山本幸久のレビュー一覧
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『ある日、アヒルバス』が気に入って、昨年「大人買い」した山本幸久。これまた元気をもらえる本です。
凪海(なみ)はデザイン事務所“凹組(ぼこぐみ)”に勤める新米デザイナー。凹組は、30代半ばの共にデブの男2人、大滝と黒川と、凪海を含めて、社員はたったの3人。ある日、給料かつかつの生活から脱却するチャンスが訪れる。寂れた遊園地が大々的にリニューアルするため、ロゴマークとイメージキャラクター案を募集しており、凹組がそれに応募したところ、採用されたのだ。ただし、今回採用されたのは、凪海がデザインしたイメージキャラクターのほうだけ。ロゴマークは別のデザイン事務所“QQQ”が応募した案の採用が決まり、本 -
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連作短編集の本作、1話目の主人公はフリーの映画宣伝マン、藍子。2話目以降、彼女が関わる人たちが数珠つなぎ的に主人公として登場します。藍子の不倫相手やその妻子、不倫相手への腹いせに結婚した男の再婚相手と、見る側が異なる楽しみが味わえて面白い。
小説として楽しいだけでなく、嬉しいのは映画の話いろいろ。映画好きが高じて宣伝マンとなった藍子は、自分が気に入った映画に客を呼ぶために体を張ります。そんな彼女の姿にシビレる若手宣伝マンや、女好きの長老評論家、東映まんがまつりでしか映画を観たことがなさそうな配給会社のオッサンなど、映画関係の登場人物がたくさん。映画好きとしてはたまらん。 -
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ネタバレ「なんか行き詰ったり、モヤモヤすると、散髪にいくねん」という知り合いを何人か知っている。女性にとって髪は命ともいえるくらい大切なものだと言うが、男にとってもそれなりに大切なものなのである。
といってる俺は、手入れが面倒くさいので、坊主刈りだったりするのだが(笑
本作は、主人公宍戸勲の半生を床屋と家族を通じて描いた連作短編集。最後の2話を除いて、70代の勲の人生を遡る構成が面白い。前の作品に出てきた描写について「あぁ、ここのこれね」って発見できる快感が良い。仕掛けの妙で読ませてくれる。
主人公一家は結構波乱万丈の時を過ごしており、描きようによってはもっとドラマチックに仕立てられなくもないと -
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ネタバレスチュワーデス物語を山本幸久節で書いたらこーなったって感じの小説。
主人公は新人に毛が生えだした体の20台ぽっちゃりバスガイド(笑、彼女がエエ感じにドタバタしてくれて、なるほど山本幸久が題材にしそうなテーマだなぁと、読んでて微笑ましくなる。
お仕事小説だと、池井戸系のベタベタなんもエエけど、読むとかえって疲れる時があり、そういう時は山本幸久みたいなんを欲してしまう。
身体が疲れてる時、本当はタンパク質とビタミンが必須なんだけど、本能的にスイーツ食いたくなる感じかな(ちょっとちゃうか)
この作品もスイーツ的な欲求は満たされ、口当たり…もとい読みやすさも軽くて、気分転換に最高。作中のピノ的な役 -
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小さな広告プロダクションで働く、若手のデザイナー・ナミを取り巻く物語。大滝と黒川。個性的な2人の30男と3人きりで細々とデザインの仕事を続ける彼女。エロ雑誌やスーパーのチラシなど、様々。あるクライアントからのコンペでの結果によって、ナミの人生が少しずつ変わっていく。
同じ広告業界ということもあり、「あるある」と思う部分も沢山。しかしクライアントとの距離の取り方が現実的じゃないな、とは思ったけど。磐井田みたいなキャラクターのお客さんはなかなかいないでしょう。
私と同年代でもある女性のデザイナー・醐宮には親近感と羨望を感じた。
取り分け天才肌の黒川の存在感が、私には大きく感じた。
美術の予備校に通