山本幸久のレビュー一覧
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先日間違えて、続編の『花屋さんが夢見ることには』を読んでしまったので、その前日譚となる本作を読んでみた。
個人的には逆の順番で読んで良かった。
続編では主人公になっていたミドリが脇役として途中から出てくるのだが、なかなか難しいキャラクター。
続編で触れられていた、ミドリの失恋話もガッツリ描かれていて驚いた。センシティブな内容なのだが、こんなに色んな人たちの前で明かされていたとは。
このミドリのその後を先に読んでいただけに、本作での彼女の気難しさも大らかに見守ることが出来た。
逆に続編では完全に脇役になっていて、川原崎花店も辞めている紀久子のそれまでを知ることが出来て良かった。
ブラック企業を辞めるところからスタートしたのが意外だったが、川原崎花店のショップカードをデザインしたことをきっかけに、トントン拍子にデザイナーとしての道を進んで行く。
ちょっと出来すぎかなとは思うが、娯楽小説なのだからこのくらいが心地良い。
そして周囲の人たちがみんな良い。
店長の季多は勿論だが、その親世代の馬淵先生や、季多の母も格好良いし、紀久子の友人・瑞穂の友情も良いし、俳句を店先に書いている光代さんの人生の一端にも触れられたし、馬淵先生の孫・千尋も素直で可愛らしい。
常連客の蘭くんは続編と同じである種の天才っぽさがこの頃からあるなぁと思わずニヤリとしてしまった。
意外だったのは、紀久子と伊福部とのなれそめがファンタジーだったこと。
本作と続編を通して、いろんな花と花言葉を知った。
そして続編もそうだが、本作も花屋さんの重労働を知った。どんなお仕事も華やかさや楽しさだけではない、大変さがあるのは当たり前だが。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの山本さんの作品。
『花屋さんが言うことには』の続編らしいが、そのことを知らずに読んでしまった。だが全く問題なし。
主人公は美大卒のミドリ。画材メーカーに内定していたが、コロナでその会社がまさかの破産、在学中からアルバイトをしていた河原崎花店でそのままアルバイト生活を継続することに…というところから始まる。
実家はミモザ農園で、絵に縁がある家族はいないミドリだが、美大卒なだけにその絵は色んな人たちを惹きつけているし、アルバイト先である河原崎花店での仕事にも役立っている。
『画家なんて、そう簡単になれるものではありません』
と分かっているし、一時は絵を描くことも止めていたが、やはり描きたいという衝動が沸き上がるのを見ると応援もしたくなる。
山本さんの作品だけにそう無体なことにはならないだろうと見守りつつ、読み進める。
コロナ禍のピークは過ぎつつも、まだまだ警戒しなければならない時期を描いていて、こんなことがあったなと思い出しながら読んでいた。
飲食店にばかりスポットが当てられていたけれど、苦しいのは花屋さんもだったし、雷のデビューがなくなったように芸能界もそうだった。
それでも河原崎花店のみんなが出来ることをやっているし、高校生たちの大会も行われていたし、もがきながら試行錯誤しながら乗り越えたなと思い出す。
ミドリの葛藤や変化は勿論だが、雷が結構いいヤツで良かった。意外にもミドリの初恋はエグい散り方で、よくその後乗り越えられたなとそっちの方が感心してしまった。
三条と何とか上手く行ってほしい。
そのうち紀久子が主人公の前作も読んでみよう。 -
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『花屋さんが言うことには』に続き、駅前の小さな花屋「川原崎花店」を舞台にしたシリーズ二作目。前作の主人公の紀久子は退職したので、今回はアルバイト店員の美大生・ミドリが主人公。
前半はとにかく花や花屋に関する蘊蓄が多過ぎます。その上に、前作からの繋がりでバラバラと様々な人物が登場して、結果的に「人」が薄くなっている感じがします。読んでいると物語が蘊蓄で止まり、人はサラリと流されている感じ。
とはいえ、そこは山本さん。最後に上手くまとめたので、良かったですが。
ちなみに山本さん(&編集者さんも)、野球は知らないのかな。フォースプレーとタッチプレーの違いをわかっていないみたい(本筋には全く関係ないですが)。ただ、こういうミスを見つけると、例えば蘊蓄シーンも、協力してくれた花屋さんの蘊蓄を、ちゃんと自分のモノにすることなく、そのまま安易に使い回したのではないかと疑ってしまいます。
世評は高いのですがね、まあ★3個かな。 -
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群れから少しはみ出してしまった人たちを描いた短編集です。
読んでいてまず感じたのは、“ちゃんと生きようとしているのに、どこかうまく噛み合わない人”への視線のやさしさでした。
仕事や人間関係の中で少し浮いてしまったり、誰かと距離を縮めたいのに上手くできなかったり、登場人物たちはみんな少し不器用です。
派手な事件が起きるわけではないのに、その小さなズレや孤独感が妙にリアルで、読んでいると昔の自分の失敗や気まずさまで思い出してしまいます。
“一匹羊”という言葉も印象的で、一匹狼みたいに格好良く孤独なのではなく、“群れにいたいのに上手く馴染めない”感じがかなり人間臭いです。
誰かとうまく繋がれない寂しさと、それでも人を求めてしまう感じがじわじわ残り、読み終えたあとに少しだけ人に優しくなりたくなる一冊でした。 -
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【感想】
前作が面白く、花の勉強になったので読んでみました。
しかし、主人公が紀久子⇒ミドリに変わっていて驚きました!
タイトルにもあるように「夢」がテーマなんだな...と思いました。
花屋に勤める、または訪れる、様々なキャラクターの「夢」に向かう姿、挫折したけど、その道で輝いている姿、挫折したけど、もう一度夢に向かって歩き出す姿...どれも素敵だな!と思いました(*ˊ˘ˋ*)
序盤では、どうしようもないクズ男(?)に見えた雷 響(いかづち ひびき)が周りのキャラクターに心打たれ、変わって行く姿が良かったです!
個人的には蘭くん(花に詳しい小学校の男の子)が好きなので、次回は彼が主人公だったり、スピンオフ作品が出ると嬉しいなぁ!と思いました(⌯'ᵕ'⌯)´- -
Posted by ブクログ
かわいらしい表紙の雰囲気通りの癒し系元気になる小説でした。
花屋さんで働く紀久子24歳。もともとはグラフィックデザイナー志望の美大卒なのに、無関係のブラック企業で働いていて心身ともにボロボロ。
花屋を営む李多という女性に救われ、花屋でアルバイトすることに。少しずつ紀久子が元気になっていって、グラフィックデザイナーの夢も少しずつ動き出すというお話。
花屋さんって実はけっこうなハードワーク、肉体労働。体力も要るし、手先の器用さもセンスも必要。花の名前や知識も覚えておかないと。
世の中、楽な仕事なんてないよね。でも紀久子が生き生き働くようになるのを読んでいると気持ちがいいものです。大変でも喜びの伴う労働は良いなぁと思う現在無職の私です… -
Posted by ブクログ
ムロツヨシ初主演!
映画『マイ・ダディ』9月23日(木・祝)全国公開に先がけ小説版発売!
確かめようのない過去。それでも愛する娘を救いたい――。
娘を救うため必死に奔走する父親の姿を描くヒューマンドラマを完全小説化。
御堂一男(ムロツヨシ)は、中学生の娘・ひかり(中田乃愛)と2人暮らし。
最愛の妻・江津子(奈緒)は8年前に他界。一男は小さな教会の牧師をしながら、
ガソリンスタンドでアルバイトに励みつつ、ひかりを男手ひとつで育てている。
思春期に突入したひかりはちょっぴり反抗的な時もあるが、優しくて面白いお父さんのことが大好き。
牧師として多くの人に慕われ、たまに娘と些細な喧嘩をしながらも、2人の穏やかで幸せな日々は続いていくと思っていた。