山本幸久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ山本幸久さんの書く女性はいやみがないんですね。
他の小説だったら、すごく嫌なキャラだろうなって立ち位置の人でも、
不思議と憎めないところがあったりする。
今回のお話は、フリーの宣伝ウーマン・藍子を軸にした
男と女の愛憎劇オムニバス。
一応軸は藍子なんだけど、オムニバス形式なので、
話ごとにヒロインは変わっていくわけで、
話が変わると、今度は藍子の恋敵の女性とか、
藍子を慕う男なんかの視点で物語が展開していく。
藍子の側からだけみたら、恋敵の嫌な女かもしれないけど、
彼女たちにも彼女たちの事情があるわけで。
というか、読んだあと、どっちかというと、恋敵の真紀や八重の方に
共感を覚えてしまい -
Posted by ブクログ
世田谷線沿線で起こる出来事8つが詰まった1冊で、
それぞれのお話が、どこかでお互いリンクしています。
3年前のレビューにもありましたが、
あぁ、世間って本当は狭いんだな、って思えてきます。
こういうリンクって、割と色々な本でもありますよね。
これも一種の技法なのかな~~
前回読んだときと明らかに違ったのは、
今の私にとっては、世田谷線はかなり身近な存在であること。
地元の在来線に比べると、駅と駅の区間が短いので、
1駅なんて、歩いていけちゃうんですよね。
土地勘が分かるので、また前回とは違う楽しみ方が出来ました。
世田谷線、乗りたくなりました。 -
Posted by ブクログ
帯には「ホームコメディの決定版」と書かれています。まあ決定版は言い過ぎでしょうが、良く出来た話です。
若くて美人だが破天荒な叔母さんの美晴に振り回される中学生の世宇子とその一家。具体的に何だと言われると思いつかないけれど、確かにホームコメディとしてありがちな設定です。また、起こる事件も罪が無く、ところどころにほろりとさせる所があって。
なんか小路幸也の「東京バンドワゴン」風です。他にもそう言った感想を持たれる方も多いようです。まあ、どちらもホームコメディですから似てると言われても仕方ないのでしょうが。
しかし、この手の作品を良く見る様と言うことは、TVの世界でトンと見なくなったホームコメディの