山本幸久のレビュー一覧
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他愛もない話なんですが、十分に楽しめました。
解説が小路幸也さん(実は私、時々小路さんと山本さんを混同してしまう)で、山本さんの作品を「お仕事小説」と評しています。確かに、漫才師だったりデザイナーだったり、仕事に生き生きと打ち込む女性を描いた作品が印象に残ります。
この作品もバスガイドさんが主人公。年齢の割に子供っぽく、かなりドジだけれど、一生懸命で前向きな女性です。脇役も堅物のベテランガイドの鋼鉄母さんやら、彼女に楯突いてばかりの派手でいい加減な同僚(しかし仕事には熱意を持っている)、さらには個性あふれる新人ガイドなど多彩です。
笑ってるうちに前向きになれるお話でした。 -
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背表紙より抜粋。
『定年間近の平凡な会社員・虹脇は、突然部下の美人OLから飲みに誘われる。
手を握られながら「副社長を殴ってほしい」と頼まれて――。(「ハッピーバースデイ」)。
売れないアイドルのミドリは、今日もオタク相手に撮影会。しかしその帰り、子連れの元カレと再会し……(「五歳と十ヶ月」)。
さえない日常の中にある、小さな幸せときらめきを描いた短編集。文庫化に際し、書き下ろし短編を特別追加!』
表紙にひかれた。
子どもが春色の光に向かって飛んでいるような絵。
開いてみると、同世界ののほほんとした日常をジョキジョキ切り取って、貼り合わせたような作品。
登場人物や小道具が、「こ -
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花にはさまざまな思いが込められていて、その象徴として花言葉が各章の終わりに届けられる構成が印象的でした。物語を読んだあとにそっと添えられる花言葉が、登場人物の心情をやさしく補足してくれるように感じました。花は種類や色、本数によって意味が変わるという奥深さも興味深く、バラや椿だけでなくミモザや菊にも多くの意味があると知り、新たな発見がありました。特に九月九日の重陽の節句に菊を飾ることで無病息災・不老長寿を願う風習も初めて知りました。また作中に登場する高校の国語教諭だった馬淵先生の花×古典の豆知識が私は好きでした。
日常の中にある花が、ただの装飾ではなく人の想いや願いを運ぶ存在として描かれていて、 -
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やりたい仕事に立ち向かっていくお仕事小説の半面、いろんな花のことが知れる癒し部分がある小説。
主人公が我慢し続けたようなブラック企業はいまもありそう。そこから脱出する勇気がなかなか持てないことのほうが多いだろう。いざ飛び出せたとしても先行きの心配や不安はそう簡単に解消しない。
でもやっていかないことには生きていけないわけで。
運よく出会った花屋さんでバイトすることになった主人公は、本来やりたかったデザインの仕事にもつながっていく。
そんなうまいことあるか~と思うけど、やってみないことにはどうなるかもわからないわけで。なくすものがないならとりあえずやってみればいい。と思えるね。