山本幸久のレビュー一覧

  • 人形姫

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    ネタバレ

    老舗人形の8代目をしている恭平は、職人が高齢化し後継者が育たない現状に危機感を覚えていた。
     高校時代ボート部のキャプテンをして最高のモテ期だったにも関わらず、未だ独身で周りはヤキモキしていた。そんな時、ベテラン職人がフィリピン人の女の子を酔っ払った勢いで弟子にしてやると言ったのを本気にし、店にやってきて…

     とにかく恭平が人が良い。いきなりやってきたクリシアに対しても追い返さず、自分の店で雇ったり、無償で母校のボート部のコーチも引き受けたりなどお人好し意外何者でもない。
     出戻りで地元へ帰ってきた寿々花との距離も中々じれったくてもどかしかったけど、上手くいきそうで良かったです。

     酒癖悪

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    2022年01月27日
  • 人形姫

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    森岡人形店は、雛人形の頭を専門に作る老舗人形店。
    37歳の恭平が社長を務める。
    職人の高齢化、売り上げは低迷、と問題が山積み。
    その上、後継者もいない。
    多くのことが恭平の肩に掛かる。
    恭平は高校のボート部コーチも受け持つ。
    雛人形作りは静、ボート部の活動は動だと思っていたが、
    どちらも、誰一人欠けても完成はしない。
    P265〈個人でもあり同時にチームでもあることが大切〉。
    伝統工芸を絶やすことなく受け継いでほしい。そんなことを思った。

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    2022年01月22日
  • 幸福トラベラー

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    ネタバレ

    中学生版、上野版、山本幸久版のローマの休日。
    大きな事件は一切起こらず、物語としても小ぶりな展開だが、なんともほっこりふんわりした青春物語。
    主人公の一人称語りに慣れるまで、若干違和感があるけど、そこ突き抜けたら読みやすくて、あっという間に読める。

    お手頃な読み物である。
    単行本版で読んだが、文庫版に収録されている短編が評判良いので何かの機会に読んでみたい。

    恒例の他作品の登場人物たちがゲスト出演、今回もなかなかエエ配役。

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    2022年01月12日
  • 人形姫

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    手作り雛人形の老舗会社を描いたお仕事小説。
    斜陽・職人の高齢化の典型の様な職場。5歳の8代目社長の主人公は自らも頭師(頭部を作る職人)でありながら、会社では一番の若手。そんな会社に職人希望のフィリピン人の女の子が現れて・・・・。
    山本さんらしい安定のお仕事小説です。しかし、なんだか上手くなりましたね。元々軽い作風だと思うのですが、良い意味で風格のようなものが出て来た、そんな気がします。

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    2021年12月31日
  • 人形姫

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    雛人形を作る職人で社長の恭平。若くして社長になりなんとかやっているけれど職人の高齢化や後継者不足に悩む。そんなときにフィリピン人女性が弟子に。人形作りの過程を読むだけでも興味深くて楽しい。伝統として守っていくものと新しいものを取り入れるもの。職人のプライドや理想と現実。山本さんが描く色々な職業の作品は厳しさと温かさがある。これまで受け継がれてきたものをまた自分が教えて受け継いでもらっていく。その奇跡のような瞬間をたくさん感じることができた。

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    2021年12月18日
  • マイ・ダディ

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    なかなかあり得ない人間関係やエピソードが多彩でドラマのような楽しみ方ができます。過去を恨めば自分の存在が無となる虚無感。最後にはちっぽけで不器用な自分でも誰かの役に立っていたり、大きな存在となっていたことに気づく心温まる話でした。

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    2021年10月19日
  • 店長がいっぱい

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    ネタバレ

    さまざまな店長が出てくる短編集。

    嫌なヤツとして描かれているキャラクターでも、自分と違う信念を持って生きているだけで、それを含めて見るとどこか憎めない。

    社長が変わっていくところは、胸熱だった。

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    2021年10月13日
  • 店長がいっぱい

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    友々屋という、他人丼のチェーン店の様々な店舗の店長を主人公とした短編集。
    フランチャイズの店長然り、赤道近くの海外支店に飛ばされた店長然り、それぞれの人間模様、苦悩の中にそれぞれが活路を見出すようなストーリー仕立てとなっており、必ずしも完全無欠のパーピーエンドでないリアルさが絶妙に心地よい。
    基本は緩やかなストーリーの展開となっているが、その中に世間のシステムや決まりに対して、店長という媒体を通して訴えかけているものがあるのも事実、話が進むにつれて、前作の人間が出てくるのも、引き込む要因の一つとなっている。

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    2021年08月28日
  • エール!(3)

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    “スプーンひとさじの砂糖”

    お仕事が始まったばかりのわたしにぴったりの一冊だった
    これから見かける沢山の人たちへの見る目も変わりそう
    色んな人が色んなところで頑張っている
    お仕事に上も下もない、好きになったもん勝ち

    どんな花にも蜜がある。どんな仕事にも砂糖はある。どんな人生でも価値はある。

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    2021年06月07日
  • 店長がいっぱい

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    結構な店舗数を誇る他人丼のチェーン店の店長が主役。東京はもちろんのこと、北海道や海外の店まで舞台になっています。

    同族企業で初代はやり手の女史だったけれど、2代目はボンクラ。でもその2代目も段々と変わってゆきます。

    劇的に面白いわけではないのですが、なんだかとても優しくて、温かい気持ちになる。コロナ禍で外食チェーン店も大変であろうことを思うと、こんな話はいっそう和む。

    新メニューもこうして考えられているのでしょうか。マーマレードとマヨネーズの取り合わせは確かに不味そうだから、メニューに載らなくてよかった(笑)。

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    2021年06月04日
  • ふたりみち

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    67歳の元ムード歌謡歌手と、何故か彼女の歌に涙する12歳の家出少女。55歳の年の差を超え2人は強い絆で結ばれていく。笑って笑って、ラスト1行に涙する人生讃歌。極上のロードムービー小説。
    人生の日陰者が、人生最後のスポットライトを求めて全国ドサ回りの旅へ。トラブル続きは山本幸久ワールドのお約束だが、いつの間にか一緒に旅している気分になる。「運命に逆らわなきゃ」って言葉が、とても心地好い。最後の最後まで可能性を信じる気持ちを大切にしたい。

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    2021年04月06日
  • ふたりみち

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    才能に恵まれたけど花開かず、一人娘を授かったけど二度失い、人生のあれやこれやを飲み込んで耐え忍んで生きてきたゆかりが67歳にして初めて運命に逆らう。相棒に12歳の家出少女を引き連れての復活ライブツアー…。

    シャンソンの調べと昭和のムード歌謡の香りがしっかりと絆をつないでいく、同窓会みたいな懐かしい、けれどちょっと遠いところの空気に包まれます。

    ゆかりを支える人の輪が3世代に脈々と続くのがステキです。真っ直ぐに育った娘とその養い親が惚れ惚れするほど魅力的です。そして相棒縁の母子もチャーミング。嬉しい文庫書き下ろしの短編でもほのぼのします。

    ゆかりさん、アヒルバスの出身なんですね♪

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    2021年03月24日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    この商店街の魅力というか、根底に流れる想いみたいなもののが自分の好みなのか、「合わないなぁ」と感じるものがなくどれも平均点以上のおもしろさ。
    安定・安心・粒揃い なアンソロジー。
    いろいろ増えてきて忘れてる話もあるので、第1集から読み直してみたくなりました。

    どうでもいいことだけど、巻末の〈初出〉の日付、本当?

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    2021年01月24日
  • カイシャデイズ

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    店舗などの内装設備会社ココスペース。営業担当のベテラン社員高柳は、同社の新入社員橋本がズル休みをしていることを知る。現場に向かっている途中で、橋本が自転車でフラフラと走っているところを見つけ…。

    あー面白かった。
    これが第一の感想。大事件はない、ひねったハラハラもない、感動もない、でも面白い。

    過去に読んだ作品が『凸凹デイズ』だったので、デイズシリーズ=山本幸久の会社シリーズなのかな?高柳、石渡、篠崎…それぞれの視点で、難しい仕事を抱えては、それなりになんとか解決していくという、普通の仕事の話で特に盛り上がらない話といえばそれまでだが、どんどん読ませていくのは作者の力量であろう。

    『凸凹

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    2021年01月21日
  • ある日、アヒルバス

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    なんでもない日常だけど さらっと読めて笑えてドラマを見ているような感覚になる。
    強いメッセージ性はないけど みんなが頑張ったり 少しずつ成長する姿はいい!
    カオルくんの濃いキャラは密かに好き 笑

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    2021年01月18日
  • ふたりみち

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    夢物語なのかな。
    読めば幸せな気になります。
    出来過ぎと感じるけど物語ならいいのかなと思います。
    現実は辛いですからね。

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    2021年01月09日
  • ふたりみち

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    偶然に次ぐ偶然...いつもなら「出来過ぎだろっ」って突っ込むところなのにちっとも嫌じゃない。いろんな出会いや別れがあって今がある。そう思える素敵な物語だった。東日本大震災を絡めた物語だけど温まりました。

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    2021年01月07日
  • 床屋さんへちょっと

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    実にほのぼのと読めるストーリー。
    お菓子メーカーの二代目の苦悩、その娘、孫が床屋で繋がっている話。
    どうってことのない日常が、繋がっている。
    幸せな気分になる本でした。

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    2020年12月22日
  • 笑う招き猫

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    面白かったです。
    漫才をテーマにした小説では自分はベストだと思います。
    けど続編はいらないですね。
    これで満足です。

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    2020年10月01日
  • 店長がいっぱい

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    「一所懸命働いているのに幸せになれないなんて、やっぱりまちがっていると思うんだ。」と帯に書かれていて、「そうだそうだ!幸せになれる話なんだな!!」と思って中身も確認せずに購入。1人の店長が成長して行くお話かと思ったけど違った。
    短編集のような感じはあまり好みではなかったのですが、後半はそれまでに出て来た登場人物が絡み合って、じんわり、温かいお話でした。
    「夜の海」での淡々とした社長の行動や思いが、却って泣けました。

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    2020年06月08日