あらすじ
笑えて泣ける岸田家の日々のこと
大反響を呼んだ単行本
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』が、
ついに文庫化しました!
かきたし原稿「表紙の絵の味」と、
作家・一穂ミチさんの解説でパワーアップ!
真夏の甲子園でホットコーヒーの売り子をしたり、
試着に1時間かかるブラジャーを買ったりと、
なぜか日々おもしろいことが起きてしまう作家・岸田奈美がつづる、
情報過多の日々のこと。
大丈夫な家族と、大丈夫じゃない日々を、
疾走感あふれるリズミカルな文章で、
軽やかにユーモラスにとびこえる。
“弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった”
“母に「死んでもいいよ」といった日”
など傑作エッセイを多数収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
岸田奈美さんの初の単行本が2年半ぶりに文庫化します。
この2年半の間に、岸田家にはいろんなことがあったと思います。
そんな岸田さんの2年半の思いは、
「文庫あとがき(おかわり)」でたっぷり語られています。
また、かきたし原稿「表紙の絵の味」では、
岸田さんが手がけた表紙のイラストについて、
装丁家・祖父江慎さんとのやりとりの裏話が。
そして、必見なのは作家・一穂ミチさんの「解説」です。
解説では、私、思わず涙がこぼれました。
ひと味ちがう岸田奈美ワールドをぜひご一読ください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
インスタのおすすめで流れてきた岸田奈美さんが書かれた本。
家族愛溢れるエピソードに笑って、時に胸がきゅっと掴まれて涙がでそうなお話しがいくつも書かれていた。
文章を読むと、その人の人柄を感じることがよくあるけれど、この本は愛とユーモア溢れる奈美さんの人柄を感じられる素敵な本だった。
"お金を使うか迷ったときは"
"知識を理解するとは"
"愛とは"
"サポートをするとは"
"どうすれば、自分のことを好きになれるのか"
こういった大切な問いについて、奈美さんや奈美さんが出会った人たちの考えが書かれていて、
自分も心に留めておきたいと思った。
Posted by ブクログ
既に単行本では読んでいましたが、文庫版では書き足しと解説があるので改めて読みました。
悲しみも苦しみも、優しさも愛おしさも全部伝わってくる素晴らしい作品です。
そして一穂ミチさんの解説もまた良し。
単行本を持っている人でも、二度美味しいという感じで楽しめると思います。
Posted by ブクログ
きっとたくさん傷ついて悲しんで、それでも立ち直ってここまで這い上がってきた方なんだろうなと思う。なんて強くてたくましい人!
読ませる力がある文章を書けるってすごいなあ。リズムが軽やかでクスクスできてすぐ読めちゃった!
Posted by ブクログ
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』は、岸田奈美さんが家族のことや仕事のことをセキララに、そしてトコトン面白く描いた家族エッセイ。
読み終わって思ったのは「この家族すげえな」です。みんなほんとすげえ。
まず、岸田さんが中学の時、ケンカをして仲直りできないまま父親が急死。高校生の時には母親が半身不随に。
そして、車椅子になった母親とダウン症の弟。これだけでも不幸と障害のオンパレードなのに、転んでもただでは起きないんです。この家族。
いきなり車椅子生活になり、リハビリが辛くて死にたいと言う母に「死んでもええよ」と言い放つ娘。これだけ読むとドロドロの愛憎劇かと思いきや、そこには愛が溢れている。
そしてここから岸田一家の逆転劇が始まります。奈美さんは福祉ビジネスが学べる大学へ進学。そこからユニバーサルデザインの会社を企業し、車椅子のお母さんを雇用。
お母さんはその後、心理セラピーの資格をとったりと親子で活躍の場を広げています。ほんとすげえな。
Posted by ブクログ
この本を読んで思ったことは
「好きな人」
って、ただ単純に自分がその人を好きかだけじゃ無くて
その人と一緒に居る自分を愛せるかどうかも大切なんですね
岸田さんの色んなものの例えがおもしろいですし
大変な思いをされたからこそ、自分の人生を大切にされているなぁと思いました
いつも他人の目を気にしているくせに適当に生きている自分が恥ずかしいです
Posted by ブクログ
面白いエピソードをさらに面白くする岸田さんの文章力がすごい。
家族への想い、世の中への想い、自身への想い。岸田さんの中身をこんなに見せてもらっていいのかな?と思うくらい見せてもらった。すごい素敵な人だと思ったし、こんなに素敵でもダメなところもあるんだ!と自己肯定感が低い私は救われた。
良太さんへの想いを読んで、障害がある人も個性があって誰かの役に立っていて自分が知らなかったことを教えてもらった。
考えてみれば当たり前のことなんだけど、普段障害のある人と接する機会がないし、どちらかというとこちらが手助けをしなきゃと思うけど何をしたらいいかわからないと焦ってしまう存在だったので彼らに対する解像度が上がった。またひとつ知ることができて嬉しい。
Posted by ブクログ
お父さんが中2の時にお亡くなりになり、お母さんが病気で半身不随になり、弟さんがダウン症。家族が良い!
お母さんと一緒に行ったミャンマーでの出来事。甲子園の売り子のバイトの話。お父さんが買ってくれたファービーの話(笑)。櫻井翔くんが使用したピンクのジェットストリームが後日爆売れ実はそのペンは...。面白かった。ファービーのことを思い出せず検索してしまいました^ ^可愛い♪
Posted by ブクログ
泣いたし、笑ったし
エピソード的に、さらっと読めないくらいの重たい体験→お父さんが急逝されたり、お母さんが車椅子になってしまったり、弟さんが障害を持っていたり
でも、題名が全てを物語っている
とてつもない大変な思いを出してないわけじゃないんだけど
悲壮感たっぷりではなく
そんなこともあったけど、死ぬこと以外どうにかなるさ
に至った岸田奈美さんはすごいと思った!
有名らしいブラジャーの話はもちろん笑ったし
櫻井翔くんと会った日の話も最高!
でも、わたしのイチオシは
「ファービー」の話!!
お父さん、先見の名もちすぎ笑
岸田奈美さんの他の本も読んでみたいと思いました!
Posted by ブクログ
とても身近に感じられる書き方というか話し方で、引き込まれていった本は久しぶり。自分に嘘をつかない潔さが、文章の端端から感じられて、あっという前の読書でした
Posted by ブクログ
軽快な文章でクスッとしながらどんどん読めちゃうのにいきなり号泣させられる。。。
はっと気付かされたり、温かい気持ちになったり色んな感情にさせてくれるエッセイです。
Posted by ブクログ
著者は91年生まれ。飾られていない等身大の言葉がストレートに綴られていた。
父は急逝、母はその後に倒れ下半身付随で車椅子生活、弟は知的障害。こんな家族がいることを聞いて皆さんはまずどう思いますか?
きっとこの家族はどんな状況下に置かれても乗り越えていくんだろうなぁと強く感じた。そして、自分自身の家族のことも改めて考えさせられた。素直に良い本だなぁと思えた。
Posted by ブクログ
良かった。
すごくテンポが良くて語彙力に富んでいて、読みやすく面白かった。
何よりも胸にささる、なるほどなと唸ってしまう感情面を、分かりやすくきちんと言葉(文章)にしているのに脱帽。
すごく素直に生きてきたんだなと感じた。
弟君や、死にたいと言う母や、かきたしのカメラマンとの話、グッときた。
中・高生にも読んでもらいたいな。
Posted by ブクログ
最初から最後まで、何度も涙を流しながら読みました。表紙の絵がかわいくて、どんなイラストレーターの方の作品なんだろうと思っていたら、岸田奈美さんの絵だと知って才能にびっくり。中学生でお父さんを亡くされ、その後にはお母さんが車椅子生活になり、想像できないほど辛い思いをされてきただろうに、こんなに軽やかに、面白く文章にされていて、「人を笑わせたい、幸せにしたい」という気持ちの塊のような人なんだろうな。ほかのエッセイも絶対に読みたい。
Posted by ブクログ
たくさん、たくさん心が泣いた。
でも、読んで前向きになる本。
知らんけど。
何回読んでも、涙が出るところ。一つだけ抜粋する。
母に「死んでもいいよ」といった日
(略)
P.61
楽しみにしていたお店は、ぜんぶ階段があったり 通路がせまかったりして 車いすでは入ることができなかった。歩いていたときは、こんなの気づかなかったのに。
さんざん歩きまわったら、身も心もへトへトになった。ようやく入れるカフェを見つけ、席についてパスタとジュースを注文すると、途端に母は泣き出してしまった。
「ママと一緒にいたら大変やんね。迷惑かけてごめん」
「そんなことないで」
「あのね、ママね、ずっと奈美ちゃんにいえなかったことがあるねん」
なんとなく いいたいことはわかっていた。
「ほんまは生きてることがつらい。ずっと死にたいって思ってた」
あんなに優しくて明るかった母が、わたしの前で泣いた。母の涙を最後に見たのは、父のお葬式だ。知人から「つらいと思うけど、母親のあなたが泣いたら子どもたちが不安になるから、見えるところでは泣かないで」といわれたことを、律儀に守っていた母だ。
「そんなこといわないで」「死なないで」そういう言葉は、ひとつも口をついてこなかった。わかっていた。そんな言葉がなんの力にもならないほど、母が絶望していることを。
わたしは、運ばれてきたパスタをパクパク食べながらいった。なにかしてと、わたしの方が泣いてしまいそうだった
「ママ、死にたいなら、死んでもいいよ」
母はびっくりしたように、わたしを見る。
「死ぬよりつらい思いしてるん、わたしは知ってる」
母を追いつめたのは、手術同意書にサインしたのはわたしだ。わたしが母の死にたいという気持ちを、否定してはだめだ。
そう思って、いった。でも情けないことに、母の顔を見ていると「やっぱり死んでほしくない」というわたしの本音もわき上がってくる。
パスタを食べながら、続けた。
「もう少しだけわたしに時間をちょうだい。ママが、生きててよかったって思えるように、なんとかするから」
「なんとかって⋯⋯」
「大丈夫」
でまかせだった。不安そうな母に、わたしは笑っていった。
「2億パーセント、大丈夫!」
(略)
Posted by ブクログ
笑って笑って泣ける、
"家族愛"がこれでもかと言うほどに詰まった一冊
ユーモアある岸田語録のすっかり虜に
苦しい状況を笑いに変えるセンス、
物事の捉え方・考え方、
ただただすごいなと
"家族だから愛したんじゃなくて、
愛したのが家族だった"
この言葉は胸の内に大切にしまっておきたいな
・起こるかどうかわからないことにおびえるより、怒ったあとにどうするか
・人を大切にできるのは、人から大切された人だけ
・死ななきゃなんとかなっちゃうよ
ここには書ききれない素敵なエピソードや優しい愛溢れる言葉の数々、何度も何度も読み直したくなる一冊に出会えたことに感謝
Posted by ブクログ
この本読んだりドラマ見てると、ほんと生きてるだけで幸せって感じる。
弟さんもサイコーに面白いし、お父さんのことずっと大事に思ってるのも素敵だし、お母さんがお母さんで格好良いし、岸田奈美さんは才能爆発してるし。
Posted by ブクログ
単行本で読んだ作品が文庫化された。
しかも「+書き足し」…
ズルい…
内容としては再読だし、それでも初読と変わらずそのパワーに圧倒されつつ泣き笑い。
岸田奈美さんの人たらしっぷりに改めて想いを寄せるなど。
そして、単行本上梓から文庫化に至る間に起きたこと。他の本に収まることのない、まさに「+書き足し」に、文庫を買い足した甲斐を感じた。
でも、幡野広志さんの写真や岸田良太さんの文字を含めて味わえる単行本も、やはり捨てがたい。
Posted by ブクログ
毎週ドラマを泣き笑いながら見てます!原作も気になり購入。内容からは岸田一家の愛を感じるが、タイトルは"家族だから愛するわけじゃない"って...ぐっとくる(深い)この本は再読する度に新しい感動をくれるだろう。知らんけど。
読んで満足
ドラマを視聴してから購入しました。SNSで著者のことを知っていたつもりでしたが、恥ずかしながら実際にきちんと読んだのは今回が初めてでした。「家族だからではなく、愛したのが」という言葉の通り、登場する大切な方達への愛や尊敬をひしひしと感じられました。心で満足することのできる笑い、感動を得ることができ、感謝でいっぱいです。
Posted by ブクログ
ふふってなりながら読めた。
岸田奈美さんの文章を読むのは初めてだと思ってたけど、読んだことあるエピソードが三つぐらいあった。(それだけ広まってるコンテンツで、無意識下に接種させられてるのすごい。)
「悲観は気分、楽観は意思」
確かどこかの外国の人が言ってたという形で引用されていた。これほんとに忘れたくないなぁ。
あとがきの「岸田さんが苦しいのは、いまの岸田さんを好きになれていないのかもしれない。自分が嫌いだと、他人に評価を求めようとするからね」も刺さりに刺さった。
自分大好きマンでい続けて、他人に評価を委ねないようにしよーっと。
Posted by ブクログ
ドラマが話題になっていたので、ずっと気になっていたけど、深刻そうな内容かなと躊躇していた。
読んでみたらとても良かった。ドラマも見ておけばよかったな。
時系列が前後するのがちょっと読みにくいけど、章に分かれているので仕方ない。
それにしてもなんて行動力のあるすごい人だろう。
お父さんは早くに亡くなってしまったけれど、著者も弟さんも両親にたくさん愛されたことはよくわかる。
高校一年生で、お母さんの厳しい手術の同意の決断は本当に辛かっただろうし、その後のお母さんの心を支えることも、とてつもなくしんどかったと思う。
すごく縁に恵まれた人とも言えるけど、努力の結果の引き寄せなのだろう。あとはお父さんゆずりの瞬発力。
私が特に好きなエッセイは、「Google検索では、見つからなかった旅」と「先見の明をもちすぎる父がくれたもの」と「よい大人ではなかった、よい先生」。
解説は、一穂ミチさん。
Posted by ブクログ
ネット上で何度か見かけて、面白い文章だなーと思っていたのを、本でまとめて読めたのがとても良かった。笑えて、ほっこりして、じーんとする。
単行本の表紙がシンプルに素敵だと思うのだけど、文庫版はなぜ文字を手書きじゃなくしてしまったんだろう?
Posted by ブクログ
書店でよく目にするけれども、タイトルがちょっと自己啓発ぽく感じて勝手に避けていた1冊。
読んでみてびっくり!めっちゃおもろいやんかー!岸田さんの目を通して見る世界は本当に愛おしい。そして面白い。
読み始めはちょっと鼻に付く感じがせんでもないが、読めば読むほど好きになる、スルメのような魅力がある人である。
Posted by ブクログ
岸田さんは、X(旧Twitter)で知ったが、面白い方だなあと感じていた。いつか読めればいいかくらいの気持ちだったが、実際手に取ってみてサクッと読めてしまうエッセイであった。
それぞれ家族の形があり、私自身決して恵まれていたとはいえない家族環境だったが、ある意味岸田家を羨ましく思えている。
最後に心に残った言葉を。人を道具のようにしか見ていない自分だからこそ、刺さった箇所でもある。
“人を大切にできるのは、人から大切にされた人だけやねんな。
母の言葉が印象に残った。”
Posted by ブクログ
NHKドラマ先行でめちゃくちゃ面白かったので原作を。文章のリズム、ワードとユーモアセンスがめちゃくちゃすごい。ドラマ以上に感じられた。逆境にが人を強くするだけでなく、持ってたんでしょう。知らんけど。
Posted by ブクログ
だめなところ、
できないことばっかりな自分でも、
きっと誰かに影響を与えていて、
生きていてもいいかなと思える話。
落ち込んだ時に読み返したい。
Posted by ブクログ
misachi68さんのレビューで、文庫化されたことを知りました。ありがとうございます。
とても面白くて泣けるエッセイでした。
以下「はじめに」の部分を要約して引用しますので、これから読まれる方はお気をつけください。
岸田奈美さんは父、母、弟、奈美さんの四人家族でした。
でも中学二年生の時
「パパなんか死んでしまえ」と言ってしまったその夜、お父様は急性心筋梗塞で病院に運ばれ、意識不明になられ2週間後亡くなられてしまいます。
いちばん大好きなお父様との最期の会話がいちばん伝えたくなかった言葉になってしまったそうです。
「パパは救急車に乗るとき、何回も言っていた。『奈美ちゃんは大丈夫や』『奈美ちゃんはオレに似とる』『だから絶対に大丈夫や』」って。たぶん、もう自分が助からなんってわかってたんやろうね」とお母様がおっしゃったそうです。
ある日ぜんぜん大丈夫じゃない奈美さんにお母様からお父様の日記が送られてきたそうです。
その日記には
「だれか、僕が住む街の小説を書いてほしい」と書かれていて、そのだれかというのはわたしのことだと思った奈美さんは書き始めたそうです。
奈美さんのご家族はお母様は車いす生活で弟さんはダウン症だそうです。
それでも奈美さんは負けずにがんばられた家族思いの奈美さんの笑いと涙のエッセイです。
Posted by ブクログ
岸田奈美さんのエッセイ本3冊め
知的障害がある良太くんに、誰かに会ったら「こんにちは」「ありがとう」と元気にあいさつするよう根気よく教えた母。コミュニケーションの基本だがそこをきっちりおさえた母はさすがだ。
良太くんは地域の人たちに見守られ、ずいぶん助けられたようだ。
母の愛情表現はオーバーリアクションで、奈美さんにも事あるごとに「大好き」と言っていたようだ。
私は家族間で「大好き」と言われたことも言ったこともないような気がする。
わざわざ言わなくても…と思っていたが、確かに言葉にすると相手にも伝わりやすいし、うれしい。
この本には幸せになるヒントがたくさんある。
今回も奈美さんのパワー全開で、前向きな言葉、行動、プラスエネルギーであふれるエッセイ本になっている。