Posted by ブクログ
2021年01月06日
風ヶ丘高校新聞部は、取材のため、水族館へ。そこで、サメが職員に食いついている場面を目撃してしまう。状況から他殺だと判断したが、容疑者は11人で、全員のアリバイがある。果たして、犯人は?トリックは?あの探偵が解き明かしていきます。
高校生・裏染天馬の第2作目。今回の舞台は水族館。本格的な推理劇で、シ...続きを読むンプルに無駄なく謎を解明していくので、これぞミステリー小説!を読んでいる感覚がありました。
動機から攻めるのではなく、アリバイや現場の状況から徐々に崩していくので、華麗さが際立っていました。
登場人物は多かったですが、初めの段階で一覧表が提示されているので、何度も振り返りながら読んでいました。
とにかく天馬の推理に脱帽するばかりでした。現場に向かう前に写真や状況だけで、ある程度のことがわかったり、全員の名前も把握していたりと凄過ぎです。
この作品は「読者への挑戦」として、読み手も推理できる作りになっています。なかなか解き明かすことは無理でしたが、正面から読み手側に勝負を挑んでいますので、我こそはという方はぜひ挑戦してみてください。
また、推理劇の他にも天馬の過去にも少々触れています。何故学校に住んでいるのか?詳細は明かされないものの、その辺の部分も興味があり、次回作が気になりました。
ラノベっぽい雰囲気を醸していながらも、本格的なミステリーに仕上がっていて、個人的には好きな志向でした。
エグい描写はありましたが、解決までのプロセスが面白く、続きが気になる構成になっているので、あっという間に読めました。次回作も読んでみたくなりました。