岸田奈美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
父のいない一家で、母(ひろ実)は大手術で入院、弟(良太)はダウン症、祖父は他界、祖母は認知症でタイムスリップ、犬2匹(梅吉とクー)、そして世はコロナ禍。
そんな一家の壮絶な日々のドタバタな37日間を日記にして描いたエッセイ。
話の冒頭から、吹き出しそうになったり、クスッと笑えたり、ジワるエピソードが豊富過ぎる内容に心が和んだ♪︎♪︎
そして、作者である、岸田奈美さんのところどころに散りばめられたユーモアな文章も面白くて微笑ましかった!
鳩や、ばあちゃんが登場するあたりのエピソードは、なんか知らんけど、面白過ぎて特に笑えた!
ばあちゃんにおいては、読み進めるにつれ、今度は何してくれんねやろ?と期待してしまう程、ページをめくるのにワクワクした♪︎♪︎
一番大変なことって...もしかして、それは・・・
ばあちゃんを飼い慣らすこと...?
え、ちゃう??...と、勝手に思てしまった。(笑)
我が家も先日、不意打ちなしに家族が入院したばかり。退院するまでの間、『もうあかんわ』と思える程のドタバタを経験したのはその時が初めて。そんなことがあったタイミングの直後にたまたま本書を読み始めたが、こう言う大変な時こそ岸田さんのように、『悲劇を喜劇にする』くらいの心の隙間的な余裕を持った気持ちって大切やなぁーって思った。ほんま心救われた。
エッセイって初めて読んだけど、こんなに笑えた本、初めてかもしれない。また読み返したい♡♡
そう感じた素敵な一冊♪︎♪︎ -
Posted by ブクログ
父のいない一家で、弟はダウン症、母は手術入院、祖母は認知症、祖父が他界、犬2匹、そしてコロナ禍。
あまりにも壮絶な日々なはずなのに、全く重たくないどころか文章がおもしろくて微笑ましいドタバタな日常にすら思えてくる。
エッセイとして読んでいたけど、37日間の連続した日々の日記らしく、まるで数年間のことをまとめたかのような内容の濃さに驚き。
「もうあかんわ」な息つく暇もなさそうな状況で、それを文字に残そうと思うのがさすが。
懐かしい昭和ネタがよく出てくる。
なかでも、聞いてアロエリーナのCMが話題に出てあまりの懐かしさにどうしてもどんなメロディーだったか思い出したくなり、YouTubeで聴けたので感激した。
鳩との死闘やピアノのループ話が特に笑えた。 -
Posted by ブクログ
楽しく読ませてもらいました。
認知症の祖母、大手術をして車椅子になった母、ダウン症の弟、そして奈美さん。
それはそれは大変だろうなぁと想像しますが、笑いと愛情で、笑いで済ませられるあかんことも、日記に書けないような本当にあかんことも何とかやってこられているんですね。
私の家族は笑いなどほぼなかったので、素敵な家族、素敵な孫であり娘、姉だなと素直に思いました。
誰かに話を聞いてもらうというのは本当に大事ですね。
今はそれが直接語らなくても、ネットで世界に向かって発信できるんですよね。
よい反応ばかりではないと思いますが、岸田家のみなさんが健康で笑って過ごせることを祈ります。
解説もよかったです。
奈美さんが逃げることができる立場でありながら、そうしていないこと、自分と照らし合わせるとなんて徳が高いんだろうと感じずにはいられませんでした。 -
Posted by ブクログ
半日で一気読みしました。関西弁のノリで、たとえが面白く、一文一文が短いので、スイスイ読めました。岸田さんの一人ツッコミが最高でした。岸田さん家族の愛も感じられて、感動しました。
【思わず吹き出しそうになった話】※一部省略
高校野球っていったらもう、青春の代名詞じゃないですか。かくいうわたしもね、してた。青春。甲子園の売り子のバイトを、大学生時代に。
ほら、あれですよ。わかりますか。ピンク色のスカートはいて、ビールの樽背負って。
「アサヒスーパードルァァイいかかですかー?」って。客席の花形ともいえる。
正直、あこがれてた。はちゃめちゃにあこがれてた。
父から「おまえには浅倉南の“南”って名前をつけようとした」っていわれた記憶を、勇気に変えて。甲子園球場の浅倉南に、わたしはなりたかった。
そんで売り子に応募して。トントン拍子で受かって。
「いやー、すこぶる順調。生まれもってのスターだわこれは」くらいにね、思ってた。堂々と。何の疑いもなく。
初出勤日に、ホットコーヒーの箱をもたされるまでは。
見たことある?
39℃のとろけそうな日に。ビールやら酎ハイやらカチ割氷やらが、飛ぶように売れる日に。
ホットコーヒー、売り歩いてる女を。
見たことない。そんな純度100%の奇行、見たことない。
【初めて知った、驚いた話】
NASAにおける家族の定義は、ふたつある。ひとつは直系家族、もうひとつは拡大家族だ。
スペースシャトルが打ち上げに失敗し、大事故になったとき、乗組員の家族はパニックになる。いち早く心理的・医学的なサポートを行うため、医療チームや支援スタッフと一緒に、家族は特別室で打ち上げを見守ることができる。
その特別室へ入ることができるのが、直系家族だけなのだ。
直系家族の範囲は、配偶者、子ども、子どもの配偶者まで。両親や兄弟は、拡大家族なので入れない。幡野さんはNASAの話を聞いたとき驚いたが、よくよく考えれば腑に落ちたという。
生まれるときに、親を選ぶことはだれにもできない。でも、パートナーを選ぶことはだれにもできる。自分で選んだパートナーこそが、家族の最小単位だ。
家族は選択できないものから、選択できるものになっている。自分によい影響を与える人の存在は、自分で選ぶことができる。 -
Posted by ブクログ
エッセイストである岸田奈美さんの、嵐の大海原をバナナボートで進むような日々をユーモアたっぷりに書いた日記。
読み進めるごとに感情が目まぐるしく入れ替わり、まさに人生の喜怒哀楽が凝縮されているようでした。これが日記なのかと驚嘆します。(挿絵も最高にかわいい)
単に「笑える」でも「泣ける」でもない本書の特質を、巻末で頭木弘樹さんが的確に解説されています。なるほど、奇跡の本だと思います。
極限の環境だからこそ、人が大切にするべきことが見えてくるのでないでしょうか。人生にはユーモアだけではなく、それを聞いて笑ってくれる人が必要なのだとはじまる日記。
僕はこんな生き方は、100万回生きても真似できそうにありませんが、それでも岸田奈美さんの考え方、物の見方を通してみると、どんな人も逞しく生きていて、それぞれの生き方があって、どんな人生でも捨てたものではないなと嬉しい気持ちにさせてくれます。