山本幸久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
憧れて手に入れた仕事にも嫌な事はある。
こんな仕事辞めてやる!という仕事の中に、
笑顔になる一瞬がある。
生活の為に働くのだから割り切る、
という考えもある意味正解だと思うし、
この仕事が天職だと思っていたのに、
向いてないって挫折する事も多分ある。
大変そうだね、と言われる仕事に、
笑顔で楽しげに関わる人もいる一方で、
誰もが羨む職業に就いているのに、
人知れず悩んで塞いでいる人も多分いる。
早期退職に憧れた時期もあったけど、
社会の片方にしかいられない人生が楽しいのか、
自信がなくなってきた。
助け合って社会を作って生きていく上では、
誰もが自分の役割を「ちゃんと」する事が、
大事なの -
購入済み
しっとりとした佳作
雨の季節に合うしっとりとした良い作品だと思う。
学生時代の話と今の話が交錯して、結果的に良い方向へまとまってゆくけれども というようなストーリーが読みやすい文章で語られている。 -
Posted by ブクログ
雛人形職人や製作現場の現状を通して、伝統工芸やそれに支えられ発展してきた町の変化を描く、お仕事小説。
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雛人形職人の世界や製作現場の現状が端的に書かれていて、わかりやすかった。
匠の業の継承や後継者不在という問題は、今やあらゆる伝統文化の世界に共通しているのではないでしょうか。その原因は無意味としか思えない因襲に起因するところが大きいと思います。
昔気質の職人たちの無駄に封建的な意識が変わらない限り、伝統文化は廃れていく一方でしょう。そこに気づいて少しずつでも改革していく必要に迫られているのが、伝統文化の世界だと思います。
本作でも、主人公の恭平 -
Posted by ブクログ
スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜
老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
看板も古い言葉で、若い -
Posted by ブクログ
そろそろ雛祭りの時期である。
そして、最近テレビで、水墨画と雛人形について是非見たいと海外から女性が来日している番組を見たところだった。
雛人形は、頭師、着付師、髪付師、手足師、小道具師とそれぞれを分業で作っている。
ひとつひとつ、手作りで魂をこめて作っているのが、よくわかった。
そして、時代によって、代理雛の顔も変化しているのを知り、とても感慨深く伝統の凄さも感じた。
そのあとこの本を手にしたので、最初からすんなりと入り込めた。
この物語は、独身の恭平が、亡き父のあとを継ぎ人形職人をしながら社長として、高齢化した職人たちといっしょに奮闘していく話である。
伝統を継承しながらも今の時