山本幸久のレビュー一覧
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山本さんらしい作品です。
応援団出身の美術館の新米学芸委員・今田弾吉が主人公。
いつもジャージ姿で口の悪い筧さん、展示準備に入ると寝食を忘れ倒れたりする八木橋さんなど変人ばかりの先輩女性学芸員達。
彼女たちに振り回され、雑用ばかりの毎日だが、そんな中で今田がやりたいテーマを見つけ、進み始めるまでを描いた暖かなお仕事小説です。
ヒロインのサクラさんも可愛いですが、今田の元恋人として凸凹デイズの醐宮さんも現れて、オータキさんなどの凹組メンバーが顔を出したりするのも懐かしく。。。。
一気に読んでしまいました。
もっとも最期は少々しり切れとんぼ気味でしたが。 -
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さえない新聞部部長の"ぼく"と上野公園で出逢った謎の女の子との一日だけの冒険と奇跡を描く青春小説。
ストーリー中にはいろいろな作品の登場人物もリンクしているので著者ファンにとってはにやっとしてしまう場面がちらほら
「旧七夕」の章は幸福ロケットの続編的で本編の種明かし的なストーリーに。
中学2年生の主人公の一人称口語文体なので、とっかかりはちょっとイラっときたのですが、後半3/4は一日であっという間に読んでしまいました。
本作品では上野公園が舞台となっていて、ガイドブックにもなっちゃいます。上野公園はざっくり知っていただけですが今度じっくり巡ってみたいなと思ったのです -
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ネタバレ山本作品の特徴、軽くて読みやすい。それは良くも悪くもあるんだけど、広告やらデザインやらを世界を舞台にして小難しい小説書かれると、多分ウザったいものになりそうなので、この作品はこの軽さ読みやすさがばっちりハマっている。
主要登場人物の醐宮を上手く使ってるのも良い。彼女の立ち位置がこの小説の核心になっていて、その核心と周囲をどう絡ませるか山本小説の軽さがここでも際立つ。立つ瀬ない状態にするわけでもなく、かといってエエ奴にしてしまうのでもない。
「峰不二子にもツラいことはあるのよぉ」こんなの書かせたら抜群に上手いよなぁ。
星評価には影響させてないけど、巻末の三浦しおんさんの解説もいいぞ。お仕事 -
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伊坂さん目当てで購入。
最初、どこか伊坂さんぽくないなぁと思ったのは、女性が主人公だからかな。何人かの語り手のなかに女性がいるパターンはあったけど、完全に女性が主人公と言うのは、伊坂さんでは珍しい気がします。設定もぶっ飛んでなくて、どうなのかなーと思い始めた頃に楽しませてくれるあたり、さすがですね。今回は他の作家さんの話とリンクしてたりして、この遊び心溢れるところが、やっぱりこの人が好きだと思わせてくれる。
他の作家さんもとても良かったです。皆さん職業のチョイスがいい。華やかさはないけど、裏方で大事な役割を果たしてるような、普段全く意識したことないような仕事が多くて。こんな仕事もあるのか、 -
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「床屋さんへちょっと」
軽いタイトルの割に、書かれた内容は一人の男の人生と、その家族の物語。
でもやっぱりどこか飄々として、それでいて人生の厳しさと温かさと寂しさと…人生そのもののような味わいを感じさせてくれる。
冒頭の「桜」では自分の墓を下見にいく老年の男性が、次の「鋤き鋏」では娘の婚約者と行動を共にしている。そして「マスターと呼ばれた男」では海外出張に出かけた先での話で…
そう、この物語は主人公である「宍倉 勲」の人生の一場面一場面をカットした作品だ。
当然ながら、一つ一つの話にはつながりがあり、「あそこで書かれていたことはこういうことだったのか」という伏線を読み解くような楽しみ方も -
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ネタバレ連作短編集。
映画の宣伝マン藍子、36歳。
最初のストーリーで、藍子は不倫をしていて、仕事でも成功しているような感じではなく思えたのに。
最初は藍子の目線でのストーリーだからかな。連作なので、ほぼ全員がこの後のストーリーで出てくるし、特に藍子は毎回出てくるので、そういう意味でもおもしろい。
藍子のポリシーは憧れるよね。まぁかなりの美人ってところがポイントなんだけどね。
個人的に最後のショートが好き。不倫相手の子供が出てくる回ですな。彼女の人を惹きつける理由が全編を通してわかるし、ダメな部分もわかる。
彼女のまわりの人間もいい人・悪い人ってことでなく、人間として扱われていて読んでいて不快感が