矜持を真正面からぶつけてきた彼がどう振る舞うかに注目しながら最終巻を楽しみたい。

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    2023年10月15日
  • 二つの祖国(一)

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    日米開戦後、本編の主人公の邦字新聞の記者である天羽賢治はFBIに連行され、スパイ容疑で留置所へ入れられる。
    そして、アリゾナ砂漠の収容所へ送られる。
    砂漠の収容所から釈放され、ロスアンゼルスの家に帰ると家族は強制退去されていた。
    家財道具一切を二束三文で売り、一人2つまでのスーツケースの所持を許可されて、家族が移動させられたのは、競馬場の馬小屋だった。
    床にタールを撒いた、馬糞の付いた臭くて不潔な馬小屋に何千人もの日系人が、押し込められた。
    一週間に1回のみ、馬小屋の馬を洗うシャワーを使用することを許された。不潔な場所で、日系人達は、家畜の牛馬の扱いだった。
    しばらくして、千五百名の日系人はマ

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    2023年10月17日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    520人もの命が予期せぬ事故で突然失われるとはどういうことなのか。亡くなられた方それぞれに培ってきた人生と家族があり、それらが一瞬にして壊され、二度と戻すことはできない。それであっても加害者側は保身と利権に走る。小説であっても現実に起きたことを基に書かれており、あの時の事故も当事者の航空会社は、こうだったのかと眉を顰めずにはいられない。
    そして、その会社で長年冷飯を食わされ続けながら、被害者のお世話係という仕事を全うしようとする恩地元の思考や志を理解するには、まだ全てにおいて自分は浅すぎるということなのだろうと思う。実際の御巣鷹山事故の時にも恩地元のような人物はいたのだろうか。

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    2023年10月09日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    10年にもわたる僻地をたらい回しにされた報復人事を、同じく日本で不条理な配置転換された仲間と共に、巨大組織と戦うさまに惹きつけられる。人事というどこの会社にもある普通に行われることが1人の人間とその家族を追い詰めていく。
    正義と矜持のために組織と戦うか。地位と家族の幸せのために組織に取り入り社畜と化すか。小説としては非常に面白く読み応えがあるが、現実に組織社会で働く自分に引き寄せれば、極論の二者択一ではなくその中間に多種多様な選択肢が転がっており、常にその最適解を探し求めているのが現実なのだろう。

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    2023年10月07日