山崎豊子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
結構な長編だったし、途中62歳のこの歳で転職活動することにし、SPIの勉強をしてたため読み終わるまで結構時間が掛かってしまった。
結局SPIは技能試験はなく性格試験のみだったので助かった(?)のだが。
という事は置いておいて、今までの山崎豊子の作品の中では、全てを読んでいないけど、最高と言ってもいい感動作だった。
オーナー企業であることの要素が強いと思うが、社長の一言で物事が決まるので、役員を主に保身のため何も言わない体質が企業文化として残っている。
会社を変えるために、会社を大きく組織力で成長させるために、変わらなければならない会社を自身が犠牲になって約束された次期社長のポジションを投げ打って退職するって、自分だったらできるだろうか。
兎角色々なことに影響を受けて右や左へ考えを変えるのではなく、常に軸をブラさなければ正しいことに繋がることを教えてくれた。
結局転職希望の会社からは内定を受け取ったので、スケールは違うが、時には自分を犠牲にしてでも正しいことをしなければと思った。 -
Posted by ブクログ
伊藤忠商事瀬島元会長がモデル。
ロシア勾留の記述、関東軍、満州の記述、日ソ中立条約、国際条約をも破り、捕虜規定を顧みず、対米のための安い労働力として酷使するロシアの卑劣さ。
第二次世界大戦、誰も得しない、その揺り戻しが大きい日本。憲法に"軍備を保有せず"を誓いながら、朝鮮戦争時にアメリカの要請で自衛隊を作る。一方、論理的なドイツ等とは異なり、憲法では軍備廃棄の文言を残したままという、矛盾に満ちた国家。説明できないことを、空気で説明する日本の悪文化を感じた。
商社エピソードについては、仕立戦の書き振りがリアルで面白い。実弾か空売りか、大勢をどう味方につけるのか。
また、惨敗した金子部長への社長が放った言葉、商社も軍隊も人が財産という共通項はあるが、1人数銭の徴兵と、扶養家族も含めたケアが必要な会社では人材の費用が異なるという言葉、なるほどと感じた。視座が高い。情ではなく、構造問題として、直ぐに首を切ることはしない。残酷ではあるが、どうモチベートし、人材価値を最大限引き出すか、現代の商社にも通ずるものがありそう。
次回、アメリカ出張編から。 -
Posted by ブクログ
2001年(発出1999年) 484ページ
2巻を読み終わって感じたことは、モデルである日本航空の御巣鷹山墜落事故、そして、日本航空経営破綻をニュースで見聞きしていた過去の経験から、ナショナル・フラッグ・キャリアにはこの先も暗雲が待ち構えているのだと教えてあげたくなるような気持ちです。この小説が書かれた頃は倒産はしていないけど、さもありなんと思わせるような中身の濃い2巻でした。3巻の御巣鷹山編は心して読もうと思いました。
私事ですが、風邪をひいて小説を読むのも辛かったのですが、この2巻目は途中をAudible で聞きました。Audible といっても聴き流しでは内容が入ってこないのである程度の集中力が必要です。この小説は、Audible でも自然に集中して聴くことができました。それほどのおもしろさです。ナレーターも素晴らしかった! 沈まぬ太陽3の配信はこれからなので、先に文庫本を読み終わることになりそうですが、これも楽しみです。
カラチからさらにテヘラン、ナイロビへと、まさに報復と思われる恩地の僻地赴任が続く。テヘラン赴任後、恩地の母の訃報の知らせが届く。慟哭の中、日本に帰国する恩地。その足で社長の桧山のもとを訪れ、テヘラン就航後は日本へ帰すとの約束を取り付けるも、その約束も反故となりその後のナイロビ赴任の辞令。妻とこどもとも離れ離れの生活。ナイロビでは週末ハンターとして、自然の中で唯一の趣味のハンティングに打ち込み、心の均衡をはかっていた。一方、国民航空の旅客機が連続事故を起こす……
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2001年(発出1999年) 410ページ
『この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基き、小説的に再構築したものである。』
小説の冒頭にあるとおり、この物語は日本航空と日本航空社員・小倉寛太郎氏をモデルとした作品です。山崎豊子さんの小説は初読みですが、綿密な取材によるリアリティ、スケールが大きくまた美しい自然の描写、しっかりとした人物造形、骨太な文章で、1冊目でとても好感を持ちました。
モデルとなった時代背景や登場人物も古風な趣きを感じさせますが、魅力的な人物が多かったです。
主人公の恩地、私は大好きです。確かに、立ち回りは下手くそで家族・親戚を悲しませ、怒らせているけれど、正義を貫き通したその姿勢は誰にも真似できない。もし、他の誰かが同じ目にあったら、多分その人はあっという間に精神を病んでしまうんじゃないかな。それほど今と違って情報の少ない中東・アフリカ地域は過酷だと思う。
1巻・アフリカ編は、アフリカに赴任中の恩地のサバンナでのハンティングの描写から始まり、そして、労働組合委員長だった過去への回想へ。
主人公・恩地がとても正義感が強い。そして団体交渉の描写もリアリティと迫力がある。敵役として登場する人物で、1番卑怯で許せないと思ったのは八馬、そして行天。2人とも恩地側の人間だったこともあるが、徹底的に嫌な人物として描写されている。
会社側の報復人事としてカラチ赴任。そして、僻地への任期は2年と内規で規定されているにもかかわらず、その後の10年にも及ぶ中東・アフリカでの物語が幕を開ける1巻目である。