あらすじ
映画好きが高じてフリーの宣伝マンをする藍子36歳。仕事は順調だが、W不倫の果てにフッた男が仕事場に現れ復縁をせまり……(『敵の女』)。22歳の真紀はデザイン会社で働く。今は仕事よりも来月入籍するバツイチのカレが大事。だが、その元妻と仕事をすることになり!?(『Aクラスの女』)。など、恋と仕事にまっすぐ生きる女たちをリアルに描いた連作短編集。
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メインの女性は、高坂藍子。
仕事もでき、すらりと背も高く、かっこいい女性です。
彼女を軸にして、元旦那や元彼やそれぞれの相手の女性などさまざまな目線で描かれています。
藍子自身のストーリーの時は、それほど輝いて見えませんでしたが、周りの目から見ると、めっちゃかっこいいです。
だんだん藍子を好きになっていきました。
山本さんの描く働く女性は、いつも生き生きとしていて素敵です。
『笑う招き猫』のアカコとヒトミもちょっとだけ出てきます。
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連作短編で藍子さんに纏わる強者たちの日常が描かれるというか、暴かれる(笑)
男女の想いが錯綜して、ぐちゃぐちゃになっているさまがなんとも滑稽。冷静な傍観者をきめこむもいつしか巻き込まれ、運命共同体みたきになっているのが面白かった。
ラストは完全におまけだけど特別感満載。
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連作短編集。高坂藍子本人は内心悩みも不安も抱えているのに、周囲の人間から見ると美しく強い女性。吾妻くんは何故会社辞めちゃったのか、最後に明かされたあの子は誰の子?全然それらしい人いなかったのに。それとも描かれていない期間に関係のあった人?気になる!
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連作短編集の本作、1話目の主人公はフリーの映画宣伝マン、藍子。2話目以降、彼女が関わる人たちが数珠つなぎ的に主人公として登場します。藍子の不倫相手やその妻子、不倫相手への腹いせに結婚した男の再婚相手と、見る側が異なる楽しみが味わえて面白い。
小説として楽しいだけでなく、嬉しいのは映画の話いろいろ。映画好きが高じて宣伝マンとなった藍子は、自分が気に入った映画に客を呼ぶために体を張ります。そんな彼女の姿にシビレる若手宣伝マンや、女好きの長老評論家、東映まんがまつりでしか映画を観たことがなさそうな配給会社のオッサンなど、映画関係の登場人物がたくさん。映画好きとしてはたまらん。
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連作短編集。
映画の宣伝マン藍子、36歳。
最初のストーリーで、藍子は不倫をしていて、仕事でも成功しているような感じではなく思えたのに。
最初は藍子の目線でのストーリーだからかな。連作なので、ほぼ全員がこの後のストーリーで出てくるし、特に藍子は毎回出てくるので、そういう意味でもおもしろい。
藍子のポリシーは憧れるよね。まぁかなりの美人ってところがポイントなんだけどね。
個人的に最後のショートが好き。不倫相手の子供が出てくる回ですな。彼女の人を惹きつける理由が全編を通してわかるし、ダメな部分もわかる。
彼女のまわりの人間もいい人・悪い人ってことでなく、人間として扱われていて読んでいて不快感がない。
ちょっと中だるみする箇所もあるけど、藍子のキャラが好きなので基本的にはさらっと読めちゃいます。
この作者のほかの話も読んでみたいなって思いました。
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ほんとに女の人描くのうまいなー私も女だと思ってた。見た目Aクラスで性格も悪くないって勝てるとこないもんね。いろんな女の人が出てくるけどそんなにドロドロしてなくてさらっと読めるんだけどでもみんなそれぞれ敵がいる。無敵の女ですら。うーんやっぱり女の人描くのうまいなぁ。
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前半は女性のイヤなところが少し気になって、さすがの山本氏も恋愛がからむともう1つだなと思っていたのですが、後半になるにつれて藍子さんの本領が発揮され小気味良くなってきた。
他の女性たちもそれぞれ魅力的で、女性の描き方がとても上手いと感じます。それに比べて男がパッとしないのが少し残念。
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フリーの宣伝ウーマン・藍子を中心とした
連作短編集
作者得意のお仕事物語でもあります
この人の小説は、どの登場人物も可愛げがあって憎めない。
今回も、ホンワカ~
さくさく軽く読めます
Posted by ブクログ
短編集。
主とした主人公は映画のフリー宣伝マンであるバツイチの女性。
彼女のまわりの人間関係を描いている。
突き抜けている。
自分に自信を持って働く女性は、強い。
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なんだかなぁ〜と言うタイトルですが、なかなか面白く。
俗は俗です。でも、いい加減では無い。そういう印象です。
この人らしく、軽くて、明るくて、ほのぼのとして、温かい。ただ、読後の印象は浅い。何かが残ると言うことは無く、読んでる間だけ楽しい。そういった作品です。
ちなみに文庫化時に追加された最後の作品「三年後の女」には「笑う招き猫」のアカコとヒトミが顔を出して笑えました。オチとしても良く出来ていて、単行本より文庫の方が読み得だと思います。
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女性が中心の短編集。
それぞれに主人公がいるが、少しずつ繋がっていて面白い。
広告業界で働く主人公が多く、こんな仕事もあるのかと面白い。
楽しく読める短編集でした。
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タイトルの"男は敵、女はもっと敵"でも女は味方になれば最強!読み終わった後にそんな事を感じる本でした。短編で少しずつ話が繋がっていく話です。山本さんの本は大好きです。毎回、男性なのにどうしてこんなに女性の気持ちや気持ちの変化が分かるのだろうと不思議です。山本さんが実は女性でした~!だと納得できますが、男性なんですよね。すごい!!!是非、女性に読んで欲しい本です
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きれいな女の人は性格がよければよいほど、
欠点がなければないほど、憎まれるのかなぁと思った。
全編違った人の視点で書かれているけど、
全て繋がっている作風で面白かった。
個人的には知らない単語がちょくちょく出て来たので
調べて新しく意味を知るのも楽しかった一冊。
最後の子供が誰とのって言うのは消去法で
1人に絞ったけど、中途半端な候補が多くて
ちょっとだけ、この人であってるのか不安、、、
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一人の女性を中心に描かれた連作短編集。
さっぱりとした男勝りの美人な藍子。
男性には人気があるが、女性には嫌われている。
でもさっぱりしてて素直なところが好感が持てる。
それにしても、山本幸久って人は凄い!
まるで女性。とても男性が書いた小説とは思えない!
2016.2.11
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みんなそれぞれに欠点もあるけれど憎めない可愛さも兼ね備えている、出てくる女性はそんな女性ばかりだった。利己的なところも少々あるけど、みんな幸せになりたくて一生懸命なのだ。
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山本さんの描く女の人はなぜ、こんなにもリアルなんだろうと思う。実は山本さん女??と思ってしまうくらい。
ただ、今回のお話は私的には共感できる登場人物がいなかったし、心が晴れ晴れするような、また癒されるような感じはなかったので、ちょっと残念・・・
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最近よく読む山本幸久さんの本。
これは短編だったけど全部が絡み合ってる短編で長く楽しめた。
他の登場人物視点の時のある登場人物の印象と、その本人視点の時の印象とが、微妙にギャップがあってリアル。毎回視点が変わるたびに色々な人に新しく感情移入できる。
Posted by ブクログ
山本幸久さんの書く女性はいやみがないんですね。
他の小説だったら、すごく嫌なキャラだろうなって立ち位置の人でも、
不思議と憎めないところがあったりする。
今回のお話は、フリーの宣伝ウーマン・藍子を軸にした
男と女の愛憎劇オムニバス。
一応軸は藍子なんだけど、オムニバス形式なので、
話ごとにヒロインは変わっていくわけで、
話が変わると、今度は藍子の恋敵の女性とか、
藍子を慕う男なんかの視点で物語が展開していく。
藍子の側からだけみたら、恋敵の嫌な女かもしれないけど、
彼女たちにも彼女たちの事情があるわけで。
というか、読んだあと、どっちかというと、恋敵の真紀や八重の方に
共感を覚えてしまいましたですね。
彼女たちの方が、どっちかというと実はまっとうで、
藍子の方が、なんというかちょっとはなにつくとこがある女だって感じになってて。
山本さんは、こうやって視点を変えて、主人公を変えて
同じ世界で物語を展開していくのが得意技なんだが、
そのおかげで、登場する人たちそれぞれの気持ちがよくわかるお話でした。
タイトルからして、もっと女の怖さとか恨みつらみの出る話かなと
心配してたんだけど、そんなにいとこはなかったです。
まちがいなく「こりゃ敵同士の話だわ」ってのはあったけどね。
文庫版は新作が1本追加されています。
そして、山本さんのファンだったら、絶対嬉しいあのコンビが登場します。
彼女たちがどうしてるかがわかりますよ。
全て
Posted by ブクログ
人は自分の気持ちに正直に生きるのが難しい。
自分のプライドが許さず
欲しいものが欲しいと言えなかったり
格好悪くしがみついたりできないでいる。
そうして飄々としている人をカッコイイとは思うけど、
だけど、その向こう側に得られるモノって
やっぱりあると思う。
Posted by ブクログ
連作短編集。
この作家さん読後感の良さがとても好きなのだけど、これはなぁ。。悪くないけど、けど~・・って感じ。もっとスカッ!とした感じのものを期待してたかな。