青崎有吾のレビュー一覧
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ネタバレ本格ミステリーにライノベを纏わせた印象。キャラ造形は面白いが、容疑者を集めた後の犯人当て以降が駆け足。動機、犯行を犯した罪、犯人の周辺の者の反応など、少し理解しにくく、エラリークイーンばりではあるが、犯罪の社会的意味を描いて欲しかった。人間はうそをつくが、生き物は嘘をつかない。イルカのために同僚を殺してしまうものなのか。天馬には興味がないらしいが、人間の描くには、やはり必要な気がするが、蛇足だろうか。しかし殴って気絶するか? またそれである必然性が納得いかない。
ストーリーはわかりやすく、展開も手慣れたもので、ファンが多いのも納得。水族館のバックヤードの描写も、入念な取材があった模様。イルカの -
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ネタバレ【収録作品】
序 本格ミステリ作家クラブ会長 麻耶雄嵩
「速水士郎を追いかけて」真門浩平(『ぼくらは回収しない』所収)
「概念探偵」潮谷験
「スティームドラゴンの奇走」霞流一
「縄、綱、ロープ」青崎有吾(『有栖川有栖に捧げる七つの謎』所収)
「放送部には滅ぼせない」坪田侑也
「誰も読めない」白井智之(『もの語る一手』所収)
単行本収録の三作は既読。
鉄道物は苦手なので、「スティームドラゴンの…」は面白さがよく分からない。
「概念探偵」はシリーズ化希望。主人公のメンタルの強さが面白い。そして、まだこの手があったかという驚き。
謎解き場面の絵面を想像するとシュール。
「放送部には…」は素直な学園 -
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ネタバレ裏染天馬シリーズの4作目。
今回も安定の面白さ。
シリーズものは読むごとにキャラの解像度が上がっていくのが楽しくて好き。何気に仙堂のフルネームが初公開されて個人的にアガった。みんなで仙堂のお見舞いにいくのもなんだか微笑ましい。
事件の方もちゃんと面白い。毎度のことだけど裏染の推理によって分からなかった事件の真相が一気に紐解かれていく感じが気持ちいい。頭の中の?がスーッと解消されるのがたまらない。
あとは数学のテストで八橋が天馬に仕返しをしようとしたシーンが個人的に好き。天馬が八橋の立てた計画を全て読み切って逆にやり返すのが痛快だった。八橋は体育館の殺人から回を増すごとにどんどん残念な子になって -
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「小説すばる」掲載短編5編と
小洒落たエピローグ1編
高校生たちのちょっと気まずい、どこか愛おしい日常の謎がしのび込む短編集。
本格ミステリというよりは、“気になるあの子との気まずい会話劇”や“ちょっとした思い違い”が、ふんわり解けていく感じ。
なかでも『夢の国には観覧車がない』は、ちょっと不思議で優しい後輩男子が可愛くて、その後の関係にうきうき。ちなみに先輩も男子です。
ラストのエピローグで、短編に登場したカレカノ達がふっと再登場するのも粋で、お上手でした。
「体育館の殺人」のシリーズよりも、わたしはこちらのほうが好みでした
青春の気まずさ、眩しくさ、優しさ、そんな5つの青春が、早朝の -
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平成という時代をコンセプトとする短編アンソロジー 実際に起きた事件、流行った物事をテーマとして
「加速していく」青崎有吾
JR福知山線脱線事故を題材として
事故当事者とならなかった少年の心象を描きながら、当時の安全管理労働環境を
「炎上屋尊徳」井上夢人
通信機器の変貌とネット環境の普及
運動部の体罰体質を隠蔽する学校とコーチへの報復 YouTubeバイトテロ等踏まえて
「半分大人」千澤のり子
平成の二分の一成人式」への反抗
私もこの家庭状況までカーストされるようなこの儀式は好きでない
ネグレクトと性虐待に苦しむ小学生達の策略
なかなか読ませる
「bye bye blackbird」 遊 -
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ネタバレ裏染天馬シリーズの番外編的な作品。
日常にある不可解な謎を推理して解決していく話。
どのお話も短いながらもまとまっていて面白かった。
個人的には針宮さんの話が1番良かった。針宮さんめっちゃ可愛い。
番外編なのもあって色んなキャラの新しい一面が見れたのが良かった。特に天馬。
ブラジャーを見たり、針宮さん達の関係を面白がったり、幽霊が怖かったり、サウナで張り合ったりとちゃんと高校生の男の子なんだなって感じた。
あとは親父こんな形で出てくんのかよとは思った。正直もうちょい引っ張ると思ってたし重い内容なのかと思ってたらめちゃくちゃくだらなそうな内容で笑った。
次回作が早く読みたい。 -
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ネタバレ裏染天馬シリーズの2作目。
今回は水族館で飼育員が首を切られた後に水槽に落とされてサメに喰われるという中々えげつないシチュエーション。文字だけで見るとシリアスな感じをイメージするけど実際はかなり読みやすい。
メインの登場人物が高校生なのもあってかなりキャッチーでコミカル。登場人物同士の掛け合いや天馬と柚乃が何回もデートかと聞かれたりするシーン、プールでの実験などクスッと笑えるシーンが多かった。
とても殺人事件に立ち向かっているとは思えない雰囲気で新鮮。まるで夏休みの自由研究をしているかのような印象を受けた。良い意味でミステリー小説っぽくなくてこのシリーズならではの良さだと思う。
なのに中身はし