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凪海(なみ)は弱小デザイン事務所「凹組」の新米デザイナー。同僚は天才肌の黒川、仕事に信念のある大滝の2人きり。チラシやエロ雑誌のレイアウトをこなす毎日に、老舗遊園地のリニューアルデザインのコンペという一大チャンスが舞い込んだ。凪海はずっと暖めてきたキャラクター、デビゾーとオニノスケのイラストを描く。コンペのライバルはやり手美女社長が率いる気鋭のデザイン事務所だが、事態は意外な方向へ…。コミカルでちょっと切ない青春仕事小説!
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Posted by ブクログ
凹組の面々のお話し。凪海の成長も頼もしい。何もかもうまくいくわけではないが、後味のいいお話になっている。
再読。 著者との出会いとなった大好きな作品。 ナミと大滝、黒川の今の凹組もいいけど、ゴミヤ、オータキ、クロの凹組が切なくて好きです。 ストーリーの各所に散らばった伏線が、少しずつ回収される展開に、ページを何度も戻したり、読み終えてからも更にパラパラ戻ったりと、しばらく楽しみました。 10年経っ...続きを読むてナミが現れ、そのおかげで本来の凹組が復活するラストに、やっぱり今回も鼻の奥がツンとして仕方がなかったです。 あー楽しかった。 これからも何度も手にする作品になると思っています。 追記、 文庫に未名未コーポレーションの磐井田を中心にした書き下ろし短編があると知り、ファンとしては外せない!と、文庫を手に入れ読みました。ゴミヤが戻った凹組は、相変わらずナミ以外の3人が揉めることは多くとも、細々と仕事を続けている様子。仕事の内容も、変わらずポスターやパンフ作成などの、大きなお金の動かないようなものが多いようではあるけれど、旅館の蔵を改装したチャペルを作るなんていう楽しそうなものもあるようで、その仕事ぶりは、想像するに楽しそうで仕方がありません。磐井田も、魂の糧である銅版画の個展を続けていたことが嬉しい。この先も、凹組の面々と、著者の作品で出会いたいと思わされるつなぎの物語でした。
やりたい事と現実との違い。人を羨ましくなったり、自分はなんで…と後ろ向きになったとしても毎日、仕事している主人公。働いている人みんながどっかで共感できる気持ちを持っている人たちが出てくる本。
二つの時代が交差するストーリー。 そしていつしか交わる。。。 変わらなくては前に進めないと思う者 現状と現実を必死に守る者。 でも、人は根本ではなかなか変わらない。 社会とは仕事とは結局どちらも正しく 信念をどこに持ち貫き通すかって事が 一番大事だって伝えている作品。 ただ。。。業界が分からな...続きを読むいと読者はついて来れるのかな? って感じるところもある(笑) 作品間リンク------------------------------------------ 男は敵、女はもっと敵:デンパクドー はなうた日和:世田谷もなか ある日、アヒルバス:アヒルのグッズ カイシャデイズ:醐宮とクロの変わった同級生(隈元歳藏:クマ)
★こんな人にオススメ 人との関わりが好きな人 ★内容 デザイン事務所にいる三人の凹組の話 ★この本を読んで この作品に関わらず山本幸久さんの本には街があります。 それを存分に楽しめる
九品仏のアパートの1室で、たった3人でやっているデザイン事務所凹組(会社名)。遊園地の広告デザインのコンペで勝ち残ったものの、条件は凹組とは腐れ縁の醐宮を擁する別の事務所との共同制作であった…。 本当にデザイン会社のお仕事小説といった感じ。ご都合主義で現実離れしているというと、ご近所の知り合いばか...続きを読むりで仕事が回っていることくらい。デザイン業界の内情は知らないけれども、多分そういう感じなんだろうなーと思わせるリアリティがあるのも魅力である。 また、この作品の魅力は、極限まで絞り込んで、余計なところまで強烈にキャラクター付けをした登場人物たちであろう。この本を渡して「これで漫画を書いてみな」と言われたら、余計な設定など考えなくても、一読で書けてしまうのではないか。 この手のお仕事小説の定番パターンである、新入社員の視点で物事を書くというのは、我々素人目に見たときに、余計な説明が無理なく行えるという点では優れているのだろう。しかし、だいたいパターンは決まってきて、その新入社員が、自分の意図しないところから才能を発揮して活躍するという点にある。 本作もその新入社員パターンの例に漏れずであるが、大活躍前夜祭程度に抑えているのは良かったのか悪かったのか。 また、おまけ小説(はやってんの?)で、出入りのクライアント社員視点でゴニョゴニョやっているのは、作品を分けず、事情も聞き出す形でできなかったかなあ。日常系の作品に多いけど、全体に作品の印象を悪くする方向にしか作用しないんだけど。 余談。 本当にキャラクターが強すぎて、5人が実在の俳優で脳内再生されてしまうので、本当に困った。例えばウラハラナミは高畑充希なんだなあ。
タイトルからは殆ど内容の見当がつかなかったけど、小さなデザイン会社のメンバーが、デカ男2人と小柄女1人で、それが並んで凹の字に、ってことだった。それにまつわる下心やら嫉妬やらが、過去と現在を行きつ戻りつしつつ、会社の浮沈も含めて語られていく。基本、淡々とした日常譚なんだけど、ちょっとしたトラブルとか...続きを読むをまぶすことによって、膨らみのある物語に仕上げられている。初挑戦の作家だったけど、楽しんで読めました。
『ある日、アヒルバス』が気に入って、昨年「大人買い」した山本幸久。これまた元気をもらえる本です。 凪海(なみ)はデザイン事務所“凹組(ぼこぐみ)”に勤める新米デザイナー。凹組は、30代半ばの共にデブの男2人、大滝と黒川と、凪海を含めて、社員はたったの3人。ある日、給料かつかつの生活から脱却するチャ...続きを読むンスが訪れる。寂れた遊園地が大々的にリニューアルするため、ロゴマークとイメージキャラクター案を募集しており、凹組がそれに応募したところ、採用されたのだ。ただし、今回採用されたのは、凪海がデザインしたイメージキャラクターのほうだけ。ロゴマークは別のデザイン事務所“QQQ”が応募した案の採用が決まり、本来なら1社で請け負うべきところ、クライアントの要望で2社で分け合ってほしいと言う。QQQの美人女社長である醐宮(ごみや)は、かつて大滝と黒川の同僚。何やらワケありの関係らしいのだが、凪海は凹組からQQQへ出向という形をとることになり……。 凪海の視点で語られる現在についての章と、大滝の視点で語られる過去についての章が交互に登場します。 山本幸久の作品は、奥田英朗の軽めのタッチの小説と似ているように思います。どちらも男性作家なのに、どうして女性の気持ちをこんなに上手く表現できるのでしょう。奥田英朗のほうが引き出しの数は多く、さまざまなタイプの小説を書いているのに対して、山本幸久はたいていがこの路線。たまにシリアスなものを書くと『ヤングアダルトパパ』のようなちょっと気持ち悪い設定の話になってしまうこともありますが、この手の「お仕事小説」ならば山本幸久は抜群の安定感。笑えてちょっぴりしんみりという毎度の展開ながら、間違いなく楽しませてくれます。これだからやめられない。
小さな広告プロダクションで働く、若手のデザイナー・ナミを取り巻く物語。大滝と黒川。個性的な2人の30男と3人きりで細々とデザインの仕事を続ける彼女。エロ雑誌やスーパーのチラシなど、様々。あるクライアントからのコンペでの結果によって、ナミの人生が少しずつ変わっていく。 同じ広告業界ということもあり、「...続きを読むあるある」と思う部分も沢山。しかしクライアントとの距離の取り方が現実的じゃないな、とは思ったけど。磐井田みたいなキャラクターのお客さんはなかなかいないでしょう。 私と同年代でもある女性のデザイナー・醐宮には親近感と羨望を感じた。 取り分け天才肌の黒川の存在感が、私には大きく感じた。 美術の予備校に通っていた頃、やはり異質な才能を持つ同級生たちは何人かいた。デザインって努力もあるけど、やっぱセンスって、生まれ持ったものなんだよな。 私はいわゆる天才肌じゃないけど、自分だけにしか出来ない分野を探って人が幸せになれる作品を作りたいな。せっかくこの道に進んだんだから、クリエイター人生は一生続けたいね。
3人しかいないデザイン事務所『凹組』で働く凪海。 あまりお金にならない仕事ばかりだったけど、リニューアルする遊園地のキャラを請け負うことに。 でも何やら過去のごたごたとか色々あって… でも、山本さんのお仕事小説は楽しくて好き!! 2016.1.29
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