宇佐見りんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分には、命を、生活を、捧げる推しはいない。これまで熱心に推しを追いかける友人の気持ちがあまり分からなかった。
だけど、この本を読んで、少しだけ推す側の心情を分かった気がした。同時に推しが出来ることに怖さも感じてしまった。
描写が非常に細やかであり、同時にぞっとした気持ち悪さも感じた。見えるものが、気になるものが多すぎる主人公の特性に映し出しているようだった。
後半にかけてその主人公の生きづらさと、推しの存在がどのように彼女のことを救っていたのか、背景や想いが押し寄せてくる。
最後のシーンの描写は非常に苦しい。彼女はこれからどう生きていくのだろうかと不安になる。
依存先が集中するほど孤独 -
Posted by ブクログ
衝撃でした。
主人公のうーちゃんは、自身のかか(母)が心を病んでいる事で悩んでいる浪人生。
かかは、とと(かかにとっての夫)が不倫をして別れてから心を病むようになり、暴れたり、泣いたりして家族を困らせる。
うーちゃんがかかに対して抱いている感情はとても複雑。単行本にして100以上のページ数をもってしてようやく、うーちゃんの感情を描き切れる。
言葉にすることで、この感情に名前をつけたくない。この作品を一言で言い表したくない。というかできない。
けれど思い切って一言で。すごく誤解されそうな言い方をすることになるけど、「本当の愛ってこういうことだよな」って思った、かな。美しくて、見世物として -
購入済み
読むのに気力のいる本だった
息子が中学にあがり、性教育を考えると男性視点の情報では難しいと思う事が多々ある
SNSでこの本のことが流れてきて書評を見た時、長男の女性に対する理解に何かしら寄与するかと思い、つい反射的に購入した。
男より女性の生き方はある意味で難しいが、性を持ち出すと安易に楽な選択を選ぶこともできる。
でも、それを選ぶと多くの場合、後でツケがまわる。だから、安売りするな、という言葉を親の世代は言う。
でも、若い世代が持て余す感情は大人の説教なんて聞き入れない。で、大人になって、同じように若い世代に言う。
そこに使える武器があってもそれを使わないって難しいこと。男が腕力で相手を従わせる選択をなかなか選べない -
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Posted by ブクログ
「うーちゃんはね、かかを産みたかった。かかをにんしんしたかったんよ」
19歳 女 うーちゃんは苦しみ傷ついていた。かかがはっきょうして自傷行為に走るたび、うーちゃんもまた同じ箇所に痛みを覚える。かかが変わったのは自らのせいだと考えるうーちゃんはかかを産み直すための旅に出る———
「かか弁」溢れる、標準語とも異なった文体で描かれる本作は、私たちにどこか馴染みやすい雰囲気を感じさせる。都に出てきてからというもの、多少の言葉遣いの違いに引っかかりを覚えるようになったが、久々に帰ってきた地元ではなんの後ろめたさもなく、なすままに会話を楽しめる。そんな雰囲気。だけど、本書にはそんな柔らかい言葉遣いには