山本幸久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内装関係の会社を退職して医療福祉専門学校に入り直し、義肢装具士(ぎしそうぐし)を目指す26才の女性(さえ子)の物語。
専門学校には年の離れた仲間がおり、またこのキャラクターがとてもいい。大変なんだけど前向きな姿勢を感じられる。山本幸久さんの小説はそんな主人公が多く、大好きだ。
小説の中の一節に『義肢装具士は神様と同じことを試みているようだ。(義足などの装具を作ることは)人間の身体を作っているのだから。だから、神様には負けられない。』という部分がある。めちゃくちゃ深いなあ。
主人公のさえ子も壁にぶつかる度に心の中で『神様にはまけるものか。』と呟き続ける…これが小説のタイトルの意味するところだ