内田樹のレビュー一覧
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読んでて、これは違うな、とか、これは腹立つな、とかもありましたが、総じて興味深い内容でした。
身体知を大事にするところなどは、よくよく共感。
あと、社会内での役割についても、これまでずっと考えていたことが、おかげで少し言葉になりそうな気がした。今の日本の社会は、ドロップアウトすることを極端に嫌うから、余計に一度どこかでラインを降りてしまうと行き場がなくなるのかも知れない。
親子関係のところは特に面白い。
自分の家庭が機能不全だった時期があるからか、色々と考えされられた。
父母の役割は、いわゆるジェンダーに依るものではなく、機能によるなど。
私なりの解釈では、この本は、要するに「定量化して測 -
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ネタバレ教師のセクハラの話が面白い。
学校とはもともと「エロティックな場」であることを
人間は他者の欲望に欲望する、
というコジェーヴのヘーゲル解釈やソクラテスを引用し解説している。
「隣の芝は青く見える」というやつだな。
「性愛の局面において私が快感を得るのは、
相手が私から快感を得ていると感じるからであり、
相手が私から快感を得るのは、
私が相手から快感を得ていると感じるからである。」
というのと同じように、
教師が持つ「知への欲望」を生徒が「欲望する」ことによって、
学びが賦活されているのである。
そういう前提が教師にないから、
セクハラを個人の欲望や嗜好に回収し -
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ネタバレ大好きな橋本治と、最近興味を持った内田樹の対談集ということで読んでみました。
橋本治が自信を持ってあちこち話題が飛ぶのを、内田樹が常識でつなぎとめようという感じの対談でした。
たとえば、橋本治は桃尻娘を書くときに、
俺が知っている十二年分、彼女が知らないんだな。そういう引き算をしちゃったんです。
と、主人公のキャラクターのパーソナリティの作り方を明かすと、内田樹が、
先生は誰でもそういうことができると思ってるんでしょ。引き算が。あえてしないんじゃないんです。「できない」んですよ。引き算なんて。
と応じてみせる。うん。全般そんな感じのやり取りが続く本です。
★★★ -
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内田さんの本。個人的に、著者の本はハズレがない。
どんなことを語る時でも、自分にはできない視点で物事を見てくれるし、こんなに「むずかしそうなこと」を「平易に」語れる人はなかなかいない。
ページ数は少ないわけではないのにもかかわらず、すらすら読めて、かなり早く読み終わりました。知的刺激の宝箱みたいな本。
まぁ、あえて言うと内田さんは同じような話を何度もするところが、ちょっとだけ、難点かな。それでもおもしろいけども。
あとは、最後の第四章の漱石論はちょっと読みづらい。エッセイの方が好きだ。
んー、感想を書こうとしても、なかなか簡単に語りつくせない。もっともっと著者の本を読みたい。 -
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ネタバレ内田先生シリーズを読んだ第二弾。
大学の現状と規制改革に伴う大学の変化を追った。
「自ら大学や授業がどうなっているかを律することで、自分たちを高める必要があることに気づく」がこの間の大学改革の目的だったのではないだろうか。
特に、教員がそう考えることで、もっといい大学作りやもっといい教育にしていこう、とする発想を作ろうとしたのではないか。→自分たちの自己満足で終わることなく。
市場原理を導入しよう、という企業人たちの想いを受け止めたくないがそれを交わそうとしたのが文部科学省で、もっと自分たちの取り組みを高めてもらうための方策を導入した、という風に書いてある。補助金もそこで傾斜配分さ -
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ネタバレ本にマーカー引きすぎてえらいことになっている。
それくらい「そうだよな!」とか「そうだったのか!」が詰まっている。
身体知は大事。
水泳ばかりやってたら水泳に有利な身体になるように、
文句ばっかり言ってたら文句を言うのに有利な身体になる。
この前読んだ「ミラーニューロン」も、
人間が形から変化することを証明しているのではないかな。
特に唯物論的なことを言いたいのではない。
心というものはあると思う。
愛とか勇気とかと同じくらいには。
愛とか勇気とか国家とか常識とか、
それらすべては共同幻想だから、
なんとなく皆が「在る」と思っているものは「在る」ことになっている。
その -
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内田樹と春日武彦の健全な肉体に狂気は宿るを読みました。
生きづらさの正体、という副題のついた、生き方についての対談集でした。
章毎のテーマは、世代論に逃げ込むな、「自分探し」はもうやめよう、人間はわかりあえっこない、個性とこだわり幻想、健全な肉体に狂気は宿る、まずは身体に聞け、と現在喧伝されている生き方の解説やコミュニケーションについての解説に真っ向から対立する主張が述べられています。
春日武彦の精神病の臨床医療の現場からの意見と内田樹の身体の発する信号を聞いて行動しようという主張とがかみ合って面白い読み物になっています。
アメリカの契約社会で育ったコミュニケーションの方法は、日本の以心 -