山本幸久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレスチュワーデス物語を山本幸久節で書いたらこーなったって感じの小説。
主人公は新人に毛が生えだした体の20台ぽっちゃりバスガイド(笑、彼女がエエ感じにドタバタしてくれて、なるほど山本幸久が題材にしそうなテーマだなぁと、読んでて微笑ましくなる。
お仕事小説だと、池井戸系のベタベタなんもエエけど、読むとかえって疲れる時があり、そういう時は山本幸久みたいなんを欲してしまう。
身体が疲れてる時、本当はタンパク質とビタミンが必須なんだけど、本能的にスイーツ食いたくなる感じかな(ちょっとちゃうか)
この作品もスイーツ的な欲求は満たされ、口当たり…もとい読みやすさも軽くて、気分転換に最高。作中のピノ的な役 -
Posted by ブクログ
小さな広告プロダクションで働く、若手のデザイナー・ナミを取り巻く物語。大滝と黒川。個性的な2人の30男と3人きりで細々とデザインの仕事を続ける彼女。エロ雑誌やスーパーのチラシなど、様々。あるクライアントからのコンペでの結果によって、ナミの人生が少しずつ変わっていく。
同じ広告業界ということもあり、「あるある」と思う部分も沢山。しかしクライアントとの距離の取り方が現実的じゃないな、とは思ったけど。磐井田みたいなキャラクターのお客さんはなかなかいないでしょう。
私と同年代でもある女性のデザイナー・醐宮には親近感と羨望を感じた。
取り分け天才肌の黒川の存在感が、私には大きく感じた。
美術の予備校に通 -
Posted by ブクログ
山本さんらしい作品です。
応援団出身の美術館の新米学芸委員・今田弾吉が主人公。
いつもジャージ姿で口の悪い筧さん、展示準備に入ると寝食を忘れ倒れたりする八木橋さんなど変人ばかりの先輩女性学芸員達。
彼女たちに振り回され、雑用ばかりの毎日だが、そんな中で今田がやりたいテーマを見つけ、進み始めるまでを描いた暖かなお仕事小説です。
ヒロインのサクラさんも可愛いですが、今田の元恋人として凸凹デイズの醐宮さんも現れて、オータキさんなどの凹組メンバーが顔を出したりするのも懐かしく。。。。
一気に読んでしまいました。
もっとも最期は少々しり切れとんぼ気味でしたが。 -
Posted by ブクログ
さえない新聞部部長の"ぼく"と上野公園で出逢った謎の女の子との一日だけの冒険と奇跡を描く青春小説。
ストーリー中にはいろいろな作品の登場人物もリンクしているので著者ファンにとってはにやっとしてしまう場面がちらほら
「旧七夕」の章は幸福ロケットの続編的で本編の種明かし的なストーリーに。
中学2年生の主人公の一人称口語文体なので、とっかかりはちょっとイラっときたのですが、後半3/4は一日であっという間に読んでしまいました。
本作品では上野公園が舞台となっていて、ガイドブックにもなっちゃいます。上野公園はざっくり知っていただけですが今度じっくり巡ってみたいなと思ったのです -
Posted by ブクログ
ネタバレ山本作品の特徴、軽くて読みやすい。それは良くも悪くもあるんだけど、広告やらデザインやらを世界を舞台にして小難しい小説書かれると、多分ウザったいものになりそうなので、この作品はこの軽さ読みやすさがばっちりハマっている。
主要登場人物の醐宮を上手く使ってるのも良い。彼女の立ち位置がこの小説の核心になっていて、その核心と周囲をどう絡ませるか山本小説の軽さがここでも際立つ。立つ瀬ない状態にするわけでもなく、かといってエエ奴にしてしまうのでもない。
「峰不二子にもツラいことはあるのよぉ」こんなの書かせたら抜群に上手いよなぁ。
星評価には影響させてないけど、巻末の三浦しおんさんの解説もいいぞ。お仕事