あらすじ
作家・岸田奈美の新たな代表作。
著名人からも絶賛&感動の声続々!
笑えて、泣けて、救われる。
新時代の書き手が綴る、心を揺さぶる傑作エッセイ。
「大好き」を言葉にし続けることが、
こんなに笑えて泣けるなんて。 ――藤崎彩織
笑いと悲しみは同じところにあって、希望と絶望も同じ場所から生まれる。
それを軽やかに教えてくれる、処方箋みたいな本だ。
しかもとびきり笑えるんですよ。 ――佐久間宣行
腰を下ろした、彼女の目線。優しさと逞しさ。そして、ユーモア。
今、世界に足りていないこれらに満ち溢れた、最高峰のエッセイ。
岸田奈美は、運命に愛されている。 ――リリー・フランキー
わたしがしなければならなかったのは、わたしを好きになることではなかった。
嫌いなわたしの中にしか起き得ない感情を、わたしの中にしか生まれない言葉で、書くことだった。
どんなにつらくても。難しくても。時間がかかっても。飽きても。褒められなくても。
ようやくたどり着けたここから先に、たぶん、愛がある。
本作は小説誌『小説現代』で連載をしていた「飽きっぽいから、愛っぽい」を書籍化に際して、加筆修正したものです。
【電子特典】
noteの有料購読マガジン「キナリ★マガジン」で発表したショートエッセイ「たまたき」を電子書籍特典として収録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
作者の文章が面白く、笑ってしまうところもあり、お父様の話のところは涙したり、章によっては共感して何度も読み返したり…感情が忙しく動かされる作品だと感じました。
読んでいる中で、自分の感情や過去の記憶と向き合うことが多かったので、時間をおいてから、また読み直したいと思います。
Posted by ブクログ
言葉にしなかった、言葉を見る人
この話は心底沁みた。これだけで星5
父に褒められた記憶があまりなかった
母からは何かあると祖父母にも褒めていた
照れて言えなかったのね
私には私の。母には母の記憶がある
すごく素敵な作品だった
Posted by ブクログ
エッセイ集。著者は31歳。若い。
なんでこの本を入手しようとしたか思い出せないけど、
これが案外、いい。
文章に無理がない。力みがない。わざとらしさがない。流れるよう。
ススーッと頭の中に入り込んでくる。
家族、特に両親が頻繁に出てくるが、なんとも素直に受け入れられる。
エピソードが自然。なんてことはないけど、読ませる。
早くに父親をなくしてるわけだから、なんてことない、ってこともないか。
秋っぽい、はぴんとこないけど、愛に満ち溢れている気がする。
いい本。
Posted by ブクログ
岸田奈美さんのエッセイには、笑いと愛と哀と救いがある。
自分の人生に一度でも起きたら卒倒しそうなエピソードが、岸田奈美さんからは週一くらいの勢いで飛び出てくる。
なのに、そこに悲壮感はない。
少なくとも、文章には出てこない。
裏には悲壮感も含めた様々な感情が込められているのはしっかり感じるのに、重くない。いい意味で。
岸田奈美さんとはサイン会で一度お会いしただけだが、その人当たりの良さは爆発的に発せられていた。
そのキャラクターそのままの文章に、ある種救われているのかもしれない。
特に最終章がよかった。
下手したらエッセイ全体の評価にかかわるかもしれない吐露が、この本全体の救いになっている。
“読みたいものを書く”を超えた、書くことへの渇望をも感じた気がした。
岸田奈美さん、ますます推す。
Posted by ブクログ
文章が軽やかで、身構えずにするっと読めるエッセイでした。主に家族のことが描かれていて、重くなりすぎないんですが、家族としての愛や葛藤も伝わってきて、それがよかったです。
個人的には、よく知る神戸が多く出てきて、雰囲気等もわかり、そこも楽しめました。エッセイを書く理由や意味が最後に綴られていて、素敵だなと思いました。
Posted by ブクログ
今回は特に亡くなったお父さんへの愛を感じた。
突然の悲しみに出くわした時、記憶から思い出をも消してしまうということは、確かにあると思う。
でも、ふとした瞬間にその記憶が蘇って…
切なく懐かしい気持ちがこちらまで伝わってきた。
日々の困りごとや自分の不甲斐なさとかを、笑いに変えてエッセイにしてしまう岸田奈美さん。
いつものように泣き笑いになりながら、元気をもらった。
Posted by ブクログ
ドラマ以上にドラマなエッセイ。文章力なのか、物語を呼ぶ人間性なのか、人生って物語の連続なんだとしみじみ。神戸在住の関西人なので、特に親近感が生まれます。
Posted by ブクログ
奈美さんの「大切なものを愛するがゆえに、そうでないものは途中でやめてしまう」という内容に感銘しました。
職場で浮かない無難な服ばかり買い集めていましたが
好きな服を買い足したら
クローゼットを見るたびに幸せな気持ちになりました
私が大切にしたい、愛するものを集めていく
そんな人生にしたいと思います。
「なかなか人に勧められない本を、この人になら、と渡せる」
そんな人と出会うことは、稀です。
奇跡です。
だからこそ、そんな人との出会い、繋がりを大切にすることも愛するものが増えていくことなのだと思いました。
Posted by ブクログ
作者の家族との思い出を面白可笑しく、時に愛しく書いてあって思わず笑ってしまいます。
引っ越しの話もそんなことある?の連続でてんわやんわ感がとても楽しいです。
作者はわたしより10歳も下ですが、こんなお茶目で愛情あふれる友達欲しいなぁ。
作中に出てきたシェイプアップ乱も思わず読んでしまいました(笑)
Posted by ブクログ
色んな気持ちや事柄の表現の仕方、言葉のチョイスがとても好き。
声を出して笑ったり、ほろっと目が潤んだりして私は岸田さんと岸田家のファンになった。
中でも何でも全身で受け取る才能があるお母さんがチャーミングで素敵。
他の著作も是非読みたいと思う。
Posted by ブクログ
「愛したのは家族〜」を読んで、岸田さんのファンになり、2冊目を購入。今回は号泣はありませんでしたが、やはり彼女の言葉はいつも大事なことに気づかせてくれる。自分が見つけた素晴らしいというものを、好きな人にシェアして分かち合うことが、自分の喜びにつながるんだよね。
未来を明るく生きるために、未来のことを考えない、病気を持っている人たちはそんな選択をするんだとらいう気づき。
「家や人を失った傷は、他人が優しく寄り添うことはできても、1ミリの誤差もなく共感することはできないと思う。」
そうだね、全く同じ気持ちにはなれない。でも一緒に悲しむことはできる。気持ちがわかる、なんて軽々しくは言えないけど、見て見ぬふりも出来ない。
「すすめずらい本をすすめたいと思う関係性こそが、わたしが、喉から手がでるほど欲していた他人との絆ではないか。共感されなくたっていい。読まれなくたっていい。ただ、その人の本棚ぬあるというだけで、心の占有面積のどこか片隅にあるというだけで。」
この一文もよく分かる。欲張りなことは言わない。でも、ほんのちょっとでも、自分の感動をあなたと分け合えたら最高に幸せだし、そんな本もらったな、という記憶が残ったならに十分だと思うことが最近の自分にもありました。
母には受け取る才能がある。父には、差し出す才能がある。これもいい、表現だ。人の長所を見つける才能が彼女にはあると思う。
そんな自分自身のことが嫌いだと、最後に告白している。嘘をついていたことも。とても正直な人だと思う。自分を好きになりたいから書く。みんな誰しも、自分を好きになりなりたくてあがく時があるのかも。私もせめて、自分が好きな自分でありたいと日々思っている。
2冊目を読み終わって、やっぱり他人とは思えない感覚があるのだけれど、きっと多くの読者が同じように彼女に親近感を覚え、応援したくなっちゃうんだろうな。
Posted by ブクログ
岸田ファンの友人からのプレゼント。
今回2冊目
笑って泣いて
泣いて笑って
過去のシーンの振り返り
その土地土地の思い出を書いているけど
1番好きだったのは
遺書が化けて出た
ドキドキと笑いと
snsのあるある
相変わらず、表現力楽しすぎ
Posted by ブクログ
岸田さんのエッセイ、ほんまにすき。言葉や言い回しがめっちゃすきで、スッと入ってくる感じ。
重い内容も絶妙なユーモアセンスでしんどくなく読める。才能ってすごい。
Posted by ブクログ
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった +かきたし』で、すっかりファンになった岸田奈美さん。
本作も良かった。
1991年生まれ、まだ32歳の若さで、途轍もなく辛い経験をされて来た奈美さんから紡がれる言葉は、真摯で温かく時に切ない。
お父様を13歳の時に亡くし、車椅子のお母様と、ダウン症の弟さんとの暮らしが大変な事は想像に難くない。
けれどそこに悲壮感はなく、苦しみさえ笑いに変える奈美さんから元気を貰える。
ひとつひとつのエピソードに笑いと涙と愛がある。
人間力が高い彼女を素直に見習いたいと思える一冊。
Posted by ブクログ
著者の文章は、ネット上ではよく目にしてきたが、書籍でまとめて読んだのは初めて。
場所に紐づけて書かれているが、住んでる地域の近さもあってか、岸田家の面々が生きてきた場所や環境が具体的に想像できる話も多く、すれ違っていたかもしれない家族の物語として沁みるものがあった。
Posted by ブクログ
今までとは違う感触の、岸田さんの本です。
より深みを感じるエッセイでした。
無力感のお話
祈りについてのお話
本を勧めるということのお話
が特に印象に残りました。
誰にでもは勧められないけれど、「この人に」はあるな、と思いました。岸田さんとヤンデル先生のエピソードを読み、本好きの友人と久しぶりに会いたくなりました。
Posted by ブクログ
軽やかな文体でクスリと笑える描写の中に一抹の寂しさや寄る辺なさを感じて、今作はより深みを増していたような。欠けたピースを取り戻していく過程を見せてもらいながら、読んでいる自分の感情もそっと撫でて整えてもらった気がします。
Posted by ブクログ
今まで読んだ岸田さんのエッセイの中で一番読むのに時間がかかった。つまりあんまり面白くなかった。過去の記憶に想像を付け足すのは願望。ああ言ってほしかった、笑ってほしかった。そういうの、私にもあるなあ…
Posted by ブクログ
Xのポストやnoteをいつも楽しく拝見していたけれど、一冊の本として読んでみるとテンポよく面白い文章のそこに、書くことの苦しみや悩みが垣間見れて、哀しみや葛藤が伝わってくる。
壊れないように、どうか休み休み書き続けてほしい。
Posted by ブクログ
文章の言い回しの面白さもあるんだけど、壮絶な人生やエピソードをこれだけ捉え方を変えながら表現できる岸田奈美さんの生き方がとにかくカッコ良すぎます。
Posted by ブクログ
今までのエッセイよりは少し落ち着いた感じというか年齢を重ねてきたことが感じられる。
今までは若さゆえの面白さや家族との寄り添い方などに一緒に泣き笑いをしてきたが、次のステージに入ったような少し違った印象もある。
次作でどう変わるか、とりあえず読んでみたい。
Posted by ブクログ
人間って我儘なもので、一作目があまりに面白かったので、この作品は感動が薄かった。
お腹いっぱい感が否めない。
もちろん面白かったのだけれど…。
岸田さんの性格って掴みきれない。両極端な個性がギューッと詰まっている。
○○○みたいな…の○○○がとても的をいていて笑える。言葉に対する感性が半端ない。苦労を笑いに変えてしまうような文章がすばらしい!