宇佐見りんのレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

    Posted by ブクログ

    様々な『自分の』性との向き合い方について書かれている。メタ的な性との向き合い方でないのは、女性の作家たちだからだと思う。
    女性も誰かの性を搾取することもあるだろうが、しかし圧倒的に搾取される側であり、自分の生命と性とが紙一重に近い存在だと思い知る。
    アンソロジーの最初の島本理生さんの作品が個人的ににとても響いた。
    なぜ自分の性と向き合うだけで傷ついてしまうのか。男性も同じなのだろうか。傷ついたことを思い出さないで自分の性について語れる人間がいるならば、どんな人生なのか知りたいと思う。

    0
    2025年09月20日
  • かか

    Posted by ブクログ

    純文学を読んでいるなあと思いつつ読んだ。かかとうーちゃんの不可分な共依存関係、信仰、孤独が、「かか弁」で語られることによって、その息苦しさや温度まで伝わってくる。

    0
    2025年09月15日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    ページをめくるのが辛く、これ以上は知りたくないと思いながら読んだ。読後にとんでもない疲労感はあるが素晴らしい作品。

    0
    2025年09月06日
  • かか

    Posted by ブクログ

    地獄のような親子関係。愛とケア。
    怖い自然の中にあって、かかはずっと一人相撲をしている。しかし信仰とは途方もない一人相撲ではなかったか。神の怒りや恩寵を探し求める。
    その中にTwitterでの小さな嘘が混ざる。

    0
    2025年09月03日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    かんこや私みたいな人は結局自分で解決して落とし込むしかないのだと思った。家族みんなで遊園地で楽しく遊んでいた頃に戻りたいと願い、今からでも同じ思い出を繰り返そうとする母の気持ちが切なかった。家族から距離を置いて自分の生活スタイルを築いている兄や弟とは違い、かんこは家族から逃げようとせず一緒に地獄を生きようとしている。誰かを加害者にすることで終わりたくないという気持ちが家族愛に満ちていると思った。車の中という狭くて逃げられない空間の中で行われる口論がリアルで、あれほど喧嘩したのに時が経てば曖昧に流れていく様も既視感ありすぎた。

    0
    2025年08月17日
  • かか

    Posted by ブクログ

    母と娘の特殊な結び付きが痛々しくて切なかった。
    パッと分かりやすい不幸でないと不幸と認めてもらえないこと、行き詰まった心の吐き出し先がない苦しさなど、読みながら胸が痛くなった。
    小さな子供にとっては誰でも母は信仰の対象だ。例え子供っぽくて、父から捨てられ、鬱で半狂乱になる母でも、その信仰を子供は捨てることができない。特に娘にとっては同性である女であることが呪いのようにもなってしまう。
    ラストの後、信仰の対象がなくなったことがどうか良い方に転んでほしいと思った。

    また、身内でありながら第三者ポジションの「おまい」への語り口調が家族間の関係性を浮き彫りにさせていて、より主人公の孤独感が際立ってい

    0
    2025年08月11日
  • 私の身体を生きる

    Posted by ブクログ

    女性作家、芸術家たちの生と性、身体をテーマにしたエッセイ集
    自分も漠然と感じてた「女性であること」への違和感、敵対心、恐怖、いろんな言い尽くせない気持ちをそれぞれの人が言語化してくれるよう
    現代日本で高らかに女性讃歌を謳うのは難しいことを痛感する
    それでも次代はと願いたい

    0
    2025年08月10日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    この方は、人の醜い部分のリアリティが読んでいて苦しくなるほど鮮明だと毎回思ってしまう 醜いけれども愛おしくも思えるような人々というか
    醜い部分を抱えて必死にお互いを支えながら生きて、やがて克服ではなく受け入れるという、ある一種の解放へ向けて、前進する

    0
    2025年08月01日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    声にならない痛みを全身で叫んでいるような作品だった。
    なんでもないかのように振る舞う主人公につられて、そういうものかと読み進めていったら、家族はとうに崩壊していることが徐々に明らかになってくる。
    父と母と娘、もはや自分たちだけではどうにもできない状態なのだが、主人公は当事者であるため冷静に考えることができていない。それは無理もないことで、親への愛情も愛着もあるだろう。たとえそれが最善だと言われても、両親を置いて離れることに苦痛を感じているようなのが、また悲しかった。
    家族間の長年かけて築いてきた空気感が見事に表現されていて、ほんとうに苦しかった。死は思ったよりもすぐそばにあるが、今この瞬間は平

    0
    2025年05月02日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    辛い時に自分をものだと思うとか、痛いほど共感できる。こんなものを書きたい。自分に足りないものを一々考えさせられる。自然、光の描写が多い。

    確かに、「自分は自分で守れ」は、見捨てられる側にとっても残酷な言葉。

    母の病気がきっかけと言っても、それは母のせいでないから父が悪いと。弟に「だからいじめられるんだ」、かんこの鬱を責めるのはひどい。でも作中にあった通り、それは祖母のせいであり、それも遡れば原因はあり、それ以外にもきっと原因はある。
    「なんで生きてきちゃったんだろうな」

    車で住むようになって学校に行けるようになったのは両親と離れたからだと思う。それでも兄弟の中で1番見放さないかんこは偉い

    0
    2025年04月23日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「あのひとたちはわたしの、親であり子どもなのだ、ずっとそばにいるうちにいつからかこんがらがって、ねじれてしまった。まだ、みんな、助けを求めている。相手が大人かどうかは関係がなかった。」
    繰り返される地獄の渦中で育った一人として、溢れる涙を止められなかった。ここまであの地獄とその中の愛を言語化している小説には今まで出会ったことがなかった。

    0
    2025年02月05日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    しばらく読みづらかったけど、半分過ぎたあたりから入り込んで読んだ。
    「機能不全家庭」「ヤングケアラー」という言葉が頭に浮かんだ。
    こんなにも娘に愛されているのに、この父親ときたら自分の傷にしか目がいかない。可哀想な生い立ちだったとは思う。結局、受けた傷や空虚感や渇きはその人の中に残り続け、貰えなかった愛情を死ぬまで欲しがるようになってしまうんだろうか。私は自分を省みても、自分の親のことを考えても、そう思ってしまうのだ。

    かんこは最後、車で寝泊まりする事によって両親から物理的に少し距離を置けた。それによって見なくていいもの聞かなくていいものをある程度避ける事が出来るようになり、自分の生活に集中

    0
    2024年11月05日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    キター!宇佐美りん節炸裂ー!
    わたしのHPが持ちません!

    この作者の小さな刃で深く抉って、いつまでも疼いて痛む傷つけ方を知っている恐ろしさたるやなんなのだろうか。(めちゃくちゃ惚れ惚れしているという意味です!)
    宇佐美さんの言葉ひとつひとつを飲み込みながら、言葉は、本当に人を傷つけることができる、と思うのです。(そしてそれを正しく使われ、表現を浴びた今、畏怖と多幸感でいっぱいです!)

    本作は世代間連鎖のお話です。
    主人公は自分の受ける痛みと、その家族が受け続けてきた痛みをも背負い込もうとしてしまう、愛情深い女の子、かんこ。
    自分だけが楽になることは火事場で子供を手放せと言われているのと同等

    0
    2024年07月10日
  • 推し、燃ゆ

    購入済み

    正直、主人公が僅かに羨ましい

     アルコールやギャンブルと同じように推し活も、病気として治療が必要な依存症の域に達することがある。主人公は推し依存症であるが、何かに沼ることで憂き世を忘れて生きる活力を得て、そこで歯止めが効かなくなることは誰しもあり得る。
     さて、五十路の自分はつまらない人生を歩み、今はマッサージ屋で肩をほぐしてもらうこと、TRPGのニコニコ動画を観ること、ラジオで問わず語りの神田伯山を聴くことを、ささやかな楽しみに生をつないでいる。推し活に燃えたひとときに一片の悔いも残していない若い主人公が、僅かに羨ましい。

    #切ない

    0
    2023年09月22日
  • 推し、燃ゆ

    ネタバレ

    アイドルも、おたくも必読な本

    推しが存在したことも燃えたこともある身からすると、主人公の思いも行動もリアルで心抉れました。 推し活とは推しに自分を重ね託すことで、どうしようもない自分の生活が救われ、承認欲求が満たされる行為です。誰かのために生きるという観点からすると、子供や親や恋人のために仕事・生活を頑張ることと同義です。主人公の行き過ぎた推しへの想いや熱度を私は愛しいと感じました。
    そして、自分の全てをかけ生きる糧としたファンがいたことが上野真幸にも伝わっていればいいとも思ってしまいました。
    誰かを推したこと、推されたことがある全ての人に読んでほしい作品です。
    生きていく意味を失ったあかりが次の生きる糧を見つけられるこ

    #切ない

    0
    2023年09月03日
  • くるまの娘

    Posted by ブクログ

    おそらく『推し、燃ゆ』が何十万部売れようと、この人には関係ないんだろうなというのが、まず読み終えた第一印象であり、23歳という若さに似合わぬ、その堂々とした佇まいから放たれる、大胆にして理知的でありながらも、平和そうに見える現実の奥底に深く沈み込んでいる絶望的な闇を、その客観的視点で見つけ出し、なんとかしようと孤軍奮闘している。そんな印象を私に与えてくれた本書は間違いなく衝撃作だと思う。

    本書で扱っている問題は、いわゆる家庭内暴力が当然のように繰り返される、どうしようもない家族の在り方であり、普段は人が好くても時折子供のようにカッとなる父親と、脳梗塞の後遺症を引き摺る不安定な母親と共に暮らす

    0
    2024年11月08日
  • 推し、燃ゆ

    Posted by ブクログ

    小さいときから日常生活をうまく過ごせないあかりは推しがいることでなんとか生きられている状態。その推しがファンを殴って炎上、解散することになり、ラストライブを迎えた。あかりはその自分を支えていた『背骨』が無くなることで受ける衝撃の大きさを徐々に実感する。読んでいて、バイトも勉強もうまくいかないあかりに若干のイライラはもってしまった。推しがいる人生は楽しい、でも、それが失われた時の絶望、そしてそれを人生の軸としてしまっていた人には絶望の大きさに人生そのものが脅かされることにもなりかねない。推しは大切だけど、自分の人生も大切。

    0
    2026年09月19日
  • 推し、燃ゆ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    内容は今どきだなと思ったけれど、描写がとても美しくて良いな、と思って読んでいたら後書きで純文学と書かれていて納得。純文学というと堅苦しくて古めかしいイメージだったけれど、こういう本もあるのかと思った。

    あかりの何をやってもいまいち上手くできない、
    上手に生きられない描写が生々しくて、自分と重なって苦しかった。それを見つめるお姉ちゃんの「頑張ってるって言わないで。責めないで」の気持ちもすごく理解できて、読んでてしんどかった。自分はすごく苦しんでるのに大して努力してないように見える人が「頑張ってる」と言ってて苦しい気持ちを「責めないで」という言葉に集約させた作者さんの表現力がすごいと思った。

    0
    2026年09月17日
  • 推し、燃ゆ

    Posted by ブクログ

    アイドルを推す女子高生の姿を描いた物語。
    自分の生活がままならない中で、推しの状況も変わってゆき、それでも生きていく。
    現代らしい部分はあるが、あくまで人を支えるものみたいな普遍的なテーマに対峙している気がしてよかった。

    あとがきに「この作品の作風は著者にとって異質なもの」みたいなことが書かれてあったが、他の作品も読んでみたくなった。

    0
    2026年09月17日
  • 推し、燃ゆ

    Posted by ブクログ

    推しという概念がある人には是非読んでもらいたい本。
    いま推している推しはもう8年ぐらい応援しているけど、明日は我が身だな。と思う内容だった。 身体が壊れないように、適度に楽しく推していこうね。
    自分が笑顔じゃないと推しを笑顔にできないよ!

    0
    2026年09月12日