山本幸久のレビュー一覧
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ネタバレがっつり管理栄養士がメインの小説が珍しいので題材にしてくれて嬉しい。
そんな物珍しさで手に取ってみた。
長らく経営されている厨房によくいる女帝(お曲様)の存在は期待通りだったが、栄養は二の次のような言動で主人公に噛み付いていたので、じゃあなぜここで働いているの??と強く思った。
地方の田舎へ行けばそうゆう人間も珍しくはないのだろうか???
しかし、主人公も主人公で、名前を叫んだ上で、なんでタマネギを水につけてしまうんですか!?ビタミンB群やカリウムが溶けてしまうでしょ?辛味成分であるアリシンは血液をサラサラにするし、疲労回復にかかせないビタミンB1の働きも持続させるので積極的に摂取した方がい -
Posted by ブクログ
安定の山本幸久。
東京の、おそらく人も羨む大企業でバリバリ働いていた主人公は、あるときオーバーワーク、過剰ストレスで出社できなくなり、実家の練り物屋に出戻る。
そして実家の練り物をネタにおでん屋台を細々とやり始めるのだが、そこに来るお客さんたち、元彼、などなどとのあれこれがあって、あぁ、幸せに生きたいよね。日々、人とちゃんと出会って、話して、尊重しあって、気づかって。
みたいな、優しい幸せを噛み締める、山本幸久のお得意のほっこり物語。
優しいだけじゃなくて、ちゃんと、辛い現実だったりも、冷静に描かれているからこそ、とっても「良い話」だけど、白けないで読める。ほっこりできる。
その塩梅も良い -
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Posted by ブクログ
桃餐(とうさん)プロ? まるで倒産寸前みたいなプロダクションに所属する女性漫才コンビ「アカコとヒトミ」。初ライブで、客席が失笑から無反応へ、終いには凍りつくという盛大なスベりの場面から物語は始まります。
二人は共に28歳・独身。大学時代からの腐れ縁でお笑いの道へ進んだのでしたが、当然いい時も悪い時もあります。互いの境遇の相違と嫉妬、すれ違い、喧嘩‥。それでもそれらを乗り越え、真摯に笑いを追求する姿は、一見無謀に思えても尊く、明るい未来を予感させます。
物語の展開、登場人物の対話にリズムがあり、読みやすいです。筆者のノリに引き込まれるように、ライブ会場でネタを共有している感覚になります。