山本幸久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ山本幸久の短編集、どの作品の主人公も、どこにでもいそうな、人間臭い人たちばかり。そしてどこにでもありそうな話で、とんでもない不幸があったりとか、ゴールデンラッキーがあったりということは一切ない。街中にあふれている普通の話ばかりである。
が、そういうのを書かせると上手いのが、この作者。どの作品も余韻がいいねんなぁ。「この後、この人はもう人頑張りするんやろな」とか「ちょっと一息入れるんかな」ってな終わり方。
こういうのを読むとじゃ俺も、今抱えているちょっとした(でも俺にとっては少々やっかいな)問題に手を付けてみよっかな…みたいな勇気が湧く。
山本作品の常連キャラもちょいちょい出ていて、そういう -
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Posted by ブクログ
九品仏のアパートの1室で、たった3人でやっているデザイン事務所凹組(会社名)。遊園地の広告デザインのコンペで勝ち残ったものの、条件は凹組とは腐れ縁の醐宮を擁する別の事務所との共同制作であった…。
本当にデザイン会社のお仕事小説といった感じ。ご都合主義で現実離れしているというと、ご近所の知り合いばかりで仕事が回っていることくらい。デザイン業界の内情は知らないけれども、多分そういう感じなんだろうなーと思わせるリアリティがあるのも魅力である。
また、この作品の魅力は、極限まで絞り込んで、余計なところまで強烈にキャラクター付けをした登場人物たちであろう。この本を渡して「これで漫画を書いてみな」と言 -
Posted by ブクログ
友々丼はどんな味がするのかな?
友々丼をメインにチェーン店約120店舗を展開する友々家
そこで働く各店舗の店長をメインとした話。
広告代理店から転職
一癖も二癖もあるバイトに手を焼く
などなど問題点を解決していく。それを纏める容姿が美しく仕事が出来る本社の霧賀久仁子。
各章は別々の店の店長の話だが霧賀が関わっている為細かな所で話が繋がる。
最後の方の章は一代で友々家を築いた現会長「真田あさぎ」とその息子でポンコツ二代目社長の話。
ドタバタが最後まで続くのかと思いきや最後はしんみりとして終わった。
山本さんの小説は映像化が多いように感じます。
この本もいづれは映像化するんじゃないでしょうか。