あらすじ
作家・岸田奈美の新たな代表作。
著名人からも絶賛&感動の声続々!
笑えて、泣けて、救われる。
新時代の書き手が綴る、心を揺さぶる傑作エッセイ。
「大好き」を言葉にし続けることが、
こんなに笑えて泣けるなんて。 ――藤崎彩織
笑いと悲しみは同じところにあって、希望と絶望も同じ場所から生まれる。
それを軽やかに教えてくれる、処方箋みたいな本だ。
しかもとびきり笑えるんですよ。 ――佐久間宣行
腰を下ろした、彼女の目線。優しさと逞しさ。そして、ユーモア。
今、世界に足りていないこれらに満ち溢れた、最高峰のエッセイ。
岸田奈美は、運命に愛されている。 ――リリー・フランキー
わたしがしなければならなかったのは、わたしを好きになることではなかった。
嫌いなわたしの中にしか起き得ない感情を、わたしの中にしか生まれない言葉で、書くことだった。
どんなにつらくても。難しくても。時間がかかっても。飽きても。褒められなくても。
ようやくたどり着けたここから先に、たぶん、愛がある。
本作は小説誌『小説現代』で連載をしていた「飽きっぽいから、愛っぽい」を書籍化に際して、加筆修正したものです。
【電子特典】
noteの有料購読マガジン「キナリ★マガジン」で発表したショートエッセイ「たまたき」を電子書籍特典として収録。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
作者の文章が面白く、笑ってしまうところもあり、お父様の話のところは涙したり、章によっては共感して何度も読み返したり…感情が忙しく動かされる作品だと感じました。
読んでいる中で、自分の感情や過去の記憶と向き合うことが多かったので、時間をおいてから、また読み直したいと思います。
Posted by ブクログ
「愛したのは家族〜」を読んで、岸田さんのファンになり、2冊目を購入。今回は号泣はありませんでしたが、やはり彼女の言葉はいつも大事なことに気づかせてくれる。自分が見つけた素晴らしいというものを、好きな人にシェアして分かち合うことが、自分の喜びにつながるんだよね。
未来を明るく生きるために、未来のことを考えない、病気を持っている人たちはそんな選択をするんだとらいう気づき。
「家や人を失った傷は、他人が優しく寄り添うことはできても、1ミリの誤差もなく共感することはできないと思う。」
そうだね、全く同じ気持ちにはなれない。でも一緒に悲しむことはできる。気持ちがわかる、なんて軽々しくは言えないけど、見て見ぬふりも出来ない。
「すすめずらい本をすすめたいと思う関係性こそが、わたしが、喉から手がでるほど欲していた他人との絆ではないか。共感されなくたっていい。読まれなくたっていい。ただ、その人の本棚ぬあるというだけで、心の占有面積のどこか片隅にあるというだけで。」
この一文もよく分かる。欲張りなことは言わない。でも、ほんのちょっとでも、自分の感動をあなたと分け合えたら最高に幸せだし、そんな本もらったな、という記憶が残ったならに十分だと思うことが最近の自分にもありました。
母には受け取る才能がある。父には、差し出す才能がある。これもいい、表現だ。人の長所を見つける才能が彼女にはあると思う。
そんな自分自身のことが嫌いだと、最後に告白している。嘘をついていたことも。とても正直な人だと思う。自分を好きになりたいから書く。みんな誰しも、自分を好きになりなりたくてあがく時があるのかも。私もせめて、自分が好きな自分でありたいと日々思っている。
2冊目を読み終わって、やっぱり他人とは思えない感覚があるのだけれど、きっと多くの読者が同じように彼女に親近感を覚え、応援したくなっちゃうんだろうな。