山崎豊子のレビュー一覧
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小説内では、1巻から20年も経っているのかと言う衝撃もさることながら
前作とは打って変わって、事故の悲惨さに焦点を置いている
墜落事故後、家族が生きていると信じてる人、亡骸をなんとしても弔いたい遺族
問題になっていたコストカット、利益重視が積み重なり
防げたかもしれない災害(墜落事故)
悲しみを抱える遺族の世話役として遺族と向き合う主人公恩地の直向きさは言わずもがな
甲子園を見るために1人で飛行機に乗った健ちゃんの話は辛すぎる…
スチュワーデスさんが居たとしても、家族のいない状態で30min墜落まで体験したと思うと胸が痛い
二度と同じ事故を起こしてはいけないという思いで、アメリカに向 -
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ついに読み終わったという感が否めない。内容が重厚で、読めば読むほどに楽しいものでないだけに、ずいぶんと読み終えるのに時間がかかってしまった。そのため、序盤の方とかは、かなり記憶から薄れ、語れるほどに覚えていない。
まさに、こうして重大な事故の記憶は、過去の話になっていってしまうのだろう。
国見の「更迭」から、恩地のナイロビへの赴任。事故の真実、会社の腐敗の是正に尽力した二人の主人公の結末は、まったく希望を見せず、いかに正義を突き通すことが絶望的であるかを物語っているように見える。
物語の中でたびたび利根川総理らが、「国見には政治ができない」ということを言うが、正しいことをするためには、正しい -
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(ネタバレあり)怒涛の一気読み。沖縄返還に係る日米交渉と米側への補償金の支払いにかんする密約を暴いた記者。政府から機密漏洩教唆で訴えられるが国民の知る権利を掲げて真っ向から対立する。その記者に機密文書を漏洩した女性事務官との不倫関係なども取り沙汰され、泥沼の裁判となる。国家機密といえば正当性あるが、中身は米側に忖度し日本国民の税金から不当に支払われる迂回資金であり、国民を欺く裏金。国家(というか、そのときの権力者)が記者を潰しにかかる様子は、権力の恐ろしさを物語っている。元ネタは実際に起こった「西山事件」。小説を通じて、権力や官僚の腐敗や事勿れ主義、不都合な事実を握りつぶそうとする傲慢さや忖度
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完読!!傑作ですよ!
この作品が描かれたのは昭和中期。癌という病が一般的にまだ不治の病として恐れられており、医学もまだ未発達で現代のような緩和治療がない時代。大学病院の在り方として研究の学会発表とあらゆる症例のレポートがメインとなり、少なからずとも患者の扱いが現代とは異なり、悪い言い方をすれば研究材料だったのだろう。本書裁判における国が捉える『医師』の定義付けとしては『人の命を扱う重要な立場故に可能な限りの手段を用い治療努力をすべき』といった医療現場への警笛。そして、日進月歩である医療現場への尊重がある中での医師の立場と責任感の追求。医師である前に一人の人間であることを忘れるなかれ、といった現 -
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前半は主人公の恩地がアフリカでどのような状態で頑張っているかが書かれて、
ひたむきに業務をこなす姿に心打たれました。
後半は日本航空が抱える問題が浮き彫りになり、自分が手配したチケットが原因で問題の渦中へ。
前巻で出てきた登場人物がそれぞれの思いを胸に、問題に向き合う姿は心動かされました。
アフリカで過ごす中で、自分と同じく日本への思いを抱えながら、帰国できない孤独な思いを秘めた人の心中が語れるシーンに
解決した訳では無いが、恩智の孤独が少し和らぐのを感じました。
ハンティングの描写や、剥製を壊すシーンは、作品に吸い込まれるような描写でした。
次巻も楽しみです。 -
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読んだ本 白い巨塔5 山崎豊子 20250518
後書き読んだら、やっぱり4巻以降は続編だった。しかも、財前勝訴への批判の声から続けたとのこと。やっぱりな。正直、裁判の行方としては、色々あったとしてもあんな難しい手術をして誤診って言われたら堪んないだろうって思ってしまう。そこだけで言うと、3巻で終わってた方がリアルだった気がします。
と言いつつ、夢中で読んじゃいましたね。今日だけで300ページ。財前の破滅を描いて溜飲を下げるってだけじゃこうはならないんだと思う。そもそも財前の独善も医者としてのプライド、人の命を救うってところから始まってて、それも難しければ難しいほど悦に入るってのは、悪じ -
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自分の知らない時代の航空業界にまつわる話
史実を元にした小説ということでおすすめしていただきました。
とても読みやすく、主人公の真っ直ぐさ故に茨の道を進むことが最初からわかっている分、救われてほしいと思いながらも、救われるわけではなく、本書の書き出しのアフリカに左遷された途中まで記載された本
この一冊で、アフリカの匂い、大企業での労働組合が向き合う問題、ストライキ、海外左遷、カラチの過酷さ、戦争による空港閉鎖、胃が痛くなるような体験が記されていますが、読み進めたくなります。
戦争を経験した人たちのセリフに、私と世代が違うからこその尊さを感じました。
なぜアフリカに至ったのかはまだ書か -
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国見正之会長がカッコ良すぎる。こういう上司の下で働きたい。
三顧の礼と云われ、国見は応えようがなかった。あくまで就任に反対した、上杉社長の顔が思い浮かび、なお躊躇った。だが、同期の中で、戦場へ出ず、生き残った者としての負い目がある。もはや、辞退は許されない。
「二度目の召集を受けたと考え、お引き受け致します」
国見は、万感の思いに押されるように、決意した。(p50)
国見は、内閣総理大臣の利根川総理からの要請として、その陰の参謀である龍崎一清から、未曾有の大事故を引き起こした国民航空会長になるよう懇請される。元々、国見が会長を務めていた関西紡績は、「国家社会への奉仕」を社是にしており、彼自