山本幸久のレビュー一覧
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な~~~んと、山本幸久が時代小説。
「何でまた?」と読んでみれば、確かにある意味立派な娯楽時代小説ですね。それにしてもこのキャストは。。。
歴史的人物として若き日の勝海舟、鳥居耀蔵、島津斉彬、岩瀬忠震、講談・浪曲の世界からは平手造酒、国定忠治、鼠小僧(いずれも実在)。これらを互いに絡ませて話を進めちゃうんですからね、ちょっと無謀(笑)。平手造酒とか忠治と若い人は知らないでしょうね。ただ登場人物の絡み合いで笑わせてくれるのは山本さんの得意技ですね。
表紙に描かれる3人の主人公、お人好しで失敗ばかりの幸之進、草花や獣にしか興味のない福助、可愛いけど男勝りの藩主の妻・小桜。そこに駱駝、豆鹿、羊、山鮫(ワニ)、猩々(マントヒヒ):いずれも各章のタイトルやオオカミ、豚、ペリカンまで現れてのドタバタ騒ぎ。エピローグでしっとりと上手くまとめあげ、とてもユニークな娯楽時代小説でした。 -
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明日町のこんぺいとう商店街を舞台にした群像劇の体裁で、商店街の7つの店舗の人々を7人の作家が描くアソート短編集。シリーズ4作目。
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寺地はるなさんと山本幸久さんが決め手となって読むことにしました。
自分のペースで楽しく読めたのは前川ほまれさんの「インドカレーママレード」です。タイトルの伏線回収も含めて好きな作りでした。
大島真寿美さんの「カフェスルス」もいつもの (?) にぎやかな関西弁によく合った世界でおもしろかった。
そして山本幸久さんの「おもちゃ屋『うさぎや』」。本巻の7店舗の人たちを見事に巻き込み、ほっこりするハーモニーを聴いているようなまとめ方。こういうゆるやかな連帯を描かせたら右に出る人はいないのではと思う出来栄えでした。
寺地さんの「サクマ手芸店」は終盤こそ読ませるものの、それまでがダイジェストのような端折り方で、いつもの心にじわじわと浸透する感じがしませんでした。超短編は寺地さんには合わないのでしょうか。少し残念でした。 -
Posted by ブクログ
ここのところずーっと、会社の先輩にお借りした本が続いている。
この本も然り。
痛快、お仕事小説。
まぁ、賑やかい。
文字なのに、主人公の明るさが本の外まではみ出てくる(笑)
バスガイドとして働く高松秀子は、仲間からはデコという愛称で呼ばれている。
入社五年目となったが、信頼していた先輩が退職してしまい、自分が新人研修の教育係に任命される。
失敗あり、事件あり、笑いありの楽しい小説。
ナースのお仕事っていうドラマを昔見たことがあるが、終始そんなノリ。
ドラマに出来そうな本だなぁつて思って本を閉じたが、検索してみると、ドラマもヒットした。
やはりドラマになっていたのか!(笑) -
Posted by ブクログ
東京の観光をになうアヒルバス会社。バスガイド歴5年のデコこと高松秀子は、まだ客に振り回される日々であった。先輩の三原さんが退職した後、秀子は新人の教育係を任される。しかし新人研修はトラブルばかりで一向に進まず…。
山本幸久の作品だからと期待したのだが、これは期待はずれ。『凸凹デイズ』などと同じようなキャラクター重視の作品であるが、悪ノリと自己満足がすぎる部分が目に余る。
ストーリーの展開としては、もちろんしっかりしており、まずツアーで小手調べ。その小手調べで伏線を張りまくって新人研修。新人研修中に伏線を拾いまくるというもの。教科書どおりともいえるポジティブな話で、ストーリー自体に不満はない。
しかし一方で、最初のツアーから「笑点」「チャットモンチー」「偽伯爵」など和ませようとしている努力が、空回りして、逆にわかりにくいうえ、ぼんやりした印象である。また、デコの生い立ちにからめて、1970~80年代くらいの懐メロを入れてくる気持ちはわからぬでもないが、『三丁目の夕日』のような、やりすぎ作り過ぎな居心地の悪い感覚を覚える。戸田カオルの変な口調も、出てくるたびに冷めてしまった。
伏線もストーリーもイベントも、まあ、笑点町長のところまで行くのは行き過ぎとしても、よくできているのに、小道具で胡散臭さを出してしまったのは失敗だった。山本幸久の持ち味である、ストレートで飾りの少ない、キャラクター自身の持ち味で突っ走って欲しい作品であった。
あと、書き下ろしのアウトテイクは、やっぱりいらないわ。蛇に足を描いてしまったな。