瀬尾まいこのレビュー一覧

  • 掬えば手には
    中学生のころ、不登校だったのにも関わらず、主人公が寄り添ったおかげで、学校に通えるようになった三雲さん=大学での明朗快活な友人 河野さんだと、後々分かった時、鳥肌がたった。

    この主人公は、なんの取り柄もないと自分のことを言いながら、人の心に寄り添い、主体的に動けることが強みだった。

    口の悪い店長...続きを読む
  • 私たちの世代は
    世界を揺るがしたあの感染症。
    今まで経験したことのない日常の変化に大人の私でも戸惑ったのだから、多感な子供たちにはきっととてつもないストレスだっただろうなと読んでいて感じた。

    政府から外出禁止令が出て、
    会社への出勤もできなくなり、正直、私は感染症は嫌だけど会社に行かなくていいのはラッキーくらいに...続きを読む
  • わたしの名店
    作家のみならず女優や芸人等も含めた28名それぞれにとっての名店、一品を紹介したエッセイ集。
    見事なまでに行ったことのないお店ばかりだが
    それぞれのお店に関わる想いには共感を覚えた。
    こんな時はここ!ってお店があるって、それだけで心強い。
  • 私たちの世代は
    いつもは読み終えると、温かいスープを飲み干したような気持ちになりますが、この作品は、読み終えたとき、情熱さのような物を感じました。
  • 幸福な食卓
    一般的には変わった家族のお話。
    予想外の展開でした。
    若くして亡くなった子の葬儀に参加したばかりだったので、重なってしまいました。
  • 強運の持ち主
     ショッピングセンターの一角に、様々な悩みを抱える人々が訪れる占いコーナーがあります。占うのは、ルイーズ吉田(本名は吉田幸子)。ルイーズは、占いより自分の直感を信じてその時々でお客さんの背中をちょっと押すことのできるアドバイスを、もっともらしく語ります。評判もよく、お客さんが途切れることはありません...続きを読む
  • 夏の体温
    『夏の体温』
    入院生活で出会った小3の瑛介と壮太。病院のプレイルームでの限られた時間は、忘れられないものになったと思う。壮太が残したたくさんの紙飛行機と、手紙とひからびたバッタ。短い時間を過ごしただけなのに、瑛介への思いが溢れていた。瑛介と壮太の2人の楽しい時間が、これから現実に向かっていく糧になる...続きを読む
  • わたしの名店
    著名人(主に作家)が紹介する、推しの店とメニューえをエッセイで。
    読んで良さそうだったら行ってみようと思っていたのだが、遠くの店やら居酒屋やら(自分はお酒を飲まない)が割と多く、行けそうにない店のほうが多い。
    ってことは、ただでさえ文章、表現が冴えてる人たちだけに、フィクションを読んでいるのと同じな...続きを読む
  • 夏の体温
    瀬尾まいこさんの優しい世界。なんだかほっとする。

    三編の中でいちばん長いせいもあるかもだけど、「夏の体温」が好き。

    小学三年生の少年が、突然の、そして見通しのはっきりしない長期入院と、折り合いをつけていく。
    短期入院の子たちに意地悪することもあったけど、結局は他の子どもや親たちに優しいいい子で。...続きを読む
  • その扉をたたく音
    『君が夏を走らせる』を思い出した。
    とても優しくて温かいお話・・・なのはいいんだけど。
    大学卒業してから29歳まで無職でバイトもしてないなんて、ちょっと「ぼんくら」期間長すぎない?そこがずっと引っかかってしまった。お父さんもよく待てたなぁ。

    やっと前に進めたし、何とか就職先見つかるといいな。
  • 天国はまだ遠く
    都会や今ある環境が嫌になって、
    心地よいところや、逃げ場を探して
    田舎に帰る話はよく目にするけど
    裏表紙にあった、
    気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。
    という一説に惹かれてこの本を手に取った。

    千鶴は北の終着駅。
    その先の民宿で、村で、出会った人々の
    生き様から、わたしにできることと...続きを読む
  • その扉をたたく音
    主人公の宮路(無職)が29歳になってもミュージシャンになる夢を諦められないでいる。ある時ボランティアで行った介護施設の人達と深く関わることとなり、渡部さん、水木のばあちゃん、本庄さんなどなど、そこで出会う人達と関わり自分自身、音楽、未来と見つめ合い、答えを出すって物語。

    水木のばあちゃん大好きだ。...続きを読む
  • 天国はまだ遠く
    サクッと読めて面白い、最後まで読んでタイトルの意味は分かる。ただ、本気で病んでる人には浅いと感じてしまう内容だと思った。
  • 私たちの世代は
    コロナから早4年。
    経験をしたことのない恐怖や不安は、いつの間にか忘れられそうになっている。ご飯を一緒に食べること、お店に行くこと、旅行すること、ただ話すことですら直接は難しくなっていたことを思い出した。今改めて、日常を当たり前に過ごせていることに、ありがたいことを思った。
    登場人物がとても魅力的で...続きを読む
  • 夜明けのすべて
    正直、そんなめっちゃ高評価…?と思ってしまった。
    でも、わたしも精神的につらかったときに読むのをやめてしまったから、最後まで読めてよかった。それくらい病気の描写は心に来るものがある。
    最終的に完治して、藤沢さんと山添くんが結ばれる!とかそんな単純なエンディングじゃなくて、一歩ずつ自分のできることを増...続きを読む
  • 私たちの世代は
    初読みの作家さん。
    ちょうどワタシの子どもと同じような年の子どものお話。
    コロナの頃、突然の学校休校や外出禁止などいろいろあったけれど、ワタシにとっては子どもとものすごく濃密に過ごせた日々で、過ぎさった今となっては、あれはあれで幸せな時間を過ごせたと感じてる。
    さて、コチラの話、ぜんぜんページが進ま...続きを読む
  • 夜明けのすべて
    自分の病気と向き合い、前向きに生きていこうとする二人の姿に勇気を貰った。人生、自分の思い通りにはいかない事も多いけど、それでも頑張っていこうと思えた。あとは、二人の軽快でテンポの良い会話にほっこりした。
  • 夜明けのすべて
    二人のポンポン飛び出す会話は
    最初から見えない壁が無く
    とても素直な関係が心に響く。
    二人とも厄介な病を抱えて生活
    しているが、それを理解した上で
    お節介な行動もいつしか無くては
    ならない関係性に一役買っている。
    生真面目で人の顔色を伺う生活を
    二人共して居たのだろうとおもう。
    人からどう見られるか...続きを読む
  • 幸福な食卓
    その時が突然さらっとあっさりとおとずれ、通り過ぎかけて気がついて心臓がヒュッとなった。
    切なくて悲しくてやりきれないけどそれでも生きていこう
  • 幸福な食卓
    家族の話。
    印象に残ったのは、
    母の台詞「家族のごはんっておかしなもの作れないでしょ」
    自分だけが食べるものなら失敗してもいいし思いつきで冒険もできるから料理が苦痛にならないけど、私が日々こんなに料理が面倒くさく思う理由はこういうことなんだなと妙に納得した。

    大浦くんの台詞「気づかないところで中原...続きを読む