宇佐見りんのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
朝井リョウ氏の「イン・ザ・メガチャーチ」が面白かったので、同じ「推し」が題材の本作も読んで見ました。
勉強もあまりできず、家庭でも怠け者扱い。生きる希望や価値を見出せず、唯一の生きる目的が推しを推すこと。
その時だけ生きている。
そんな主人公の高校生あかりの推しが、ファンを殴ってしまった、というところから物語が始まる。
思春期の子供から大人になる時期の迷い、悩み、葛藤を描いた小説で、現代の社会では「推し」という題材だったという事で、推しという文化を描いた「イン・ザ・メガチャーチ」とはそこが異なりました。
高校生のあかりが、推し活を自分の背骨と表現しているが、誰もが生きるよりどころなり -
Posted by ブクログ
ネタバレ◾️record memo
うーちゃんには昔から自分のなかにだけ通じる不文律があって、そいは法律や世間にある倫理観なんかとはぜんぜんべつの規則性をもって自分自身を支配しています。
おまいもよおく把握していることでしょうが、かかがはっきょうし始めたかんです。ととの浮気を引きずり続けていたんか、そいとももっと別の要因か、はっきししたことは誰にも言えんけどとんかくかかは何か根深いものに苦しめられ壊れていったんです。
はっきょうは「発狂」と書きますがあれは突然はじまるんではありません、壊れた船底に海水が広がり始めてごくゆっくりと沈んでいくように、壊れた心の底から昼寝から目覚めたときの薄ぐらい夕暮 -
Posted by ブクログ
第164回芥川賞受賞作であり、2021年の本屋大賞ノミネート作でもある本作品。読み始める前からずいぶんハードルや期待値を上げられてしまってたいへんだろうなぁ、と思いながら手に取りました。
帯にもあるとおり、高校生のあかりが推すアイドルグループまざま座の上野真幸がファンを殴って炎上してしまいます。その真幸と世間との戦いのあいだで、主人公の推しへの揺るぎない内面を描く話です。
文体は、内面をうまく言語化できない主人公のポップな言葉でふわっと綴られているので賛否はあるかと思いますが、現代の一人の若者を表す作品として、私はこのチャンネルに合わせるのは苦労しましたが、とても新鮮で、なにか新しいものを -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の勝手な理解です。
推される対象であるアイドル真幸と、推し活に励むあかり、二人は合わせ鏡の表裏。
二人とも、子供から大人になりきれないモラトリアムを過ごしていた。真幸はアイドルをすることで、あかりは推し活をすることで。真幸が最初に演じたのがピーターパンであることは、これを暗示している。
しかし、真幸は結婚相手と出会い、家族を形成することになったのを機に、大人にならざるをえなくなる。ファンを殴ったのは、アイドルから大人に脱皮するための行為。
一方、あかりは、真幸の引退を機に、そして、家族を出ることになり、大人にならざるを得なくなる。綿棒を投げつけた行為こそ、真幸のファン殴打と同様に、大人への -
Posted by ブクログ
話題になっていたときからずっと楽天のカートに入れていたのをやっとaudibleで聞きました。
audibleの朗読は玉城ティナ。
タイトルや表紙から華やかなアップダウンのある話だと勝手にイメージしていたけど、読んでみるとテンションがあまり変わらず淡々としていて、重ため。
情景描写が繊細で、ことばの使いかたが良かった。
主人公にはあんまり共感はできなかったけど、親側の気持ちになって、子供がこんなふうだったらどうする?と想像してみたりはした。
学生の頃とか、若いときに読んだらハマるのかなぁ…?
追伸。
文庫版で、audibleには無かった作者のあとがきを読んでみたら、どうしてこのような文章な -
Posted by ブクログ
「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。
「トイレとハムレット」宇佐見りん
面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。
「私の三分の一なる軛」児玉雨子
生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深 -
Posted by ブクログ
身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。 -
Posted by ブクログ
どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうした
-
-
Posted by ブクログ
高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく