山崎豊子のレビュー一覧

  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

    Posted by ブクログ

    前半は主人公の恩地がアフリカでどのような状態で頑張っているかが書かれて、
    ひたむきに業務をこなす姿に心打たれました。
    後半は日本航空が抱える問題が浮き彫りになり、自分が手配したチケットが原因で問題の渦中へ。
    前巻で出てきた登場人物がそれぞれの思いを胸に、問題に向き合う姿は心動かされました。

    アフリカで過ごす中で、自分と同じく日本への思いを抱えながら、帰国できない孤独な思いを秘めた人の心中が語れるシーンに
    解決した訳では無いが、恩智の孤独が少し和らぐのを感じました。

    ハンティングの描写や、剥製を壊すシーンは、作品に吸い込まれるような描写でした。
    次巻も楽しみです。

    0
    2025年07月08日
  • 華麗なる一族(下)

    Posted by ブクログ

    ミステリーであるかのように次の展開が気になり、ページを捲る手が止められなかった
    その後を暗示させる結末は、理不尽さに身悶えした一読者として多少、溜飲が下がった

    0
    2025年07月07日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

    Posted by ブクログ

    過酷過ぎる僻地での年月。読んでいて辛かったです。
    恩地さん、お疲れ様でした!
    でもきっと、まだまだ恩地さんの戦いは続くでしょう。
    次巻楽しみです。

    0
    2025年07月03日
  • 白い巨塔(五)

    Posted by ブクログ

    読んだ本 白い巨塔5 山崎豊子 20250518

     後書き読んだら、やっぱり4巻以降は続編だった。しかも、財前勝訴への批判の声から続けたとのこと。やっぱりな。正直、裁判の行方としては、色々あったとしてもあんな難しい手術をして誤診って言われたら堪んないだろうって思ってしまう。そこだけで言うと、3巻で終わってた方がリアルだった気がします。
     と言いつつ、夢中で読んじゃいましたね。今日だけで300ページ。財前の破滅を描いて溜飲を下げるってだけじゃこうはならないんだと思う。そもそも財前の独善も医者としてのプライド、人の命を救うってところから始まってて、それも難しければ難しいほど悦に入るってのは、悪じ

    0
    2025年06月18日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

    Posted by ブクログ

    自分の知らない時代の航空業界にまつわる話

    史実を元にした小説ということでおすすめしていただきました。

    とても読みやすく、主人公の真っ直ぐさ故に茨の道を進むことが最初からわかっている分、救われてほしいと思いながらも、救われるわけではなく、本書の書き出しのアフリカに左遷された途中まで記載された本

    この一冊で、アフリカの匂い、大企業での労働組合が向き合う問題、ストライキ、海外左遷、カラチの過酷さ、戦争による空港閉鎖、胃が痛くなるような体験が記されていますが、読み進めたくなります。

    戦争を経験した人たちのセリフに、私と世代が違うからこその尊さを感じました。

    なぜアフリカに至ったのかはまだ書か

    0
    2025年06月17日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

    Posted by ブクログ

    組織は怖い。上司を敵にすると流刑にあうという恐ろしさ。パレスチナのカラチでの生活が過酷過ぎて、読んでいてゾッとしました。恩地さんの運命や如何に!正義は勝つ!…よね?
    二巻目に突入します。

    0
    2025年06月12日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

    Posted by ブクログ

    国見正之会長がカッコ良すぎる。こういう上司の下で働きたい。

    三顧の礼と云われ、国見は応えようがなかった。あくまで就任に反対した、上杉社長の顔が思い浮かび、なお躊躇った。だが、同期の中で、戦場へ出ず、生き残った者としての負い目がある。もはや、辞退は許されない。
    「二度目の召集を受けたと考え、お引き受け致します」
    国見は、万感の思いに押されるように、決意した。(p50)

    国見は、内閣総理大臣の利根川総理からの要請として、その陰の参謀である龍崎一清から、未曾有の大事故を引き起こした国民航空会長になるよう懇請される。元々、国見が会長を務めていた関西紡績は、「国家社会への奉仕」を社是にしており、彼自

    0
    2025年06月10日
  • 白い巨塔(三)

    Posted by ブクログ

    読んだ本 白い巨塔 3 山崎豊子 20250606

     被告に立たされた財前が、自分の立場だけを守ろうとする人たちと結託して裁判に向かう。
     心正しい者は組織から弾かれ、強者に寄り添おうとしながら心弱い者は傷ついていく。
     自我の強い組織内の群像劇、良心の正体を見失うような登場人物の行動原理、高村薫や横山秀夫何かのひりつくような人間ドラマの原点って、山崎豊子なんだろうな。
     裁判に決着ついて終わりでもいいじゃんってところから、まだ2冊もあるんだけど、ますます先が読みたくなるのがすごい。
     ドラマ観てるのにね。もう一回観ようかな。

    0
    2025年06月08日
  • 華麗なる一族(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    うーん、面白かった!華麗なる一族の内外からの見え方を意識して読むと興味深い。
    そして最後、一枚上手の悪党として大蔵大臣がさらなる合併を示唆している点も、いくら大介が一族の総帥として振る舞っても制御できぬことがあると感じた

    0
    2025年06月07日
  • 華麗なる一族(下)

    Posted by ブクログ

    全員狂人。

    家族とは、愛とは、派閥とは、名声とは、、、。

    いろいろなものがぐるぐる回って整理ができない。

    妻妾同衾ってすごいパワーワードすぎる。

    本中に出てくる男たちはどれもかれも猛烈サラリーマンすぎる。

    盛者必衰。

    0
    2025年06月04日
  • 華麗なる一族(中)

    Posted by ブクログ

    上巻からの煌びやかさから一転。じわじわと万俵家に忍び寄るさまざまな災厄。
    盛者必衰の理をあらわす。
    いやいや、最期は大団円が待っているのかも。

    0
    2025年06月01日
  • 白い巨塔(二)

    Posted by ブクログ

    読んだ本 白い巨塔 2 山崎豊子 20250530
     いよいよ教授選に決着が、争うのは権力欲や名性欲に駆られた財前とそれを取り巻く人たちで、財前の対抗馬の人たちはむしろポストへの執着がない。むしろ静かに研究に埋没したい無欲な人たち。これが敗者は惨めではないけど勝者への反感を育てていく材料になっている。これが3巻以降も同じ構図で別のストーリーが展開されていく感じで目が離せない。
     時を超えてドラマ化されてるのがホントに納得できるほど、重厚な人間ドラマです。

    0
    2025年06月01日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

    Posted by ブクログ

    今まで日本航空123便墜落事故について、航空史上最大の飛行機事故というのもピンとこず、多くの方が亡くなる痛ましい事故があったという認識だった。しかし、本作品を読んで、過酷な現場の様子や残された遺族の気持ちを知り自身の無知と残酷さを恥じた。

    事故は起きただけでは終わらない。事故はその後を生きる人達にも襲いかかる強大なモノだというのを、本作品を読んで強く感じた。


    ーー亡くなった方々のご冥福をお祈りします。

    0
    2025年06月01日
  • 女の勲章(下)

    Posted by ブクログ

    山﨑豊子の小説はドラマチックで面白い。
    この本はファッション業界における、女たちの虚栄心に満ち溢れた物語。
    人間の心の中のドロドロした部分がストレートにかかれていて面白い。
    私はこういう人間の心の汚い部分を書いた物語が好きなので楽しく読みました。ページを捲る手が止まらなかったです。

    0
    2025年05月31日
  • 白い巨塔(一)

    Posted by ブクログ

    読んだ本 白い巨塔1 山崎豊子 20250526

     ちょっとびっくりしたんだけど、山崎豊子の本って「沈まぬ太陽」以外読んでないんだ。ドラマとか映画でさんざん観てるから読んだ気になってたけど、自分のことながら意外。
     で、もう何回も読んだような気がする白い巨塔を読み始めたんだけど、いや、本当に面白い。何も始まらない最初の数ページから面白いってどういうことなんだろう。登場人物の全てが灰汁が強くて権力闘争に明け暮れ、昭和的善人が踏みつけにされるだろうって予感のする話の進み方が、お決まりのようだけどのめりこんじゃいますね。
     主人公の財前なんてピンチに陥るんだけど、全然肩入れできない。だのにどこか権

    0
    2025年05月26日
  • 運命の人(四)

    Posted by ブクログ

    4冊の単行本という長篇作品でしたが、あっという間に読み進めてしまいました。近代史・現代史をもとに執筆された小説なので、場面ひとつひとつに臨場感があり、生き証言を聴いているかのような感覚でした。日本が沖縄に強いてきた犠牲の重みを受け止め、今後の日米外交のあり方を注視していきたいです。

    0
    2025年05月25日
  • 白い巨塔(五)

    Posted by ブクログ

    圧倒的な濃厚な壮大なストーリーでした。

    財前教授を自業自得、因果応報、医者の不養生など言ったらあまりにも薄いのだが、彼自身もこの白い巨塔の中で歯車の一つとして翻弄された犠牲者のひとりなのではと考えると完全に悪と決めつけられない自分がいました。

    40年以上も前の話なのに今読んでも決して色褪せないと感じるのは時代背景、社会状況以外の人間ドラマが強く息づいていたことなのだと思います。

    読み終わってもしばらくはなにか心に重くおりみたいなものがずーんと感じます。

    また読み返すべき名作です。

    0
    2025年05月24日
  • 大地の子(四)

    Posted by ブクログ

    最後は結局、中国人であると自分のことを思うんだと言う感想。日本人であっても、その地で様々な試練を乗り越え、様々な人に出会い形成した人生は、そう簡単には覆らないんだと強く感じた。昼顔すと、そのような状況に陥る一心のような人を生み出した。戦争の残酷さも身に染みて感じた。血の繋がった本当の父親、自分の命にも変えて育ててくれた。中国の父親のどちらを選ぶかと言う選択を迫られる一心の辛さが、身に染みて感じた。

    コールを立てる工程の描写については、自分の今の仕事上も、のような思いで建てられた頃なのかと思うと、鉄鋼業に対する見方がかなり変わったように思える。一方で、このようにして、日本が技術供与した中国の製

    0
    2025年05月23日
  • 大地の子(四)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今の時代、ほとんど聞かなくなったが、自分が子供の頃によく耳にした「中国残留孤児」の一面をこの小説を通して知ることができたのは自分にとって大きなものでした。
    どんな苦難や逆行にも負けずに貫き通した生き様は、中国人として生きることを選択しながら、古き良き日本人的な考え方だと感じた。
    妹あつ子の生涯を思うと本当に胸が張り裂けそう。
    そしてラスト近くかつての恋人、趙丹青が活躍してくれた!なんとスカッとした顛末か!

    0
    2025年05月23日
  • 白い巨塔(四)

    Posted by ブクログ

    この本を読んで、さまざまな思いが湧いてきました。

    正直に言うと、私は里見先生にあまり共感できませんでした。
    一見、誠実で患者想いに見えますが、患者自身の意思を置き去りにしてまで、自分の理想とする医師像を押しつけているように感じたのです。それが、私には偽善のように映りました。

    一方で、財前教授もまた、手術の腕は確かでも、人として相手を敬う気持ちが欠けており、尊大な人物に見えました。

    法廷シーンや、当時の医師たちの過酷な労働環境など、医療をめぐる社会的な問題が描かれており、考えさせられることが多くありました。

    登場人物の中で、私が一番好感を持てたのは大河内教授です。
    彼だけが「公正さ」とい

    0
    2025年05月22日