宇佐見りんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「推し」がいない私にとって、本作は当初「違う人種の話」に見えた。
「推し」がいたことがなく、今後もいないであろう自分にとって、推しに全てを注ぐ主人公は真逆だったから。
けれど、その距離感はすぐに消えた。
主人公の「なぜか普通に上手くできない苦しさ」や、それを周囲に理解されず怠惰なだけに見えてしまう歯痒さが、痛いほど分かったから。
マナー良く推しを解釈し続ける彼女にとって、推しは単なる趣味ではなく、バラバラな心身を支える「背骨」であり、生存戦略。
私にとっての読書やその他の趣味がそうであるように。
だからこそ、ラストで彼女が這いつくばりながら綿棒を拾う姿が刺さる。
綺麗に生きられなくても、 -
Posted by ブクログ
インザメガチャーチの後に読んだけど、
アイドルファンとして描く対象が共通して弱者とされる人なのが微妙だった。
『何もしないでいることが何かをするよりつらいということが、あるのだと思う。』
というのが全てだと思う。
何者にもなれず、何かをしている人にもなれない人にとって、アイドルを追いかけるというのは手っ取り早く何かをしている人になれる方法だ。
ただ、追いかけられる方が変化していっても、自分が全く成長していないことに、ふと気づいて焦る。
これは割と多くの人に当てはまるテーマだと思う(教育熱心ママとか、定年後に家庭に居場所がなくなった父とか)。
ただ、この本を読んだアイドルを全然知らない人からす -
Posted by ブクログ
1999年生まれで、2020年『かか』で三島由紀夫賞最年少受賞、2021年『推し燃ゆ』で芥川賞受賞。
「くるまの娘」は、2022年第44回野間文芸新人賞候補、第39回織田作之助賞候補。
年々歳をとり 読んでいる作家さんが軒並み歳下になっていく現実。そして、時折出現する最年少受賞者というフレーズ。迂闊にもその年齢に衝撃を受けたりする。
宇佐美さんもそんなひとり。『推し燃ゆ』では、まだ少し疑ってました。早すぎないかしら、潰れないかしらと。
けれど、その後の『くるまの娘』で思います。
依存は推しへの依存から、家族への依存へと軸をずらし、さらに“共依存”の相貌へと。特殊な家庭を書いていそうで、そ -
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リレーエッセイ方式で17人の書き手が
『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。
想像していた感じと、かなり違っていた。
同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。
女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・
トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。
色