青崎有吾のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
5編からなる短編集。様々な状況の密室で居合わせた高校生達が、互いの言動の裏を読み、小さな謎をめぐって静かに思考をめぐらせる。謎解きと青春ドラマが交差する、ささやかな密室ミステリー。
特に表題作の「早朝始発の殺風景」が好みでした。
始発列車に乗り合わせた男女の高校生が、互いに始発に乗った理由を探り合う。会話は穏やかながらもどこかスリリングで、手がかりを敢えて悟らせるといった、高度な心理戦が繰り広げられる。そのやり取りは、まるで言葉によるチェスのよう。微笑ましくも緊張感が同居し、この世界へと引きこまれました。
本作の真骨頂は、“謎解き”が単なる知的遊戯に留まらず、ドラマに結びついている点にあり -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
楠谷 佑「パブリック・スクールの怪事件」…ホームズ&ワトソン
ガイド第1回 ミステリのおもしろさ。
辻 真先「アルセーヌ・ルパンのお引っ越し」
ガイド第2回 名探偵とは誰でしょう?
斜線堂 有紀「キャロル・ハートネル大いに憤慨す」…ポアロ
ガイド第3回 トリックとは何か?
水生 大海「一つの石で二羽の鳥を殺す―To kill two birds with one stone.」…ミス・マープル
ガイド第4回 推理とは何か?
青崎 有吾「シチリアオレンジジュースの謎」…エラリイ・クイーン
ガイド第5回 どんでん返しとはなんでしょうか。
阿津川 辰海「オムレツは知っていた」…ネロ・ウ -
-
Posted by ブクログ
アンデッドガール・マーダーファルス(4巻)
暫く仕事と、メジャーリーグに忙しく
全く本を読めなかった。。。反省
3巻の続きかと思いきや
エピソード0の短編集という
むしろ、この4巻から読んでもいいぐらい
生い立ちにフォーカスされており、面白かった
鴉夜、静句、津軽の超絶悲惨な体験が生々しく
だから、の心強さの表れを感じることができま
した
3巻の続きを期待して読んでしまったので
(勝手に次のバトルがあるのかと思ってました)
違った意味で楽しめました
★3.4
でも、3巻で絶対終わってない気がするのですが
続きないのかしら、、、アニメや漫画で続いてるとか、、、調べてみるか -
Posted by ブクログ
ネタバレ第4巻では、物語の主軸となるキャラクターのそれぞれの過去編が描かれる。
特に印象的だったのは、のっぺらぼうが登場する一編。被害の規模は小さいながらも、嫌悪感を誘うような雰囲気が日本の妖怪らしくて良い。トリックが「赤毛連盟」へのオマージュとなっている点も面白かった。また、戦闘描写も見どころのひとつ。ムジナの死体を用いた攻防戦では、津軽が血を吸った布団を武器とし、敵が刺さった鎌を利用する。倒した敵の死体を、即座に再利用する戦闘は、このシリーズらしいダークな駆け引きがあって面白かった。
また、過去編で描かれる師弟関係の深さが心に残る。それぞれの師が善き人であったからこそ、その末路に訪れる運命には胸が -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間の村と人狼の村、二つの舞台で起こる連続少女殺人事件を軸に、ミステリと復讐劇が鮮やかに絡み合う。
本巻の核となるのは犯人・ユッテの行動と動機。人間にも人狼にも迫害された母の復讐。その上で、人狼村の少女を救うという矛盾した目的を両立させる為、彼女は人間側で殺害した少女の死体を人狼の村に持ち込み、死んだと見せかけて少女を脱出させる。復讐と救済を同時に成立させるアイデアには驚かされた。
一方、序盤に提示された“金色の狼”の目撃談のせいで、ユッテが両方の村を往復している事が早い段階で推測できてしまう点は、ややミステリとしての解決のカタルシスを弱めてしまった印象もある。ヒントを出さないのもフェアじゃ