【感想・ネタバレ】床屋さんへちょっとのレビュー

あらすじ

「あたし今度、自分で店、開くんだ」。海外出張先への国際電話で娘に告げられ、宍倉勲は絶句した。就職したばかりの大手企業をすぐ辞めてしまったと思ったら、今度は何を言い出すのか――(「マスターと呼ばれた男」)。時に社長として、時にヒラ社員として、誠実に働き続けてきた男。彼と娘との関係、家族の歴史を時をさかのぼりながら描く連作長編。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

父 宍倉勲と娘 香を主人公とした連作短編集
最近のことから時代を遡っていく感じが面白い
そしてまた父が誠実で素敵だし、娘は破天荒だしとても心温まる小説だった

0
2025年05月13日

Posted by ブクログ

父親と娘の関係を中心に、家族の歴史を時を遡りながら描く連作小説。お仕事小説プラス家族小説の傑作。
全てのシーンが映像で脳内再生されるかのように、会話のテンポや場面のシチュエーションが素晴らしい。無駄な登場人物が存在せず、全員が愛すべき人々である。そして、区切りの時に出てくる床屋さん。本当におはなしの展開が巧い。山本さんはもっと評価されていい作家さんです。

0
2017年06月27日

Posted by ブクログ

山本幸久さんのお仕事もの大好きです。
これは、もろお仕事ではないですが、
後からじんわりしてくる熱い想いがいい。
行ってみたい世界です。

0
2016年03月18日

Posted by ブクログ

時代を遡りながら、一家族の日常を切り取った連作短編小説。
勲と香、勇、そして床屋。
何気ない日常の中で、床屋が登場し、家族4代(勲の父も含む)に渡って利用する。
勲は父が建てた製菓工場を20代で引継ぎ、2代目となるが、時代の流れもあり、倒産させてしまう。
その後は一ヒラ社員として働き続ける、過酷な人生だが、何か過酷さを感じさせない表現とユーモアがある。
心温まる物語有り、胸が熱くなる物語有り、短編ということでスラスラ読めてしまう。
床屋という、誰しも身近に感じる舞台だけに共感しやすい話。

0
2015年03月05日

Posted by ブクログ

父と娘、妻のあいだで起きる出来事を過去に向かって進むストーリー。その時々で、床屋を舞台としておきる日常。同じ娘をもつ父として、他人事とは思えない話が続く。一気に読んでしまった。

0
2014年09月18日

Posted by ブクログ

主人公、宍倉勲を中心として、彼の家族、元社員たちとの関係を、
時系列が前後しながら、各章が独立して構成されています。
読み進める毎に、勲の人となりが浮き彫りにされていきます。

勲の朴訥とした真面目さ、誠実さにふっと父親を思い出しました。
昭和のお父さんです。
各章、勲は床屋さんに行きます。
ある時は、海外、ある時は知らぬ土地での時間つぶし…。
行きつけの床屋さんとの長い付き合いも、人の温もりを感じました。

0
2014年06月07日

Posted by ブクログ

父と娘の側には,いつも床屋があった.時代をさかのぼりながら描かれる,家族の物語.あぁ,コレ良いな.何度でも読み返したくなる,そういう作品でした.

0
2013年08月20日

Posted by ブクログ

心温まる家族のストーリー。自分の事に置き換えて切なくなる。不器用だけど一生懸命に、誠実に自分も生きていきたい。

0
2023年09月27日

Posted by ブクログ

あれ?短編集?
と思ったら連作短編集!
さらっと読めて、通勤にもぴったりです。

とっても信頼している読者友達からの紹介で、
イチオシのこちらをやっと読みました。
山本幸久さん、いまではお仕事小説の作家さん、というイメージみたいだけど、リアルな世界のなかでも、ちょっぴり勇気をもらえるような素敵なお話をたくさん書いています。


短編それぞれにちょっとずつ床屋さんのエピソードが挟まれていて、どこで床屋さんが登場するのかな?って読んでいくのも楽しかった!
読後感もいいし、さっくり読めるし、いろんなひとにおすすめできるお話だったな〜

0
2022年12月29日

Posted by ブクログ

実にほのぼのと読めるストーリー。
お菓子メーカーの二代目の苦悩、その娘、孫が床屋で繋がっている話。
どうってことのない日常が、繋がっている。
幸せな気分になる本でした。

0
2020年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「なんか行き詰ったり、モヤモヤすると、散髪にいくねん」という知り合いを何人か知っている。女性にとって髪は命ともいえるくらい大切なものだと言うが、男にとってもそれなりに大切なものなのである。

といってる俺は、手入れが面倒くさいので、坊主刈りだったりするのだが(笑

本作は、主人公宍戸勲の半生を床屋と家族を通じて描いた連作短編集。最後の2話を除いて、70代の勲の人生を遡る構成が面白い。前の作品に出てきた描写について「あぁ、ここのこれね」って発見できる快感が良い。仕掛けの妙で読ませてくれる。

主人公一家は結構波乱万丈の時を過ごしており、描きようによってはもっとドラマチックに仕立てられなくもないと思う。例えば池井戸潤あたりが描くと、もっとベタベタな展開にもって行くんだろう。でも、そこは山本幸久、ヒョーヒョーと軽さを感じる物語に仕上げている。好みが分かれるところだろうが、俺はこういう仕上げ方も重すぎなくて好きである。

0
2017年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2016/5/6
おじいさんの人生を遡っていく。
うまいなぁ。
さっきの章で回想していた出来事がこれか。とか、この人と後々結婚したんだね~とかいちいち確認できてなんだか身近に感じられる。
おじいさん死んでしまった後の話も寂しいけど優しい気持ちになる。
うまいなぁ。
やっぱりこの人の本好きだわ。

0
2016年05月07日

Posted by ブクログ

床屋さんを軸に父娘の温かな関係が描かれている連作長編。
様々な時代を行ったり来たりが、懐かしく優しい気持ちにさせてくれる。
思わず笑ってしまったりホロッと来たり…
読み進めるほど、この話の虜になってしまう。

2015.12.25

0
2015年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

社長という役職に縁のある父娘の、
人生の断面毎に起こる些細な出来事を
短編集にしたもの。

話は徐々に過去に遡り、
各話では「床屋さん」が登場する。

表題作まで読み進めたとき、
些細な出来事ばかりであった
これまでの話が素敵なものに見えてくる。

起伏の激しい話ではないけど、良い話。

0
2015年04月07日

Posted by ブクログ

「床屋さんへちょっと」

軽いタイトルの割に、書かれた内容は一人の男の人生と、その家族の物語。
でもやっぱりどこか飄々として、それでいて人生の厳しさと温かさと寂しさと…人生そのもののような味わいを感じさせてくれる。

冒頭の「桜」では自分の墓を下見にいく老年の男性が、次の「鋤き鋏」では娘の婚約者と行動を共にしている。そして「マスターと呼ばれた男」では海外出張に出かけた先での話で…

そう、この物語は主人公である「宍倉 勲」の人生の一場面一場面をカットした作品だ。
当然ながら、一つ一つの話にはつながりがあり、「あそこで書かれていたことはこういうことだったのか」という伏線を読み解くような楽しみ方もできる。

勲本人の人生を描いた中で、娘である香や、妻である睦子の人となりも段々と浮き彫りになってくる。

読み終えたときには勲本人ですら気づかなかったであろう彼の人間くささ、そして魅力をしみじみと感じることができる。

人生って、人間ってこういうものだよな。
「床屋」という場所を軸に描かれた一人の男性とその家族の物語をぜひ手にとって欲しい。

0
2014年12月08日

Posted by ブクログ

ある家庭の何でもない日常を描いた連作短編集ながら、時間軸や床屋に行くというイベントの使い方が絶妙。
父親の素朴な魅力もさることながら、勝気な娘が成長していく姿も応援したくなりました。
昭和の時代の雰囲気が懐かしくていいなあ。

0
2013年03月22日

Posted by ブクログ

サラリーマンだった宍倉勲と家族の人生を描く。歴史を遡っていく手法で、エピソードや人物が確かめられていく。最後の一編を除き、床屋が必ず登場。
小心で生真面目な印象の勲だが、小さな描写の積み重ねにより、実直だが天然でもある魅力的な人物だとわかってくるところに面白さがあって、一気読み。

0
2013年01月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ナメタリ~ナの歌いいね!
「ひさしぶりの日」が一番好きかな。山本さんの描く子供もなんだか大人っぽいね。まぁ、かわいくて好きだけど。
人生いろいろ、でも頑張ろうって気持ちになれる1冊。

0
2012年10月22日

Posted by ブクログ

9つの連作短編。
最初の7編は、主人公の老年から遡りながら描くというちょっと変わった構成です。8編目(単行本では最後)は主人公の死後を、9編目は文庫本で追加されたものだそうです。
主人公の宍倉勲はカリスマ経営者であった父親の中堅製菓会社を引き継いだ二世経営者。しかしその会社を若い頃に潰してしまい、その後、繊維会社に最初は平社員として勤めた人物です。最初の印象は坊ちゃん育ちの無能力者。しかし読み進むにつれ、(人並み優れている訳ではないものの)非常に誠実でしっかりした人物であることが判ってきます。目立ちはしないが多くの知人から、そして家族から信頼された人物。そんな姿が見えてきます。
サラリと描かれていますが、考えてみれば実に苦難の話なのです。
しかし、そこを大上段の物語にせず軽く描き、暖かな家族の信頼感を出す。そのあたりが持ち味ですね。
床屋さんの使い方もうまいな。

0
2016年07月23日

Posted by ブクログ

題名が気になり買った一冊。

ある家族の歴史を遡って書かれている連作長編の小説

どの短編の話も髪の事が絡んできていた。

短編だからか
なんとなく読みやすかった
最後の短編で今までの短編の事が絡んでくるのは読んでて楽しくなる。

ミステリーや謎解きの小説ではらないから全てをスッキリする必要はないのかもしれないが、最後の短編はその後が気になった。

娘の事
その後会社はどうなった?
裏切った後輩にやり返しはしないのか?
別れた夫との事は?
いろいろあるがもう少し続きを読みたいと思った小説でした。

0
2023年07月28日

Posted by ブクログ

この著者も何年か前に「どハマり」して大人買いした人です。思いのほか著作が多くて、同じ著者を続けて読まないことにしている私が読破するのは相当の時間を要します。

本作は10年以上前の作品ですが、床屋は床屋、どんな時代になろうがきっと存在し続ける。いずれロボットが髪を切ってくれるサロンが登場するかもしれないけれど、寡黙な店主だったり聞き上手なスタッフだったり、やはり人の良さは代えがたいものではないかなぁ。

ちょうど1年前に亡くなった弟が通っていた美容院に今は私もお世話になっています。床屋さんへちょっと顔を出したくなる。

0
2023年06月02日

Posted by ブクログ

連作長編。9つのお話が入っている。
ひとつの話ごとに、時間が過去に戻る。前に読んだこれとは関係ない2冊も時間が遡っていくところがあったので、あれ?また?と思ってしまった。
でもこの手法自体は割と好き。前のあれはここからこうなったんだーと知るのが楽しい。

毎回、床屋さんがちらりと出てくる。ちょっと無理にでも床屋さんを絡めてきているのかな、なんて思う部分もあった。

勇が年齢に対して大人すぎるのと、登場人物たちの会話がたまに不自然なのとが気になった。こんな話し方はしないだろうなとか、こんなやり取りはしないよね、とか。

どの章も最後はちょっといい風に終わるので悪い感じはしないのだけれど、腹立たしいイヤなひとが出てきたり、登場人物がイヤな思いをしたりするので、読んでいる最中の気分はあまり晴れやかではなかった。タイトルから、何となく終始ほのぼのなストーリーをイメージしていたので意外だった。

途中、少し退屈しながら読み進めてしまったものの、後半の「床屋さんへちょっと」は良かった。集大成って感じで。まあ、ここでもイヤなひとが出てくるのであまり穏やかには読めなかったんだけど。

通して読むと、ひとりの男の生き様や家族の絆が見えてきて、あたたかい気持ちになった。もっと全体的に穏やかでもいいのになとも思ってしまうけれど、いろいろなことがあったからこその最後の展開なんだろうなとも思う。

0
2021年02月15日

Posted by ブクログ

床屋をテーマとした、ほっこりとさせる連作長編ですね。
時系列がバラバラなのは意味があるのかな。
少し違和感を、感じてしまいました。
続けて読めば意味が分かったかも知れないですね。

0
2020年12月04日

Posted by ブクログ

4世代に渡るある家族の話。平凡に見える家族でも必ず何かしらあるもの。慌ただしい毎日をやり過ごすので精一杯だけどちょっと足を止めて振り返るのも大事だね。男女雇用機会均等法やら、女性総合職やらでワーワーしてる時代に戸惑う主人公の娘。あー、そうだった、そうだった。社会に出て、現実を思い知らされたあの頃を思い出した。自分も強くなったもんだ(笑)

0
2014年10月21日

Posted by ブクログ

単行本で読んだことのある本ですが、文庫化に際し書き下ろし短編を収録ということで、再読。

父が興した会社を倒産させてしまった宍倉勲と、その娘・香を、時間をさかのぼって描く連作になっています。
父親の会社を見学に来た小学生の香、家出をした中学生の香、女性の社会進出を阻む世の中に憤慨する高校生の香、会社を興そうとする23歳の香、その時々の香と絡ませながら、誠実に働く勲の姿が描かれていきます。
その節目節目に、“床屋さん”があるんですね。
“会社を倒産させた”とあったし、階段も上れない老人としての勲が最初に出てきたこともあって、何だか冴えない爺さんだなぁ、と感じていたのですが、読んでいくうちに勲がどんどん格好良く見えてきます。
香もなんだかんだ言ってもこの父親が大好きだっんたじゃないか、と思えるのです。
ムスメにこんな風に見られる父親になりたいなぁ。
山本さんらしい、心温まるお話でした。

0
2013年08月18日

Posted by ブクログ

宍倉家の話を時間軸を遡りながら綴られていく連作集。
夫婦揃ってのテクノカットを見た時の娘・香の反応が読んでみたかった。

0
2013年05月06日

Posted by ブクログ

宍倉勲の人生を遡る短編集。そして亡くなった後の娘、香と孫、勇の日常。
読者側も勲が亡くなったのが判り、少しさみしい。そんな魅力ある方。成り行きで夫婦揃ってテクノカットだなんて…思わず顔の弛む。

0
2013年01月04日

Posted by ブクログ

折角4代に渡る親子の話なのだから、最後に『ああ!あの時の父(或いは祖父)の言いたかった事はコレか!』となる様な布石等があってもよかったと思います。
最後の歯医者さんの話は完全な余談となってしまっている気がします。

読み終えてみて、ちょっと残念な気がしました。

0
2012年11月08日

Posted by ブクログ

『「働く」ことでつながる、父と娘の物語』
という素敵な帯広告。
中身は割と淡々としていて、感動!とか、エキサイティング!すっきり!とかいうわけじゃない。
だけど、嫌いじゃない。
特に、アジアへの出張を描く『マスターと呼ばれた男』『丈夫な藁』『床屋さんへちょっと』がいい。
父さんの真摯さや、個性がないんじゃない、誠実な、真っ直ぐな、真摯な人なんだ、ってのか、人間味溢れて、苦悩の中の幸せな感じが、温かくて、リアルで、良かった。

時代の移り変わりも、よく描けてて、面白い。

0
2012年09月20日

「小説」ランキング