宇佐見りんのレビュー一覧
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『推し、燃ゆ』は、推しを生きる支えとすることの危うさを、一人の少女の日常を通して描いた作品である。
主人公は、日常生活に適応することの困難を抱えながら、推しを追う行為に多くの時間と金銭を費やしていく。本作が描いているのは、単に趣味へ没頭する姿ではない。現実を十分に受け止めきれない人間が、他者に生きる意味を託し、その存在によって、かろうじて自己を維持しようとする過程である。
私はこれまで、推し活には、自分自身の力では得にくい達成感や自己肯定感を、応援や消費を通して補完しようとする側面があるのではないかと考えていた。主人公の姿には、そうした見方と重なる部分がある。推しに対する愛情は確かなもの -
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以前姉がこういう静けさで勉強に打ち込んでいた瞬間があったなと思った。全身全霊で打ち込めることが、あたしにもあるという事実を推しが教えてくれた。
やめてくれ、あたしから背骨を、奪わないでくれ。推しがいなくなったらあたしは本当に、生きていけなくなる。あたしはあたしをあたしだと認められなくなる。
現代人の多くは、この糸の切れた風のような浮遊の中で無意識的に、自分を世界に、自分を日常に、自分を生に結びつけてくれるものを求め、推しを推しているのではないだろうか。コロナ禍で推しを持つ人が増えたのも、社会はいとも簡単に機能不全となる、死ぬ時は一人である、という事実がわかりやすく提示されたという理由からか -
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芥川賞受賞作ということで読んでみました。これこそ現代の若手作家にしか書けないようなとても近代的な物語だと思います。
読んでいてずっと主人公のあけみの考え方や生き方が自分としては納得感が無く、読みながらどうしてそう思ってしまうのだろう、なぜこうしないのだろうととても疑問に思ってしまいました。
中々個人的には理解の難しい人物像で、それはそれで面白く、こういう人もいるのだなあと1つ発見と学びにもなりました。
ただ一方で、推しに限らず、自分の中で生きる背骨となるもの、生きていくエネルギーを生み出し人生の中での大きな心の拠り所となるものを持っていることが如何に人生において救いとなるかをまざまざと見させら -
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性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。
「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。
面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「推し、燃ゆ」のじわじわしみて来る文体に押されて、デビュー作を読んでみた。 10代で書かれたという驚異の新文学。
世代の違いをまざまざと感じながら、それでもなにか身に迫ってくる娘(うーちゃん)と狂っていく母親(かか)との切り離せない愛情の物語と思えば、世代を超えた心情がよくわかってくる。
「かか」の手術前日に家を出て熊野に詣でる旅に出る。冒頭近く
かかはとある手術を翌日に控えていました。旅の出発日は入院日でもありました。それを放り出して旅を計画したうーちゃんをおまいは決してなじることはありませんでしたが、なんでそいなタイミングでうーちゃんがひとり旅立ってしまったかおまいにはよく把握できていな -
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ネタバレ表現豊か!!!!すごい。99年生まれの作者と知って驚愕したけど若いから表現が生き生きしてるのか?思い返すとそんな気がした
主人公かんこの脳内葛藤をそのまま書き散らしたようでもある。なんか考え事してると自分でもよくわかってない境地に行ってたりするし
兎に角かんこはつらい、ヤングケアラーの一つの形か。父も母もかんこがいなくなったらどうなってしまうんだろ。残されたかんこ。可哀想だけどかんこ自身は可哀想って思われたくもないんだろうね
結局なあなあになってしまう怒りの矛先
被害者と加害者の記憶のギャップ、被害者は延々と尾を引いて。やった側はそんなことあった?レベルなことも。
自立している人が多数 -
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Posted by ブクログ
女性作家の自身の身体にまつわるエッセイ集。特に30,40代の今人気の作家さんたちだけを集めたというのが面白い。自身の身長について書かれている方もいたが、自ずと性にまつわる話が多かった。
個人的に感動したのは村田沙耶香さんと能町みね子さん。こちらの感想で、女性なのに自慰について書かれている方が多くて引いた、という感想が少なくないのは正直ちょっと残念だなと思った。村田沙耶香さんは幼少期から行っていた自慰について、いやらしいものという周囲との認識の差に未だに慣れない、ということを書かれていたのだが、子供の頃の自分の王国という表現でその感覚について本当に美しい描写をされており、涙が出そうなほど感動し